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「アミノバイタル®」カップ2017 第6回関東大学サッカートーナメント 3回戦マッチレポート

2017/07/06
 勝てば、夏の全国大会である『第41回総理大臣杯全日本全日本大学サッカートーナメント』の出場権が得られる3回戦。7月5日(水)に味の素フィールド西が丘、味の素スタジアム西競技場で行われた試合では、中1日の3連戦という厳しいスケジュールにもかかわらず、“全国への切符”をかけた熱い戦いが繰り広げられた。



○1部校同士の対戦。前期リーグを首位で折り返した筑波大学と同8位の駒澤大学の一戦。

 前期リーグの対戦では、4-1で筑波大が勝利した対戦カード。連敗を喫しないためにも、駒大は前日ミャンマーの国際大会から帰国したFWの19番・高橋潤哉をスタメンで起用するなど、万全の体制で筑波大を迎え撃った。対する筑波大は、エースの11番・中野誠也やユニバーシアード代表の9番・三笘薫をベンチスタートさせるなど、連戦を見越したターンオーバーを採用。筑波大が主将の10番・北川柊斗が積極的にシュートを放つもゴールならず。一方の駒大も、右サイドの8番・中原輝を起点にチャンスをつくるが、両チーム無得点のまま折り返す。
 後半は筑波大が首位チームの実力を見せつける展開となった。まず52分、26番・加藤潤の右コーナーキックに、前線に上がっていたセンターバックの4番・山川哲史がドンピシャのヘディングで合わせて筑波大が先制する。その後も筑波大が主導権を握り駒大を圧倒。シュートをほとんど打たせることなく迎えた終盤の80分、交代出場の9番・三笘が得意のドリブルでゴール前まで一気呵成に持ち込む。9番・三笘からのパスを、10番・北川が冷静に合わせて追加点。2点のリードを奪った筑波大が、残り時間を危なげなく制し、3年連続の総理大臣杯出場と、5年ぶりとなる準決勝進出を決めた。


○こちらも1部校同士の対戦。前期リーグでは5位の法政大学と4位の流通経済大学、実力伯仲の一戦。

 約2週間前に行われたリーグ戦での対戦は、2-1で法大が勝利。法大が先制し、流経大が追いついたその4分後に法大が勝ち越し弾を決めるというシーソーゲームとなった。しかし、総理大臣杯出場をかけたこの試合では、両チームチャンスをつくりながらもゴールに結びつかず、無得点のまま90分が終了。試合は延長戦に突入した。
 延長戦では法大が何度かシュートを得るも、結局こちらもゴールならず、結局110分を戦って0-0のまま勝負はPK戦へと持ち越された。
 PK戦では、両チーム4人目まで全員が成功。しかし先攻の流経大の5人目、4番・今津佑太が痛恨のミス。対して法大は5人目の20番・上田綺世がきっちりと決め、勝負あり。PK戦5-4で法大がベスト4進出を決めるとともに、2年ぶりとなる総理杯出場権を獲得した。


○ともに1部大学を下すジャイアントキリングで勝ち進んだ、青山学院大学と神奈川大学、2部勢同士の対戦。

 今季リーグ戦では1-1と、決着のついていない両校。青学大は7番・山田武典を、神大は5番・寺前光太という両主将を欠いて臨んだ一戦は、後半に入って一気に動いた。前半、青学大に主導権を握られていた神大は、ハーフタイムに怪我でベンチスタートだった7番・河村英侑を投入する。サイドで攻撃の起点となる7番・河村が入ったことで攻撃にリズムが生まれると、59分には13番・金子大毅からのグラウンダーのパスを、9番・吉田蓮がコントロールしてゴールに突き刺す。「(7番の)金子からマイナスのパスがくることは、よくあるパターンだったので、あとは相手の股(を抜くことを)意識した」という、9番・吉田の3試合連続ゴールで神大が先制。好調の9番・吉田は、その5分後の64分にも、右サイドの8番・野澤祐弥からのクロスに4番・白井達也が頭でつないだボールを、冷静に胸トラップ。そのまま頭で押し込み、追加点をあげる。神大はさらに74分にも、8番・野澤のクロスに10番・定本佳樹が頭で合わせて3点目。連続ゴールで青学大を突き放す。
 神大に一気に傾いた流れを止めたい青学大は、5番・小田倉康太、18番・木村快、30番・清水映心を立て続けに投入。途中出場の選手が局面での打開を試みるが、ゴールまではもちこめず。逆に終了間際の88分には、途中出場の神大24番・鳥島佑紀が、GKの12番・山川卓己からのロングキックに反応。前に出てきた青学大GKをかわしその場に置き去りにすると、すばやくシュートを放つ。ボールは無人のゴールに吸い込まれ、神大がダメ押しの4点目をあげてほどなく試合はタイムアップ。神大が準決勝に駒を進めるとともに、9年ぶりとなる総理大臣杯への切符を手にした。
 試合後、神大・長谷川大監督は「3年目の正直」と笑顔をほころばせた。この2年間、あと一歩のところで敗れて総理杯出場がかなわず、今季リーグ戦でも7分という成績で前期を終えた。「負けてはいないが、勝ててもいない」という状況の中、「チームが新戦力を試していることもあり、試合の入りに時間がかかった」と前半を振り返る。しかし「青学大はパスつないでくるチーム。それだけに後半、疲れてくればボールは動いても人は動けなくなるはず」と後半に狙いを定めた。「後半、(ボールを追う)人の数や運動量で相手を上回ったことが勝因。それはリーグ戦から修正点」という。指揮官は「今日の試合は100点ではない」としながらも、「2部でも全国大会に行けることを示せたと思う」と満足気な表情を見せた。3試合連続、現在4ゴールの9番・吉田も「全国大会で“関東は2部でもすごい”と思わせるようなプレーをしたい」と意気込む。だが、その前にまずは準決勝に勝利し、2部チーム初の優勝を狙いたい。


○昨年の総理大臣杯の決勝カードが3回戦で実現。前年度総理杯王者として負けるわけにはいかない明治大学と、リベンジに燃える順天堂大学の一戦。

 昨年の総理大臣杯では明大が勝利したが、今季リーグ戦では順大が2-0で勝利。「同じ相手に2度負けるわけにはいかない」という順大主将・4番・坂圭祐の言葉は、両チームに共通した意識だっただろう。先に動いたのは、今季順大に黒星を喫している明大だった。23分、9番・土居柊太がドリブルでゴール前まで持ち込み、GKと1対1に。順大GKの40番・佐藤久弥が止めに入ったところですかさず、ペナルティエリア内にあがってきた32番・佐藤凌我へとパス。これを難なく押し込み、明大が先制点を挙げる。明大はその後も、9番・土居、20番・渡辺悠雅を中心にアグレッシブに攻め、順大の反撃を寄せ付けない。
 しかし後半に入ると、試合の流れは大きく順大に傾く。順大はハーフタイムに23番・三国スティビアエブスを投入。何度となくチャンスを作り、ゴールに迫る。さらにミャンマーの国際大会から帰国したばかりの13番・浮田健誠や、25番・大谷京平、9番・松島奨真ら前線の選手を次々と投入し、同点弾を狙う。
 その起用が結果として出たのは、終了間際の時間帯だった。87分、23番・三国が放ったシュートのこぼれ球を、13番・浮田が右足ダイレクトでゴールに突き刺す。「少し余裕があったから(利き足の)左足に持ち替えようか悩んだが、そのまま右足でいった。却って力が抜けてよかったかもしれない」と13番・浮田。このまま延長戦に突入かと思われたが、試合はまだ終わらなかった。アディショナルタイムに突入した90+3分、25番・大谷が左サイドからペナルティエリアへドリブルでカットイン。これを止めようとした明大の2番・岩武克弥のプレーがファウルと判断され、順大が土壇場でペナルティーキックを獲得する。「本当は(11番の旗手)怜央くんに譲ろうと思っていた」が「自分で蹴れといわれたので」というペナルティーキックを、25番・大谷自身が決めて、ついに順大が逆転に成功。ほどなくタイムアップの笛がなり、順大が劇的な逆転勝利を収めた。
 交代起用が見事的中し、途中出場の選手が得点に絡む活躍を見せたこの試合。13番・浮田は「ミャンマーでの最後の試合のあと、堀池巧監督から連絡があって、5日は出られるか聞かれたので、(出場は)あると思っていた」と笑う。途中出場となったが「チームはやることが統一できていたし、誰も(勝利を)諦めていない。これは強いと思った」という。一方、「失点したことで目が覚めた」と試合を振り返るのは、順大の主将、4番・坂だ。「前半は内容も悪かったし体も重かった。何より暑さや審判のせいにして、言い訳をしながらプレーしていた」という。しかし、ハーフタイムに「このまま負けるのはもったいない。もう一度基本的な(ボールへの)寄せの部分や運動量のところを見直そうと話し合った」と問題点を修正。「1点差なら何かあると思っていた」という目論見どおり、見事な逆転劇で2年連続の総理杯出場を決めた。



 大会はこの後、準決勝と総理大臣杯出場権の残り3枠を争う順位決定戦が行われる。敗れた4チームは、7月6日(木)に順位決定戦を実施。拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場では駒澤大学対流通経済大学が、東洋大学朝霞グラウンドでは、青山学院大学対明治大学の試合が行われる。
 また勝った4チームは、7月8日(土)に準決勝を戦い、味の素フィールド西が丘で筑波大学対法政大学、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場にて神奈川大学対順天堂大学が対戦する。
 ベスト4が出揃い、大会も終盤を迎える。夏の関東王者となるのはどの大学か、また総理杯の最後の出場枠を手にするのはどの大学となるのか。熱い戦いはまだまだ続く。
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