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JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦・1部第13節マッチレポート

2020/10/23


 『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ13節は、10月17日(土)に6試合が行われた。


明治大学 対 専修大学 @国士舘大学楓の杜キャンパスグラウンド


 後期リーグも幸先の良いスタートを切った明治大学(勝点28・暫定1位)と、約1ヶ月ぶりの公式戦となる専修大学(勝点4・暫定12位)の一戦。

 首位と最下位という対極の立場にある両者だが、前期リーグでは2-1と接戦を演じた。激しい雨が降るこの日も激しい攻防を繰り広げ、序盤から積極的に攻めたのは専大。ボランチの32番・菊地紘平を起点に、16番・村上千歩やワントップに入った13番・佐藤圭祐が、明大最終ラインの裏を突いて積極的にシュートを放つ。しかし中盤以降は明大も盛り返し、10番・小柏剛が切れ味抜群のドリブルを仕掛け、専大守備陣を翻弄する。明大は33分、直前のプレーで負傷した32番・佐藤恵允に代わり、6番・住永翔を投入。すると攻撃の起点が増え、攻撃により厚みが増す形となった。だが専大守備陣のハイラインにはまり、スルーパスがオフサイドを取られるシーンが目立ち始める。前半のシュート数は明大6本に対し専大は5本。互いにチャンスを作ったが、スコアは動かず前半を終えた。

 後半に入ると雨はさらに激しくなった。すると序盤からボールを保持した明大が一瞬の隙を突いて先制する。明大はゴール正面でフリーキックを獲得。キッカーの6番・住永が放ったボールは壁の間を通り抜け、専大GKが反応できないスピードでゴール右隅に突き刺さる。先制点を許した専大は58分に9番・遠藤翔太と10番・鈴木龍之介を同時投入し攻撃の幅を広げる。83分、専大はショートコーナーを中に送り、混戦の中最後は8番・冨山大輔が胸トラップからバイシクルシュート。同点かと思われたが、明大のGK、1番・早川友基が右手一本でスーパーセーブ。専大が千載一遇のチャンスをものにできずにいると、その直後の84分、今度は明大がカウンターを仕掛ける。11番・佐藤凌我から10番・小柏とつなぎ、左サイドでボールをキープすると、専大の守備が整う前に中央にグラウンダーのパス。フリーで走り込んできた途中出場の23番・田中克幸が、これを冷静に押し込んで勝利を引き寄せる2点目を挙げる。2点のリードを得てもなお明大は攻め続け、セットプレーからチャンスを演出。専大も攻撃の形は多く作れたが、先制されてからは後手に回る時間が増え、ゴールを揺らせないままタイムアップ。2-0で勝利した明大が専大相手にシーズンダブルを達成した。


国士舘大学 対 中央大学 @国士舘大学楓の杜キャンパスグラウンド


 直近の試合はウノゼロで勝利し、上位を狙う国士舘大学(勝点17・暫定6位)と、前戦では勝点1を積み上げ、今節こそ勝利し勢いに乗りたい中央大学(勝点6・暫定11位)の一戦。

 大雨の中で開始した試合は開始直後に動いた。まずは4分、中大は13番・曾根大和からのボールに抜け出した8番・本間椋がドリブルで前線に運ぶと、キーパーの位置を冷静に見極め、そのままロングシュートを放つ。ボールは国士大GK21番・飯田雅浩の手に触れるものの、そのままゴールに吸い込まれて中大が先制する。中大は先制後もボールを支配し、10分には5番・阿久津諒が左サイドの25番・山﨑希一へグラウンダーのボールを展開。これを受けた25番・山﨑は果敢にドリブルで仕掛け、DF2人に囲まれながらもシュートをゴールに突き刺す。早々に2点のリードを奪い、最高の立ち上がりを得た中大が試合の主導権を握ると思われたが、国士大も徐々にボールを持つ時間を増やし始める。すると22分、国士大は3番・谷口栄斗の鋭い縦パスを11番・梶谷政仁が見事なタッチで受け、前を向いてペナルティーエリア外から右足を振り抜く。振りの速いシュートはそのままゴール左隅に突き刺さり、国士大がまずは1点を返す。さらに26分、2番・西本卓申の左サイドからの高いクロスボールに合わせ、18番・高橋尚紀がゴールネットを揺らす。2点を取り返し、あっという間に試合を振り出しに戻した国士大の勢いは止まらない。35分、22番・中村駿の右サイドからのスローインを、8番・宮本英治がワンタッチで11番・梶谷へ展開。11番・梶谷はDF2人に囲まれながらも強引な突破を見せ、GKの位置をしっかりと見極めてシュート。国士大がついに逆転に成功する。中大はわずか13分間で3点を奪われ、両サイドバックも負傷による交代を余儀なくされるなど、ますます厳しい状況となった。

 追いつきたい中大はハーフタイム、13番・曾根に代えて34番・岩澤桐人、32番・小島偉央に代えて11番・三浦立を投入する。流れを取り戻したい中大だったが58分、逆に国士大に突き放される。国士大は左サイド18番・高橋のキレのあるドリブル突破から、最後は10番・松岡大智にゴールを決められて勝負あり。中大はその後も決定的なチャンスシーンを作り出せず、後半はシュート3本に抑えられて試合終了。4-2で勝利した国士大はこれで後期2連勝。一気に6位から4位へと浮上し、上位入りを目前に見据えた。一方の中大は、序盤の2点リードを守れず後期初黒星。降格圏脱出のきっかけを掴むことはできなかった。


慶應義塾大学 対 法政大学 @RKUフットボールフィールド


 直近2戦で勝利から遠ざかっている慶應義塾大学(勝点15・暫定7位)と、『「アミノバイタル®」カップ』から続く悪い流れを断ち切りたい法政大学(勝点14・暫定8位)の一戦。

 勝点1差の7位と8位の直接対決。近頃勝利が遠い両チームだが、序盤は互いに前線にボールを放り込んで試合のペースを掴もうとする。先にチャンスを作ったのは慶大。カウンターを仕掛け、14番・橋本健人がパスを受けると左足でクロスをあげる。これを36番・齊藤滉が頭で合わせるが、ゴールラインぎりぎりでクリアされて得点にはならない。すると12分、今度は法大が反撃。24番・モヨマルコム強志のロングスローから27番・久保征一郎が起点となってボールをおさめると、そこに23番・関口正大が走りこんでパスを受け左足でシュート。これがゴールネットに突き刺さり、法大が先制する。その後は法大がパスサッカーを展開してボールを保持。対する慶大はボールを奪った後のカウンターで攻撃を組み立てる。しばらくは拮抗した展開が続いたが、均衡を破ったのはまたもや法大。14番・田部井涼が蹴ったボールが混戦を作り出し、最後は24番・モヨが右足で押し込み追加点。法大が0-2リードして前半を終えた。

 後半はやや法大ペースで試合が進んだ。慶大は交代枠を使って得点を狙うが、法大の守備に阻まれてシュートを打たせてもらえない。だが法大もシュートこそ放つものの、慶大の体を張った守備に阻まれてこちらもゴールならず。両チーム交代枠を使い切っても試合の流れを変えることはできず、0-2のまま試合は終了。久々の勝利を手にした法大は7位に浮上、慶大と順位が入れ替わる形となった。一方、慶大は3戦勝ちなしという苦しい展開に。




桐蔭横浜大学 対 駒澤大学 @RKUフットボールフィールド


 前節が延期となり今節が後期リーグ初戦となる桐蔭横浜大学(勝点20・暫定3位)と、勝点3差の桐蔭大との直接対決に勝って上位入りを果たしたい駒澤大学(勝点17・暫定4位)の一戦。

 3位と4位の直接対決は、立ち上がりからまさかの展開となった。まずは1分、フリーキックの流れからこぼれたボールを29番・宮崎鴻が拾い、7番・荒木駿太に預ける。フリーで待っていた27番・島崎翔輝が、7番・荒木から受けたパスを落ち着いて決め、試合開始早々に駒大が先制する。続く6分にもクロスボールのこぼれ球を拾った10番・薬真寺孝弥が、桐蔭大DFをかわしてシュート。桐蔭大DFはこのボールを足で触りブロックしようとするが、弾ききることができず、そのままゴールへ。駒大が早くも追加点を挙げる。勢いに乗った駒大はさらに9分、右サイドでパスをつなぐと4番・小幡祐稀が上げたクロスに、中で待っていた9番・矢崎一輝がダイレクトで合わせ強烈なシュート。これがゴール右に突き刺さりスコアは0-3に。開始からわずか10分に満たない間に、駒大が桐蔭大を3点差で突き放す。序盤こそ立て続けに失点した桐蔭大だがその後は落ち着きを見せ、32分には8番・加々美登生のシュートからコーナーキックを獲得。6番・橘田健人のキックからゴール前が混戦になると、高く上がったボールを5番・岩下航が右足で合わせて、ようやく1点を返す。しかしその後は追加点を挙げることなく、駒大が2点のリードを保ったまま試合を折り返した。

 後半の立ち上がりは拮抗した展開が続いた。桐蔭大がボールを保持して後ろから攻撃を組み立てようとするのに対し、駒大は前線からの素早いプレスでこれに対応。両チームチャンスを作るものの、どちらも得点までは至らない。桐蔭大は86分、途中出場の34番・山口直也が高く上がったボールを触ると、これに反応した11番・篠原友哉が合わせて追加点。スコアを2-3とし、ついに1点差にまで詰め寄る。だがあと1点を奪えないまま試合終了。序盤に連続3得点を挙げた駒大が勝利した。駒大はこれで3位に浮上。逆に勝点を逃した桐蔭大は、3位から一気に6位まで後退する厳しい結果となった。




順天堂大学 対 筑波大学 @RKUフットボールフィールド


 後期リーグは無敗と好調の順天堂大学(勝点17・暫定5位)と、勝って上位浮上につなげたい筑波大学(勝点8・暫定10位)の一戦。

 激しい雨の中で行われた試合は、厳しいピッチコンディションの影響でなかなかビッグチャンスが訪れない。そんな中、均衡を破ったのは順大だった。17分、7番・杉山直宏が蹴った右コーナーキックのこぼれ玉を、24番・小林夏生が拾って縦にドリブル。そのままグラウンダーのクロスを入れと、これに4番・寺山翼が右足で合わせて先制点。順大はその後も筑波大陣地に押し込み、前半だけでコーナーキックを6本も獲得するなどして相手を圧倒。一方の筑波大は27番・瀬良俊太と9番・小林幹がシュートを放つものの、ゴールネットを揺らすことなく1-0のまま前半が終了した。

後半に入ると順大がさらに圧力をかけてゲームを支配。17番・樋口堅大などが積極的にシュートを放ち、筑波大ゴールを脅かす。しばらくは両チームゴールなく試合が進んでいったが、終盤の80分、順大は再び7番・杉山が蹴った左コーナーキックに、24番・小林が頭で合わせて追加点。順大が試合を決める追加点を挙げる。突き放された筑波大は反撃を試みるもののチャンスを多く作れず、2-0で試合終了。順大が筑波大から白星を勝ち取り、勝点を20に伸ばした。


早稲田大学 対 立正大学 @RKUフットボールフィールド


 首位との勝点差を縮めるためにも絶対に負けられない早稲田大学(勝点21・暫定2位)と、後期リーグ初勝利を果たし、勢いに乗りたい立正大学(勝点10・暫定9位)の一戦。

 今季「アミノバイタル®」カップでも激闘を繰り広げた両チームが再び激突した。試合前から大雨によってピッチには多くの水たまりができた結果、両チームとも激しい空中戦のバトルを繰り広げる。先にチャンスをつかんだのは早大。17分、38番・西堂久俊が右サイドでボールを受けると、3番・柴田徹にスルーパス。これを受けた3番・柴田が鋭いクロスを上げると、8番・田中雄大がダイレクトで合わせ、早大が先制する。早大は41分にも、右サイドから再び3番・柴田のふわりとしたクロスをファーサイドへ。これを10番・加藤拓己が頭で折り返し、またもや8番・田中が頭で合わせて追加点。8番・田中がこの試合2得点目となるゴールを挙げ、早大が2点をリードし試合を折り返す。

 2点のリードを守りたい早大は、ハーフタイムに守備の要でもある22番・監物拓歩を投入。後半の守備固めに入った。一方、前半はシュートを1本も打てなかった立正大は、58分に32番・青島太一を投入。果敢にゴールを狙うが、早大の堅い守備をなかなか崩すことができない。62分、早大は10番・加藤がゴール前の混戦の中で、こぼれ球を押し込み3点目。立正大も68分に22番・鎌田翔太郎と25番・丸修平を投入し、パワープレーを仕掛けるが早大は最後まで集中力を欠くことなくゴールを死守。結局、3点を守り切り、立正大のシュートを1本に抑えた早大が後期初勝利を挙げ、首位・明治大学との勝点差を縮めた。



 第14節は10月24日(土)に桐蔭横浜大学と慶應義塾大学、筑波大学と立正大学、早稲田大学と専修大学、国士舘大学と順天堂大学、駒澤大学と中央大学の5試合がそれぞれ行われる。明治大学と法政大学の試合は、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となった。また10月28日(水)には、前期リーグの延期試合を実施。第8節の立正大学対駒澤大学、第12節の桐蔭横浜大学対専修大学の試合がそれぞれ行われる。

 首位を走る明治大とそれを追う2位の早稲大がそれぞれ順当に勝利を挙げた今節。勝点17で並ぶ駒大、順大、国士大がすべて勝利し、桐蔭大が敗れたため上位は勝点20で4チームが並ぶ混戦状態となった。一方下位に目を向けると、勝点が一桁台の筑波大、中大、専大はすべて敗れたため、残留争いから抜け出すチームはなかった。

 上位と下位の勝点差がつき、そろそろ優勝・降格争いが見えてきた後期リーグ。これからはひとつの勝利、ひとつの勝点、ひとつのゴールが大きな意味をもってくる。その"ひとつ"を求めてひた走る選手たちの活躍に期待したい。
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