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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・1部第10節マッチレポート

2019/08/14


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部10節は、8月7日(水)に6試合が行われた。


早稲田大学 対 桐蔭横浜大学 @NACK5スタジアム大宮


 前節は試合終盤に悔しい逆転負けを喫した早稲田大学(勝点7・9位)と、数的有利を活かして手堅く勝点3をもぎ取った桐蔭横浜大学(勝点15・6位)との一戦。

 試合は立ち上がりから攻守がめまぐるしく変わる、オープンな展開に。その中でも早大が優位に試合を進め、再三にわたり桐蔭大ゴールを脅かす。しかし桐蔭大もGK21番・早坂勇希が好守を見せ、早大のゴールを阻む。17分には、ディフェンスラインを上げて積極的に攻めの姿勢に出ていた早大に一瞬のほころびが生じる。桐蔭大は、相手陣内でボールを奪うと、6番・橘田健人、15番・松本幹太とボールをつなぎ、最後は裏に抜け出した11番・下村司にペナルティーエリア外からロングシュート。ふわりと浮かせたシュートは、前にポジションを取っていた早大GK、1番・笠原駿之介の頭上を越し、美しい軌道を描きながらゴールへと吸い込まれた。序盤は劣勢だった桐蔭大がワンチャンスを確実にし、ファーストシュートで先制点を挙げた。これで勢いにのった桐蔭大は21分、15番・松本が上げたクロスに11番・下村が反応。放ったヘディングシュートはバーに嫌われたものの、こぼれ球を8番・イサカゼインが右足で押し込み、立て続けにゴールを挙げる。0-2とリードを広げられた早大だったが、28分には6番・阿部隼人のコーナーキックに5番・杉山耕二が頭で合わせて1点を返す。

 後半に入ると、1点を追う早大が流れを引き寄せる。後半開始早々には、コーナーキックの混戦から相手のハンドで、ペナルティーキックを獲得。キッカーは8番・栗島健太。ゆっくりとした助走から右側を狙って放ったシュートは、コースを完全に読んだ桐蔭大のGK1番・早坂が横っ飛びでセーブ。弾かれたボールに早大7番・金田拓海が詰めるも、シュートは無情にも枠の外へと転がっていった。同点に追いつく絶好のチャンスを逃した早大だったが、早い時間帯に攻撃的な交代カードを切って反撃に移る。すると82分、その選手起用が結実する。後方からパスを受けた途中出場の39番・杉田将宏が、ゴール前で倒れこみながらもゴール左隅へとシュートを突き刺し、同点に追いつく。試合は振り出しに戻り、両チームともに果敢に攻め続けるが、残りわずかとなった86分、ついに試合が動いた。桐蔭大は13番・浅野嵩人が右サイドを駆け上がってクロスを上げると、ゴール前で15番・松本が右足で合わせ勝ち越しのゴールを決める。これが決勝ゴールとなり、桐蔭大が2連勝。相手の一瞬の隙を見逃さず、確実に仕留める勝負強さが光った。一方、敗れた早大は前節に引き続き試合終了間際の失点で2連敗。今季の勝負弱さを改めて露呈する試合となってしまった。



筑波大学 対 立正大学 @熊谷スポーツ文化公園陸上競技場


 勝利して順位を上げたい筑波大学(勝ち点17・5位)と、上位チーム相手の連敗は避けたい立正大学(勝ち点17・4位)の、4位と5位の直接対決。

 前半、筑波大は7番・三笘薫と14番・山原怜音の両サイドを起点にピッチを広く使い、立正大ゴールに襲い掛かる。耐える時間の長くなった立正大は、少ないチャンスを活かして筑波大ゴールに迫るが、結局どちらも得点できないまま0-0でハーフタイムを迎えた。

 後半は拮抗した展開となり、激しい球際の攻防戦が繰り広げられた。しかし両チームなかなか得点には至らず、スコアレスドローで終わるかと思われた89分、遂に試合の均衡が破られる。立正大は3番・鈴木康孝が右サイドからクロスを上げるとファーサイドにいた13番・武田夏輝がヘディングで折り返し、ゴール前で待っていた11番・見原慧が左足ダイレクトでゴールに突き刺す。待望の先制に成功した立正大が、残るアディショナルタイムも1点を守りきってタイムアップ。勝ち点17で並んでいた両チームの直接対決は立正大に軍配が上がり、立正大は3位に浮上。連敗を喫した筑波大は6位に後退した。


明治大学 対 中央大学 @浦和駒場スタジアム


 圧倒的な強さで首位をひた走る明治大学(勝点24・1位)と、リーグ序盤の勢いを取り戻して上位に食い込みたい中央大学(勝点11・8位)の一戦。

 明大のキックオフで始まった前半は、立ち上がりから明大が優勢に試合を進めた。すると開始早々の5分、11番・佐藤亮の鋭い縦パスが31番・安部柊斗へ繋がり中大GKと1対1へ。しかし31番・安部は落ち着いて右足シュートを放ち、明大が先制点を決める。さらに20分、中大のパスミスを19番・中川諒真がカットし、そのまま冷静にゴールへと流し込んで追加点。中大も10番・加藤陸次樹を中心に攻撃を仕掛けるが、明大の鋭いプレッシャーと堅い守備を前に、なかなかチャンスを作ることができない。さらには29分、中大のGK1番・飯吉将通にバックパスが渡ると、すかさず明大の31番・安部がプレスをかけて迫る。31番・安部は混戦の中でボールを奪うと、そのままゴールを決めて3-0に。明大が前半だけで3点をリードする展開となった。

 後半も前半同様に明大の素早いプレスが目立つものの、中大も細かくパスを繋ぎながらサイドを展開。8番・大久保智明のゴールへの切り込みが増えるものの、互いにゴールまで持ち込めない。膠着状態の中、明大は63分に10番・小柏剛を投入。すると72分、この10番・小柏が左サイドから抜け出してマイナスのクロス。ゴール前にフリーでいた2番・中村帆高がダイレクトシュートでゴールネットを揺らし、4-0と突き放す。中大も19番・三浦立、11番・太田翔をピッチに送り出して巻き返しを図るが、明大も3バックを中心とする堅い守備を崩せず、どうしてもゴールを割ることができない。結局、4-0のままでタイムアップ。明大が首位の強さを見せつけて、守備を堅持した。

 「自分たちの自信を過信にしないこと」がこの試合のテーマだったという明大・栗田大輔監督は「だからこそ、4得点より失点がなくてよかった」とほっとした表情。前半に3点と大きなリードを奪ったが、ハーフタイムには「相手に1点が入ればがらりと流れは変わる。後半の立ち上がりからプレスをかけ続けよう」と声をかけたという。結果、後半に1点を追加しての完勝。「中大は4-3-3のシステムでボールを扱うのがうまいから、運動量のある31番・安部を少し上げた」との狙いもあたった。ユニバーシアード代表の2番・中村、8番・森下龍矢、10番・小柏の「絶好調」なうえ、連戦を見越して5番・須貝英大、6番・瀬古樹をベンチに控えさせる"余裕"も。他を圧倒する選手層の厚さは、明大ならでは。これで2位以下と勝点6差が開き、首位ターンが確定。しかし栗田監督は気を緩めず「ここで負けるのと、勝って前期を終えるのでは違う」と、"夏の3連勝"を誓った



東洋大学 対 流通経済大学 @龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド


 5試合ぶりの勝利を目指す東洋大学(勝点4・11位)と開幕戦で引き分けて以来全敗中の流通経済大学(勝点1・12位)の一戦。

 ともに降格圏にいる11位と12位の直接対決。互いに絶対に負けられない試合との意識も強く、試合は拮抗した展開となった。しかし8分、流経大の24番・佐々木旭がサイドで粘り、ゴール前にクロスを入れると10番・山口大輝がこれに合わせ、流経大が先制する。一方の東洋大は前半を通じてシュートわずか1本と、ほとんど決定機をつくれないまま前半を終えることとなった。

 後半に入っても、流経大が1点リードのままなかなか試合は動かない。両チームとも攻め込みながらも好機を逸し、膠着状態に。東洋大は60分に9番・荒川勇気、11番・小林拓夢のFW2枚を一気に投入。さらには71分、ルーキーの26番・前田泰良をピッチに送り出し、なんとか試合の流れを変えようとする。しかし、皮肉にも次のチャンスを決めたのは"動かなかった"流経大だった。後半も半ば過ぎとなった75分、流経大の19番・村越健太は、14番・安居海渡からボールを受けると、が左サイドからゴール前にカットイン。そのまま右足を振り抜き追加点。リードを2点差に広げた。東洋大はボールを保するも、ゴールの形にまで持ち込めず0-2のままタイムアップ。90分通して球際、競り合いなどで圧倒した流経大が勝利し、待望の今季リーグ戦初勝利を挙げた。


法政大学 対 専修大学 @法政大学城山サッカー場


 上位浮上のきっかけを掴みたい法政大学(勝点14・7位)と前節5試合ぶりの勝利を挙げ、連勝を目指す専修大学(勝点7・10位)の一戦。

 激しい打ち合いの火蓋を切ったのは法大だった。まずは12分、相手ゴール前の崩しから、19番・平山駿が右足を振り抜いて先制する。しかしその5分後の17分、専大は前節ハットトリックの10番・氣田亮真がフリーキックを直接決めて同点に追い付く。勢いに乗った専大は33分にも、5番・鹿沼直生がカットしたボールを受けて10番・氣田がゴールネットを揺らすと、後半に入った52分には三度10番・氣田がドリブルで持ち込みシュート。これで氣田は2試合連続ハットトリックの偉業を達成した。

 1-3とリードした専大だったが、その後の流れは法大に傾く。54分には10番・平山がヘディングでこの試合2点目となるゴールを決めると、66分には法大がペナルティーキックを獲得。これを28番・田中和樹が決め、ついに法大が同点に追いつく。スコアが3-3となったあとは一進一退の攻防が続いたが、試合終了間際の90分に勝敗は決した専大は途中出場の40番・剱持雅也が左からクロスを挙げると、こちらも途中出場の32番・林一輝が右足で押し込み勝ち越し点を決める。このゴールが決勝点となり、試合は終了。専大が2試合連続となる劇的な決勝点で連勝を飾った。一方の法大は4試合ぶりの敗戦となった。


駒澤大学 対 順天堂大学 @順天堂大学さくらキャンパスサッカー場


 中断期間を挟んで現在2連勝中。このまま勢いに乗りたい駒澤大学(勝点19・2位)と、前節は見事逆転勝利を収めた順天堂大学(勝点18・3位)の一戦。

 勝点1差の2位と3位の上位対決。順大が勝てば順位が入れ替わるという大一番だ。試合は開始直後から駒大が果敢に攻撃を仕掛け、正確なロングボールをトップの19番・森本ヒマンに配給してゴールを狙う。対する順大は自陣からしっかりボールを繋ぎ、10番・旗手怜央を中心に攻撃を組み立てる。すると36分、順大は18番・大森真吾が右サイドを崩すと、ボールを10番・旗手へ。これを冷静に決め、順大が先制する。

 後半序盤は1点リードの順大がペースを握った。ボランチの31番・津島孝至がボールを保持して試合を組み立てが、後半も半ば過ぎになると徐々に駒大ペースへとシフトしていく。駒大はサイドからクロスボールを放り込み、数々のチャンスを演出。70分には8番・横山玄徳からの浮き球を、9番・髙橋潤哉が繋ぎ、最後には10番・薬真寺孝弥が右足を振り抜いて同点弾。スコアを1-1とし、駒大が追いつく。しかし78分、順大は10番・旗手のパスを受けた18番・大森真吾がドリブルで右サイドを突破。そのまま右足で追加点を決め、再び駒大からリードを奪う。これが決勝点となり、試合は1-2で順大が勝利を収めた。10番・旗手、18番・大森のコンビネーションによる2得点、そして18番・大森の2試合連続ゴールで駒大を下した順大は、これで2位に浮上。と同時に、『「アミノバイタル?」カップ』の3回戦で敗れたリベンジも果たした。



 今節は首位の明大が中大に4-0で圧勝し、2位以下に勝点6差をつけて前期の首位ターンを確定させた。一方で2位以下は大混戦模様だ。2位と3位の直接対決は、順大が駒大に勝利して順位が逆転。順大が2位に浮上した。また前節、専大と打ち合いの末に敗れた筑波大は、今節も立正大0-1と惜敗。連敗を喫し、さらに順位を下げる結果となった。一方で開幕戦以降勝点がなかった流経大はついに今季初勝利。未だ最下位ながら、11位の東洋大と勝点で追いついた。前期も残り1節。2位以下の勝点差は詰まっているだけに、前期最後の試合でもまだまだ順位の変動はありそうだ。

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