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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・1部第14節レポート

2016/09/21
 後期リーグスタートからの3連戦、その最終日となった『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』。1部第14節は9月17日(土)に4試合、18日(日)に2試合が行われた。



○前節早稲田大学戦に完敗し、首位・明治大学に食いつくためには勝点3が必須の法政大学(勝点21・2位)と、最下位に沈むも前節では3位の筑波大学を撃破し、反撃へと移りたい国士舘大学(勝点10・12位)との一戦。
 立ち上がりはラインを低く保ち慎重にゲームを進める法大に対し、国士大はボールをキープしながら果敢にゴールを狙いに行く展開となっていた。しかし13分、法大は右サイドから17番・武藤友樹のクロスに23番・黒柳駿が頭で合わせて先制し、最初のチャンスをものにすると、16分にも左サイドから7番・川崎雅哉のクロスに19番・清谷陸がヘディングで、さらには43分、中央からの17番・武藤のパスに14番・上田慧亮が右足でゴールを決め、完全に流れを法大のものとなった。
 後半も法大ペースで試合は進んだ。56分に28番・下澤悠太のコーナーキックに2番・山田将之がヘディングで合わせ追加点。法大はスコアを4-0とし、国士大を突き放す。流れを変えたい国士大は、58分に11番・林祥太にかえてエース10番・松本孝平を投入するも、なかなかペースを掴むことができない。79分には国士大のパスミスを7番・川崎がカットしそのままドリブルで持ち込みシュートを放ち5点目。試合を決定的なものとする。83分には国士大も13番・荒木翔のゴールで一矢報いるも、追加点なく試合終了。
 合計5-1で法大の圧勝。サイド攻撃や中央突破、セットプレーからと、あらゆる攻撃パターンからゴールを決め、攻撃力の高さを見せつけた。「崩しの部分はできていたし、前節も(勝てる)可能性はあった。ただ、強気にいけなかった」というのは、法政の長山一也監督。今節は5人が得点を挙げ「どこからでも点をとれるのが強み」としながらも「個人で2点目をとれる選手がいない。爆発力のある選手がいれば相手にとって脅威になるのだが」とも。法大は次節、後期リーグ未だ勝ちなしの桐蔭大と対戦。首位との勝点差は9と厳しい状況だが「自分たちは勝ち続けるしかない」(同監督)。ここでもしっかり勝点3をものにしたい。
 一方、3試合で9失点と、守備の改善が急務となる国士大は、後期リーグ3連敗中の順大との対戦。しっかりと課題を克服し、巻き返しをはかりたい。


○後期リーグ未勝利と前期の勢いを取り戻したい筑波大学(勝点20・3位)と、2試合連続引き分けと勝ち切れない流通経済大学(勝点16・9位)との一戦。

 未だ勝ちがなく、この茨城ダービーを制して波に乗りたい両チーム。前期リーグは0-1で流経大、天皇杯予選では0-0(PK6-5)で筑波大と今季の直接対決の戦績は1勝1敗。ともに負けられない、ライバル同士の熱い一戦だ。この日は流経大の集中応援とあって、新設されたバックスタンドが観客でいっぱいに埋まる中、筑波大のボールでキックオフ。その筑波大は5番・鈴木大誠を中心に、流経大は15番・今津佑太を中心に、お互いに集中力の高い守備で相手にチャンスを作らせず、0-0で前半は終了。
 後半から筑波大は25番・西澤健太を、流経大は20番・新垣貴之とエース10番・ジャーメイン良といった、攻撃的選手を起用し勝負をかけてきた。先に試合を動かしたのは筑波大。65分一瞬のスキを突いた11番・中野誠也が抜け出すと、中央に走りこんだ25番・西澤へラストパスを送る。これを25番・西澤が確実に流し込み、筑波大が先制する。失点を許した流経大は人数をかけ攻撃に転じ、70分に得たコーナーキックのこぼれ球を5番・守田英正が左足で地を這うような豪快なシュートで決め、試合を振り出しに戻す。何としても勝ちたい両チームは一歩も引かない接戦を繰り広げる。筑波大は85分に11番・中野に代え10番・北川柊斗を投入する。87分、ロングボールを収めた10番・北川がドリブルでディフェンス2人を引きつけると、走りこんできた16番・戸嶋祥郎へとパス。16番・戸嶋はフリーでシュートを放つもGK22番・オビ パウエル オビンナにはじかれるが、こぼれ球を再び16番・戸嶋が押し込み追加点。結局、このゴールが決勝点となり、試合は2-1のまま終了。ダービーにふさわしい接戦を筑波大が制した。
 1失点はしたものの安定した守備で勝利を収めた筑波大。「点をとらないと勝点はとれない。しかし後期2試合で失点は1。点を焦るあまりバランスを崩すことだけはやめよう、と選手を送り出した」と小井土正亮監督。「連戦もあって、前節ではエネルギー不足、パワー不足を感じた」ため、今節ではメンバーを入れ替え「動ける選手を出した」。その選手が前半に耐え、後半に入った選手が「仕事をしてくれた」と狙いどおりの展開に。次節は、同じ昇格組で後期リーグ負けなしと好調の日本体育大学と対戦。「優勝は少し遠ざかってしまったが、残り試合は全勝するつもり。8連勝にトライする準備はできている」(同監督)。この試合でようやく後期初得点を挙げた筑波大だが、いまだ2得点と不調な攻撃陣の真価が問われる一戦となるだろう。
 一方、一度は追いつくも敗戦を喫した流経大。決め手を欠くこともさることながら、「失点がすべてマイボールを失うところから始まっている」と中野雄二監督は怒りを隠せない様子。「今日は全体的に動けなさすぎた。ボールがないところでの駆け引きもない。練習でやってきたことがまるで出せていなかった」とも。次節は1勝2敗と、こちらもなかなか調子を上げられない駒澤大との対戦で、一歩間違えれば降格の危機にあるチーム同士の戦いとなる。状況は「かなり深刻。2部降格も覚悟しないといけないところまできている」という指揮官の言葉に、チームがどう応えるか。試合に勝ち切るためにも攻撃陣の奮闘が勝敗のカギを握る。


○後期初白星を手に入れたい桐蔭横浜大学(勝点16・8位)と、勝って降格圏から抜け出したい専修大学(勝点13・11位)との一戦。

後期に入ってから勝利のない両チームの一戦は、序盤から桐蔭大が主導権を握る。シュートを何本も放ちゴールを狙うが決定力に欠き、得点に結びつけることのできない桐蔭大。そんな中、我慢の時間が続いていた専大が反撃に出る。前半31分、32番・長岡克憲のコーナーキックを、11番・佐藤遵樹がヘディングで叩き込み先制に成功する。
 後半開始も専大が先制点の勢いのまま桐蔭大ゴールを脅かす。桐蔭大もシュートを打つがポストやバーに嫌われ、ゴールを決めることができない。このまま専大が1点を守り切るかと思いきや、桐蔭大も意地を見せる。80分、26番・池田壮磨の左サイドからのスローインを35番・桑原孝太郎が浮き球で12番・佐藤碧へとパス。このボールを中央で受けた12番・佐藤がドリブルで突破し、右足で冷静に沈める。土壇場で桐蔭大が追いつき、1-1のドローで試合終了となった。
 初の勝点3獲得とはならなかったが、上位グループに近づきたい桐蔭大にとっては、連敗にしなかったという意味で大きな勝点1。また現在11位と降格圏の専大は、降格圏脱出とはならなかったものの、10位・駒澤大学との勝点差を1と縮めた。



○連敗から抜け出して勝点の欲しい順天堂大学(勝点17・7位)と、勝って上位争いに食い込みたい慶應義塾大学(勝点18・6位)との一戦。

 いまだ勝星のない両チームの対戦は、前半から順大ペースで試合が進む。順大は、細かいパスワークから何度もシュートを打って慶大ゴールを脅かすが、決定力に欠きゴールまで結びつけることができない。一方、我慢の時間が続く慶大は、カウンターからゴールを狙うも大きなチャンスは訪れず、前半のシュート数は順大の7本に対し、慶大は2本。両チーム無得点のまま前半を終える。
 後半もペースを握ったのは順大だった。9番・松島奨真、17番・旗手怜央を中心に再三チャンスをつくるが、慶大も早いタイミングで選手を交代し、反撃に出る。まず後半から13番・松木駿之介に代わって11番・手塚朋克を投入。58分には9番・田中健太、70分には10番・山本哲平をピッチに送り込み、スピードを活かした攻撃で順大ゴールに迫る。両者互角の試合展開が続く中、チャンスをものにしたのは慶大だった。82分、4番・宮地元貴の右サイドからの縦パスに、27番・佐藤海徳が反応。27番・佐藤からのクロスに、20番・池田豊史貴が難しい体勢ながらも右足で合わせてゴールを決めた。追いつきたい順大も奮闘するが、そのままタイムアップ。結局は20番・池田の関東リーグ初得点が決勝点となり、慶大が後期初白星を手に入れた。
 連敗という嫌な流れを断ち切るためにも勝点3の欲しかった順大だったが、これで3連敗。順位は変わらないながらも、下位との勝点差が詰まり、降格圏との勝点差は3と、非常に厳しい状況となった。一方の慶大はこの試合に勝ったことで6位から4位に浮上。明大が首位独走状態となっているが、このまま上位争いへ食い込みたいところだ。



○前期リーグ終了時以来勝点差1のまま、競り合う両チーム。ともに後期リーグ2連勝中の好カードとなった、日本体育大学(勝点20・4位)と早稲田大学(勝点19・5位)の一戦。

 ここで勝点3を得られれば大きなはずみがつく両チームの戦いは、前半から拮抗した展開となった。早大は2トップの4番・飯泉涼矢や9番・中山雄希、サイドハーフの7番・相馬勇紀らが6本のシュートを放つも、ゴールを割ることができない。一方の日体大は早大の3番・熊本雄太を中心とした堅い守備に阻まれてシュートは2本にとどまり、互いに決定機を作れないまま前半が終了した。
 後半に入ると両チームともにギアを上げ、より積極的に得点を狙い始める。試合が動いたのは61分、早大の浮き球で繋がれたボールを7番・相馬がヘディングシュートで決め、早大が待望の先制点を挙げる。このまま守り切りたい早大だったが、猛攻を仕掛ける日体大に後半だけで合計8本のシュートを打たれてしまう。85分には日体大2番・高野遼に左サイドを破られてついに追いつかれ、そのまま試合終了。両チームが勝点1ずつを分け合ったものの、ひとつずつ順位を落とす痛い引き分けとなった。
 早大は次節、集中応援で2位と勝点差9で首位を独走する試合巧者・明治大学と対戦する。後期に入ってから3連勝中で着実に勝点を重ね、優勝に向けて驀進中の明大から勝点をもぎ取ることができるか。一方の日体大の次節の相手は3位の筑波大学。上位チームではあるが勝点差は2と詰まっており、ここで上位に食い込むことができるか、注目である。



○後期2連勝中と好調を維持し、首位を独走する明治大学(勝点30・1位)と、連勝して降格圏から少しでも離れたい駒澤大学(勝点15・10位)との一戦。

 前半からボールを回してリズムをつかんだ明大は15分、15番・丹羽詩温のドリブルから放ったクロスに18番・櫻井敬基が頭で合わせて幸先良く先制。28分には中央でこぼれ球を拾った18番・櫻井から6番・柴戸海がパスを受け、ドリブルで切れ込んでからのシュートを放ち、追加点を挙げる。さらに前半アディショナルタイムには11番・岩田拓也、13番・巽豪と繋がれたボールを9番・土居柊太が決め、明大がバリエーションに富んだ攻撃でリードを3点に広げて前半が終了する。
 後半の立ち上がりには駒大が押し込む展開が続くものの、6番・種岡岐将が2枚目の警告で退場すると駒大は攻撃の起点を失い、再び明大が試合の主導権を握り始める。数的優位に立ち、点差にも余裕のある明大だったが、リスクを冒して攻めることはせず、奪ったボールを正確に繋ぎ続ける。そして駒大の運動量が落ちてきた81分に20番・渡辺悠雅がだめ押しの4点目を挙げてそのまま試合終了を迎えた。
 終始ゲームを支配し、攻撃のレパートリーの豊富さや試合運びの巧みさを見せつける形で勝点3を確実にものにした明大は、次節は早大との対戦。2位以下との勝点差をキープして優勝に近づけるか。上位チームとの連戦中に、少しでも勝点をあげたかった駒大だが、結果は2勝1敗と勝ち越せなかった。次節、集中応援の流経大戦でリズムを取り戻せるか。



 次節第15節は9月24日(土)と、25日(日)に開催される。24日(土)には富士北麓公園陸上競技場で順天堂大学対国士舘大学、法政大学対桐蔭横浜大学が対戦。茨城県立カシマサッカースタジアムでは慶應義塾大学対専修大学、筑波大学対日本体育大学が対戦する。25日(日)には味の素フィールド西が丘にて流通経済大学対駒澤大学、明治大学対早稲田大学の試合が行われる。
 明治大学が首位を独走する中、2位から6位までが勝点差4、7位から11位までが勝点差3と接戦を繰り広げる。中位陣は一歩間違えば一気に残留争いに巻き込まれ、下位チームはひとつの勝ちで大きく順位を上げる可能性があるだけに一戦一戦の重みは増すばかりだ。
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