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【会見】明治大学・室屋成、FC東京加入内定記者会見

2016/02/09
 明治大・室屋成選手のFC東京・加入内定記者会見の模様を、全文掲載でお知らせいたします。


●栗田大輔・明治大学体育会サッカー部監督

 本日はこのような場を設けていただきまして誠にありがとうございます。また、大学関係者の皆様本当にありがとうございます。
 明治大学体育会サッカー部3年の室屋成ですが、先日2月6日にFC東京と契約を締結いたしました。本体育会サッカー部を退部し、明治大学には在籍しますが、2月9日よりFC東京の方でプレーすることになりましたのでご報告させていただきます。今回のFC東京加入に際しましては、大学をはじめ関係者の皆様のご理解・ご協力をいただきまして締結したことに対しまして心から御礼申し上げます。

 室屋は青森山田高校から明治大学体育会サッカー部に入りまして、1年次よりレギュラーとして活躍してくれました。今回のリオ・オリンピックアジア最終予選におきましても23人の日本代表の中でただ1人、大学生として活躍してくれまして、イラン戦のアシストなども記憶に新しいと思います。明治大学では右SBとして活躍し、彼の特徴であります豊富な運動量・スピードに乗った攻撃参加・1対1の強さ・切り替え、そしてゴールに直結するプレーができるというのが彼の良さだと思います。さらに1番はメンタルの強さだと思います。今回のオリンピック予選についても絶対にオリンピックに行くんだという強い気持ちが今回の彼のプレーにつながっているのではないかと思います。この彼の強いプレーにつきましては、日頃の明治大学でのトレーニング、集中した環境、その環境で培われた集中力、さらに今年は、他にも4年生7名がプロフットボーラーとして卒業していきました。その中で誰一人手を抜くことなくトレーニングしたことが彼の結果につながったのではないかと思います。昨年の4月にFC東京の特別指定選手としてFC東京に参加しましたが、プロの選手の中で選手として取り組む姿勢を学び、プレーの質が高まりました。また夏の総理大臣杯を経て、約1ヶ月ですが、ほぼ24時間FC東京にフルで参加しました。ただ学校が始まっため、なかなかFC東京に参加することができないということで、大学サッカーに戻ってきました。関東大学リーグでは法政大学戦で復帰しましたが、今年名古屋グランパスに入団しました、和泉竜司が、室屋のアシストで得点をするシーンがありました。あの時の室屋のクロスは見違えるほど良くなっていました。そういった積み重ねが、今回のFC東京加入につながっていると思います。

 今回加入に至った経緯ですが、彼はもともと1年次から活躍していたので、サッカー部としても彼をオリンピックのメンバーに育て上げて送り出したいという強い気持ちがありました。それはGM、神川明彦前総監督、私、そしてヘッドコーチの三浦佑介、池上礼一を含めての総意です。その中で彼がオリンピックの最終メンバーに選ばれたということ、今回こういう形で最終予選を突破して本戦に出場を決めたこと。そのことで、オリンピックという今しか経験できないことを経験させてあげたいという我々の思いが生まれました。最終メンバーはこの23人から18人に絞られるわけですが、その18人に選ばれるためにはもう一つ高いレベルの中でプレーしなければならない。そのためにも、2月からプロとして活躍することで選手として旬な時期、今非常に伸び盛りで勢いがある時期にプロの世界に飛び出して、またさらに1枚も2枚も成長し、彼の夢に向かっていくんじゃないかという思いもありました。そして何より室屋の取り組む姿勢。1年次から見てきましたが、明治大学体育会サッカー部は、プロの養成所ではないので、サッカーを通じての人間形成を目指しています。そういう中で彼のサッカーや、学業へ取り組む姿勢が素晴らしかったことで、今回の大学側への提案からご理解までスムーズにでき、プロ入りへと進むことができました。これが今回、室屋とFC東京の契約が締結した経緯になります。今後はFC東京の選手として活躍することになるわけですが、これはまだスタートラインに立ったに過ぎません。彼は今回の最終予選でこそ活躍しましたが、それがゴールではなく、決して慢心することなくまた貪欲にこの先のオリンピック出場、もしくは彼の夢に向かって邁進してくれるだろうと、心から期待しています。

 最後になりますが、今回23人のうちただ1人、大学サッカーからの代表選手ということで、各大学に所属している多くの選手が勇気をもらったと思います。そして明治大学体育会サッカー部の仲間も勇気ももらいました。そういう意味では、室屋の活躍というのは大学サッカーに希望を与えてくれたと思います。また各大学の様々な取り組みで素晴らしい選手も数多くいます。そういう意味ではこの室屋の船出を機に、マスコミの皆さんも含め、大学サッカーにも注目いただければすごく嬉しいと思いますし、室屋成を応援していただければ嬉しいです。


■室屋成選手コメント

 この度FC東京に加入することになりました、明治大学3年の室屋成です。まずはサッカー推薦で明治大学に入学しながらプロサッカー選手になるということは、自分の力だけではなくて、栗田大輔監督・井澤千秋総監督を含めスタッフの方々、そして明治大学関係者の協力・あと押しがあってのことで、本当に感謝しています。この恩返しは僕がFC東京で活躍することだと思うので、プロになりオリンピックやA代表になることでしっかり恩返ししていきたいと思います。


――明治大学サッカー部での思い出は?

 明治大学は朝の6時から練習があるんですが、朝からの1対1の練習などをするのは、ここでしか味わえないもので、そういうところは思い出に残っています。

――明治大での思い出の試合は?

 明治大では悔しい経験をすることが多かったのですが、名古屋に加入した和泉竜司選手を始め、Jクラブに加入した選手が多くいる中で一緒に試合ができたということが印象に残っています。

――オリンピック予選で経験したこと、大学サッカーでの経験が活きたこと。

 明治大学でやっている練習であれば1対1であったり、個人戦術というところでは本当に学ぶことが多くありました。そういう攻守の駆け引きのところは、オリンピック予選でも活きたと思います。

――今後の目標は?

 まずはFC東京に入って、試合に出場すること。そしてリオオリンピックで主力選手として活躍すること。その先にA代表があり、A代表で活躍することが目標です。



■質疑応答


――このタイミングでプロ入団を決めた理由は?

 今年度は4年生になる年なので、3年間一緒にやってきた仲間とあと1年やりたいという気持ちも、もちろんありました。しかしオリンピック予選に出場してアジア最終予選を戦い、自分自身もっともっと上のレベルでプレーしたいという気持ちが強くなりました。そういう気持ちがJリーグへ挑戦したいという思いを強くしました。

――栗田監督におうかがいします。送り出す側はとしての気持ちはいかがでしょう。

 とにかくオリンピックの最終予選の23人から18人に絞られる段階で、なんとか室屋を送り出して、オリンピックに出場させてあげたいという気持ちがありました。それと同時にこのシーズンは2月末にJリーグが開幕し、またFC東京は2月頭にACLもあるので、このタイミングで送り出すことがベストだと判断しました。アジアの最終予選前に室屋とふたりで話した時には、「とにかく決めてこい。まずはこの23人に選ばれるのが条件だ」といって送り出しました。それは自分で勝ち取ってきたものであると思います。行く直前には「オリンピック出場を決めなかったら、FC東京との話はない」ということも言いましたが、それもチームとして掴み取ってきたので決断しました。

――大学でしか学べないこと、プロの世界で学べること、そしてこの3年間大学で学んできたことは? また、プロではどういうことを身に付けたいか。

 プロサッカー選手と違い、1年生のときからサッカーだけでなくピッチ外で部員としての仕事もありましたし、上下関係というものがすごくはっきりしている部活なので、そういうところで多く学ぶことができました。サッカーだけではなく、私生活の部分や人間性といったところは、この3年間で成長できたところだと思います。プロはとても厳しい世界だと思いますが、自分がいかに生き残っていくか。緊張感のある中で、サッカーだけではなくて人間としても、もっと成長していけると思っています。

――FC東京で憧れの選手・目標の選手はいますか?

 両SBに徳永悠平選手と駒野友一選手がいるのですが、ふたりとも代表クラスの選手ですし、そういうふたりの選手から多くを学びたいと思います。

――部員の方からはFC東京加入に際してどんな声をもらいましたか?

 「悲しい」とも言ってくれたんですが、みんな応援してくれて、スタジアムも近いから「絶対見に行く」と言ってくれました。自分も「絶対活躍するから試合を見に来てください」という風に言いました。

――FC東京のサポーターに見て欲しい自分のストロングポイントと、背番号がきまっていたら教えてください。

 サポーターの皆さんに見て欲しいところは攻守の1対1の部分です。それと攻撃の部分で、ドリブルだったり裏への飛び出しというのは得意なところなので、そういう部分からゴールに絡むプレーを注目して欲しいです。背番号は6番です。

――決断はいつ頃でしたか。そして、追試はいかがでしたか?

 FC東京にいく決断をしたのは特別指定選手が決まった時です。その時すでに、僕の中ではFC東京に行きたいという気持ちがありました。オリンピックの直前合宿が始まる前ぐらいには、FC東京の方から契約の具体的な内容をもらっていたので、自分自身契約してプロとして挑戦したいという話は栗田監督にもしていました。追試は頑張ったので大丈夫だと思います(笑)。

――プロ入りを目指した予選で思ったこと、18人に絞られるオリンピック代表に選ばれるために今後強化したいことは?

 オリンピックの連続出場が懸かっている中での緊張感だったり、プレッシャーの中で過ごす時間は自分にとって良い経験となりました。プレッシャーの中で、もっともっとサッカーがしたいという思いが生まれて、プロ入りを意識しました。まだまだ技術的なミスだったり、細かいミスが多いのでよりレベルの高い舞台でもっとミスの少ないプレーができるようにならなければならないと思います。ポジショニングのミスも大会を通じてまだまだあったので、こういうところを修正していけたら良いと思います。

――他クラブのオファーを断って、FC東京に決めた理由は?

 まず、雰囲気の良さや練習の質の高さを感じました。その中でベンチ入りはできるかなという甘い考えがあったのですが、なかなかベンチにも入れないという悔しい思いをしたまま大学に戻ることになりました。そのことで、絶対ここに戻ってきてポジションを掴みたいという気持ちがより強くなりました。

――栗田監督におうかがいします。スポーツ推薦入学で、在学途中でのプロ契約への難しさがあったと思うのですが……。

 今回こういう形でスポーツ推薦の選手が、在学中にプロ入りするのは明治大学でも初めてのことになります。その中で1番大事だったのは、彼が学校生活をどういう風に過ごしていたかでした。1年生から授業などきっちりと過ごしてきたこと。それと今回はオリンピックという大きなステージがあって、一生の中でもなかなか経験できない時期を過ごすことになるのでそれを大学としても後押ししたという形です。

――栗田監督におうかがいします。室屋の初見の印象と成長は?

 ベスト8に残った、2011年のFIFA U-17ワールドカップを見た時に、非常にタフで、運動量があってスピードもある選手だなという印象がありました。明治大学に入ってきてからは、さらにそこに攻守における精度の部分が高まったと思います。また1対1の強さであったり、苦しい時間帯でさらに運動量が上がったり、メンタリティ的なことも含めて成長したと思います。3年次にFC東京の特別指定選手になってからは、プレーの質や精度が緩急も含めてより高まったと思います。

――オリンピックで一緒だった中島翔哉選手とFC東京でチームメイトとなります。彼に何か報告か何かしましたか?また、ふたりでどんな攻撃をしたいと思いますか?

 翔哉とは予選の韓国戦が終わった後にFC東京でもこういう風に優勝しようという話はしました。翔哉とは代表でも一緒に長いことやっていますが、ドリブルがうまい選手なのでやりやすいですし、一緒にサイドを組めるなら大きなチャンスを作ることができると思っています。

――FC東京で1年目からレギュラーを勝ち取る自信はありますか?

 開幕スタメンにはそんなにこだわっていませんが、徳永選手や駒野選手を見ながらレギュラーになれたらなと思います。

――FC東京でレギュラーを勝ち取るために後一つあげるべき点は?

 自分はSBの選手ですが、ゴールのアシストだったりゴールに直結するものはどの選手でもアピールになると思います。自分もそういう部分が大きな特徴だと思っているので、ゴールにつながるプレーをしたいです。

――オリンピック予選で成長したことは?

 技術的な部分よりもメンタル面が一番成長したと思います。自分に自信が持てるようになったので、そういうところはFC東京に行っても見せていきたいです。

――自信につながったプレーは?

 プレーというよりもああいうオリンピック出場が決まるプレッシャーの中で出場を決めることができ、優勝することができたというのが自信になりました。

――背番号6は自分で希望したのか。

 これでいいか? とクラブ側から言われて、逆に「自分でいいんですか?」と言いました。

――6番という番号は太田宏介選手がつけ、その前は今野泰幸選手がつけていた番号ですが……。

 すごいプレッシャーですが、あまり考えずにいきたいです。ただ、今はFC東京の6番といえば太田選手というイメージがあると思うので、この1年間で6番といえば室屋と言われるぐらいの活躍ができればいいなと思います。

――サッカー部をやめてFC東京に行きたいと監督に言った時は、どのような雰囲気?

 すごく緊張していて、「だめかなと」思っていました。でも監督が「行かしてあげたい」と言ってくださったので……。ただ、自分はサッカー推薦だったのでちょっと難しいかもしれないという話をされて、どうなるかなと思っていました。監督も上に行ったほうがいいという気持ちだったと思います。監督をはじめ大学関係者の皆さんには自分のために動いてくれたのですごく感謝しています。

――FC東京のGMの立石敬之さんからはどんな言葉をもらったか。

 特別指定の時からずっと話していて、「プロの世界は(試合に)出る保証はないし、自分次第ですべてが変わるから、自分を信じてやれ」ということを言われました。

――今回退路を断つ形で、FC東京でプレーするということは、試合に出られない可能性もあると思います。そうした面も含めてなおFC東京を選んだ理由は?

 このタイミングでプロになって挑戦すれば、自分自身はプレッシャーをかけた状態で成長できると思いました。そういった意味でも出られる保証がないという状況はは大きく成長できるきっかけになると思いました。プロである以上ポジションを保証されないというのは当たり前のことなので、まずここでポジションを掴むというところに意義を感じています。

――オリンピックアジア最終予選を優勝したことで、反響の大きさを実感するか。

 電車に乗っても全く何もなかったし、普通に学校に来てテストを受けていたので全然感じていないです(笑)。

――優勝の余韻はもう薄れてきている?

 そうですね。優勝してオリンピック出場も決めることができたんですが、自分としては今こうしてプロの道をスタートさせるので、どちらかといえばやっとスタートラインに立ったという感じでしかないです。

――現時点で徳永選手に勝てるところは?

 若さ。

――イラン戦では左でクロスをあげていたが、両足遜色なく蹴れるのか。

 左であんなに蹴ったことないです。右でも左でも試合に出してくれるならどこでもやります。

――栗田監督からも運動量があるという話があったが、それはどこで培われたものなのか。

 親のおかげです。小さい頃からマラソン大会とか得意でした。親に感謝です。

――プロの舞台で対戦が楽しみな選手はいますか?

 代表で一緒に戦ってきた選手はやっぱりJリーグでも対戦してみたいです。

――Jクラブに内定した先輩たちとの対戦は?

 たまに連絡をとったりしますが、大学の先輩たちとJリーグの試合でマッチアップできれば良いと思います。お互い試合に出場している状況でも最高だと思います。

――ゆくゆくはイタリアにいる長友佑都選手(明治大出身)との対戦も?

 海外でプレーしたい気持ちはあります。代表で一緒になれたら良いと思います。

――FC東京でベンチ入りできなかったという点では挫折を感じたのか。

 去年は自分の調子もあまり良くなくて、練習から入れないのは当たり前かなと思うぐらいのパフォーマンスでした。だからベンチ入りできなかったことには納得していて、自分の力不足を感じました。

――もう勝負できる自信があるのか

 そうですね。自信がないとやっていけないと思うので、今このタイミングで勝負できるのは嬉しいです。

――(同じシーズンにJクラブ入りする)先輩を倒してやろうという気持ちがある?

 1つ上の先輩はみんなレギュラー争いしているので、大変という話はしました。むしろ励ましあってます(笑)。

――自分の中で大事にしているモットーなどは?

 結構直感で自分の進路を決めています。青森山田高校に行った時も、明治大学に決めた時も、自分の中での直感を信じて決めてきたので、これからもこの直感も信じていきたいです。FC東京が良いという思いも最後まで消えなかった。それも決断のきっかけになりました。間違えたかなと思ったりしても、最後にはなんとかうまくいっているのでこのままでいきたいです。

――改めてFC東京の選手として自己紹介するとなるとどんな感じですか?

 まだ新米なのでとにかく先輩方のプレーを見て学び、その上でまた成長していければ良いと思います。

――サポーターにはなんと呼ばれたいか。

 成(せい)ですかね。

――明治大学の先輩の丸山祐市選手には何か言われたか。

 特別指定の時から良く声をかけてもらっていて、なかなかベンチに入れない日が続いた時には、「練習からもっと厳しくいけ」とか色々声をかけてもらっています。

――成という名前の由来は?

 成功とか何かを成し遂げるという意味です。
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