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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・1部第21節レポート

2016/11/11
 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』第21節は、11月5日(土)に4試合、6日(日)に2試合行われた。


○前節でインカレ出場を決めた日本体育大学(勝点33・3位)と、今節で1部残留を決めたい専修大学(勝点24・9位)との一戦。

 序盤から主導権を握ったのは専大だった。前半だけでもコーナーキック7本と積極的に攻めていたが、フィニッシュの精度を欠き、得点にはつながらない。一方の日体大は、リズムがつかめずシュート数は0本。このまま前半0-0で終わるかと思われたが、45+1分に専大7番・三沢直人の目の覚めるようなミドルシュートを放ち、専大が先制して前半を終えた。
 後半に入っても主導権を握っていたのは専大。この試合に敗れると1部残留が厳しくなる専大は、気持ちを前面に押し出してプレー。67分、中央でフリーキックのチャンスを得ると2番・飯田貴敬が右足で直接決め、0-2で日体大を引き離す。さらに74分には4番・柳育崇が27番・中山克広の左からのクロスを頭で合わせ、勝利を決定づけるゴールを決める。しかし、このままで終わるわけにはいかない日体大も交代カードを切り、反撃にでる。84分、10番・高井和馬の放ったシュートがクロスバーに当たると、詰めていた22番・渡邊龍が右足でゴールを決める。さらに終了間際の89分、2番・高野遼の左サイドからのクロスに10番・高井がヘディングシュート。現在1部リーグ得点ランキング1位の10番・高井が決め、日体大が専大を土壇場で1点差に詰め寄るも、試合はそのままタイムアップ。専大が逃げ切って、2-3で勝利を収めた。
 2位の筑波大学と勝ち点で並んでいた日体大だったが、筑波大が慶應義塾大学に勝利したため、勝ち点差は3に。より高い順位でインカレに出場したいところだったが、エンジンがかかるのが遅く、痛い敗戦となってしまった。一方の専大は、負ければ降格圏に近づいていただけに、大きな意味を持つ勝ち点3を獲得。この勝利で1部残留を決めると同時に、インカレ出場にも望みを繋いだ。


○勝てば1部残留となる桐蔭横浜大学(勝点22・10位)と、負ければ降格が決まる早稲田大学(勝点20・11位)との、残留をかけた直接対決。

 残留に向けどちらも負けられない一戦。前半は早大がロングボールからチャンスを生み出す。31分、相手ボールをカットした早大7番・相馬勇紀がゴール前に素早くクロスを入れると、11番・小林大地がそのまま叩き込んで早大が先制に成功。さらに40分、7番・相馬の右サイドからのスローインを11番・小林がワンタッチで中央へ入れると9番・中山雄希が左足で合わせて追加点。早大が2点リードで前半を終える。
 しかし試合はこのまま終わらない。後半、今度は桐蔭大が試合が動かした。開始早々の47分、9番・今関耕平のシュートを早大GKがセーブ。だが、そのこぼれ球を桐蔭大の1年生、33番の杉山雄太が押し込む。「早い時間で取った、あの1点が大きかった」(11番・鈴木)というゴールで桐蔭大が反撃ののろしを挙げ、スコアを1-2とする。「前半は相手の意気込みに呑まれているところがあった。ただ、後半は相手の運動量も落ちてくる。早い時間帯に1点が取れれば、一気に巻き返せると思っていた」(9番・今関)。その狙いどおりに得点を挙げると、今度は58分、11番・鈴木国友のクロスに9番・今関が頭で合わせて、桐蔭大が同点に追いつく。「練習では何度かあったパターンだったが、今日は狙ったというより本能的に動いたという幹事。ゴールシーンはあまり覚えていない」(9番・今関)。桐蔭大はさらに68分、26番・池田壮磨から19番・浅沼大和へパスをつなぐと、19番・浅沼が11番・鈴木へラストパス。これを11番・鈴木が右足で落ち着いて決め、ついに桐蔭大が逆転に成功する。「(2点目で)自分もいいクロスをあげられていたので、3点目のイメージはあった。ここ3試合はDF陣が0点で抑えてくれていたのに、自分たちが点を取れていなかったので、今日はどうしても点をとりたかった」(11番・鈴木)。
 このまま負けるわけにはいかない早大だったが、後半のシュートは0本。終盤ではDFを前線に押し上げるなどしてゴールを狙ったが、チャンスを作れず。0-2からの大逆転をはたした桐蔭大が、3-2で勝利を収めた。
 桐蔭大はこの試合の勝利と、翌日の試合で国士舘大学が駒澤大学に引き分けたため、1部リーグ残留が決まった。一方の早大は前半2点のリードを守り切ることができず敗戦。昨年度の1部リーグ優勝校がまさかの2部降格という結果になった。
 桐蔭大の9番・今関主将は「これまで2-0から逆転された経験があったので、早い時間帯に1点を返せれば逆転できるイメージはあった」と試合を振り返る。今シーズンは前期の好調なスタートに加え、「アミノバイタル」カップ初優勝と総理大臣杯初出場、そして残留争いに巻き込まれるなど、さまざまな経験を重ねてきたが、そのたびに「主将として、プレー以外の面でま正直になれたし、サッカーにかける思いが強くなった」。まだわずかながらインカレへの出場に望みを残すだけに「最後は勝って、インカレに関われるようにしたい」と、最終節の慶應義塾大学戦に挑む。
 一方、前半に2点のリードを奪いながら、まさかの逆転負けで12年ぶりの2部降格となった早大。19年前にも、同じように優勝の翌年に2部降格の憂き目にあっており、繰り返した悲劇に選手たちは言葉を失った。2点に絡んだ7番・相馬勇紀は「自分たち中盤も含めて守りきらなければならなかった」と後半の試合運びを悔やんだ。来年は2部へとステージを移すことになるが「絶対に1年で1部に戻るという強い気持ちで、もっと自分が怖さのある、存在感のある選手にならなければならない」と誓った。また、試合後に多くの部員、サポーターに向かって降格を報告した2番・新井純平主将は「この結果は、これから一生自分たちが背負わなければならない」と声を震わせながら「次の試合でどう生き様を見せるか」と叫んだ。最終節の駒澤大学戦では、名門・早大として、また前年度王者として、2016年シーズンを締めるに相応しい試合を見せてくれることだろう。


○集中応援で駆けつけた多くの観客に勝利を届けたい順天堂大学(勝点29・4位)と、勝って1部残留を決めたい流通経済大学(勝点25・8位)との一戦。

 集中応援の順大のキックオフで始まったこの試合。前半は両チームともゴール前でのチャンスを多く作っていたが、ともにディフェンス陣の身体を張った守備でシュートまでもちこませず、拮抗した展開で0-0のまま折り返す。
 後半になると、一転して流経大がボールを支配する流れに。流経大は14番・吉森恭兵を中心にテンポよくボールをサイドに散らすと、サイド攻撃を繰り返して順大ゴールを脅かす。そんな中、59分に流経大が遂に均衡を破る。2番・小池裕太のコーナーキックから28番・本村武揚が頭で合わせ、セットプレーから先制点をマーク。その後も幾度となくチャンスを作り、80分、14番・吉森が8番・森永卓とのパス交換からダメ押しのゴールを決め、試合はそのままタイムアップ。流経大が2-0で勝利した。
 後半に猛攻を仕掛けた流経大は、得点こそ2点にとどまったものの、圧倒的にボールを支配。多くのチャンスを多く生み出すなど、調子の良さがうかがえた。この勝利で1部残留を決め、順位も6位まで浮上。インカレ出場権獲得が現実味を帯びてきた。リーグ戦最終節となる次節は日本体育大学と対戦、勝てば自力でのインカレ出場、またはプレーオフへの出場が決まる。一方の順大は多くの観客に後押しされたにもかかわらず、勝利を届けることができずに完敗を喫した。これでついに4連敗。り順位も一つ落として5位となった。最終節の4位・法政大学との対戦で勝てば自力でのインカレ出場を決めることができるが、下位5チームとの差も詰まってきているだけに、決して安心はできない。


○すでにインカレ出場を決めている筑波大学(勝点33・2位)と、伝統の早慶戦を制して勢いのある慶應義塾大学(勝点27・6位)との一戦。

 両チームとも前節では勝利を収めた、好調なチーム同士の対戦。試合は、開始早々に動いた。8分、慶大7番・渡辺夏彦がドリブルで中央を突破し、最後は10番・山本哲平の左足のシュートが決まり、慶大が幸先良いスタートを切る。その後も慶大ペースで試合は進み、37分には6番・井上大のコーナーキックから2番・豊川功治が頭で合わせて追加点。慶大が前半から猛攻を仕掛け、試合を優位に進めていく。2点のビハインドを負った筑波大だったが、前半アディショナルタイムに20番・三笘薫のシュートのこぼれ球を15番・長澤皓祐が決め2-1に。後半へと望みをつなぐゴールで、前半を折り返す。
後半に入ると打って変わって筑波大ペースで試合が進む。すると63分、筑波大はフリーキックを獲得。直接ゴールを狙ったキッカー・25番・西澤健太のシュートは相手に当たってコースが変わり、ゴールキーパーの股を抜けてそのままゴールイン。筑波大がついに同点に追いつく。勢いに乗った筑波大は、68分にも左サイドを抜け出した20番・三笘が、右足のアウトサイドで絶妙なクロスを上げると、それを11番・中野誠也が頭で合わせて3点目。1年生ルーキーが技ありクロスでチャンスを演出し、筑波大が会場を沸かせて逆転に成功する。筑波大は得点直後、その20番・三笘に代えて10番・北川柊斗を投入し、さらにゴールを狙う。73分には10番・北川が左サイドを抜け出し、中でフリーの11番・中野へとラストパス。これを11番・中野がしっかりと決め、だめ押しの4点目で試合を決定づけた。
 2点ビハインドから逆転し勝利し、筑波大が勝負強さを見せたこの試合。その筑波大は最終節で明治大学と対戦する。明大の優勝は決まっているものの、前期は引き分けているため、ここで決着をつけたいところだ。一方、逆転を許してしまった慶大は8位に後退。インカレ出場は自分たちの勝利に加え、上位チームの動向次第と厳しい状況になった。そのため、最終節の桐蔭横浜大学戦は、インカレ出場のためにも大事な一戦となる。最後まで負けられない戦いが続く。


○インカレ出場に向けて、確実に勝点を積み上げたい駒澤大学(勝点27・7位)と、引き分け以下で降格が決定する崖っぷちの国士舘大学(勝点20・12位)の一戦。

 それぞれの思いが錯綜した一戦は、国士大が集中応援日ということもあり、味の素スタジアム西競技場のバックスタンドを埋め尽くすほど多くの国士大サポーターが駆けつけた。強風が吹く中で行われた試合は、序盤に駒大が主導権を握る。向かい風でロングボールが押し戻される中でも積極的に長いボールを入れると、9番・大谷真史がそれに競り勝ち、国士大サイドに押し込む展開が続いた。対する国士大は、追い風の利点を活かすロングボールではなく、ショートパスでサイドを起点に攻撃を試みるが、なかなか駒大陣地に入っていけない。それでも試合を動かしたのは、国士大だった。19分、右サイドを突破した29番・飯野七聖のクロスは、GKの頭を越え、ファーサイドのポストに直撃。跳ね返ったボールに23番・信末悠汰が足を伸ばして、何とかゴール前に送り込んだボールに、20番・本間達耶が頭で押し込み、ゴール。ファーストシュートで国士大が先制する。そこから一気に流れは国士大に。駒大に攻撃の時間を与えないまま、0-1で前半を折り返す。
 迎えた後半、追い風となった駒大は、前半には押し戻されていたロングボールを国士大陣地まで押し込む。しかし、逆にセカンドボールがゴールラインを割ってしまうなど、強風が仇となり、なかなか攻撃に移ることができない。国士大もサイドチェンジを繰り返しながら駒大ゴールを襲うも、こちらも追加点を奪うことはいたらず。このまま1-0で終われば、最終節まで残留の希望が持てる国士大は、時間を使いながら駒大のロングボールを跳ね返そうとするが、次第に押し込まれる展開に。すると駒大がついに均衡を破る。試合終了間際の90分、一度跳ね返されたクロスを拾った2番・熱川徳政が再びクロスをゴール前にあげる。すると9番・大谷がかすかにコースを変え、最後は15番・伊勢渉が右足で押し込みついに同点に追いつく。アディショナルタイム3分の表示が提示される寸前の出来事だった。このまま、1-1で試合は終了。この瞬間、国士大の関東2部への降格が決定した。
 駒大は、インカレに望みをつなぐ勝点1をもぎ取り、インカレプレーオフ圏内の7位をキープ。しかし、リーグ戦、そしてインカレ優勝も経験している秋田浩一監督は「粘り強くやれていたとは思うが、メンタル的にはこういう相手に勝てないと、インカレには行けない」と厳しい言葉でチームに奮起を促す。最終節、すでに降格が決まっている早稲田大学戦で勝利すれば、上位の動向次第ではあるがインカレ出場の切符を手にすることができる。自力でインカレ出場を決めたいところだ。
一方、試合終了間際の同点被弾で、勝点1しか積むことができなかった国士大は43年ぶりの降格が決定。残り3分を凌ぐことができなかった選手達は、ピッチに倒れこんだ。前期から下位に沈んだ国士大は、後期に巻き返しを見せるも、競った試合では勝点を積むことができなかった。主将の4番・附木雄也は試合後「これがサッカーなのかと思った」と言葉をつまらせた。「これでやられるのか、という形での失点。負けちゃいけない試合で持ちこたえられなかった」と肩を落した。


○18節での最速優勝から2試合勝利のない明治大学(勝点46・1位)と、こちらも5試合勝利なしと、なかなか調子の上がらない法政大学(勝点28・5位)の一戦。

 強風が吹きつける中で行われた一戦は、両校合同集中応援ということで、白熱した試合内容が予想された。しかし、試合は序盤から法大がペースを握る形に。まずは3分、26番・ディサロ燦シルヴァ―ノのシュートに反応した24番・黒崎隼人が決め、開始早々に法大が先制する。さらに15分、9番・鈴木歩からパスを受けた26番・ディサロがドリブルでゴール前へ。そのまま右足を振り抜き、追加点を挙げる。法大が開始わずか15分で、王者・明大から2点のリードを奪う展開となった。対する明大もシュートまでは持っていくものの、ネット揺らすまでは至らない。36分には、逆に法大にペナルティーキックを与え、これを法大2番・山田将之にきっちり決められてしまう。
 「3点目だったので、外してもいいやくらいの気持ちで決めることができた。昨年、この会場でPKに失敗し、結果的にインカレ出場を逃した。あの時は4年の先輩たちをインカレに出したい気持ちが前面に出過ぎて失敗した。今日はそれを取り返してやろうというつもりもあったけれど、チャレンジするつもりで蹴ったのがよかったと思う」(2番・山田)。
 前半だけで3失点を喫した明大は、すぐさま8番・道渕諒平を投入。法大に傾いた流れを変えようと試みるが、ゴールは遠く。結局、0-3のまま前半を折り返す。
 さらに失点時での負傷でGKで主将の1番・服部一輝が交代し、思わぬ形で2枚目の交代枠を使うこととなってしまった明大。反撃に出た後半は、69分に左サイドで得たフリーキックを5番・河面旺成がゴール前へと入れる。そのボールを途中交代の34番・中川諒真が繋ぎ、最後は4番・小出悠太が右足を振り抜いて1点を返す。しかし、その直後の70分、13番・青柳燎汰が繋いだパスを26番・ディサロが、左足を振り抜いてゴール。1点目とは逆の左足で、今季自身初の1試合2得点を決めて、再び明大を3差に引き離す。「1点目はいいボールが来たからうっただけ。2点目はボールも、キーパーの位置も見えていたので、キーパーの足の届かないところに流し込んだ」(26番・ディサロ)。「このところキレイにやろう、うまいプレーをしようとして貪欲さがなくなっていた」という26番・ディサロの2得点で、法大がインカレ出場権を大きく引き寄せる。反撃の狼煙を上げたい明大だったが、後半はシュート2本に抑えられ、チャンスらしいチャンスも作れぬまま試合終了。1-4で法大が王者・明大を圧倒した。
 明大は、これで3戦勝ちなし。インカレ出場はすでに決まっているもののなかなか調子が上がらないまま最終節を迎えることになった。最終節こそは勝利してリーグ戦を終えたいところだ。一方、明大を完全に圧倒した法大は、6試合ぶりの勝利を収め、長いトンネルを抜け出した。順位も4位に上げ、得失点差からインカレもほぼ手中に収めた。最終節は、5位の順天堂大学戦との対戦。しっかり勝って、インカレに弾みをつけたい。



 次節第22節は、11月12日(土)に、法政大学城山サッカー場にて法政大学対順天堂大学、慶應義塾大学下田グラウンドにて慶應義塾大学対桐蔭横浜大学、流通経済大学サッカー場にて流通経済大学対日本体育大学、早稲田大学東伏見サッカー場にて早稲田大学対駒澤大学、国士舘大学町田キャンパスサッカー場にて専修大学対国士舘大学の試合が行われる。12日に行われる5試合はすべて大学グラウンドで、同時刻キックオフ。また翌日13日(日)には、味の素フィールド西が丘にて明治大学対筑波大学が対戦。試合後には閉会式が行われる。個人賞の表彰もあり、受賞者が誰になるのかも気になるところだ。
 集中応援のチームも多く、各会場で盛り上がりを見せた今節。熾烈な残留争いを繰り広げられたが、ついに早稲田大学と国士舘大学の2部リーグ降格が決まった。次節は泣いても笑っても2016年リーグラストマッチ。明治大学、筑波大学、日本体育大学の3チームはすでにインカレ出場を決めているが、他7チームに出場の可能性がある。インカレ出場権を手にするのはどのチームか。最後の最後まで熱い戦いが続く。

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