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JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦・1部第18節マッチレポート

2021/10/08


 『JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第18節は、10月2日(土)に6試合が行われた。


明治大学 対 慶應義塾大学


 悲願の3連覇に向けて2位との勝点を広げたい明治大学(勝点29・暫定1位)と、2部リーグ降格圏内を抜け出すため、前節勝利の勢いそのままに連勝を伸ばしたい慶應義塾大学(勝点15・暫定12位)の一戦。

 試合開始から慶大が激しくプレッシャーをかけて明大に襲い掛かった。首位との重要な一戦がデビュー戦となった慶大の34番・廣田尚は、6分、20分と2度チャンスを迎えるもゴールネットを揺らすことはできない。明大は慶大のプレッシャーをかわしながら相手陣内に押し込み、徐々に試合を制圧していく。両チームゴールに迫るもののチャンスを決めきれないなか、明大のセットプレーで試合が動いた。32分、右からのコーナーキックに勢いよくゴール前に入った4番・石井優輝を、慶大の5番・小林誉貴がたまらず手をかけ倒してしまいペナルティーキックを献上。現在得点ランキング2位の11番・藤原悠汰がきっちりとゴール左隅に流し込み、明大が先制した。その後は明大ペースで試合が進むが、慶大は主将3番・酒井綜一郎を中心とした守備陣の身体を張ったプレーで守り切り1-0のまま前半終了。

 前半の流れを断ち切りいち早く同点に追いつきたい慶大は、後半開始早々に14番・橋本健人がキレのあるドリブルからミドルシュートを放つが、惜しくも枠を外れる。さらに、慶大は前節得点を挙げている11番・宮本稜大を投入して同点ゴールを狙う。慶大が流れを掴むかに思えた58分、明大は左サイドを崩し、16番・佐藤恵允の左足を振り抜いたシュートがポストをたたき、その跳ね返りを自身で押し込み追加点を挙げる。この得点から明大はもう一段階ギアを上げ、慶大コートで試合を進める。続く79分、2番・岡庭愁人が右サイドで仕掛け、ファウルを誘発。14番・田中克幸の直接フリーキックをファーサイドで32番・村上陽介がヘディングで折り返し、途中出場の7番・西矢健人が押し込んだ。スコアを3-0とし、このまま明大の快勝で試合が終了するかと思われた87分、慶大は相手陣内でボールを奪い、24番・塩貝亮太がゴール正面で右足を振り抜き1点を返す。追加点を奪いい慶大ではあったが、明大が堅い守備を魅せ試合終了。

 明大は試合終了間際に痛い失点をしてしまったものの、手堅く勝点3を手に入れた。次節は暫定2位の法政大学との大一番を迎える。熾烈な優勝争いから抜け出すためには絶対に負けられない闘いとなる。一方、首位明大から勝利を掴み最下位からいち早く脱した慶大だったが、チャンスを決めきることができなかった。次節の相手は前期リーグに逆転負けを喫した筑波大学。残り5試合を全勝し、なんとしてでも1部リーグ残留を勝ち取りたい。


法政大学 対 国士舘大学


 首位奪還のためになんとしてでも勝ちたい法政大学(勝点27・暫定2位)と、1部リーグ残留に向けて勝点を積み上げたい国士舘大学(勝点15・暫定11位)との一戦。

 序盤は終始法大ペースで試合が進むが、決め切ることのできない展開が続く。すると30分、国士大が動きを見せる。左サイドでボールをカットすると、19番・布方叶夢が一気にボールを中央へ。これを交代出場したばかりの27番・古川真人が受け、ペナルティーエリア内へ縦パスを供給。走り込んできた11番・有田稜が相手DFをかわし、左足のシュートをゴールに流し込んで国士大が先制する。試合展開とは逆となったが、その10分後の40分にも国士大がスコアを動かす。ゴールキックを両チームが競り合い、こぼれ球を国士大の19番・布方がヘディングでパス。それを受けた11番・有田が体を反転させながら左足を振り抜き、ペナルティーエリア外からのロングシュートがゴール右隅に突き刺さった。11番・有田のこの日2点目となるゴールで、国士大が0-2とリードを広げて試合を折り返した。

 後半、得点がほしい法大は65分、ペナルティーエリア付近の混戦からボールを奪取した29番・今野息吹が左足でゴール左上に突き刺す。1点を返し反撃ムードを見せる法大は、その後も何度となく良い形を作りゴールに迫る。しかし89分、国士大は一瞬の隙をつきボールを奪取。7番・伊藤稜馬がハーフウェ―ライン付近からパスを送ると、2番・前川智敬がこれをスルー。ボールは11番・有田のもとへと渡った。11番・有田はハーフコートにも及ぶドリブルで一気にゴール前まで迫り、最後は鮮やかなループシュート。国士大が、試合終盤で法大を突き離す3点目を決めて1-3としたる。このままでは終われない法大はアディショナルタイムに突入した90+2分、29番・今野が相手のクリアボールを拾い、左足で豪快なミドルシュートを放つ。これがゴール右隅に決まり1点差につめ寄るが、法大の反撃はここまで。

 壮絶な撃ち合いは2-3で幕を閉じた。この敗戦により法大の首位・明治大学との勝点差は「5」に。1部リーグ優勝に向け手痛い敗戦となった。一方、この2戦連続で逆転負けを喫していた国士大は、3得点を守りきって勝利。順位を10位に上げ、自動降格圏内を脱出。1部リーグ残留争いを勝ち抜くために貴重な勝点3を手にした。


早稲田大学 対 桐蔭横浜大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド


 上位進出のためにも勝って勢いにのりたい早稲田大学(勝点21・暫定8位)と、ここから上位争いに食い込むためにも負けられない桐蔭横浜大学(勝点23・暫定5位)の一戦。

 直近の試合では黒星を喫している両チーム。立て直しのきっかけにしたい試合は、開始早々の2分、早大の攻撃から始まった。3番・柴田徹がゴール前で左足を振りぬくが、これは惜しくも桐蔭大GK1番・早坂勇希がファインセーブ。激しい攻防が続く中、試合が動いたのは30分。早大は11番・西堂久俊が9番・奥田陽琉の絶妙なスルーパスに抜け出し、得意の左足でクロス。これを、ゴール前に走りこんだ10番・田中雄大が冷静に右足で流し込み、早大が先制する。先制された桐蔭大もすぐさま反撃に転じる。43分、14番・水野颯太が力強いドリブルでボールをゴール前まで運び、そのまま豪快に右足を振りぬく。これが決まり、前半は1-1で同点のまま終了した。

 後半は激しいゴールの奪い合いとなった。まずは54分、桐蔭大の10番・篠原友哉が中央からドリブルで運び、ペナルティーエリア手前で24番・山内日向汰とのパスワークで相手DFを置き去りにする。最後は10番・篠原が冷静にゴールネットを揺らし、桐蔭大が逆転に成功。その後も桐蔭大の勢いは止まらず、61分にはコーナーキックのチャンスを獲得。24番・山内の絶妙なキックに3番・中野就斗が頭であわせて流すと、それにうまく反応したのが6番・宮寺優斗。右足のダイレクトでゴールに押し込み、1-3とリードを2点差に広げた。しかし、ここから早大の反撃が始まる。早大は67分、2分前に交代出場したばかりの20番・光田脩人が、6番・大西翔也の中央からのスルーパスに反応。冷静にゴールを決めて1点差に詰め寄った。さらに71分には、この日絶好調の11番・西堂の右サイドからのクロスに、10番・田中がダイレクトボレー。早大が3点目を決め手同点に追いついた。波に乗った早大の攻撃はまだまだ続いた。85分、早大は4番・小倉陽太が中央から強烈なロングシュートを放つと、ゴール前で待っていた19番・安斎颯馬が頭でコースを変える。ボールはそのまま桐蔭大ゴールに吸い込まれ、早大が再び勝ち越しに成功。試合は4-3で終了し、激しい点の奪い合いとなった試合は早大が制した。

 早大はこの勝利で8位から5位に大きくジャンプアップ。2位まで1ゲーム差内の位置につけるなど、混戦の上位グループ入りを果たした。一方、桐蔭大は2連敗で8位に後退。前節の試合に続き、リードを守りきれない課題が浮き彫りとなった。




流通経済大学 対 立正大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド


 約1ケ月半にわたる活動休止から戻り、復帰初戦に勝利して勢いをつけたい流通経済大学(勝点21・暫定7位)と、勝点3を確実に積み上げ、上位に食い込みたい立正大学(勝点20・暫定9位)の一戦。

 立ち上がりから両チーム一歩も引かない白熱した試合展開となった。まずは9分、立正大は10番・坂井剛が19番・田中智也の連携でペナルティーエリアに進入。さらに14分、13番・吉田新のスルーパスに抜け出した24番・榊原杏太が、鮮やかなドリブルで相手をかわしてクロスを上げるが10番・坂井のシュートは枠をとらえきれない。すると、今度はピンチを防いだ流経大が反撃に転じる。17分、8番・仙波大志が13番・熊澤和希のワンツーからゴール前で一対一になるものの、立正大GK、12番・杉本光希が好セーブでゴールならず。両チームともにゴールに迫るが、得点は生まれず0-0で前半を終了した。

 前半とは一転、後半は立ち上がりから試合が動いた。47分、立正大は17番・石川悠のクロスに対し、2番・大室慶将がヘディングでボールを落とす。このボールに6番・金浦真樹が強烈なダイレクトシュートを突き刺して、立正大が先制点を挙げる。立正大はさらに63分、24番・榊原がペナルティーエリア付近まで運んだボールを6番・金浦が受け、ゴール前の10番・坂井にパス。10番・坂井がこれを落ち着いてゴール右に流し込み、追加点を決める。流経大も78分、左コーナーキックから4番・佐久間駿希がダイレクトで合わせるが、立正大GK12番・杉本がまともや好セーブ。なかなかゴールを割ることができない。すると87分、立正大はスルーパスに抜け出した6番・金浦がペナルティーエリア内で倒され、ペナルティーキックを獲得。このチャンスを2番・大室が冷静に沈め、3-0と立正大が流経大を突き放して試合を了。

 立正大はこの勝利で9位から6位に浮上。降格圏から離れると同時に、上位入りを視野に入れた。一方の流経大は、活動停止からの復帰戦は黒星スタートに。残り試合は連戦となるだけに、早く勝利を挙げて波に乗りたいところだ。




駒澤大学 対 拓殖大学 @千葉県総合スポーツセンター東総運動場


 約1ケ月ぶりとなる公式戦、復帰戦に勝って勢いづきたい駒澤大学(勝点23・暫定3位)と、公式戦2連勝中と波に乗る拓殖大学(勝点17・暫定10位)の一戦。

 立ち上がりから主導権を握ったのは、活動停止開けで久々の公式戦を戦う駒大だった。拓大に押し込まれそうになっても、守備陣が落ち着いた対応で攻撃を跳ね返す。すると11分、駒大に先制点が生まれる。左サイド、コーナーフラッグ付近でのスローインを、2番・桧山悠也が受けると切り返してゴール前へクロスを入れる。これに9番・宮崎鴻がタイミングよくすべりこみ、ワンタッチでゴールへと流し込む。このゴールを皮切りに、駒大の怒涛のゴールラッシュが始まる。続く18分、駒大は8番・江﨑巧朗が左サイドからクロスをあげると、ゴール前にいた10番・土信田悠生がシュート。一度はDFに弾かれるものの、7番・荒木駿太が押し込んでスコアを2-0とする。27分にはまたしても7番・荒木。左サイドでルーズボールを拾うと、ペナルティーエリア角からゴール右上へ豪快に決めて3-0とする。反撃に出たい拓大は38分、ディフェンスラインからのロングフィードを10番・田中幸大が頭でつなぎ、背後に抜け出した28番・日野翔太が落ちついてゴール左隅へ流し込んで1点を返す。そのまま拓大が反撃に転じるかと思われたが、39分には駒大がさらに追加点。右サイドの11番・中村一貴のクロスから、相手GK前で10番・土信田が頭で合わせゴール。4-1と駒大が3点をリードして前半を終える。

 後半に入っても駒大の勢いはとまらない。拓大は立ち上がりこそ攻撃のギアを上げたものの、63分には一瞬の隙をつかれ、駒大にショートカウンターを許す結果に。最後は駒大の9番・宮崎にゴール前で押し込まれて5-1と突き放されるそれでも拓大は76分、駒大のペナルティーエリア付近で相手守備のクリアミスを拾い、28番・日野がシュート。一度は相手にクリアされるが、それを10番・田中が押し込み5-2とする。しかし駒大も80分、GK1番・松本瞬の自陣からのフリーキックがそのままゴール前に。競り勝った10番・土信田から、最後は抜け出した9番・宮崎が相手GKと接触しながらもやさしく押し込み、9番・宮崎はハットトリックを達成。駒大が大量6得点を挙げる大勝で、復帰初戦を飾った。

 上位・下位の大混戦に拍車をかける試合結果となった。駒大は順位こそ変わらないものの、2位の法政大学に勝点1差と肉薄。首位・明治大学とは2ゲーム差があるものの、消化試合が3試合少ない駒大は、まだまだ勝点を伸ばす可能性がある。一方、敗れた拓大は再び11位の自動降格圏内に後退。3連勝となれば下位2位を突き放せていただけに痛恨の敗戦となった。

 またこの日得点した駒大9番・宮崎、10番・土信田、拓大10番・田中は、それぞれ8点を記録し現在得点ランキングで同率3位である。この3人の個々人の闘いにも注目したい。


順天堂大学 対 筑波大学 千葉県総合スポーツセンター東総運動場


 上位グループから離されないためにも、負けるわけにはいかない順天堂大学(勝点23・暫定4位)と、連勝して勢いに乗りたい筑波大学(勝点22・暫定6位)の一戦。

 台風一過の暑さのなか、筑波大のキックオフで幕を開けたこの試合。順大は3番・山﨑大地の逆サイドへのロングフィードを中心に攻撃を組み立て、筑波大も15番・角昂志郎の個人技で、攻撃を仕掛ける。両チーム、決定機を作りながらも得点には結びつかず、0-0-で迎えた37分。スコアを動かしたのは、中盤でボールを支配していた筑波大だった。左サイドを抜け出した14番・山原怜音のクロスに、9番・森海渡が走り込んでシュート。これが順大のゴールに突き刺さり、筑波大が先制点を挙げて前半を終える。

 順大はハーフタイムに、15番・安島樹と11番・塩浜遼の2人を同時に投入。流れを引き寄せようとする。対する筑波大も10番・小林幹ら、13番・岩本翔の2人を投入して追加点を狙う。順大は交代出場の15番・安島と、17番・寺山翼を中心に攻撃を組み立てるが、なかなかシュートまで持ち込むことができない。動きのないまま試合は終盤に突入。すると83分、筑波大は自陣でボールを奪取すると、交代出場の7番・加藤匠人が前線にロングフィード。そのボールにいち早く反応した9番・森が裏に抜け出し、マイナスのパスを送る。これを13番・岩本が冷静に流し込み、筑波大が0-2とリードを広げる。順大もその3分後86分、後方でボールを回しながらボールをキープすると、途中出場の5番・小川真輝が左サイドからクロスを入れる。それを11番・塩浜がワントラップからヘディングシュート。1点差に詰め寄るも、さらなる追加点とはならず1-2で試合終了。

 勝った筑波大は暫定ながら4位に浮上。3位の駒澤大学を勝点1で追う好位置につけた。一方、順大は7位に後退。勝点差が詰まっているとはいえ、厳しい結果となった。



 駒澤大学と流通経済大学が復帰し、後期リーグ初となる全6試合が行われた今節。暫定首位の明治大学が下位の慶應義塾大学を相手に勝利を挙げ、三連覇に向けて貴重な勝点3を獲得。また活動を再開した駒大は拓殖大学を相手に大量得点で勝利し、2位・法政大学との勝点差を1に縮めた。直近で三連敗中の国士舘大学は、上位の法政大学相手に勝利を挙げて降格圏を脱出。未消化試合が残るものの、中位では勝点が並び、今後も目が離せない状況となった。

 次節の第19節は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、全試合が非公開会場のリモートマッチで行われる。11:00からは国士舘大学と拓殖大学、駒澤大学と早稲田大学、筑波大学と慶應義塾大学が対戦。14:00には明治大学と法政大学、順天堂大学と立正大学、流通経済大学と桐蔭横浜大学の一戦が行われる。首位・明治大学と2位・法政大学の大一番や、勝点が並ぶ順天堂大学と立正大学の中位同士の対戦、1部リーグ残留を目指す国士舘大学と拓殖大学の一戦など注目の試合も多い。YouTubeの『関東大学サッカー連盟公式チャンネル』でのライブ配信で、これらの試合を楽しんでもらいたい。
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