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JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦・1部第17節マッチレポート

2021/02/06


 『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦』1部第17節延期試合は、12月25日(金)に2試合が行われた。

法政大学 対 立正大学


 2日前に行われた第15節の延期試合では4-0で快勝、全国大会に向け連勝を狙う法政大学(勝点33・暫定5位)と、直近の試合では2点のリードを守れず逆転負けを喫した立正大学(勝点27・暫定8位)の一戦。

 ロングフィードを多用する法大は、序盤から3番・高木友也や31番・森岡陸が最終ラインから前線に長いボールを蹴り入れる。しかし、ラインを高く保つ立正大の対策にはまり、オフサイドを取られてしまう。一方の立正大は、後方からのビルドアップで攻撃を展開。左サイドの11番・田中宏武が果敢にドリブルを仕掛けてクロスを狙うが、対峙する法大の23番・関口正大が気迫あふれるプレーで簡単にはクロスを上げさせない。スコアが動いたのは11分。立正大の18番・平松昇が蹴ったコーナーキックは一度クリアされるものの、こぼれ球を18番・平松自身が拾って再びクロス。飛び出してきた法大GKはこれを処理できず、ボールはファーサイドに流れる。それを5番・平松航がダイレクトでねじ込み、立正大が先制する。16分、再び立正大がコーナーキックからチャンスを獲得。セカンドボールを拾った18番・平松から9番・小川大智へとつなぐが、これは惜しくもオフサイドの判定に。21分にはカウンターから左サイドにボールを展開し、これを受けた11番・田中が中央にクロスを上げたが味方には合わず。先制点を挙げた立正大が、追加点を目指し攻撃をたたみかける。対して追い付きたい法大は、31分に中盤の舵取り役を担っていた6番・松井蓮之が負傷交代するアクシデント。11番・服部剛大を中心に攻撃を仕掛け、立正大の2本を上回る4本のシュートを放つものの、立正大GK1番・深谷圭佑の好セーブに阻まれてゴールネットを揺らせない。激しい攻防戦が繰り広げられる一戦は、立正大1点リードで前半が終了した。

 後半は立ち上がりから法大ペースとなった。左サイドを上下に駆ける3番・高木がキーマンとなり、試合の主導権を握る。立正大は前半同様、最終ラインを高く保持して前から圧力をかけ、これに対応。すると59分、立正大は中盤で細かくパスをつなぐと、ボールを受けた右サイドの18番・平松が運んでクロスを上げる。これを9番・小川がワントラップから反転してシュート。ボールはゴール右隅に吸い込まれ、立正大が追加点をあげる。リードを広げられた法大は、直近の試合で2ゴールを決めている15番・飯島陸が2本のシュートを放つが、ゴールにはつながらない。70分に途中出場の20番・佐藤大樹が上げたクロスも、立正大の守備陣にクリアされてしまった。それでも89分には、23番・関口が右サイドからゴール前に侵入。パスを受けた9番・平山駿が振り向きざまにシュートを放ち1点を返す。しかしその後は立正大の好守を前にチャンスを作れず試合終了。

 今季これまで出場機会のなかった4年生GK21番・野尻豪を終盤に投入するなど、全員の力で耐え抜いた立正大が今季最後の公式戦を勝利で飾った。




駒澤大学 対 専修大学


 終盤に失速し、全国大会出場権を逃した駒澤大学(勝点29・暫定6位)と、直近の試合で大敗を喫し、1部リーグ残留に後がなくなった専修大学(勝点20・暫定11位)の一戦。

 この試合に敗れれば2部リーグ降格が決定。勝利しても10位の筑波大学が勝利すれば降格が決まる絶体絶命の専大。1部残留を懸けた試合は、前半に接触プレーから駒大と専大の選手1人ずつに流血者が出るなど激しい攻防戦が繰り広げられた。試合の主導権を握った駒大は、得点王争いでトップに立つ10番・薬真寺孝弥が起点となり、専大ゴールに襲い掛かる。直近の試合では4失点を喫した専大だが、この試合では守備陣が奮闘。しかし前半終了間際の44分、ついに試合が動く。駒大は自陣でボールをカットすると、速攻から右サイドへ。専大GKが駒大のクロスをクリアしきれず混戦となると、駒大の33番・三浦岳文がセカンドボールに競り勝つと、最後は15番・米谷拓海が頭で無人のゴールに押し込んだ。駒大が先制し、ほどなくして前半は終了した。

 後半に入ると駒大はロングスローから波状攻撃を繰り広げ、52分には専大DFのクリアボールをつなぐ。するとペナルティーエリア外から放った13番・江﨑巧朗のシュート性のパスが33番・三浦の足元へ。33番・三浦が左に流すと15番・米谷が強烈なシュートを突き刺して追加点。駒大がリードを2点と広げた。後半に入っても攻め手を欠いていたが専大だが、57分に8番・冨山大輔を投入するとセットプレーからチャンスを演出。しかし、それでも駒大の勢いは止まらない。61分、10番・薬真寺の蹴り入れたコーナーキックに、13番・江﨑がヘディングシュートで合わせて3点目を挙げる。78分には、専大も8番・冨山のコーナーキックに4番・遠藤光が頭で合わせて1点を返すが反撃はここまで。

 攻守にわたって駒大が強さを見せつけ、勝点3を積み上げた。一方の専大はこれで2部リーグ降格が決定。後期リーグ終盤に3連勝を含む5戦負けなしを記録するなど最後まで意地を見せたが、ここで力尽きる結果に。1勝しかできなかった前期リーグの不振が響き、1部リーグ4連覇を成し遂げる直前の2010年以来、11年振りに2部リーグで戦うことになった。





『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦』1部第17節は、12月2日(水)に延期分1試合が行われた。


桐蔭横浜大学 対 国士舘大学


 全国大会出場のために勝利が欲しい桐蔭横浜大学(勝点27・暫定5位)と、連敗を止めて上位グループ復帰を目指す国士舘大学(勝点26・暫定6位)の一戦。

 雨が降りしきる中、開始早々チャンスを作ったのは国士大だった。7分、11番・梶谷政仁のヘディングシュートが桐蔭大ゴールを襲う。さらに15分には、18番・高橋尚紀が左足での鋭いシュートを放つ。しかし、桐蔭大GK1番・早坂勇希が連続で素晴らしいセーブを見せ、いずれの決定機もゴールラインを割らせない。対する桐蔭大も24分、11番・篠原友哉のヘディングシュートを皮切りに、10番・鳥海芳樹や11番・篠原らが立て続けに決定機を迎えるが、こちらも国士大GK21番・飯田雅浩を中心に堅固な守りの前にチャンスを活かすことができない。40分には、国士大の11番・梶谷がゴールネットを揺らすもこれはオフサイドの判定。一進一退の攻防が続き、両者譲らない展開のまま後半へ。

 後半に入り、先手を取ったのは国士大。58分、相手のクリアボールに反応した33番・棚橋尭士が右足を振り抜くと、ボールは美しい軌道を描いてゴールに吸い込まれる。33番・棚橋の3試合連続ゴールで国士大が先制に成功。しかし、桐蔭大がすぐさま追いつく。60分、桐蔭大は6番・橘田健人のダイレクトパスに反応した8番・加々美登生が背後に抜け出し、ワントラップから左足で冷静に流し込んで同点とする。さらに攻勢を強めたい桐蔭大は、次々と攻撃的な選手を送り込み、追加点を狙う。すると85分、桐蔭大が執念の逆転ゴールを奪う。右からのコーナーキックを獲得した桐蔭大、6番・橘田の正確なキックに合わせたのは、25番・中野就斗。マークを振り切ってニアに走り込み、強烈なヘディングシュートを突き刺した。試合はそのまま2-1で終了。逆転勝利を飾った桐蔭大が、全国大会出場権獲得に大きく近づく勝点3を手にした。




 『JR東日本カップ2020第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ17節は、11月14日(土)に2試合、11月15日(日)に1試合が行われた。


慶應義塾大学 対 順天堂大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド


 後期リーグ未だ勝利なし、今節こそ勝点を獲りたい慶應義塾大学(勝点16・暫定9位)と、勝利して上位浮上のきっかけとしたい順天堂大学(勝点26・暫定5位)の一戦。

 両チーム、慎重な立ち上がりとなった。最初のチャンスは順大。7番・杉山直宏の右からのコーナーキックは、慶大のGK1番・田原智司の正面へ。立ち上がりからボールを持つ時間帯の多かった順大は、最終ラインでしっかりと組み立て、FWの18番・大森真吾を起点に試合を動かそうと試みる。一方の慶大にも最初のチャンス。相手のミスからショートカウンターを展開。10番・松岡瑠夢を起点にパスをつなぐと、19番・宮本稜大と9番・古川紘平の2トップがゴールへと襲い掛かるも。しかしシュートを放つまでは至らない。25分には、相手ゴール前でパスミスを拾った9番・古川が、ペナルティーエリア外からシュートを放つが、これは順大GK1番・佐藤久弥の正面に。順大も、40分には18番・大森からのボールを26番・新関成弥が左足でダイレクトシュート。しかしこちらも相手GKに阻まれてネットを揺らせない。その後は目立ったチャンスはなく、0-0のまま前半が終了した。

 後半も拮抗した試合展開となった。51分には、慶大DFのハンドにより、順大が直接フリーキックを獲得。7番・杉山が直接狙うが、壁に跳ね返されてしまう。スコアレスのまま時間だけが過ぎるが、70分、ついに順大が試合を動かす。14番・津島孝至の、ハーフウェーライン付近からの前線へのフィードを、18番・大森が丁寧に処理。前を向いて放ったシュートは、相手GKに触られながらもゴールラインを割り、順大が先制に成功する。だが、慶大も黙ってはいない。順大の得点の1分後には、絶好のチャンスを迎える。途中出場の11番・内桶峻がDFラインの裏へと抜け出し、GKと一対一に。ループシュートを狙うが、クロスバーに阻まれてしまう。さらに、跳ね返ってきたボールを19番・宮本がヘディングで押し込むが、これは順大DFがクリア。その後も慶大は攻勢に出るが、順大も24番・小林夏生、2番・山﨑大地らが冷静に対応。慶大に決定機を作らせない。順大は試合終了間際、交代で入った9番・上野瑶介が相手のコーナーキックからカウンターを仕掛けてボールを運び、25番・後藤裕二にパス。しかし放ったシュートは枠の上。1-0のまま試合は終了した。

 勝った順大は5位から4位に浮上。3位の駒澤大学と勝点で並び、3位も視野に入ってきた。一方の慶大はまたしても勝利を逃し、10位に後退。降格圏とは2ゲーム以上差がついているものの、そろそろ勝点を挙げないと厳しい状況に追い込まれるだろう。


明治大学 対 早稲田大学 @AGFフィールド


前節の国士舘大学戦で敗れ首位の座を明け渡した明治大学(勝点34・暫定2位)と、前節の引き分けで明大に並び、得失点差で首位に浮上した早稲田大学(勝点34・暫定1位)の一戦。

 勝点で並ぶ両チームの首位攻防戦。満員御礼となったスタジアムは、試合開始前から最高潮の盛り上がりを見せた。両者のプライドがぶつかり合う、激しい展開となった試合は、序盤から明大が主導権を握る。明大は攻撃的なフォーメーションから繰り出される流動性の高いパスワークに加え、個人技も織り交ぜながら早大ゴールへと襲い掛かる。対する早大はキャプテンの5番・杉山耕二と、GK1番・山田晃士を中心とした堅い守備からリズムを作る。ともに球際の攻防戦では激しさを見せるが、今季の関東リーグを牽引する両チームとあって、狭いエリアでも高い技術力で巧みな抜け出しを見せる。明大は18番・杉浦文哉が中央から思い切りの良いミドルシュートを放ち、キャプテンの5番・須貝英大も左サイドから右足を振り抜くなどしてゴールを狙うが、早大のGK、1番・山田のセーブに阻まれる。早大も10番・加藤拓己をターゲットに、ロングボールや二列目の選手の追い越し、サイド攻撃など多彩なバリエーションで明大ゴールに迫るが、シュートまでは持ち込めない。0-0のまま前半終了かと思われたが、45+4分に王者・明大が試合を動かす。センターバックの3番・佐藤瑶大が自陣からの正確なロングフィードを放つと、これに抜け出した11番・佐藤凌我が右足を振り抜く。豪快なシュートはバーをかすめながらもゴールに吸い込まれ、明大が先制点を挙げて前半を終える。

 前半はシュート0本に抑え込まれた早大。後半は中盤から攻め込む形を増やし、途中出場の19番・倉持快の右サイドからのアーリークロスに8番・田中雄大が合わせるが、シュートは枠の外に。この天王山に負けるわけにはいかない早大は、試合終盤には怒涛の攻撃を展開。アディショナルタイムへ突入すると、相手ゴール前で波状攻撃を見せる。早大は最後まで決定機を作り、5番・杉山が放ったボレーシュートは決まったかと思われたが、シュートは無情にもポストを直撃。これを明大DFが決死のクリアをしたところでタイムアップ。今後の優勝争いを左右する天王山は明大が制し、首位に再浮上した。

 明大の栗田大輔監督は「1点を争うゲームになると思っていた」とコメント。後半は攻め込まれる時間が増え「修正すべき点は多い」としながらも「今日は試合を通じて明大が積極性を出せた。今日は大学サッカーで一番いいゲームができるといいと思っていたので」と満足げな表情を見せた。決勝点を挙げた11番・佐藤凌我は、第2節から守り続けてきた首位から陥落してきたことに責任を感じ「この1週間、ずっと裏を抜け出す練習を重ねてきた」とコメント。「(3番・佐藤)瑶大からきたボールは、長さも強さもちょうどよく、あとは力強く打つだけだった」という。ただ「ゴール以外の部分で満足のいくプレーはない」ときっぱり。さらなる向上を誓った。

 一方、天王山に敗れ再び2位後退となった早大。外池大亮監督は「勝って、これまで積み上げてきたもので、課題を乗り越えようと思っていただけに残念」と肩を落とした。課題ははっきりしている。「ここ2試合、「アミノバイタル®」カップの決勝戦を含め、90分内でとれたゴールがペナルティーキックしかない」という得点力の欠乏。今季は「何よりもゴールを主眼に置いてきた」という言葉どおり、今季は最多得点を挙げ、得失点差では圧倒的有利な状態でこの天王山に臨んだ。しかし結果はまたもや0得点。「ここで勝てば明大に勝点3差をつけられた」(主将・5番・杉山耕二)というチャンスを逃す結果となった。だが、まだ勝負はついていない。「2位ではあるが、常にたくましく、高みを目指せるチームでありたい」(同監督)という早大にとってはここが正念場。優勝戦線はまだまだ熱い。




筑波大学 対 中央大学 @味の素フィールド西が丘


 昨季の中筑戦に続き、今季も勝利したい筑波大学(勝点14・暫定10位)と、降格圏から抜け出すためにも絶対に負けられない中央大学(勝点9・暫定11位)の一戦。

 コロナ禍のため開催が困難となっていた『中筑サッカー定期戦』。それが、リーグ戦内の一戦として行われることとなった。午前中には同会場で「中筑定期戦 ・二軍戦」を実施。4年生同士の激突は、2-1で筑波大の勝利で終わった。二軍戦の熱量を保ったまま始まったこの試合は、62年の伝統を誇る中筑戦に相応しくインテンシティの高いゲームとなった。両チーム、ゴール前に抜け出すシーンやセットプレーからの得点を予感させたが、筑波大GK1番・櫻庭立樹と中大GK45番・猪越優惟、両チームGKの立て続けのファインセーブにより、スコアレスで前半を終える。

 後半、筑波大は33番・庄司夢ノ介と8番・知久航介を投入して攻撃の活性化をはかる。しかし中大も東京ヴェルディ内定の3番・深澤大輝を中心に、筑波大の攻撃を跳ね返す。両チームゴールネットを揺らせないまま、試合は終盤に突入。すると81分、筑波大は27番・瀬良俊太に代えて、16番・石川吉輝を投入し勝負に出る。この起用が的中。投入直後から得意のドリブルで積極的にゴールを目指していた16番・石川が試合を動かした。90+2分、中大DFがクリアしたボールを、高い位置にいた筑波大の3番・角田涼太朗が拾うと前線へとボールを送る。そのボールに反応したのが16番・石川。豪快に右足を振りぬき、ゴールへと突き刺した。「1度仕掛けたシュートは外していたので、次は思い切りけろうと思っていた。勇気を持って足を降ってよかった」(16番・石川)。結果、筑波大が劇的なアディショナルタイムの得点を守り切り、試合は終了。

 6年前の11月15日、中大に敗戦し2部リーグに降格した苦い思い出がある筑波大にとって、中大は因縁のチーム。4年生のゴールで中大に勝ったことは、勝点3以上の価値を持つ。一方の中大は、この敗戦で10位との差をさらに広げる結果に。目の前で逃した勝点1に、選手たちががっくりと肩を落とした。



 次節の第18節は、11月21日(土)に流通経済大学龍ケ崎フィールドで11:00から慶應義塾大学と筑波大学が、13:30からは桐蔭横浜大学と立正大学が対戦する。また早稲田大学と順天堂大学、国士舘大学と専修大学の試合も行われる。

 明大と早大の首位争いは、前半終了間際の得点を守り切った明大が勝利。早大と勝点3差をつけて首位に返り咲いた。延期試合を消化して連戦となった順大は、慶大相手に苦戦しながらも勝利を収めた、順位を上げている。「中筑定期戦」として行われた筑波大と中大の一戦は、4年生同士の対決である二軍戦とともに、筑波大に軍配が上がった。

 新型コロナウイルス感染症の影響で3試合の実施に留まった第17節だが、天王山ともいうべき明大と早大の首位攻防戦が行われるなど、残りわずかとなったリーグ戦は熱戦が繰り広げられている。節ごとに入れ替わる首位戦線、そして全国大会出場を懸けた戦いなど、見どころは多数。次節も熱量の高い試合を期待したい。
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