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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・1部第11節レポート

2017/06/30
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』1部リーグ第11節は、6月24日(土)に2試合、6月25日(日)に4試合が行われた。



〇連敗の流れを断ち切りたい日本体育大学(勝点10・10位)と、前節の勝利から2連勝を狙う法政大学(勝点13・7位)との一戦。

 試合は開始早々に動く。2分、法大22番・末木裕也が右サイドからクロスを上げると、中央にいた34番・上田綺世が右足でシュートし、先制点を決める。その後も法大ペースで試合が進んだが、日体大も25分、6番・輪笠祐士が右サイドにいた16番・関戸裕希にパスを送ると、そのままドリブル持ち上がり中央へとクロスを送る。すると17番・里見直樹が左足で決め、同点に追いつく。その後も試合は法大ペースで進むが、スコアは動かず、1-1で前半を終える。
 後半に入るとさらに法大が攻めたてる。50分、法大はGKの12番・吉田舜が蹴ったロングキックが一気にゴール前中央へ。一度は相手にクリアされてしまったボールだが、それを22番・末木がカット。中央の34番・上田に送ると、これを左足でシュートし2点目。法大が勝ち越しに成功する。その8分後の58分には22番・末木がスルーパスを出し、中央にいた18番・松澤彰が落ち着いて決め1-3とする。リードが2点開いても、法大は攻撃の手を緩めない。72分、法大は左コーナーキックを得ると、7番・川崎雅哉が蹴ったボールを34番・上田がヘディングで36番・大西遼太郎に繋ぎ、それを18番・松澤がこの日2点目となるゴールで日体大を突き放す。その7分後には、22番・末木がドリブルから中央でシュートを放つ。これは相手GK1番・山田晃平に阻まれるが、そのこぼれ球をもう一度25番・紺野和也が拾い中央にクロスを送ると17番・武藤友樹が右足で突き刺し、ダメ押しの5点目を決める日体大も83分には、15番・田宮碧人のスローインから、チャンスを作る。ボールを受けた9番・平川元樹が中央の15番・田宮に戻すと、これを右足でシュート。日体大が1点返し、一矢報いるも、2-5で試合終了となった。
 22番・末木の3アシストにより勝利を収めた法大はこれで5位に浮上。4位の流通経済大学とは勝点で並ぶものの得失点差で下回ったため、3位に食い込むことはできなかった。それだけに後期は、継続して勝点3を得ることと得点力が上位に上がるための鍵となるだろう。前期最終戦であげた5ゴールを得点力アップのきっかけにしたいところだ。一方、日体大は10位と降格圏内に近づく危険な順位を抜け出すことができなかった。失点数が12校のうち1番多いのも課題のひとつ。もともと守備力には定評のあるチームだけに、後期は守備の立て直しが急務となるだろう。


〇前期はなかなか波に乗れなかった明治大学(勝点12・8位)と、3戦勝利の無い流通経済大学(勝点16・4位)との一戦。

 試合は、立ち上がりから流経大が攻める展開となった。開始早々の5分、流経大はゴール前の左サイドでフリーキックを獲得。しかしキッカーの20番・菊池禎晃がファーに送ったボールはシュートまで持ちこむことができない。だがその3分後、同じ位置でフリーキックを得た流経大が今度はチャンスを活かす。キッカーは同じく20番の菊池。今度はニアにボールを送ると、これを13番・小野原和哉が右足で合わせてゴール。流経大が先制点を決める。一方、明大は22分に右サイドから9番・土居柊太がパスを送り、中央にいる16番・安部柊斗がシュートを放つも、流経大のGK1番・オビパウエルオビンナの好セーブでゴールならず。前半は流経大リードで終了した。
 しかし後半に入ると明大が攻撃のリズムを作り始める。55分、右サイドで11番・櫻井敬基が細かいドリブルで相手を上手くかわしながら中央へ侵入。パスを受けた9番・土居がこれを落ち着いて決め、明大が同点に追いつく。その後は振り出しに戻った試合に、両チームともアグレッシブに攻める展開となった。65分には流経大の2番・小池裕太が浮き球を10番・ジャーメイン良に送りGKと1対1に。しかし放ったシュートはGK正面。あっさりキャッチされ、ゴールとはならず。すると67分、今度は明大のセンターバック、3番の鳥海晃司が縦パスを前線へ送り、一気に攻撃のスイッチを入れる。9番・土居がパスを受けて28番・小柏剛に繋ぐと、浮いた球を上手くゴールに収めて、明大が逆転に成功。この得点で勢いに乗った明大は78分にバイタルエリア中央で得たフリーキックを、14番・中村健人がゴール左隅に直接決めて3-1に。後半、一気に逆転し2点のリードを守った明大が勝利を収めた。
 なかなか勝てなかった明大だが、前期最後の試合に勝利し、順位を1つあげて7位でリーグ戦を折り返すこととなった。昨季王者としては納得のいかない結果だろうが「今年から変えたサッカーにフィットするのに時間がかかった」(明大・栗田大輔監督)という事情もある。もともと「後期の明大」と呼ばれるだけに後期に圧倒的な力を見せるチームだけに、後期の爆発に期待したい。一方、一時は首位に立った流経大だが、4戦勝利のないまま前期を終わらせてしまった。「勝負は後期。筑波大との勝点差は気にしない」という中野雄二監督だが、上位争いから離れないために後期にどうでるか、要注目だ。


◯前節勝利を収め連勝を目指す専修大学(勝点14・6位)と、前節は引き分けで順位を落としてしまった駒澤大学(勝点12・9位)の一戦。

 勝点差2で競り合う両チームの一戦。前半は、駒大がペースを握る展開となった。駒大は前半13分、専大DFのクリアを8番・中原輝がカット。中央の16番・大塲淳矢にパスを出すと、ボールを受けた16番・大塲が右足でゴールを決め、駒大が幸先よく先制する。駒大はさらに36分にペナルティーキックを獲得。これを2番・熱川徳政が冷静に決め、リードを2点差に広げる。前半はシュート9本を放った駒大が専大を圧倒。一方、専大はシュートチャンスこそあるものの、得点を決めることができずに前半が終了する。
 流れを変えたい専大は、ハーフタイムに2年生の30番・河上将平に変えて、4年生の7番・三沢直人を投入。専大は、8番・葛谷将平が積極的にシュート放って駒大ゴールに迫るが、駒大もGKの1番・輪島稜が好守を見せゴールを割らせない。対する駒大は、U-20全日本大学選抜に選ばれた期待のFW29番・高橋潤哉が積極的にシュートを放つ。しかしこちらも専大のGK21番・蔦颯がファインセーブ。両チームのGKの活躍でなかなか得点が動かない。試合終盤の81分、ようやく専大がペナルティーキックのチャンスを迎えると、これを7番・三沢が決めて1-2に。専大が1点差に詰め寄るも、駒大の4番・星キョーワァンを中心としたディフェンス陣を崩せず、駒大が勝利した。
 後半にシュート7本放つも、決めきれず連勝を逃した専大は、6位から9位に大きく順位を落としてリーグ戦を折り返した。3位までは勝点3差と詰まっているだけに、上位進出のチャンスは十分残っているだけに、前期最後の勝点3を逃したのが悔しいところだ。一方、3試合負けなしと調子を上げてきた駒大は、順位を1つ上げて8位で前期を終了。降格圏から離れ、上位を見据えるポジションで後期リーグを迎えることとなった。両チームともに前期リーグでは、なかなか勝点を積みあげられなかったが、後期リーグでは多くの勝点を積み上げて上位進出を狙いたい。


○前節に引き分け、今節こそは勝利が欲しい順天堂大学(勝点19・2位)と、3戦連続の引き分け、なんとしても勝点3が欲しい東洋大学(勝点15・5位)との一戦。

 前期の最終節に勝って「アミノバイタル®」カップにいい流れで臨みたい両チームの一戦は、前半開始早々に動く。まず2分、左サイドから順大の4番・坂圭祐のロングフィードに右サイドで抜け出した26番・望月陸が中央へと折り返す。そのボールを11番・旗手怜央が冷静に決め、順大が先制する。その後、立ち上がりの失点にバタついた東洋大が落ち着きを取り戻すも、次のゴールを決めたのはまたしても順大。29分、7番・名古新太郎と14番・杉田真彦の中央でのパス交換から、11番・旗手が、この日2点目となるゴールを決め、スコアを2-0とする。
 後半に入っても順大の勢いは止まらない。右サイドからのクロスボールから、ペナルティーエリア内で相手DFのハンドを誘ってペナルティーキックを獲得。これを26番・望月が冷静に決め、3-0と東洋大を突き放す。しかし東洋大も黙ってはいない。70分、右サイドでフリーキックのチャンスを得ると、8番・高橋宏季の蹴ったボールは直接ゴールへ。さらに88分、26番・小林拓夢、11番・坂元達裕の中央での流れるようなパス交換から、最後は15番・宮吉悠太が決め、スコアを3-2とする。東洋大が1点差に詰め寄るも反撃はここまで。3-2で順大が勝利を収めた。
 勝利した順大は、3得点と攻撃陣の活躍は目立ったものの、その後2失点と守備に不安を残す形となった。前期の戦績を6勝4分1敗とし、2位で終えた。首位・筑波大学との勝点差は4だが、ひっくり返せない数字ではない。首位奪還を目指し、後期のさらなる飛躍が注目される。一方の東洋大は、先制され3点のリードを広げられながらも2点を返す粘り強さを見せた。しかし逆転とはいかず第4節以来の敗戦を喫する結果となった。しかし戦績は4勝3分4敗とまずまずのもの。昇格組ながら6位で前期を終えたのは健闘といえるだろう。


◯第4節以来の勝点3を獲得し、降格圏を脱したい慶應義塾大学(勝点9・11位)と、同じく勝点3を獲得し、最下位を脱出したい桐蔭横浜大学(勝点7・12位)の一戦。

 お互い下位に沈む、降格圏同士の直接対決。後期リーグに向け、巻き返しを狙いたい一戦は開始から慶大ペースで試合が進む。2分、慶大6番・片岡立綺の縦パスを35番・宮川大史が収め、28番・杉本崇太朗へとパス。28番・杉本がディフェンス1人をかわして放った左足の強烈ミドルシュートは、惜しくもバーの上に外れる。ファーストシュートを放ってからリズムを掴んだ慶大は、立て続けに桐蔭大ゴールへ攻め上がる。40分、28番・杉本のサイドチェンジから11番・近藤貫太が仕掛けてシュートを放つ。こぼれ球を拾った28番・杉本が再び強烈なシュートを放つも、これは桐蔭大のGK、31番・児玉潤の好セーブに阻まれる。その直後の41分、ついに試合が動く。慶大は強烈なシュートを放ち、コーナーキックを獲得。キッカーの11番・近藤のボールに、24番・八田和己が完璧なヘディングで合わせ、慶大が先制する。
 後半に入ると一転、これ以上負けられない桐蔭大が慶大ゴールへと攻め上がる。攻め続けた57分、桐蔭大は22番・橘田健人が左サイドをドリブルで駆け上がり、ペナルティーエリア内で慶大ディフェンスに倒されてペナルティーキックを獲得。これを、10番・石川大地が冷静に決め、1-1の同点に追いついた。ここからさらに桐蔭大の反撃が始まる。何本もコーナーキックのチャンスを得るものの、なかなか追加点を挙げることができない。その後互いに追加点を目指して攻め続けたが、ついに得点は決められず、白熱した一戦は1-1の引き分けで終了した。
 お互いにチャンスをものにできず、前期最終節を引き分けで終了した両チーム。慶大の須田芳正監督は「今日はミラーゲームをやろうといっていた。前半についてはうまく運べていたと思う」とコメント。しかし「1点は取れたが、あそこでゲームを畳み掛ける、ゲームを決めてやるという気迫、雰囲気がなかった」とチームの戦いぶりに不満を残す。後半の失点についても「PKを与えたことより、その前の中盤でのミスがポイントだった。大事なところでのミスが多く、ゲームの流れを読めていなかった。チャンス感、ピンチ感といったところのゲームコントロールができていない」と猛省を促した。前期終了時の順位は変わらず11位と降格圏内。しかし須田監督は「自分たちが弱いとわかったことがいちばんの収穫」という。後期浮上のポイントは「そのことを受け止めて、チームとして個人として足りない部分をどう修正していくか」ということになる。
 一方、桐蔭大の八城修監督は「相手がシンプルに縦に、背の高い選手に合わせてきたことで、チームがバタバタしてしまった」と前半のゲーム展開を反省。「気持ちばかりが空回りしてしまっていたが、整理すればもっとできるはず」と送り出した後半は主導権を奪い返した。しかし、最下位のまま折り返すこととなった前半の結果は当然満足できるものではない。「期待していた分失望も大きい。すべての面で変わっていかなければならない」と八城監督。ただ「結果だけを求めるようなことはしない。個々の能力をもっとあげて変わっていく。そういうことにチャレンジしたい」と後期を見据えた。


○天皇杯2回線でJ1のべガルタ仙台に勝ちジャイアントキリングおこした筑波大学(勝点23・1位)と、2部リーグからの昇格組ながら3位と好調の東京国際大学(勝点17・3位)の一戦。

 どちらも今季は調子の良いチーム同士の対戦。前半は、筑波大のペースで試合が進んだ。筑波大は前半18分、中央に切れ込んだ14番・会津雄生が左サイドへと流れた11番・中野誠也にボールを預ける。14番・会津はそのままゴール前まで駆け上がると、11番・中野からのクロスを頭で合わせ先制する。さらに筑波大は22分、ゴール前中央でフリーキックを獲得。これを25番・西澤健太が、強烈に内側に巻くシュートを放って直接ゴールを揺らす。「去年はまだ自信がなかったし、決定機にも結果を出せなかった」という25番・西澤。しかし「今年は自信をもっている」というフリーキックを決めて、2点差とリードを広げる。まだ攻撃の手を緩めない筑波大は、42分にさらに東国大を追撃する。左サイドでボールを持った9番・三笘薫が、11番・中野にパスを出すと、11番・中野はドリブルでゴール前まで侵入し、右足を振り抜く。エースの一撃で筑波大が3-0と大きく東国大を突き放した。一方の東国大は、14番・川上翔平が2本のシュートを放つもゴールを決めることができず、無得点のまま前半が終了する。
 後半、反撃の狼煙をあげたい東国大は、9番・石山廣燿に変えて11番・進昂平を投入。すると、11番・進が積極的にシュートを放って筑波大のゴールを襲うも、筑波大もGK30番・阿部航斗がこれに立ちはだかり、容易にはゴールを割らせない。早い時間帯の選手交代で流れを引き寄せようとする東国大だったが、その攻撃を筑波大の3番・小笠原佳祐と5番・鈴木大誠の両センターバックが跳ね返す。そんな東国大に対し、筑波大はさらに突き放しにかかる。77分、3番・小笠原の前線への正確なロングフィードに抜け出した、途中出場の8番・戸嶋祥郎がワントラップしてシュートを突き刺す。勝負を決める4点目のゴールがネットを揺らし、東国大の反撃も及ばず。首位・筑波大が貫禄の完勝を収めた。
 すでに首位での折り返しが決まっていた筑波大だが、攻撃陣が爆発して4連勝で前期を締めくくった。天皇杯から中3日の試合のうえ、ボランチの6番・鈴木徳真、16番・高嶺朋樹が怪我で欠場と、いつもとは違う状況の中で迎えた前期最終戦。小井土正亮監督は「ボランチがいつもと違うこともあって、今日はオートマティックな連動性に欠けたが、ボールを支配するよりゲームを早く動かすよう伝えた」という。結果、前半だけで3点のリードを奪い、後半の体力が落ちる時間帯も余裕をもって対応することができた。「昨季のリーグ戦で、明治大学は前期ラストを2勝して、自分たちは2分だった。今年は前期最後にギアを上げて2勝し、勝点4差をつけられたところに、選手の成長を感じる」と小井土監督。しかし来週から始まる『「アミノバイタル®」カップ』は、「まったく違う大会。改めて気を引き締めて臨みたい」とした。
 一方、後半に猛攻を仕掛けるも及ばず、3位でリーグ戦を折り返すこととなった東国大。筑波大の実力に押し切られる形で完敗したが、5勝2分4敗という戦績は、2部からの昇格チームとしては十分すぎる数字だろう。3年前、1部に初昇格した年の同時期の成績は2勝3分6敗で勝点9の10位。対して勝点17の3位という前期折り返しは「今年は簡単に降格しない」という東国大の強い意志が結果につながったものだ。常々、前田秀樹監督は「まずは残留を確定すること。それから次のことを考える」と口にしているが、後期はさらに上を目指してほしいところだ。



 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグは前期の全日程を終えた。この後中断期間を挟み、9月16日(土)から後期リーグが再開する。この、リーグが中断される約2か月間をいかにして使うかが後期の順位を大きく左右することは間違いないだおる。
 そして、7月1日(土)からは『「アミノバイタル®」カップ2017 第6回関東大学サッカートーナメント大会《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》』が始まる。関東リーグ所属24大学と、予選を勝ち抜いた都県リーグ所属8大学が、夏の全国大会である『第41回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』の出場切符を賭けて、負ければ終わりという一発勝負の厳しい戦いに挑む。激戦を勝ち抜き、全国の舞台である関西の地を踏むのは果たしてどのチームか。こちらの大会にも注目してほしい。
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