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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・2部第13節マッチレポート

2019/10/01


 「JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦【後期】」2部リーグ13節は、9月22日(日)に全6試合が行われた。


日本体育大学 対 青山学院大学 @東海大学湘南キャンパスサッカー場


 前節、終了間際の失点で悔しい敗戦を喫した日本体育大学(勝点19・4位)と、残留を確実にするためにも勝点3が欲しい青山学院大学(勝点13・10位)の一戦。

 試合は、開始直後から日体大が主導権を握った。6番・川原田湧と8番・伊藤純也がテンポよくボールを動かしながら、チャンスを窺う。すると6分、日体大の18番・飛鷹啓介がペナルティーエリア内で強烈なシュートを放つ。一度は青学大GKの12番・佐藤海斗に防がれたが、すぐさま9番・寺下裕貴がこぼれ球に反応。右足でボールを押し込み日体大が先制点を挙げる。日体大はその後も、10番・山下諒也が個人技などで青学大ゴールに襲い掛かるなど、攻勢を増す展開に。一方の青学大は防戦一方になりつつも、スピードに定評のある19番・家鋪謙介がチャンスを狙い、7番・尾ノ上幸生も積極的にミドルシュートを放つなどするが、得点には至らない。結局、日体大が1点リードのまま前半を終了した。

 後半に入ると、青学大が息を吹き返した。6番・佐藤凌輔から正確なボールがサイドに供給されると、8番・小畑慶太郎や17番・佐々木達也が個人技を魅せ、ゴールに迫る。しかし、日体大も出場停止明けの2番・大迫暁を中心としてこれに対応すると、ショートパスを回してじわじわと敵陣に入り込む。74分には両チームとも、攻撃的な選手をふたりずつ投入。一気に勝負に出るが、その賭けに勝ったのは日体大だった。77分、途中出場の28番・土佐陸翼がタメを作ると、18番・飛鷹へとパス。18番・飛鷹から10番・山下へとボールがわたると、そのまま右足を振り抜いて追加点。日体大が2-0とリードを広げ、そのまま試合終了。貴重な勝点3を積み上げた日体大は昇格圏内まであと一歩の3位に浮上し、2位・国士舘大学に勝点2差まで迫った。


慶應義塾大学 対 東海大学 @東海大学湘南キャンパスサッカー場


 前節、国士大との上位対決を制して首位を快走する慶應義塾大学(勝点27・1位)と、下位相手に引き分けて上位進出に足踏み状態の東海大学(勝点15・7位)の一戦。


 試合は、序盤から両者一歩も引かない拮抗した展開となった。ともにロングボールを多用し、素早く攻め込むスタイルの中で激しくセカンドボールを奪い合う。慶大は1トップの位置に入った19番・福本拓海の機動力を活かしながら、2シャドーの9番・山田盛央と11番・多嶋田雅司がテクニックで魅せ、相手を翻弄。一方の東海大も1トップの10番・寺岡尚輝がフィジカルの強さを武器に、慶大ゴールに攻め込む。しかし、両チーム守備陣が奮闘し、得点には至らないままスコアレスで試合を折り返した。

 後半も前半同様の展開となったが、62分、ついに均衡が破られる。東海大は途中出場の9番・半沢拓也が11番・砂金大輝へとボールを送ると、11番・砂金はそのままペナルティーエリアに侵入。ゴール前に上げたクロスに18番・本多翔太郎が上手く合わせて、東海大が待望の先制点を獲得する。その後、慶大は30番・松岡瑠夢をピッチに送り出すと、その個人技を中心に東海大ゴールへと襲いかかる。すると79分、慶大は30番・松岡を起点に攻撃を仕掛けると、9番・山田のクロスに19番・福本が頭で合わせて同点ゴール。試合を振り出しに戻した。その後も一進一退の攻防が続くが、結局1-1で試合終了。両チーム勝点1を分け合い、慶大は首位を堅持した。


国士舘大学 対 立教大学 @立教大学富士見総合グラウンド


 前節、首位・慶應義塾大学との直接対決に敗れて首位との差が広がった国士舘大学(勝点21・3位)と、第8節以降勝ちがなく降格圏に沈む立教大学(勝点12・11位)との一戦。

 序盤はなかなか攻撃のリズムを作り出せない国士大だったが、37分、右サイドへのサイドチェンジを起点に、ペナルティーエリア付近にボールを展開。するとゴール前の小刻みなパスワークから、最後は8番・谷村海那のスルーパスに合わせた18番・澁谷雅也が、倒れこみながらも左足でシュートを流し込み、国士大が先制する。その後も国士大が主導権を握るが、立教大も粘り強く守り、前半は1-0で終了する。

 後半に入ると、立教大も国士大のミスから何度となくビッグチャンスを作るが、国士大のGK1番・脇野敦至の好セーブに阻まれ、なかなか得点につなげることができない。すると、試合のペースは次第に国士大へと傾く流れに。試合終盤の84分には、22番・市川侑麻の鋭いクロスに反応した18番・澁谷がバイシクルシュート。これは枠を捉えきれなかったが、そのこぼれ球を14番・松岡大智が左足を振り抜き、2点目が決まって勝負あり。最後まで立教大を寄せ付けなかった国士大が、3戦ぶりの勝利を収めて2位に浮上した。


日本大学 対 拓殖大学 @立教大学富士見総合グラウンド


 後期リーグ初勝利を挙げたい日本大学(勝点22・4位)と、1部リーグ昇格圏内に入るために勝点3が欲しい拓殖大学(勝点17・5位)の一戦。

 試合は開始早々から動いた。前半6分、コーナーキックを獲得した日大は8番・北海道コンサドーレ札幌内定の金子拓郎が直接決めて先制。しかし前半19分、拓大は8番・奥村晃司が自ら獲得したペナルティーキックを落ち着いて決め、同点となった。日大は31分・金子のスルーパスを7番・大森諸生が合わせるが得点に至らず決定機を逃す。一方、攻勢を強める拓大は35分、2番・筌口拓のクロスに14番・青木義孝が合わせて2-1とし逆転に成功。だが日大もその直後の37分、8番・金子のクロスを25番・荻原翼が頭で合わせて追加点。スコアを2-2とし、再び試合を振り出しに戻した。両者ともに一歩も譲らないゴールの奪い合いとなった中、みたび動いたのは拓大。前半終了間際の44分、26番・田中幸大がゴールキーパーとの1対1を冷静に決めて、再び勝ち越しの3点目。結果、拓大が2-3とリードして試合を折り返したが、前半だけで実に5点が入る乱打戦となった。

 後半に入ると両チームとも攻勢を強めるが、前半とは一転、互いにチャンスを活かし切ることができない。結局、後半はともに1度もゴールネットを揺らすことなく2-3のまま試合終了。拓大が1点差を守って勝利し、2連勝を収めた。一方の日大は、拓大より多くのシュートを放ちながらも痛い敗戦。国士舘大学に勝点で追い越され、3位に後退したうえ、次節は8番・金子が累積警告で欠場と厳しい状況になった。


産業能率大学 対 東京学芸大学 @東京国際大学第一サッカー場


 残留争いから抜け出すため、負けられない戦いが続く産業能率大学(勝点15・8位)と、前節は劇的な同点弾で貴重な勝点1を積み上げた東京学芸大学(勝点8・12位)の一戦。

 産能大はAC長野パルセイロ内定の18番・吉田伊吹をターゲットにロングボールを前線に入れて押し込み、東学大は、サイドのスペースに13番・河田稜太や7番・色摩雄貴が走り込んで起点を作る。試合が動いたのは10分。東学大は左サイドから9番・鈴木魁人が突破すると、ゴール前でラストパスを受けた21番・荒川滉貴の右足シュートが決まり先制点を挙げる。対する産能大は、流れの中でチャンスを作れないでいたが、28分にコーナーキックを獲得。23番・浅原直弥からのボールに17番・山下隼輝が頭で合わせ、同点に追いつく。

 1-1で迎えた後半は、前半とは一変し産能大が押し込む展開に。産能大は8番・上畑佑平士らの果敢な飛び出しからチャンスを作るが、東学大の体を張った粘り強い守りの前に得点を決めることができない。攻めあぐねる東学大だったが、75分には7番・色摩を起点に16番・橋本柊哉が左サイドを突破。ボールを受けた15番・武沢一翔が左足でラストパスを出すと、最後はゴール前に走りこんだ21番・荒川が左足で流し込み、この日2点目となる追加点を決めて勝ち越しに成功。1点を追う産能大は終盤、パワープレーで東学大に襲い掛かるが、東学大も途中出場の3番・澤田雄大を中心とするディフェンスラインが落ち着いて対応。最終ラインできっちりと跳ね返して1点を守りきり、タイムアップ。東学大が待望の2勝目を手にした。

 「5月(第7節 vs青山学院大学戦)以来の勝利。常にお尻に火がついている中、ようやく勝てた」と東学大・檜山康監督はほっとした表情。「前期も完全にやられている試合は少なかったので、自信をもってやるよう伝えていた」というが「いつもどこかでミスがあった。その切り替えと対応をどうするか」が課題のひとつでもあった。この日の試合では中盤、前線の選手を中心にきちんとパスを組み立てる展開が随所に見られたが「ブロックで守ってカウンターを狙うというサッカーでは、ミスしてもいいという訳にはいかないから」とコメント。「今は過渡期」と言いながらも「今日はきちんとゲームを組み立てることができていた」と一定の評価を与えた。ただ「今日もやっぱり失点はセットプレーからだった」との継続した課題も。しかしこれで勝点が11となり、降格圏脱出の10位以上には1ゲーム差以内となった。「ここでふんばれれば」との言葉どおり、ここからが東学大の正念場となりそうだ。




東京国際大学 対 関東学院大学 @東京国際大学第一サッカー場


 後期が黒星スタートとなり連敗は避けたい東京国際大学(勝点14・9位)と、対照的に後期は白星スタートでここから連勝を狙いたい関東学院大学(勝点16・6位)の一戦。

 前半の立ち上がりから一進一退の攻防が続いたが、26分に試合が大きく動く。関学大3番・山出旭が、東国大の29番・諸岡柊生のカウンターを止めようとしてファウルを犯し、レッドカードを提示される。続く東国大10番・有水亮のフリーキックは枠を外れたものの、関学大は残りの60分以上をひとり少ない10人で戦うことになった。関学大はすぐさまボランチの8番・北龍磨を下げて、センターバックの4番・鈴木友也を投入。前線の10番・見木友哉をボランチの位置に下げて対応するが、ほとんど防戦一方に。43分には、またしても東国大の29番・師岡が突破。これをエリア内で倒し、ペナルティーキックを献上してしまう。東国大29番・師岡はこれを落ち着いて決め、東国大が先制し、試合を折り返した。

 後半は数的優位に立った東国大が、たびたび決定機を作る。7番・宇高魁人、10番・有水らが何度となくシュートを放つが、関学大もGKの1番・武者大夢がこれを阻止。追加点を許さない。一方の関学大も14番・薩川淳貴のクロスを11番・奥直仁が合わせなど、カウンターからチャンスを演出。しかしシュートはうまくミートせず、時間だけが過ぎていく。しかし、ハーフタイムに「ラスト10分で(ゴールを)取りにいく」(関学大・石村大監督)との指示を受けていた関学大が一気に攻勢に出る。するとアディショナルタイムに突入した90+1分に関学大がペナルティーエリア近くでフリーキックを獲得。これを10番・見木友哉が直接決めて、劇的な同点弾。試合は1-1で終了し、互いに勝点1を分け合う結果になった。

 東国大は、数的優位に立っていただけに痛い引き分け。一方、10人ながら最後に追いついて勝点1を得た関学大の石村監督は「東国大が追加点を狙って仕留めにこられていたら難しかったが、先に点をとったことでやや受け身になっていた」と試合を振り返りつつ「ピッチでの人数は少なくとも、ボール周りに人数をかけて今までやってきたコンセプトどおりのサッカーをしようと伝えた」とコメント。後半に向けてのプランは「(途中の)飲水タイムまでは失点をしない。ラスト10分になったら前に人数をかけて点をとりにいく」だったが「選手がよくミッションを達成してくれた」と、選手たちの労をねぎらった。とはいえ、退場につながったシーンは「前節の日本体育大学戦でも同じような場面を作られていた。そう考えると退場はアクシデントというより必然」と厳しい評価。「処理の技術や判断のところ」での課題が出た形となった。だが終了間際に得た勝点1に「これまで引き分けは4で、これが5つめ。ただ、今日の勝点1はこれまでとは違う勝点1」と評価し、次節に視線を据えた。





 首位の慶大が引き分けに終わり、2位の国士大が勝利したため両チームの勝点差は4に近づいた。一方で最下位の東学大が後期初勝利を上げ、11位・立教大との勝点差はわずか1に。上位チームと下位チーム、それぞれの勝点は僅差なだけに、1つの勝敗で激しく順位が入れ替わりそうだ。1部リーグ昇格を懸けて、そして関東リーグ残留を目指して繰り広げられる残り9試合。例年以上に混戦模様となった2部リーグは、どの試合からも目が離せない。
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