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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・2部第11節レポート

2017/06/29
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』2部リーグ第11節は、6月24日(土)に4試合、6月25日(日)に2試合が行われた。



○都県リーグからの昇格組同士、絶対に負けられない日本大学(勝点9・10位)と、3連敗でもう負けることができない立正大学(勝点8・11位)の対戦。

 勝点差1と僅差のチーム同士の試合は、両者譲れない戦いとなった。前半、日大23番・楜澤健太がドリブルで仕掛けるが、第8節で負傷交代して以来3試合ぶりにスタメンとなる立正大のGK、1番・中村慧がファインセーブをみせ、ゴールを許さない。 後半も拮抗した戦いとなったが、日大は27番・金井亮太と代わって入った8番・堀口護が試合を動かす。69分に、26番・川野勝裕の直接FKからの混戦の中、ボールを押し込んで先制点。一方、立正大も1年生ながらスタメンの34番・平松昇が79分にGKのこぼれ球に詰めて同点ゴールを挙げる。同点のまま試合が終了するかと思われたが、試合終了間際にドラマが待っていた。90分、ゴール前で立正大25番・武田夏輝、35番・小川大智とパスをつなぎ、最後に3番・鈴木順也が右足を振り抜いて逆転ゴールを決め、タイムアップ。立正大が劇的な逆転勝利を収めた。
 この大事な一戦に負けたことで降格圏内に沈んでしまった日大。後期の巻き返しに期待したい。一方、この勝利で降格圏内から抜け出しに成功したのが立正大だ。とはいえ、順位は10位とまだまだ降格危険圏内。11位の日大との勝点差は2と、1敗でひっくり返される状況だ。後期はさらに順位を上げ、関東リーグ残留を盤石なものにしたいところだ。


○連勝こそ止まったものの、依然勝負強さを発揮する拓殖大学(勝点17・3位)と、ここ最近得点のない東海大学(勝点12・8位)の戦い。

 最近の3試合で合計10得点を挙げている"攻め"の拓大と、ここ3試合は失点0の"守"の東海大。矛と盾の一戦だ。試合は開始5分で早くも動き出す。15番・益子大輝のクロスを、8番・冨田博斗が頭で合わせて拓大が先制点を挙げる。さらに拓大は11分、7番・西山大輝のクイックスタートから10番・小島樹がドリブルで切り込み、8番・冨田につなぎダイレクトで中へいれ、それを34番・池田簾が合わせて2点目。2-0と拓大リードで前半が終了した。
 後半は東海大が巻き返す場面が多々あったものの、拓大の堅い守りにシュートまで持ち込むことができない。拓大は、70分にドリブル突破から15番・益子が3点目を決めると、72分、74分にも10番・小島が立て続けに決めて5-0に。東海大を大きく突き放したが、拓大のペースは落ちず、最後まで攻め続け試合が終了した。
 大差で勝った拓大は前期を3位キープで終了。2位の早稲田大学とは勝点3差と、ひっくり返せる数字だけに、後期で昇格圏内に入る期待がかかる。敗れた東海大は順位をひとつ下げて9位に。守備に定評があるチームだけに、今季最多となる5失点の修正が急務だろう。課題を克服して「アミノバイタル?」カップを迎え、後期に少しでも順位を上げたい。


◯上位陣に迫るためにも3勝目を狙いたい神奈川大学(勝点12・7位)と、ここ4戦無敗と好調を維持する東京農業大学(勝点14・5位)の一戦。

 前半は神大がボールポゼッションを高めて主導権を握る展開となった。神大は7番・河村英侑を起点としたサイド攻撃で東農大のゴールに迫る。序盤から試合のペースを握られてしまった東農大はチャンスを作り出せず、前半のシュート数は0本。神大の守備を崩せないままだったが、一方の神大もゴールを決められずに、スコアレスで試合を折り返す。
 後半に入ると試合が動いた。59分、神大がコーナーキックを獲得し、8番・野澤祐弥がクロスボールを上げる。するとゴール前で混戦になったところを、9番・吉田蓮が頭で押し込み、神大が待望の先制点を決める。リードを許した東農大は反撃を試みる。73分に17番・手塚竣一朗に代えて29番・渡辺太一を投入。攻撃に変化を加えると、東農大が試合の主導権を握る展開に。再び試合が動いたのは終盤の87分。東農大の10番・牧寛史が自陣エリアで16番・影森宇京にパスを送ると、ボールを受けた16番・影森がドリブルで突破。神大DF陣を置き去りにして冷静にゴールへ流し込んだ。終了間際に東農大が同点に追いつき、1-1で試合終了。両チームで勝点1を分け合った。
 勝点を13に伸ばした神大だが、前期を終えて2勝7分2敗の8位と、昇格を狙うには物足りない結果となった。先制しても勝ちきれない試合が多く、守備の課題修正が必須となる。一方、勝点を15に伸ばした東農大は5位をキープして前期を終えた。4勝2分4敗と悪くない結果だが、後期では昇格のためにも勝率を5割以上にもちこみたいところだ。


○前節、終了間際の同点弾で勝点1を積んで首位を堅守した早稲田大学(勝点23・1位)と、前節中央大学をくだし、首位と勝点で並ぶ国士舘大学(勝点23・2位)の首位攻防戦。

 これまで、熾烈な首位争いを繰り広げていた両チーム。勝ったほうが首位でリーグ戦を折り返すことができる重要な一戦は、国士大のホームグラウンドにて行われた。首位を走る早大は、来季名古屋グランパスへの加入が内定している10番・秋山陽介を怪我で欠場。さらに、試合序盤には2部リーグ得点ランキングトップの19番・武颯が負傷して交代するなど、中心選手2枚を欠く厳しい状態での戦いを強いられることになった。対する国士大も天皇杯2回戦で繰り広げた、湘南ベルマーレとの120分の死闘から中2日での戦いと、こちらも万全な状態とはいえない。満身創痍の両チームの戦いは、国士大が先に主導権を握る。7番・荒木翔にボールが入ると、個人技でその場を打開しチャンスを演出。29分には、GKの1番・野津幹陽のロングボールから抜け出した7番・荒木が、早大GK1番・小島亨介との1対1を制し、ゴール。「(いいボールがきたので)決めるだけだった」(7番・荒木)というゴールで国士大が幸先よく先制し、前半が終了する。
 反撃に出たい早大は後半、19番・武と代わって投入された9番・飯泉涼矢を中心に攻撃の糸口を探るが、なかなかチャンスをつくることができない。対して国士大は攻撃の手を緩めない。67分、コーナーキックのチャンスを得ると、7番・荒木のボールに、10番・平野佑一が頭で合わせ追加点。0-2と早大を突き放す。1点を返したい早大は、15番・岡田優希を投入。すると試合お流れが変わる。82分、連戦の影響で足が止まり始めた国士大に対して、7番・相馬勇紀からのパスで抜け出した15番・岡田がゴールに流し込み、早大が1点を返す。引き分け以上で首位でのリーグ折り返しが決まる早大は、その後も猛攻を仕掛けるが、あと一歩で国士大のゴールは崩せず。そのまま1-2で逃げきった国士大が、首位攻防戦を制した。
 敗れた早大は、順位を一つ下げて2位に。序盤のアクシデントが響く結果となった一方大一番に勝利し、首位でリーグを折り返すことになった国士大主将の10番・平野は「120分戦ったうえで中2日の試合だったが、対戦相手やみているお客さんには関係ない。それを言い訳にしないよう、前半から飛ばしていこうと思っていた」と、この試合、あえて強気に出たと語る。「早大に対しては(対戦成績的に)悪いイメージはなかったし、ホームグラウンドではほとんど負けていないのでいけると思っていた」とも。湘南との一戦がプラスに働いた部分もあった。1アシスト1ゴールの7番荒木は、「思ったより早大がこなかったというのもあるが、湘南と対戦しているイメージでついていたらどんどん抜けた」という。細田三ニ監督は「早大に1点をとられたあとに少しバタバタした」と課題を口にしながらも「厳しいコンディションの中、よく勝ってくれた。勝てたことが何より」と選手たちを評価する。リーグ序盤にチームの得点を牽引してきた19番・高橋利樹が怪我で離脱したここ3試合は「なかなか点を取れず苦しんでいる」(細田監督)。また「今日の試合も、湘南戦での反省点だった決定機を決めきるというところを克服できたわけではない」との問題点は残るが、「それでも2位の早大に勝点3差、3位の拓殖大学と2ゲームの勝点差をつけて折り返せたのは大きい」と細田監督。後期リーグもこの2チームが2部リーグを引っ張っていくことは間違いないだろうが、その中で上位チームがどうデッドヒートを繰り広げていくか、今から注目していきたい。


〇前節は終了間際の失点で痛い引き分けとなった東京学芸大学(勝点13・6位)と、打ち合いの末に青学大を制した前節に続き、連勝を目指す朝鮮大学校(勝点7・12位)の一戦。

 ホームグラウンドを東京都小平市に構える両チームの一戦、いわゆる「小平ダービー」は東学大のキックオフで始まった。序盤から互いの様子を探りあう中、均衡を破ったのは朝鮮大だった。11番・金志錫がゴール前まで持ち込んで浮き玉のパスを送ると、これを19番・韓勇太がヘディングで叩き込み、朝鮮大が先制する。しかし、そのわずか1分後の前半14分、相手のクリアボールを拾った東学大の5番・石川将人がゴールを決め、すぐさま東学大が同点に追いつく。その後朝鮮大は19番の韓勇太を中心に東学大ゴールに迫るが、GKの1番・木村真のスーパーセーブもあり、追加点を挙げることができない。逆に37分にはまたしても東学大がチャンスを迎え、8番・堀大貴からのパスを受けた10番・岸寛太が逆転ゴールを決め、前半は終了する。
前半のうちに逆転を許してしまった朝鮮大。後半は同点を狙うが、逆に73分にはオウンゴールで失点し1-3とリードを広げられてしまう。東学大はさらに84分、6番・稲辺光が7番・色摩雄貴のアシストで追加点を決めると、最終的には4-1と大量得点で勝利を収めた。
 東学大はこの勝利で勝点を16にまで伸ばし、一気に4位まで浮上。「アミノバイタル?」カップに向けて、良い順位で前期リーグ戦を終えることに成功した。一方の朝鮮大はまたしても敗戦を喫する結果に。11位の日本大学と勝点2差までつめたものの、12位と最下位から抜け出すことは叶わなかった。ここ数試合は19番・韓の活躍が目立ったが、失点の多さからか順位を思うように上げることがでず。ここから切り替えて夏を乗り越え、後期は降格圏を抜け出したい。


〇前節は国士舘大学にあと一歩及ばず敗戦、1部昇格のために上位陣との差をつめたい中央大学(勝点15・4位)と、混戦から抜け出して上位争いに食い込みたい青山学院大学(勝点11・9位)の一戦。

 前半立ち上がりは、前への早い攻撃で中大がペースを握る。5分、中大はゴール前に抜け出した10番・寺村介がネットを揺らすもオフサイドの判定で先制とはならず。しかしその後の10分に、今度は青学大にチャンスが訪れる。左サイドから攻め上がった18番・小田寛貴が豪快に左足を振り抜き、青学大が先制。これで勢いに乗った青学大がその後も左サイドを中心に果敢に攻めあがる展開に。中大も20番・野口竜彦、10番・寺村がシュートを放つがゴールは割れず、1-0の青学大リードで試合を折り返すこととなった。
 青学大の攻撃は続く。後半に入った59分、18番・小田が左サイドから素早いクロスを上げると33番・大竹颯が押し込み追加点。ここで中大は15番・野口に代え今季初出場の35番・中畑天秀を投入する。しかし中大は切り替えの遅さから中盤でボールを奪われ、そこから青学大に一気にゴール前まで持っていかれる場面が増えることに。中大も何度か惜しいシュートを放つものの、決定力の低さが垣間見え、最後まで決めきれないまま試合は終了。落ち着いた試合運びで試合を優位に進めた青学大が0-2で勝点3を手にした。
 前期の最終戦で勝利を収め、上位との差をつめて後期リーグ戦に臨みたい中大だったが、この敗戦で4位から6位まで転落。4勝3分4敗と負け越しこそしなかったものの、満足のいく結果ではないことは確かだ。一方、「アミノバイタル?」カップに向けて、勢いづける勝利を手にした青学大。一時期は降格圏でくすぶっていたものの、7位に浮上し前期リーグ戦を終えることとなった。



 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦』は、1年での1部復帰を目指す国士舘大学と早稲田大学の2チームが、終始頭ひとつ抜ける状況で前期の最終戦を終えた。その2チームに続いて勝点を積み上げたのは拓殖大学、東京学芸大学。『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦』は、これで一時中断となり、7月1日(土)から『「アミノバイタル?」カップ2017 第6回関東大学サッカートーナメント大会《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》』が始まる。1部も2部も都県リーグも関係なし。夏の全国大会への出場権をかけた一発勝負の戦いに挑む。2部大学から1部大学をくだし、ジャイアントキリングを起こすチームは現れるのか。熱い夏の戦いに注目してほしい。
 後期リーグは、2か月の中断期間を挟み、9月16日(土)に再開される。中断期間中のチームの成長が、リーグ最終順位にもかかわることだろう。

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