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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・2部第11節レポート

2016/06/19
 「JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦【前期】」2部リーグ第11節は、6月11日(土)に4試合、12日(日)に2試合行われた。早くも前期リーグはこれで最終戦。昇格に向けて激しい戦いが繰り広げられた。



○勝って残留争いから抜け出したい拓殖大学(勝点8・11位)と、同じく、勝って後期リーグに繋げたい明治学院大学(勝点4・12位)との一戦。

 ともに残留争いを強いられている両校の対戦となったが、試合序盤に主導権を握ったのは明学大。しかしボールを保持するもののなかなかシュートチャンスまで持ち込むことができない。一方の拓大は13番・岩出拓也のロングシュートを機に徐々にペースを握り始めるが、両チーム得点を挙げることなく、スコアレスで前半を折り返す。
 得点のほしい拓大はハーフタイムにFWの16番・深尾春輝に代え、怪我から復帰し、前節でゴールを決めた9番・小野瀬恵亮を投入。勢いに乗った拓大は63分、6番・緋田優人の左からのクロスを10番・池田直樹が頭で合わせ先制点を奪う。さらに79分には35番・柴田隼人の右からのクロスを9番・小野瀬がヘディングで叩き込み拓大が追加点。上位にこれ以上差をつけられないためにも、このままでは終われない明学大は90分に40番・渡邉彰太が倒されてPKを獲得。このチャンスを40番・渡邉自身が落ち着いてゴールに流し込み、1点差へと詰め寄る。しかし試合終了間際の90+3分、拓大20番・細合力フォスターのフリーキックに、裏へと抜け出した36番・高橋直也が頭で合わせてダメ押しの追加点。3-1で試合が終了。
 順位こそ11位と依然降格圏にあるものの、10位・関東学院大と勝点で並ぶなど、拓大が残留に向けての大きな1勝を手にした。「勝って前期を終われてよかった。(後期への)気持ちが全然違う」という拓大の玉井朗監督だが、「出来はよくなかった。特に前半は全然ダメだった」と厳しい表情。「こんなに穂積の存在が大きいとは思わなかった」と、キャプテンでボランチの4番・穂積諒が教育実習のために不在の影響の大きさを実感した様子。「チャンスの数でいったら明学大さんとそう変わらなかったと思う。ただ、シュートが枠に入らなかっただけ。相手に助けられた」という。それでも、14番・小島樹、35番・柴田隼人、20番・細谷力フォスターら「若いプレーヤーによる底上げができてきた」というだけに「(都県への)降格だけはしたくあい」と、決意を新たにしていた。
 一方の明学大は、1勝1分9敗と厳しい戦績で前期を終了。後期リーグこそ勝点を積み重ねていきたいところだ。


○現在3連敗中で、1ケ月ぶりの勝利が欲しい神奈川大学(勝点16・5位)と、前期は久しぶりに勝ち星を挙げ、連勝して前期リーグを締めたい青山学院大学(勝点13・7位)との一戦。

 試合序盤にファーストチャンスを作ったのは青学大だった。左に流れた9番・窪園大地のカットインからの右足のシュートは惜しくもバーを直撃。一方の神大も左サイドから強烈なミドルシュートを放つが、こちらもバーに嫌わる。その後も互いに攻めの姿勢を見せるが、両チームのDF陣が体を張った守備で守り切り、0-0のまま前半は終了。
 後半にペースを握ったのは神大。じっくりとボールをつないで青学大陣内へと攻め込む。64分、神大に待望の先制点が生まれた。11番・野路貴之からのパスをゴール左前で受けた23番・河村英侑が、カットインからゴール右隅へ狙いすましたシュートを放ちゴールネットを揺らす。続く79分、右コーナーキックが流れたところの折り返しを、神大8番・菊地佑太が頭で押し込み2-0に。その後も青学大が幾度となく神大ゴールに迫るが、神大の固い守備を崩し切れずにタイムアップ。
 2-0で神大が1か月ぶりの勝利を飾り、4位に順位を上げて前期リーグの最終戦を終えることとなった。長谷川大監督は「首位の中央大の勝点が26で自分たちが19で勝点差は7。十分巻き返せる数字。後期へのステップになる勝利だったと思う」と、久々の勝利にほっとした様子。「2部に降格したが、昨年1部でやっていたサッカーは十分手応えがあった。今年も継続しようと思って開幕を迎えた」が、主力メンバーを怪我などで欠くと「そのサッカーができなくなった」と前期での戦いぶりを振り返る。結果、途中から調子を落とすこととなったが、「個人ではなくチームとして、神大としてのスタイルで戦うという意識ができた」。そんな中で挙げただけに大きい勝利だ。「現在4位だが、失点は12チームの中で一番少ない。被シュート数も少ないはず。そういうじぶんたちの強み、よさを求めていきたい」と後期に向けて意気込んだ。
 一方、8位に順位を落としてしまった青学大は、リーグの中断期を挟み不調を断ち切りたいところだ。


○首位のまま前期を折り返せるか、注目の東京国際大学(勝点23・1位)と、前節は三3連勝を逃したが、高い順位で前期を終えたい東京学芸大学(勝点11・8位)の一戦。

 首位の東国大が優勢かと思われたが、試合が始まってみると東学大が東国大の裏のスペースを利用して流れを作り、主導権を握る展開に。東学大は、コーナーキックのこぼれ球から11番・岸寛太がシュートを撃つも枠を捉えきれず、そこでオーバーラップしてきていた3番・冨澤右京のシュートも東国大GK 1番・伊原清也の正面に。なかなかゴールが奪えない。対する東国大は前半29分、相手DFのボールをカットした11番・進昴平が右足でシュート。一度はポストに当たったものの、シュートはそのままゴールに吸い込まれ、東国大が先制点を奪う。その後は拮抗した試合展開が続き、スコアが動かないまま前半終了かと思われたが前半45分+2分。東学大3番・冨澤の左からの正確なクロスに34番・宮地裕次郎がヘディングで合わせて貴重な同点弾。前半を1-1で折り返す。
 後半も東国大は9番・町田ブライト、11番・進を中心に攻撃を組み立てようとするが、東学大も13番・大竹陸、20番・鈴木翔太などDF陣が身体を張った守備によりゴールを堅守。東国大はピッチに送り込んだ交代選手が積極的にシュートを放ち追加点を狙うが、こちらも決めきれない。
 結局試合は1-1のまま終了し、両チーム痛み分けの引き分けとなった。東国大は2位の中央が勝利したため勝点差2の2位に陥落。中大に首位を明け渡した。一方の東学大は順位をひとつ落として9位に。混戦の中位につけているだけに、降格圏内も近く着の抜けない順位で前期を折り返すこととなった。


○現在5連勝中、熾烈な首位争いを繰り広げる中央大学(勝点23・2位)と、こちらも4連勝中と好調で、勝って首位争いについていきたい東洋大学(勝点20・3位)の一戦。

 中大は5連勝中、東洋大は4連勝中と互いに連勝中で、 前半は拮抗した展開となった。中大はセンターバックの3番・小川雄生、左サイドバックの2番・縣翔平が相手のチャンスボールを落ち着いて対応。29分には東洋大がPKを獲得するも、これは中大のGK1番・置田竣也がセーブするなど、中大は安定した守備で東洋大のゴールを許さない。一方の東洋大も中大の10番・古橋匡俉、19番・矢島輝一、25番・上島拓巳ら調子を上げている選手を警戒し、徹底マーク。両チーム前半は得点を挙げられないまま折り返した。
 先に動いたのは東洋大だった。後半の52分、東洋大は10番・仙頭啓矢がフリーキックを獲得。これを10番・仙頭自信が直接決めて東洋大が貴重な先制点を挙げる。しかしここ数試合は、逆転する展開の多い中大はここから本領を発揮。東洋大の得点からわずか5分後の後半の57分、11番・翁長聖がドリブルでゴール前まで持ち込んで同点弾。さらに終了間際の後半の86分には、3番・小川の浮き玉のパスを2番・縣が頭で合わせたシュートが決まり2-1と逆転に成功。中大が調子の良さを見せつけた。
第10節終了時で2位、3位の上位対決は粘り強くチャンスを狙い、決め切った中大が6連勝を果たし、首位に復活。2位の東京国際大にも勝ち点差2をつけるなど、後期に向けていい形で前期を締めくくる事ができた。一方の東洋大は3位と順位は変わらないながらも、首位争いに少しだけ差をつけられて折り返し形となった。


◯5戦勝ちなしでそろそろ勝点3が欲しい関東学院大学(勝点10・10位)と、前節に続き前期最終戦を勝利で飾りたい朝鮮大学校(勝点13・6位)の一戦。

 試合は、序盤から関学大10番・勝山聖也が持ち味のロングパスで攻撃の起点となり、アグレッシブに攻め込む。しかし朝鮮大の堅い守備を前に、なかなかゴールを奪えない。だが、関学大はディフェンス面でも朝鮮大を圧倒。もセンターバックし5番・里聡一郎と4番・森本大貴が球際での力強さを発揮し、朝鮮大はシュートを1本も打つことができずに前半を折り返した。
 後半に入ると朝鮮大は10番・金成純を中心にボールを回し、攻撃のリズムを作る。何としても得点が欲しい関学大は果敢に攻め上がるが、フィニッシュでの精度を欠き、結局スコアレスドローで試合終了。
 前期リーグを10位で終えた関学大は、下位脱出のためにも後期で巻き返しを狙いたいたい。一方、5位で終えた朝鮮大は上位5チームに食らいついていけるかが、昇格に向けてのポイントになる。


◯3連敗中と調子を落としている東海大学(勝点11・9位)と、現在4位で上位3チームに追いつきたい東京農業大学(勝点17・4位)の一戦。

 試合は序盤から、堅守速攻の戦い方が確立している東海大と、それを知る東農大が東海大をどう切り崩していくかがポイントとなった。スコアが動いたのは16分、東海大は30番・山内健史が右サイドの裏へ抜け出し、中央へとクロスをあげる。そこに走りこんだ17番・吾妻海渡が、右足で押し込み先制点を奪う。その後は、東農大が支配率を高めるもチャンスを生かすことができず、両チーム追加点のないまま前半が終了。
 後半に入ると、52分に東海大がフリーキックを獲得。6番・小野能寛のキックに対するクリアミスが不運にも自陣ゴールに入り、東農大が追加点を献上してしまう。リードを広げられ、苦しい状況となった東農大は途中交代で入った13番・糸川颯と27番・磯野隆明が流れを変え反撃を試みる。すると81分、右サイドの13番・糸川のクロスをクリアーしようとした相手ディフェンダーがミスを犯し、オウンゴールをしてしまう。ラッキーな形で1点を返した東農大はさらに追い討ちをかけるが、追加点までは至らず東海大が2-1で逃げ切った。
 勝利を収めた東海大は前期リーグを7位で終え、後期での巻き返しを狙う。一方、敗れた東農大は前期リーグを5位で終ることとなった。ここ数試合は勝ち切れない試合が続いているが、序盤は5連勝と好調で一時は首位に立った。それだけに、後期で上位4チームに食らいついていけるかどうかが、昇格に向けてのカギになる。



 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』は前期リーグ全日程を終え、中断期間を挟んで9月10日(土)から後期リーグがスタートする。後期のスタートダッシュに成功すれば、まだまだ巻き返しは可能。いずれの大学の、昇格に向けて中断期間での強化に励むことだろう。
 なお、6月25日(土)からは『「アミノバイタル」カップ2016 第5回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選』が開催。関東リーグ所属24大学と、予選を勝ち抜いた都県リーグ所属8大学がノックアウト方式で激突。夏の全国大会である『総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』の出場切符を賭けて、一発勝負に挑む。
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