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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・2部第21節マッチレポート

2019/11/22



 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』2部リーグ第21節は、11月16日(土)に4試合、11月17日(日)に2試合が行われた。


国士舘大学 対 日本体育大学 @中台運動公園陸上競技場


 引き分け以上で2年ぶりの1部リーグ復帰が決定する国士舘大学(勝点39・2位)と、昇格に望みをつなげるには勝利しかない日本体育大学(勝点35・3位)の一戦。

 1部リーグ昇格を争う両チームの直接対決。試合は序盤から大きく動いた。まずは試合開始直後の1分、勝たなければ昇格のない日体大にチャンスが訪れる。敵陣ゴール前でボールをインターセプトした9番・寺下裕貴が、冷静に右足で流し込み先制点を挙げる。しかし、その直後の5分、今度は国士大が同点に追いつく。センターバックの15番・綱島悠斗が自陣から、ボランチの6番・松本拓海へとパス。受けた6番・松本が敵陣に向けて大きくクリアしたボールが、日体大のGK、1番・鈴木透の頭上を越えてゴールに吸い込まれる。「GKは逆光で、光が目に入ったのかもしれない」と国士大・細田三二監督代行が推測する、思いもよらぬ形の同点弾。さらに19分には6番・松本の左サイドからの鋭いクロスに、36番・福原昭が頭で合わせ、国士大が逆転に成功する。また22分には自陣からのロングボールを11番・髙橋利樹が胸で落とし、そのボールに36番・福原が反応。相手守備網をかいくぐると、左足で流し込んで追加点を挙げる。しかし、日体大もこのままでは終わらない。26分には、日体大の11番・大曽根広汰がペナルティーエリア内でファウルを受け、ペナルティーキックを獲得。これを18番・飛鷹啓介が冷静に決めて、1点差に詰め寄る。だが、国士大の攻撃陣はとどまることなく、34分には、左サイドに流れた11番・髙橋がグラウンダーのクロスに、8番・谷村海那が右足でうまく合わせ、4点目をマーク。4-2という、激しいゴールの奪い合いで前半を終えた。

 しかし後半に入ると一転、互いに攻め合うもののなかなか得点に結びつかない。「2点差のリードというより、4点をとったことに安心してしまったのかもしれない」(国士大・細田監督代行)。国士大は流れを変えるべく、この日はベンチスタートだった10番・明本考浩を投入。対する日体大は19番・河村慶人を投入など、互いに攻撃的なカードを切るが、得点には至らない。勝利が欲しい日体大はパワープレーで国士大ゴールをこじ開けにかかるが、国士大も体を張ったプレーでこれを阻止。試合終了間際の90+4分には、国士大の主将、3番・住吉ジェラニレショーンが2枚目の警告を受けて退場となったが、最後まで集中したプレーを見せた国士大が2点差を守りきり、4-2で勝利を収めた。

 この勝利で、国士大は1年での1部リーグ復帰が確定。細田監督代行は「お互い、1点目はアクシデントみたいなものだった」と苦笑い。しかし国士大が予想外の形で追いついたことで「相手が焦り始めたのだと思う」と細田監督代行。結果、試合の流れは大きく国士大に傾いた。だが、勝利に喜ぶのは今日まで。「1年での1部復帰を喜ぶより、エレベーターみたいに上がったり下がったりの状況をなんとかしないと」と危機感を抱く。そのためにも「来年、選手たちがどう出るか。今の技量だけでは1部に残ってはいけない。もっと鍛え直さないと」と気を引き締めた。

 またこの試合で3位の日体大が敗れたことにより、1位の慶應義塾大学の、3年ぶりの1部リーグ復帰も決定した。




慶應義塾大学 対 拓殖大学 @中台運動公園陸上競技場


 2部リーグ優勝を飾るため、3試合ぶりの勝利を目指す慶應義塾大学(勝点41・1位)と、少しでも上位で今季を終えたい拓殖大学(勝点33・4位)の一戦。

同会場での第1試合、国士舘大学対日本体育大学の結果により、試合前に慶大の3年ぶりの1部リーグ復帰が決定。慶大は2部リーグ優勝に目標を切り替え、試合に臨むこととなった。しかし、序盤は昇格の可能性のなくなった拓大が試合を支配。単なる消化試合とはせず、持ち前のポゼッションサッカーを展開する。6番・清水祐貴と8番・奥村晃司がセカンドボールを回収して主導権を握ると、9番・長尾吉家が馬力のある個人技で慶大ゴールに襲いかかる。しかし慶大も、今季1試合平均1失点という、高い守備力を誇る3バックが得点を許さない。慶大もU-20全日本大学選抜の14番・橋本健人を中心に攻めるが、得点には至らずスコアレスで前半を終えた。

後半は立ち上がりから慶大が攻勢を強め、試合のリズムを掴む。すると67分、7番・佐藤海徳からボールを受けた14番・橋本がアーリークロスを供給。それに33番・内桶峻が右足で合わせ、慶大が先制点を挙げる。この日献身的な動きに奔走していた33番・内桶が「必ずチャンスはくると思っていた」という言葉どおりに好機を演出。一方の拓大は、前節で劇的なゴールを挙げた32番・山中麗央をはじめとする、フレッシュな攻撃陣を投入してゴールを狙う。しかし、慶大守備陣が最後まで高い集中力を見せ、1-0で試合終了。33番・内桶の虎の子の1点を守り切った慶大が勝利した。




日本大学 対 青山学院大学 @相模原ギオンスタジアム


 残り2節となった後期リーグで、未だ勝利のない日本大学(勝点25・8位)と、勝点を積み上げて関東リーグ残留を決めたい青山学院大学(勝点21・9位)の一戦。

 前半は両チーム中心選手がシュートを放つも、得点を決めきれず、スコアレスで前半を終える。

 そんな前半とは一転、後半に入ると試合は一気に動いた。まずは開始早々の47分。中央でボールを受けた日大8番・金子拓郎が、華麗なドリブルでゴール前までボールを運ぶと、そのまま左足のシュートを放ち、日大が先制点を挙げる。しかし青学大もすぐに反撃の狼煙を挙げる。55分、青学大コーナーキックを獲得。7番・尾ノ上幸生が右コーナーから蹴り入れたボールを、9番・大竹将吾がヘディングシュートでゴールへと突き刺し、青学大が同点に追いつく。さらに66分、青学大は9番・大竹、7番・尾ノ上が次々とシュートを放ち、それを相手GKが弾く混戦模様に。最後は32番・福田寛人が頭で押し込み、ついに青学大が逆転に成功する。しかし日大も果敢に攻撃を仕掛け、右サイドの8番・金子が逆サイドの24番・西羽開へと大きく展開。ゴール前の20番・鬼京へとパスを出すと、それを20番・鬼京が右足で決めて、今度は日大が同点に追いつく。しかし、負ければ後がない青学大も粘りを見せる。85分には、9番・大竹のシュートのこぼれ球を、6番・佐藤凌輔が押し込んで青学大がリード。このまま青学大が勝利かと思われた90+4分、ゴール前のこぼれ球を今度は日大のキャプテン3番・長谷川雄介が左足でシュート。これが決まり、またもや日大が追いつく。結局、試合は3-3で終了。後半の怒涛の得点ラッシュの末、勝点1を分け合う結果となった。


東海大学 対 関東学院大学 @県立保土ヶ谷公園サッカー場


 前節で日本体育大学に競り負け、降格圏内の11位に後退した東海大学(勝点18・11位)と、1部リーグ昇格の望みは潰えたものの関東リーグ残留が確定し、来季に繋げる試合を目指す関東学院大学(勝点31・5位)の一戦。

 両校同時開催の集中応援の中、大声援を背に試合はキックオフを迎えた。両チームロングボールを多用したオープンな展開の中、関学大はエース10番・見木友哉を出場停止で欠いた影響からか、攻め手がなくゴールを決めきれない。すると21分、東海大は5番・面矢行斗のフィードを起点に関学大陣地深くに侵入。パスを受けた7番・武井成豪が、オーバーラップした5番・面矢とのパス交換でゴール正面へ。丁寧に放った右足のシュートは、ゆっくりと軌道を描き、ゴール右隅へと突き刺さった。東海大はその後も攻め続けるが、得点はこの1点のみ。1-0で前半を終える。

 後半も東海大がボールを支配するが、なかなか追加点を挙げられない。ゴール正面で得た8番・丸山智弘のフリーキックはバーを直撃。すると関学大もチャンスを窺い、70分には途中出場の9番・今村優介が裏へと抜け出し、混戦の中でゴールを決め同点に追いつく。その後は 両チーム勝点3を狙って最後まで攻め続けたが、追加点を奪えずにタイムアップ。東海大はリードを守りきれず、11位のまま。降格圏から抜け出すことが叶わなかった。東海大はこれで自力での残留の望みがなくなり、最終節で勝利したうえ、立教大学と青山学院大学の試合結果を待つこととなった。


立教大学 対 東京学芸大学 @日立市民運動公園陸上競技場


 関東リーグ残留を懸けた下位チーム同士の直接対決。勝って残留争いから抜け出したい立教大学(勝点18・10位)と、負けたら降格が決まる東京学芸大学(勝点17・12位)の一戦。

 10位の立教大学と、最下位に沈む東京学芸大学の勝点差はわずかに1。残留を懸けた両チームの大一番だ。試合は開始直後から一進一退の攻防戦が続くも、次第に立教大ペースに。立教大は30分、左コーナーキックを獲得すると、10番・吉田直矢がゴール前へとボールを蹴り入れる。一度は東学大ディフェンスがブロックしたが、こぼれ球を拾った37番・奥谷康平がダイレクトで押し込み、立教大が待望の先制点を挙げる。その後は立教大が守りを固めて東学大に得点を許さず、1点リードのまま試合を折り返した。

 負けられない東学大は、後半に入ると怒涛の攻撃を展開。後半だけでコーナーキックを8本も獲得するが、立教大の守護神、1番・栗山聖や4番・井浦智史ら4年生の守備陣が身体を張ったプレーでゴールを死守。90分を通して、両チームで20回のファウル、そして3枚のイエローカードが出るなど、次第に荒れた試合となったが、最後まで東学大の攻撃を跳ね返した立教大が先制点を守りきって勝利。貴重な勝点3を手にした。
 敗れた東学大は11位以下が確定し、東京都リーグへの降格が決定。立教大は降格圏の11位・東海大学との勝点差を2に広げたが、まだまだ残留は確定していない。すべては最終節の結果次第となった。


東京国際大学 対 産業能率大学 @日立市民運動公園陸上競技場


 関東リーグ残留は決まったものの1つでも順位を上げてリーグ戦を終えたい東京国際大学(勝点26・6位)と、来シーズンに向けて残り2節で連勝が欲しい産業能率大学(勝点25・7位)の一戦。

 試合は、開始直後から産能大がボールを支配。18分には、ゴール前中央で細かく崩してチャンスを作り、最後は9番・土田聖也が右足を振り抜いて産能大が先制する。産能大はさらに28分、14番・田口雄太からのクロスを18番・吉田伊吹が決めて2-0に。産能大がこのまま東国大を引き離すかと思われたが、東国大もここから反撃を開始。40分には、23番・福井聖也の右サイドからのフリーキックに、期待のルーキー29番・師岡柊生が技ありヘディングシュートを決めて1点差に迫る。直後の41分には、8番・荒木秀太、6番・小林友也と繋ぎ、最後は27番・石川竣祐のミドルシュートが決まって2-2-に。前半のうちに東国大が追いつき、試合を振り出しに戻した。

 後半も両チーム迫力のある攻撃を見せるが、なかなかゴールを割ることができない。試合時間も残りわずかとなった86分には、産能大がペナルティーキックを獲得。しかし18番・吉田が放ったシュートは無情にも枠の外へ。産能大は勝ち越し点を得る絶好のチャンスを逃し、そのまま試合は終了。2-2のドローで、両チーム勝点1を分け合う結果となった。



 最終節の第22節は、11月23日(土)に柏の葉公園総合競技場で日本体育大学と東京学芸大学が、龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて東京国際大学と立教大学が激突する。また、中央大学多摩キャンパスサッカー場にて慶應義塾大学と日本大学、国士舘大学町田キャンパスサッカー場で国士舘大学と青山学院大学が対戦する。そして、拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場では拓殖大学と関東学院大学、産業能率大学第2グラウンドで東海大学と産業能率大学の試合が行われる。

 国士舘大学が日本体育大学との2位・3位の直接対決を制し、1年での1部リーグ復帰が決まった。また日体大が敗れたことで慶應義塾大学も来季、3年ぶりの1部リーグ復帰が決定。また混戦模様だった残留争いも、東京学芸大学が立教大学に敗れたことで、ついに東京都リーグへの降格が決まった。降格の可能性があるのは、青山学院大学、立教大学、そして東海大学の3チーム。最終節では、この3チームが残り2枠となった関東リーグ残留の椅子を争う。
 4月に始まった『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』も第21節を消化し、残すはあと90分のみ。最終節は2部リーグの全試合が11:30に同時キックオフ。2部リーグの頂点に立つのは慶應義塾大学か、それとも逆転優勝を狙う国士舘大学か。また、関東の舞台に踏み留まるのはどのチームになるのか。泣いても笑っても、残りあと1試合。ラストプレーを見逃すな。
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