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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・1部第9節マッチレポート

2019/08/09


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部9節は、8月3日(土)に1試合、8月4日(日)に5試合が行われた。


駒澤大学 対 流通経済大学 @江戸川区陸上競技場


 『「アミノバイタル®」カップ』を第3位という結果で終えるなど好調の駒澤大学(勝点16・4位)と、今季初勝利を目指す流通経済大学(勝点1・12位)の一戦。

 前半は流経大がテンポよくボールを回し駒大ディフェンスラインの背後を積極的に狙う。しかしシュートまでは持ち込めず、逆に駒大の左サイド、14番・米田大介が何度となくスピードのあるドリブルで突破。ゴール前へのクロスでチャンスを演出する。互いビッグチャンスを作るものの、駒大は流経大のGKの1番・オビパウエルオビンナのビッグセーブに阻まれ、流経大は8番・仙波大志のシュートがポストを直撃するなどしてゴールならず。スコアレスで前半を終えた。

 後半は立ち上がりから流経大が攻勢に出た。60分、流経大はテンポよく左サイドから右サイドへとボールを運ぶと、空いたスペースに5番・宮本優太が走り込み、14番・安居海渡からのスルーパスに反応。GKとの1対1を冷静に決めて、流経大が先制点を挙げる。しかし78分、駒大も14番・米田が左サイドをドリブルで突破。強引にクロスを上げるが、これは相手DFに跳ね返されてしまう。だが、駒大は切り替えの早いディフェンスでボールを奪取。こぼれ球を9番・高橋潤哉が拾い10番・薬真寺孝弥に落とすと、10番・薬真寺がワンタッチで流経大のディフェンスラインの背後へ。受けた9番・高橋が左足を振り抜くと、シュートは相手に当たってコースを変え、ポストに当たりそのままゴールの中へ。同点に追いつき、勢いを増す駒大は直後81分、今度は右サイドから9番・高橋のクロスをゴール前で受けた8番・横山玄徳がシュート。これは防がれるものの、こぼれ球を7番・荒木駿太が押し込み逆転に成功する。その後は駒大が持ち前の粘り強い守備で1点差を守りきり、試合は終了。わずか3分間で2ゴールを挙げた駒大が、逆転勝利を収め2位に浮上した。

 駒大の秋田浩一監督は「ラッキーだった」と控えめにコメント。「一生懸命やったとは思うが、満足はしていない」と厳しい評価を下し、「最終的に奪ったボールでミスをしている」との課題も挙げた。ただ、「相手にボールを保持されるのは想定内。むやみに前に行ってもかわされるだけ」という状況の中で「どう戦えばいいのかを、(『「アミノバイタル®」カップ』の3位決定戦)筑波大戦に勝って、多少理解できてきたと思う」とチームの成長、変化を感じている様子。次節・順天堂大学との上位対決では「ボールはもっと持たれるだろう。できるだけ旗手(怜央)選手にやられないよう、運動量と粘り強い守りで対抗したい」と結んだ。



早稲田大学 対 順天堂大学 @浦安市運動公園陸上競技場


 主力メンバーが怪我で不在ながらもリーグ戦では2連勝中の早稲田大学(勝点7・9位)と、こちらも3連勝中で夏の全国大会・総理大臣杯への出場も決めて好調な順天堂大学(勝点15・5位)の一戦。

 互いに連勝中で迎えたこの試合。立ち上がりは拮抗した試合展開となったが、29分に44番・西田翔央からのパスを受けた38番・加藤拓己が、相手DFを振り切ってゴール。早大が先制点を挙げる。順大も10番・旗手怜央を中心に早大ゴールへと迫るが、センターバックの5番・杉山耕二、3番・大桃海斗を中心とする早大の守備を崩すことができず、早大リードで前半が終了する。

 後半に入ると順大は2トップから1トップ+2シャドーにシステムを変更。「ずるずると下がっていた」という2ボランチを1枚にするなど、大胆な変更で試合に臨んだ。これが功を奏し、後半は順大が主導権を握る展開に。先制点を挙げた38番・加藤が下がったこともあり、攻め手がなく、シュートまで持ち込めない早大に対し、順大が相手陣地に押し込む時間帯が続いた。すると59分、フリーキックのチャンスを得た順大は、31番・津島孝至のキックが相手選手に当たるオンゴールで同点に追いつく。そして迎えた86分、後半は1トップにポジションチェンジし、何度も裏への飛び出しでチャンスを作っていた順大18番・大森真吾が、16番・長倉幹樹のクロスに合わせシュート。これはGKに弾かれるものの、後方に反れたボールをそのまま頭で押し込み逆転に成功する。その後は早大も反撃を試みるが、順大も集中したプレーで1点差を守りきり、試合は終了。順大が2-1で逆転勝利を収めた。

 敗れた早大の外池大亮監督は、後半の戦い方について「(ディフェンスが)はがされてはいけないところで相手にはがされ、それでスペースに走られるということの繰り返し」と振り返り「そこで一度引くことができれば」と、コメント。戦い方を変えた順大に対し、切り替えきれなかった状況を敗因のひとつにあげた。連勝は2で止まり、上位を目指す巻き返しにストップがかかる結果となったのは痛いところ。

 一方、これで4連勝となった順大の堀池巧監督は「前半は2トップにいい形でボールが入らなかったので、後半は1トップ+2シャドーにシステムを変えた。それも後半、ボールが動くようになった一因かと思う」と後半の"作戦"を語った。とはいえ、これで満足はしていない。後半2シャドーの位置に入ったエースの10番・旗手については「相手のダブルボランチにつかれていたとはいえ、『トゥーロン国際大会』に出た選手なら、決めきらないと」と、あえて注文をつけた。前期の残り2試合は2位に浮上した駒澤大学、そして首位の明治大学と「上位のチームと当たる。それだけに3連戦の初戦に勝ったのは大きい」と堀池監督。「上位校2つを叩くか、負けるか。首位の明大にどれだけ詰められるか」。順大にとって、ターニングポイントとなり得る連戦が待ち構えている。



筑波大学 対 専修大学 @筑波大学第一サッカー場


 中断期間前の前節に今季初黒星を喫し、連敗だけは避けたい筑波大学(勝点17・3位)と、今季は未だ1勝と苦しい状況にある専修大学(勝点4・10位)の一戦。

 試合は序盤から動いた。9分、相手陣地で専大の5番・鹿沼直生がボールをカット。これを10番・氣田亮真が受け、GKとの1対1を決めて先制点を挙げる。さらに22分には、9番・岸晃司がシュート。GKに弾かれるものの、こぼれ球を拾った10番・氣田がドリブルでGKをかわして追加点を決める。これ以上離されたくない筑波大は7番・三笘薫がドリブルで駆け上がり、ペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキック獲得。このペナルティーキックを自身で落ち着いて決め、2-1として前半を終える。

 後半も乱打戦となった。まずは50分、14番・郡紘平のパスを中央で受けた10番・氣田がドリブルで持ち込み、そのままシュート。これが決まり、10番・氣田はハットとロックを達成。専大も再びリードを2点差に広げる。だが、ここから筑波大の反撃が始まった。筑波大は61分にショートカウンターから18番・森海渡が右足を振り抜き2点目を挙げる。さらに76分、14番・山原怜音からのクロスに合わせたのは18番・森。森の連続ゴールで筑波大が追いつき、試合を振り出しに戻した。その後は一進一退の攻防となり、このまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイムに劇的な展開が待っていた。90+2分に専大がフリーキックを獲得。ゴール前の混戦の中から、5番・鹿沼が押し込んで4点目をマーク。これが決勝点となり、4-3で専大が待望の2勝目を挙げた。一方の筑波大は1000人超の声援を受けるも連敗となり、5位に後退した。


法政大学 対 東洋大学 @法政大学城山サッカー場


 天皇杯でのJクラブ勝利、そしてエース・上田綺世の鹿島アントラーズ移籍と、中断期間に起きた様々な事柄を経験として上位に食い込みたい法政大学(勝点13・6位)と、残留に向けて何としてでも勝利を掴みたい東洋大学(勝点3・11位)の一戦。

 前半は一進一退の攻防戦を繰り広げ、互いになかなかシュートまでは持ち込めない展開となった。それでも32分、東洋大は11番・小林拓夢がペナルティーエリア内でボールを受け、相手DFをかわしシュートを放つ。しかしこれは法大のGK、12番・中野小次郎に阻まれゴールならず。対する法大は相手を脅かすまでの攻撃ができず、結局スコアレスで試合を折り返した。

 後半に入ると、まずは法大が試合の主導権を握った。センターバックを中心に相手FWに仕事をさせず、セカンドボールを拾うと厚みのある攻撃で東洋大陣地に押し込む。62分には『第30回ユニバーシアード競技大会(2019/ナポリ)』の日本代表に選出された8番・紺野和也、69分には9番・松澤彰を投入し攻勢に出るも、GK、1番・松本健太を中心とする東洋大の体を張った守備を前に、なかなか得点を奪うことができない。対する東洋大は75分、26番・横山塁をピッチに送り出すと、26番・横山がすぐさま得意のドリブルで右サイドから法大に襲い掛かる。試合終盤には右サイドでファウルを受けてフリーキックを獲得するも、このチャンスを活かし切れず、試合終了。両チーム多くのチャンスを生み出すも、スコアレスドローという、ともに満足のいかない結果に終わった


明治大学 対 立正大学 @立正大学熊谷キャンパスサッカー場


 7勝1敗と、安定した戦いぶりで首位をひた走る明治大学(勝点21・1位)と、今季1部初昇格ながらも堂々の2位につける立正大学(勝点17・2位)の一戦。

 勝点差4で迎える首位攻防戦。両チームは先週行われた『「アミノバイタル®」カップ2019 第8回関東大学サッカートーナメント大会《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》』の決勝でも顔を合わせ、その際は明大が2-0で勝利を収めた。明大をホームグラウンドに迎えた立正大にとっては、リベンジとなる一戦。しかし試合は前半の立ち上がりから、明大が切り替えの早さと長短のパスを織り交ぜた、厚みのある攻撃で流れを掴んだ。一方の立正大は、GK12番・渡辺聖也を中心とした堅い守りで明大の攻撃を封じ、なかなか明大にゴールを割らせない。だが前半終了間際、ついに試合が動く。43分、11番・佐藤亮のパスを受けた7番・中村健人がドリブルで中央突破を図り、左サイドの8番・森下龍矢へ。カットインで中に鋭く切り込み右足を振り抜くと、シュートは美しい軌道を描いてゴールへと吸い込まれた。8番・森下は、前半から裏に抜け出す動きと縦への突破が光っており、調子の良さをうかがわせる先制点となった。

 後半の入りは両チーム互角。53分には、立正大がセットプレーから大きなチャンスを作るも、ゴールとはならず。その後、試合は徐々に明大ペースに。流れを引き寄せたい立正大は途中出場の18番・平松昇のアーリークロスなどで好機を作り出すが、得点には至らない。すると、試合終盤の80分、明大は11番・佐藤が相手DFからボールを奪うと、そのまま左足を振り抜き、強烈なシュートを突き刺す。得点ランキングトップの主将のゴールで、明大が待望の追加点を奪う。88分には立正大が11番・見原慧のゴールで1点を返すも、明大もアディショナルタイムに突入した90+1分に19番・中川諒真のヘディングシュートが決まり、再び立正大を突き放す。試合は3-1のまま終了。90分を通して、相手の3倍となる18本ものシュートを浴びせ続けた明大が快勝し、首位固めに成功した。


桐蔭横浜大学 対 中央大学 @桐蔭学園多目的グラウンド


 中断期間明け、良い流れで上位進出を目指す桐蔭横浜大学(勝点12・7位)と、リーグ序盤の勢いを取り戻したい中央大学(勝点11・8位)、勝点1差の7位と8位の直接対決。

 立ち上がりは中大がチャンスを作るシーンが多く見られたが、桐蔭大の守備陣も集中した守りでゴールを割らせない。すると12分、前線に抜け出した桐蔭大の15番・松本幹太を、中大の4番、徳島ヴォルティス内定の安部崇士がファウルで止めて退場に。中大は早い時間帯に10人での戦いを強いられることとなった。その後は数的優位に立った桐蔭大が主導権を握る展開に。桐蔭大は中盤の6番・橘田健人、12番・杉山雄太が質の高いロングボールを供給。FWの15番・松本が頻繁に前線に抜け出し、8番・イサカゼインがアクセントを加える。攻勢を強める桐蔭大は34分、12番・杉山のコーナーキックに4番・眞鍋旭輝が頭で合わせ、先制点。しかしその直後の37分、同じくコーナーキックから中大の3番・深澤大輝がヘディングシュートを決め、試合を振り出しに戻し、1-1で前半が終了した。

 後半は立ち上がりから試合が動いた。まずは53分、桐蔭大は19番・中村響がこぼれ球に詰めて追加点。さらに55分、12番・杉山雄太のフリーキックに3番・遠藤凌が頭で合わせて3点目。立ち続けのゴールで、桐蔭大が2点のリードを奪う。その後も桐蔭大がボールキープ。有利に試合を進める桐蔭大に対し、先に中大ベンチが動いた。17番・本間椋に代えて14番・小野智史、25番・高窪健人に代えて11番・太田翔をピッチに送り出し、攻撃を活性化。すると桐蔭大も、直前の接触で負傷した15番・松本幹太に代えて11番・下村司を投入し、追加点を狙う。しかし、どちらも決定機を決められずタイムアップ。警告3枚、退場1枚を受けるなど、冷静さを失ってしまった中大に対し、攻守にわたって高いクオリティーと集中力を見せた桐蔭大が3-1で勝利を収めた。



『「アミノバイタル®」カップ2019 第8回関東大学サッカートーナメント大会《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》』や『第30回ユニバーシアード競技大会(2019/ナポリ)』の開催により、約2か月ぶりのリーグ戦となった第9節。明治大学と立正大学の『「アミノバイタル®」カップ』決勝戦の再戦となったカードでは、またもや明治大学に軍配が上がった。一方で、ユニバーシアード日本代表メンバーに最多選出された筑波大学が、下位に沈む専修大学に打ち合いの末敗れる波乱も。明治大学が首位を堅持も、2位以下の上位争いは混戦模様となっている。明治大学の牙城を崩すのはどの大学か。前期リーグ残り2試合の熱い戦いに注目したい。
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