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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・1部第21節レポート

2017/11/16
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第21節は、11月11日(土)に全6試合が行われた。



○今節の勝利次第でインカレ出場が決定する明治大学(勝点29・5位)と、今節で勝てば残留が確定する桐蔭横浜大学(勝点22・9位)の一戦。

 試合開始から明大が試合の流れを支配し、桐蔭大ゴールへ果敢に攻め上がる。桐蔭大は16分、サイドバックの12番・打越大樹が負傷で交代。その隙をつくように23分には、明大の2番・岩武克弥が右サイドからスローイン。それを受けた11番・櫻井敬基がそのまま右サイドをドリブル突破し、グラウンダーのパスを受けた14番・中村健人がゴールネットを揺らす。1点を追う形となった桐蔭大だったが、前半終了間際の45+2分、7番・浅沼大和から13番・岩下航へパスが通り、そのままシュート。明大がクリアしたが、11番・鈴木国友がこぼれ球を押し込みゴール。少ないチャンスをものにした桐蔭大が追いつき、1-1の同点で前半を終えた。
 後半は互いに拮抗した試合展開になり、両チームなかなかチャンスを掴めない。桐蔭大は後半早々の56分に、前節途中交代でゴールを挙げた14番・イサカゼインを投入。試合の流れを引き寄せようとするが、時間だけが過ぎ、試合はついにアディショナルタイムに突入。しかしそこからスコアが動いた。90+1分、右サイドでボールを受けた桐蔭大の14番・イサカが中央に走りこんできた10番・石川大地へとパス。これを10番・石川が冷静に決め、桐蔭大が逆転に成功する。試合はそのまま終了。桐蔭大が前後半ともにアディショナルタイムにゴールを決める劇的な逆転で、勝点3を獲得。5連勝となった。
 連勝ならず、悔しい逆転負けを喫した明大だが、他会場の結果により、インカレ出場が決定。現在6位だが、4位の法政大学、5位の東京国際大学とは勝点1差と逆転可能な状況。最終節は駒澤大学戦に勝利してひとつでも上の順位でインカレに臨みたい。一方桐蔭大は最下位から怒涛の5連勝で、ついに1部残留を確定した。最終節は東京国際大学と対戦。苦しむ時間の多かった今季だが、最後は6連勝して締めくくりたい。


○今節勝利し、最終節の筑波大学との直接対決に備えたい順天堂大学(勝点46・2位)と、現在5連敗中でインカレへ望みを繋げたい東洋大学(勝点24・8位)の一戦。

 東洋大キックオフで始まった試合は開始から東洋大が攻め込む時間が続いた。ディフェンスラインからしっかり繋いで仕掛ける順大に対し、東洋大はボールを奪って素早く攻め上がる。対称的な両チームの攻撃だったが、先にチャンスを得たのは東洋大だった。23分、10番・小堀 将人から18番・松崎快へとつなぎ、最後は7番・宮野直也が流し込んで引き分け以下の結果で逆転優勝の可能性を失う順大は、同点に追いつくべく東洋大陣地へと攻め上がる。すると38分、2番・柳澤亘が右サイドにボールを展開。これを14番・杉田真彦がゴール前へとグラウンダーのパスを入れ、最後は11番・旗手怜央が頭で合わせてゴールネットを揺らす。
 同点で迎えた後半開始早々の49分、今度は東洋大が決定機を作る。中盤で10番・小堀将人が順大選手のバックパスをカットすると、そのままゴール前まで持ち込み、GKを抜き去って追加点。どうしても負けるわけにはいかない順大は51分に9番・松島奨真、57分に毛利駿也を投入。流れを変えようとするが、なかなか同点に追いつくことができない。それでも順大は78分、コーナーキックを獲得。その流れの中から10番・米田隼也、2番・柳澤亘と浮き玉をつなぎ、最後は11番・旗手がこぼれ球を蹴り込む形でゴール。再び同点に追いついた。しかし勝たなければ逆転優勝の可能性が潰える順大にとっても、勝点3がインカレ出場へ最低条件となる東洋大にとっても、引き分けは望まざる状況。両チームその後激しく攻めこみ勝ち越し点を狙ったが、ゴールネットを揺らすことなく2-2で試合終了。タイムアップの瞬間、双方の選手が崩れ落ちる結果となった。
 今節、筑波大が勝利して順大が引き分けたことにより、首位と2位の差が4ポイントに開き、最終節を待たず筑波大の優勝が決定。順大は最終節の逆転優勝を逃し、涙を呑むこととなった。最終節では、その筑波大と対戦。優勝は逃したものの1年間競り合った"ライバル"との対戦を制し、リーグ戦を締めたい。一方、東洋大は、最下位に沈む専修大学と対戦する。インカレ出場とはならなかったが、対戦相手は残留をかけて戦うだけに難しい試合になることが予想される。最終節しっかり勝点を挙げ、今季のリーグ戦を終えたい。


◯インカレ出場に希望をつなぐため負けられない駒澤大学(勝点23・8位)と、残留に向けて是が非でも勝利したい慶應義塾大学(勝点17・11位)の一戦。

 試合は、立ち上がりから慶大が押し込む形で進んだ。慶大は20番・ピーダーセン世穏を中心にチャンスを作ると、17分に駒大選手のハンドで得たペナルティーキックを獲得。キッカーの33番・佐藤海徳が落ち着いて決めて、先制点を挙げる。さらに41分には、33番・佐藤のコーナーキックに20番・ピーダーセンが頭で合わせてリードを2点に広げ、前半を終える。
 後半に入ると、駒大が巻き返したい一心で慶大ゴールに迫る。左サイドの11番・安藤翼がドリブルから突破口を作ると、たびたび慶大ゴールを脅かす。すると70分には、中盤まで押し上げてきた4番・星キョーワァンから10番・小口大司へとボールを繋ぎ、途中出場の9番・小田駿介へ。9番・織田がダイレクトで右足を振り抜き、駒大が1点を返す。その後は攻勢に出る駒大と守る慶大の図式が続き、駒大は後半だけでシュート9本を放つなどして、慶大を圧倒。しかし、慶大は集中した守りでそれ以上のゴールを許さず、結局1-2で試合終了となった。
 敗戦した駒大は、これでインカレ出場への可能性が消滅する一方、1部残留がほぼほぼ決まる結果となった。次節はインカレ出場の決まった明治大学と対戦。最後に意地を見せたい。一方、1部残留に向けて絶対に必要だった勝点3を得た慶大。10位の日本体育大学とは勝点も得失点も同じとなり、最終戦では勝利が絶対条件となる。対戦相手は流通経済大学。簡単な相手ではないが、是が非でも勝利し、1部残留を成し遂げたい。


◯2連勝で優勝に王手をかけた筑波大学(勝点48・1位)と、前節、東京国際大学に劇的勝利を収めた流通経済大学(勝点38・3位)の一戦。

 今リーグ戦最後の"茨城ダービー"は、筑波大にとって優勝に王手をかける大事な一戦となった。前期リーグでは流経大が勝利しているため、筑波大にとっては雪辱戦でもあったが、序盤にペースを掴んだのは流経大。10番・ジャーメイン良と18番・立花歩夢が両サイドから個人技で突破を試みるが、徐々に筑波大がボールを保持していく。すると35分、27番・渡邊陽のロングフィードに走りこんだ11番・中野誠也が、GKとの1対1をかわして冷静に決め、1-0に。筑波大リードで前半を終えた。
 後半も筑波大ペースで試合は進んだ。52分には14番・会津雄生の右サイドからのスローインを受けた27番・渡邊が浮き球を前線へ送ると、またも11番・中野が右足で決めて追加点。2-0とリードを広げる。さらに74分には、27番・渡邊が9番・三笘薫とのパス交換で抜け出すと、8番・戸嶋祥郎にスルーパス。これを8番・戸嶋が右足で決めて、ダメ押しの3点目。対する流経大は最後までゴールを揺らすことができないまま試合終了。後期の茨城ダービーは、筑波大が勝利を収めた。
 3ゴールで快勝した筑波大。同日同時刻で行われていた試合で2位の順天堂大学が引き分けたため、最終節を残して13年ぶり15度目の優勝が確定した。筑波大の小井土正亮監督は「順大が勝つと思っていたし、優勝は意識していなかった」とコメント。それよりも「相手は前期1-3で負けている流経大。計算ができる相手ではないし、前期のリベンジで流経大に勝つことだけを考えいて」という。最終節を残しての優勝は「正直出来過ぎの結果」と笑いながらも「後期、選手ひとりひとりが成長してチームが高まった1年だった」と振り返る。なかでも9番・三笘や、この試合で3得点すべてに絡んだ27番・渡邊など下級生の成長がチームを底上げし「どこよりもチーム内競争のレベルが高い状況を作り出せた」と優勝の要因を語った。最終節は、最後まで優勝を競い合った順天堂大学との一戦。リーグを締めくくる試合、王者としての強さを見せたい。
一方、完敗を喫した流経大の中野雄二監督は「相手は優勝がかかった試合。ウチは勝っても負けても順位が3位と変わらない状況で、モチベーションの持ち方が難しかった」とコメント。それでも「率直にいえば、(10番の)中野がチームにいるか、いないかの差」と相手エースの決定力を賞賛した。「あえて(9番の)三笘のドリブルを封じるような戦術はとらなかった」と、真正面からぶつかったが「決定力に差があった」。このリベンジは「インカレでの対戦で」と目論むが、その前に最終節の慶應義塾大学が待つ。残留をかけて負けられない慶大相手に、どこまで上位の実力を見せられるか。


〇現在6連敗中で降格圏ギリギリに位置する専修大学(勝点18・10位)と、残留のためには勝利が絶対条件の最下位、日本体育大学(勝点17・12位)の、残留をかけた直接対決。

 絶対に勝利が欲しい両チームの一戦は、最下位にいる日体大がやや押し気味で進んだ。日体大はケガから復帰したボランチで主将6番・輪笠祐士が攻守にわたり存在感を見せ、またサイドにポジションを取る7番・室﨑雄斗、26番・山下諒也らが攻撃の起点となってチャンスを作る。対する専大は15番・小林岩魚を中心に、ボールを奪ってからあまり時間をかけないシンプルな速攻を試みる。専大はFWの18番・岸晃司を狙って素早い縦パスを入れ、それに合わせて11番・中山克広が上手く裏に抜け出してチャンスをつくるが、日体大守備陣の集中した守りを崩しきることができない。両チーム一進一退の攻防が続き、スコアレスのまま前半を終える。
 後半も序盤は前半同様に拮抗した時間が続いたが、徐々にオープンな展開に。専大は後半から投入された19番・氣田亮真が18番・岸と絶妙な連携を見せ、日体大ゴールに迫る。しかしシュートは日体大の守護神、12番・長谷川洸が好セーブを見せて得点を許さない。両者一歩も譲らず試合も終盤に差し掛かった83分、ついにスコアが動く。日体大の6番・輪笠から、右サイドをオーバーラップした3番・福田圭佑にボールが渡ると、そこから17番・里見直樹へとパスが入り、左足一閃。17番・里見が値千金の先制弾を決める。得点で勢い付いた日体大はアディショナルタイムに入った90+3分、途中出場のエース、10番・太田修介がシュートを放ち、一度は阻まれるものの、こぼれ球を再び10番・太田が蹴りこみ追加点。渾身の一振りを専大ゴールへ突き刺し、0-2で日体大が下位の直接対決を制した。
 最終節を前にして、専大は最下位に転落。残すは東洋大学との一戦だ。自力での残留は消滅し、残留への道は勝利するのみ。一方の日体大はこの勝利で2つ順位を上げ、最下位から10位に浮上降格圏の脱出に成功。しかし11位の慶應義塾大学とは勝点で並び、未だ残留は確定していない。残留するためには、最終節の法政大学戦に勝利することが条件となる。はたしてどのチームが残留を決められるか。


○2連敗中と調子を落としている東京国際大学(勝点30・4位)と、前節逆転負けを喫した法政大学(勝点27・6位)の一戦。

 試合は、互いに慎重な戦いで入ったが、徐々に東国大がペースを握りシュートチャンスを増やしていく。25分、法大は一瞬の隙をつくと8番・紺野和也が11番・青柳燎汰へとパス。それをオーバーラップしてきた30番・高木友也に送ると、30番・高木がこれを冷静に決めて、法大が先制する。0-1リードのまま前半が終わると思われたが、アディショナルタイムに入った45+2分、法大は11番・青柳が右サイドの8番・紺野にボールを展開。8番・紺野がペナルティーエリアに挙げたクロスボールに、20番・上田綺世が頭で合わせ追加点。2-0と法大がリードを広げて前半を終了する。
 後半に巻き返しをはかる東国大は、ハーフタイムに突破力のある27番・宇高魁人を投入。流れを変えようとするが、56分に5番・楠本卓海が決定機の場面を阻止したとして退場となってしまう。1人少なくない状態で戦うこと余儀なくされた東国大は、次第に法大に攻め込まれる形に。何とか守って、攻撃のチャンスをうかがう東国大だったが、法大の攻撃に押し込まれたままタイムアップ。前半に挙げた2点を守りきった法大が勝利した。
 初のインカレ出場を決めた東国大だが、これで3連敗とチームは不調。この試合でも一瞬の隙を突かれて失点を許してしまうなど、安易なミスが目立った。最終節は桐蔭横浜大学と対戦。主将でディフェンスラインの要である5番・楠本不在の中、どこまで戦えるか、インカレに向けて試金石となる一戦になりそうだ。一方、相手の隙を突いて得点したあとは、数的優位をうまく使い試合を動かした法大。次節は日本体育大学と対戦。相手は残留がかかった難しい試合だが、最終戦に勝ってチームを上向きにし、インカレを迎えたいところだ。



 次節、第22節は11月18日(土)に栃木市総合運動公園陸上競技場にて東京国際大学と桐蔭横浜大学が、味の素フィールド西が丘にて流通経済大学と慶應義塾大学が、相模原ギオンスタジアムにて法政大学と日本体育大学が、日本大学稲城総合グラウンドにて東洋大学と専修大学が、三ツ沢公園陸上競技場にて明治大学と駒澤大学が戦う。翌11月19日(日)には味の素フィールド西が丘にて筑波大学と順天堂大学が対戦する。
 残り2試合となった第21節では、筑波大が手堅く勝点3を獲得。順大が引き分けたため、筑波大の13年ぶり15度目の優勝が決定した。最終節の直接対決で勝利し、逆転優勝を狙っていた順大にとっては、悔し涙を呑む結果となった。一方、1部残留に向けた戦いでは、最下位の日体大が10位の専大との直接対決を制して降格圏を脱出。逆に専大が順位を2つ落として降格圏へ転落するという大きな動きを見せた。また11位の慶大も勝利したため、残留争いは今節でさらに混戦模様に。9位に位置する駒大と10位の日体大は勝点差こそ3だが、得失点差の関係で駒大の残留はほぼ確定。降格圏にある2枠をめぐって、最終節で下位3チームが争うこととなった。果たして1部リーグに残留を決めるのはどのチームか。最終節の熱き戦い絶対に見逃せない。
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