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JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦・1部第19節マッチレポート

2021/10/15


 『JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部第19節は、10月9日(土)に、全6試合が行われた。


国士舘大学 対 拓殖大学


 ともに下位に沈むチーム同士の直接対決。連勝を挙げ降格圏から完全脱出をはかりたい国士舘大学(勝点18・暫定10位)と、最下位だけは免れたい拓殖大学(勝点17・暫定11位)の一戦。

 試合は開始早々から国士大がボールを支配する展開となった。しかし、拓大も5番・岸本駿朔を中心に、粘り強い守備で国士大の攻撃に対応。10番・田中幸大を起点にカウンターを仕掛ける拓大に対し、国士大は30分、4番・大石悠介の正確なロングパスから、2番・前川智敬が胸トラップで、ペナルティーエリア内に侵入。相手DFの前にポジションをとると、これが相手DFのファウルを誘い、国士大がペナルティーキックを獲得する。キッカーは、前節でハットトリックを決めている、11番・有田稜。シュートは左側のネットを突き刺し、国士大が先制点を挙げる。

 1-0の国士大リードで迎えた後半も、国士大が試合の主導権を握る展開となった。国士大は58分、15番・綱島悠斗が右サイドにボールを展開。これを受けた14番・布施谷翔が、縦へのスプリントを見せた2番・前川にパスを供給する。2番・前川は、右足の深い切り返しから左足を振り抜き、ゴールのニアサイドを打ち抜く。国士大が追加点を決めリードを2点差とする。拓大は失点後に8番・髙橋和希、16番・浅倉廉などを投入。徐々に攻撃にリズムが生まれ、反撃に転じるがフィニッシュまで持ち込めない。結局、決定機らしい決定機を作れないまま、2-0で試合は終了した。

 国士大が、最後まで集中を切らさず拓大を圧倒。前節に続く貴重な勝利を収め、自動降格圏内と1ゲーム差をつけた。対称的に、拓大はこれで2連敗。再び最下位に沈む結果となった。




明治大学 対 法政大学


 首位と2位の直接対決。このまま2位以下に差をつけて首位を快走したい明治大学(勝点32・暫定1位)と、その明大から勝点3を奪い取り、首位との差を縮めたい法政大学(勝点27・暫定2位)の一戦。


 後期リーグの天王山は、優勝を狙う両チームらしい白熱した攻防戦となった。試合が動いたのは39分、明大は4番・石井優輝から15番・林幸多郎を経て、FW20番・太田龍之介に縦パスを入れる。すると20番・太田がドリブルでペナルティーエリア手前まで持ち上がり、28番・熊取谷一星にパス。最後は28番・熊取谷が冷静に右足シュートを放ち、明大が先制する。その後も両チームが果敢に攻撃を仕掛けるが得点には至らず、1-0の明大リードで折り返した。

 後半に入ると、同点に追いつきたい法大は61分に36番・石井稜真、67分に24番・中川敦瑛といった攻撃的な選手を立て続けに投入する。この積極的な交代策が的中したのは、試合も終盤に突入した82分だった。法大は途中出場の18番・モヨマルコム強志がロングスローでゴール前にボールを送るが、これは一度相手DFに跳ね返されてしまう。しかし、24番・中川が相手DFに競り勝ってクリアボールを広い、再びゴール前に送る。これを3番・宮本優がダイレクトシュート。相手GKに止められるものの、詰めていた36番・石井が押し込み、法大が同点に追いつく。法大は直後の84分にも、相手のクリアボールを拾った3番・宮本がペナルティーエリア内にボールを入れ、36番・石井が頭で合わせゴールネットを揺らしたが、これはオフサイドの判定でノーゴールに。その後はスコアが動くことはなく、1-1で試合終了となった。

 拮抗した試合展開をみせた首位攻防戦は、両チーム1年生が得点を決める活躍で、勝点1を分け合う結果となった。




駒澤大学 対 早稲田大学


 前節は拓殖大学相手に大勝し、2位まで勝点1差に迫る駒澤大学(勝点26・暫定3位)と、上位争いに食い込むためにも勝点が欲しい早稲田大学(勝点24・暫定5位)の一戦。

 立ち上がりにペースを掴んだ駒大は2分、前節ハットトリックを記録した9番・宮崎鴻がペナルティーエリア外から挨拶代わりのシュート。しかしこれは枠を捉えることが出来ない。駒大に押し込まれ、守備の時間が多くなった早大だったが、18分には11番・西堂久俊がハーフウェーライン付近からドリブルで相手DFを1枚剥がしクロスを上げる。このボールに反応した9番・奥田陽琉が相手DFを冷静にかわしてシュートを放つが、ボールは枠の外へ。早大もまた決定的なチャンスを決めきることができない。スコアが動いたのは前半終了間際の43分。駒大は右サイド付近でフリーキックを獲得する。7番・荒木駿太が入れたボールに、6番・猪俣主真が頭で合わせるが、これはポストを直撃。しかし、ポストの跳ね返りに反応した10番・土信田悠生が頭で押し込み、駒大が先制。前半終了間際の得点により、駒大が1-0とリードして前半を終えた。

 早大はハーフタイムに交代カードを1枚切り、逆転への準備をすすめるが、後半開始早々にゴールを奪ったのはまたもや駒大だった。51分、7番・荒木は、11番・中村一貴からのパスを右サイドで受けるとダイレクトで中央にクロスを入れる。すると10番・土信田が相手GKの前に走り込み、頭で合わせて追加点。駒大がリードを2点に広げた。さらに56分、7番・荒木のコーナーキックがファーサイドに入ると、28番・小針宏太郎がワントラップで収め、グラウンダー気味のボールを中へと入れる。これを5番・相澤佑哉がスライディングでゴールへ流し込み、試合を決定づける3点目。このままでは終われない早大も82分、途中出場の20番・光田脩人が抜け出して相手GKと1対1を迎えるが、これは駒大GK、1番・松本瞬がビックセーブ。どうしても得点を奪うことができない。それでも90+4分、早大は11番・西堂がペナルティーエリア内で倒され、ペナルティーキックを獲得。これを10番・田中雄大が落ち着いて決め3-1とするも、ここで試合終了。

 首位奪還に向け貴重な勝点3を獲得した駒大は、ついに2位に浮上。活動停止からの復帰以来負けなしの好調で、どこまで首位・明治大学に迫ることができるか。一方、早大は前半に決めきることができず、首位争いから一歩退いてしまう結果となった。


順天堂大学 対 立正大学


 このところの試合では得点力不足で思うように勝点を積み上げられない順天堂大学(勝点23・暫定7位)と、前節は3得点を挙げ攻撃陣に勢いのある立正大学(勝点23・暫定6位)の一戦。

 順大は前節からシステムを変更。一方の立正大はUー22日本代表候補のGK12番・杉本光希を欠いて試合に臨んだ。立ち上がりは、やや立正大が有利に試合を進める。4分、立正大は22番・安食龍成のロングボールを2番・大室慶将がヘディングで落とし、32番・丸修平がシュート。これは順大のGK、1番・後藤佑介がセーブするが、こぼれたボールを32番・丸が拾い24番・榊原杏太に落とす。しかし24番・榊原の右足シュートは相手DFに阻まれ先制点とはならなかった。だが、12分にはこの32番・丸と24番・榊原のコンビがスコアを動かす。立正大は33番・竹村俊二が、自陣内で相手の短いパスを奪い一気に前線へ。ボールを受けた24番・榊原は、ゴール前にスルーパスを供給する。このボールに反応した32番・丸がファーストタッチで抜け出し、振り向きざまの左足シュートを、ゴール右下に流し込む。前がかりになった順大の一瞬の隙を逃さなかった立正大が、鮮やかなカウンターで先制ゴールを決めた。前半は、終始順大が相手陣地に押し込む形となったが、決定機を逃さなかった立正大が1点をリードし、前半を終えた。

 前半と同じく順大がボールを支配する展開となった後半。まずは55分、順大は左サイドでポジションを取る23番・桂陸人が左足でクロスボールを供給。これに3番・山﨑大地がヘディングで合わせるが、シュートは枠を捉えることができない。しかし62分。またしても23番・桂が左サイドを仕掛ける。これに反応した途中出場の20番・長倉幹樹が、ペナルティーエリア外からワンタッチでループ気味のシュートを放つと、ボールはGK31番・鈴木颯人の頭上を超えて立正大ゴールに吸い込まれた。相手の意表を突くゴールで、順大が同点ゴールを挙げ試合を振り出しに戻した。順大は続く68分にも、10番・小林里駆が20番・長倉とのワンツーから抜け出してシュートを放つが、今度は立正大GK31番・鈴木がきっちりとセーブ。勝ち越し弾とはならず、結局1-1のままタイムアップとなった。

 同勝点、6位と7位の直接対決は、それぞれが持ち味を出し合う展開となったが、1-1ドローで勝点1を分け合う結果に。だが他チームの結果により、ともに順位をひとつずつ上げることとなった。


筑波大学 対 慶應義塾大学


 今季初の3連勝を挙げ、優勝争いに名乗りをあげたい筑波大学(勝点25・暫定4位)と、残留争いで優位に立つためなんとしても勝点3が欲しい慶應義塾大学(勝点15・暫定12位)の一戦。

 序盤は、好調・筑波大が後のない慶大に押される展開となった。立ち上がりから主導権を握った慶大は、何度となく筑波大ゴールを脅かす。試合が動いたのは15分、コーナーキックを獲得した慶大は、14番・橋本健人のクロスに5番・小林誉貴がヘッドで合わせる。空に浮いたボールがゴールに向かうと、それを3番・酒井綜一郎が右足のアウトサイドで捉える。シュートは、筑波大GK1番・櫻庭立樹が一歩も動けないままゴールに吸い込まれていった。テクニックの光るこのゴールが先制点となり、一気に慶大の試合の流れを呼び込む。その後得点は動かず、このまま前半終了かと思われた45分に再び慶大にチャンス。筑波大のクリアボールに反応した慶大の10番・松本雄太が、ダイレクトでペナルティーエリア付近に浮き球のロングパス。それをゴール前で張っていた18番・飯塚亮貴が頭で落とし、前線に走り込んできた16番・山田大敬がペナルティーアーク付近からシュートを放つ。筑波大も、GK1番・櫻庭が反応して右手で触るが、スピードに乗ったシュートは止められない。慶大が大きな追加点を奪い、0-2で前半が終了した。

 このままでは終われない筑波大は後半開始早々の47分、細かいパスワークでゴール前まで迫ると、7番・加藤匠人のパスをペナルティーアーク付近の10番・小林幹が受けて6番・瀬良俊太に流す。6番・瀬良はこれをダイレクトでゴール右側に流し込み、筑波大が1点を返す。このまま追いつきたい筑波大は、得意のパス回しで何度となくペナルティーエリア内へ侵入。しかし、慶大の堅い守備に阻まれ、ゴールをこじ開けることができない。慶大が粘り強くリードを守り切り、1-2で試合終了。

 筑波大は念願の3連勝は叶わず、4位のまま次節の法政大学との上位対決に挑む。一方、筑波大相手に大きな勝点3を獲得した慶大はついに最下位を脱出。この勢いのまま今季2度目の連勝に向け、次節の流通経済大学戦へ臨む。


流通経済大学 対 桐蔭横浜大学


 前節完封負けを喫し、上位浮上のためにも勝ちがほしい流通経済大学(勝点21・暫定9位)と、後期序盤は上位に快勝もここ数試合は負けが続く桐蔭横浜大学(勝点23・暫定8位)の一戦。

 試合は、両チーム相手の様子をうかがいながら進んだ。流経大は中盤の6番・安居海渡を起点に攻撃を組み立て、桐蔭大は2トップの9番・山田新と10番・篠原友哉を起点にスピーディーな攻撃を仕掛ける。前半は互いにシュートを放つも、決定機には至らず、スコアレスで試合を折り返す。

 後半に入ると、試合は一気に動いた。立ち上がりから流れを掴んだ流経大は61分、2番・佐藤響が積極的に相手センターバックからボールを奪いにいく。このプレーが相手のファールを誘い、流経大は左サイドの深い位置で直接フリーキックを獲得。6番・安居が放ったシュートは、相手DFに当たりながらもゴール左隅に吸い込まれ、流経大が先制する。しかしその5分後の66分、桐蔭大が反撃に移る。10番・篠原のパスに抜け出した14番・水野颯太がドリブルで一気にゴール前へ。これを落ち着いてゴール右隅に流し込み、桐蔭大がすぐさま同点とする。その後試合は膠着状態となったが、1-1で試合終了かと思われた90分から波乱が起きた。流経大の5番・宮本優太の右サイドからのクロスを、途中出場の8番・仙波大志がゴール前で収め、15番・菊井悠介へ。15番・菊井が放ったシュート性のクロスを、最後は8番・仙波がヘディングでゴールに突き刺し、土壇場で流経大が勝ち越しに成功する。しかし試合はこのままでは終わらない。アディショナルタイムに突入した90+2分、桐蔭大はハーフウェーライン付近でのスローインから11番・寺沼星文が抜け出してボールを運び、ゴール前に侵入。最後は11番・寺沼からマイナスのパスを受けた9番・山田が左足を振り抜き、豪快にシュートを突き刺して同点に追いつく。後半に撃ち合いとなった試合は、2-2の引き分けで試合終了のホイッスルを迎えた。

 復帰から未だ勝ち星のない流経大だけに、勝利を目前で逃す結果となったのは悔しいところ。それでも勝点1を積み上げ、虎視眈々と上位入りを狙う。一方、桐蔭大は最後の最後に追いつき3連敗を免れた。ここから巻き返しなるか。



 次節の第20節は10月17日(日)に、11:00から駒澤大学と順天堂大学、14:00から立正大学と拓殖大学の試合が非公開で行われる。AGFフィールドでは11:00から流通経済大学と慶應義塾大学、14:00から明治大学と早稲田大学が激突。また味の素フィールド西が丘にて11:00から桐蔭横浜大学と国士舘大学、14:00から法政大学と筑波大学が対戦する。上記2会場はいずれも有観客試合となる。

 暫定首位の明大と、それを追う暫定2位の法大の直接対決は、明大が先制点を奪うものの、終盤に法大が追いつき勝点1を分け合う結果となった。一方、4試合未消化ながら暫定3位に位置する駒大は、早大から3得点を奪い取り、リーグ戦復帰後2連勝で暫定2位に浮上。法大は3位に後退するなど、駒大復帰で早くも上位戦線に動きが出てきた。
 また、ともに負けの許されない戦いが続く、暫定10位の国士大と暫定11位の拓大の一戦は、国士大に軍配が上がり、拓大が再び最下位に転落。暫定6位の立正大と暫定7位の順大、暫定8位の桐蔭大と暫定9位の流経大の対戦はドローに終わり、それぞれ勝点1を積み上げるに留まった。この結果、中位は4位から9位までの5チームが、勝点3の1ゲーム差に収まる大混戦模様となった。
 延期試合を残しているとはいえ、リーグ戦も残り3試合となった。はたして、ここからの大逆転はあるのか!? 各大学の最後に向けた戦いに注目したい。
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