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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・1部第22節レポート

2016/11/17
 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第22節は、11月12日(土)に5試合、13日(日)に1試合が行われた。


○勝ってインカレのシード権を獲得したい法政大学(勝点31・4位)と、現在2連敗中でインカレ出場に勝利が欲しい順天堂大学(勝点29・5位)との一戦。

 4位・法大と5位・順大の直接対決は、インカレシード権をめぐる対戦となった。前半、立ち上がりは順大ペースだった。まずは8分、5番・毛利駿也の左サイドからのパスを受けた14番・杉田真彦が右足でシュートを放ち、順大が先制点を挙げる。開始早々のゴールに続き、順大は23分にも11番・米田隼也、7番・名古新太郎がパスをつなぎ、最後は17番・旗手怜央が冷静に決める。静岡学園高校出身の3人が見事な連係プレーで0-2とリードを広げた。しかしその数分後、法大が反撃に出る。25分、13番・青柳燎汰が相手GKのこぼれ球を拾い、右足でゴール。1点差に詰め寄ると、さらに前半終了間際の43分にも、17番・武藤友樹のドリブル突破からのクロスボールを、9番・鈴木歩が頭で合わせて2点目。法大が同点に追いつき、前半を折り返す。
 後半も両者譲らず攻勢に出るが、試合を動かしたのは順大だった。53分、17番・旗手、13番・室伏航がボールを縦につなぐと、18番・浮田健誠へとラストパスを送る。これを18番・浮田が右足で冷静に決め2-3と順大が再びリード。さらに68分、17番・旗手がこの日2得点目となるゴールを決め、2-4と法大を突き放す。順大は前半、2点のリードから追いつかれただけに2番・坂圭祐、16番・村松航太を中心に集中した守備で守り切り、結局2-4で試合終了となった。
 前節でインカレ出場を確定させていた法大は、前期リーグを3位で折り返したものの、後期は安定した結果を残せずに最終順位は5位。9年ぶり28回目の出場となるインカレは、1回戦で四国第1代表の高知大学と対戦する。一方、この試合に勝利した順大は、最終順位を4位としてインカレシード権を獲得。後期リーグでは4連敗、4連勝など波の激しい戦いが目立ったが、総理大臣杯の屈辱を晴らすためにも今節の勝利をインカレに繋げたい。


○前節の筑波大学戦では4失点の敗戦を喫し、インカレ出場へ勝利しかない慶應義塾大学(勝点27・8位)と、勝ってインカレ出場に望みを繋げたい桐蔭横浜大学(勝点25・10位)との一戦。

 インカレ出場権がかかる両チームの一戦は、終始熱い試合が展開された。前半の立ち上がりは桐蔭大のペース。しかし、先制したのは慶大だった。23分、右サイドを11番・手塚朋克がドリブルで突破。そのまま中央へクロスを上げると10番・山本哲平がボレーで合わせる。
 1点を追う桐蔭大は後半も積極的に攻め、ペースを掴むが慶大も主将の4番・宮地元貴を中心とした堅い守備でゴールを死守。試合終了間際まで、桐蔭大のパワープレーによる攻撃からゴールを守り抜いた慶大が1-0で勝利した。
 この結果、慶大は8位から6位へと順位を上げ、3年連続18回目のインカレ出場を決めた。インカレ1回戦ではプレーオフを勝ち抜いた四国学院大学と対戦する。一方、他力ながらインカレ出場に可能性のあった桐蔭大は、前期は6位とインカレ出場圏内につけていたが、後期では思うような戦いができず10位でリーグ最終節を終えた。


○インカレに出場するためには負けられない流通経済大学(勝点28・6位)と、前節での敗戦から悪い流れを断ち切りたい日本体育大学(勝点33・3位)の一戦。

 序盤から試合の主導権を握ったのは日体大だった。安定したボールポゼッションからリズムをつかむと、7番・川戸大樹、10番・高井和馬らが積極的にシュートを放ち、流経大ゴールに襲いかかる。そして26分、日体大がペナルティーキックを獲得すると、1部リーグ得点王を狙う10番・高井がこれを冷静に決めて日体大が先制する。リードを許した流経大は、激しいプレスでボール奪取を試みるが、これが逆に多くのファウルをもたらし、なかなか自分たちのボールにできない。
 試合は、後半に入っても日体大が主導権を握り続ける展開に。60分、7番・川戸のロングパスを流経大がクリア。しかしそれを日体大10番・高井がカットし、そのまま落ち着いて右足を振り抜き、ゴールネットを揺らす。0-2とリードを広げられ、インカレ出場に赤信号が灯った流経大は、20番・新垣貴之を軸として日体大ゴールへ猛攻を仕掛ける。しかしスピードのある17番・日高大や司令塔の14番・吉森恭兵のシュートも日体大守備陣の壁を破れず、0-2のまま試合終了を迎えた。
 流経大は勝点を伸ばすことができず8位に後退。全国大会の常連であり強豪校である流経大が、夏の総理大臣杯に続いてインカレの出場も逃す結果となった。一方、安定した試合運びで勝利した日体大は3位でリーグ戦を終え、視線はすでに約3週間後のインカレでの戦いを見据えている。また、今節で10番・高井和馬が2得点を積み上げ、14ゴールで1部リーグ得点王に輝いた。


◯前節に2部降格が決まったものの、最後は勝利で終わりたい早稲田大学(勝点20・12位)と、今節で勝利を掴み、インカレプレーオフ出場権の獲得を狙う駒澤大学(勝点28・7位)の一戦。

 試合は互いに序盤から球際で激しくボールを奪い合い、気持ちがぶつかり合うような展開となった。昨年のリーグ戦王者としての意地を見せたい早大は、2トップの10番・山内寛史と9番・中山雄希にボールを集めて攻撃を組み立てる。一方の駒大はトップ下を務める10番・吉岡雅和を起点として、縦に速い攻撃で早大の守備を崩しにかかる。両チームとも積極的にゴールを狙いにいくが得点を決めることはできず、前半は0-0で終了。
 後半に入ると試合が動く。61分、早大18番・柳沢拓弥の浮き玉パスに反応した10番・山内が右足でシュートを放つ。これが駒大ゴールに突き刺さり、早大が先制に成功する。この1点を機に早大の怒涛の攻撃が開始。63分、10番・山内のパスをバイタルエリアで受けた9番・中山がシュートを放ちゴールを決め、早大が追加点。さらに早大は75分にペナルティーキックを獲得。これを9番・中山が落ち着いて決め、リードを3点差に広げる。反撃に出たい駒大は78分、コーナーキックからゴール前で混戦になったところを、途中出場の30番・鈴木魁斗が右足で押し込み1点を返す。しかし、早大の攻撃の勢いは止まらなかった。85分、左サイドハーフの7番・相馬勇紀のクロスに38番・石川大貴がヘディングで合わせて4点目。さらに87分、早大が再びペナルティーキックを獲得。これを9番の中山がしっかりと決めて、1-5と駒大を突き放す。同時に、キッカーを務めた9番・中山はこれでハットトリックを達成。さらにその1分後の88分、相手の軽率なパスミスを見逃さなかった早大11番・小林大地がボールを奪取。ショートカウンターからゴールを決め、ダメ押しの6点目を決めて試合が終了。終わってみれば1-6と早大の攻撃陣が圧倒的な力を魅せつけた。
 9試合ぶりに勝利を掴んだ早大は、2部リーグ降格の悔しさを晴らすような戦いぶりで今季リーグを終えた。来季は2部へとステージを移すが、1年での1部復帰に期待がかかる。一方、6失点と大敗した駒大はインカレの出場権を得ることができずにリーグ戦を終了することとなった。


〇逆転でのインカレ出場には、勝利が絶対条件の専修大学(勝点27・9位)と、リーグ最終節を勝利で飾りたい国士舘大学(勝点21・11位)との一戦。

 前期リーグでは接戦の末、国士大に軍配が上がったこともあり、専大にとってはリベンジの一戦でもあった。試合序盤から主導権を握った専大は、サイドを起点にした攻撃から4番・柳育崇にボールを集め、数多くのチャンスを作る。対する国士大は、イージーなミスを連発し、なかなか攻撃に移ることができない。低い位置でのボールロストも多く、専大からカウンターを受けるなど苦しい展開が続いた。試合に入りきれない国士大相手に、ついに専大が均衡を破る。40分、国士大のクリアボールを拾った26番・鹿沼直生から6番・吉村郷史に縦パスが入ると、6番・吉村が素早く反転し、シュート。右足から放たれたボールはゴール右隅に吸い込まれ、専大が待望の先制点を奪い、1-0で前半を折り返す。
 迎えた後半も、専大ペースの展開となった。56分、フリーの11番・佐藤遵樹にボールが入ると、そのままゴール前にクロスがあがる。国士大DFも一度はクリアを試みるが、最後は4番・柳が押し込んでゴール。専大がインカレを手繰り寄せる追加点を決める。反撃に出たい国士大は、20番・本間達耶、さらには26番・近藤大貴を投入し、ボランチに入っていた16番・平野佑一をFWにポジションチェンジ。すると、その16番・平野がチャンスを演出する。試合終了間際の89分、13番・荒木翔からのボールを受けた16番・平野が、19番・諸岡裕人にラストパス。19番・諸岡がこれをきっちり決めて1点を返す。しかし国士大の反撃及ばず、専大が2-1で国士大を下して試合終了。
 専大は、18本ものシュートを放つ一方、国士大のシュートも4本に抑えて試合を圧倒。今節の勝利によって7位でフィニッシュし、プレーオフの出場権を手に入れてインカレ出場に望みを繋いだ。前期は2部降格圏内の11位で折り返し、一度は最下位に沈むも、リーグ終盤に巻き返しを見せた専大。19日(土)には、北信越第2代表の新潟医療福祉大学と、インカレ出場をかけてプレーオフで対戦する。一方の国士大は、年間を通して勝点を積み上げることができず最下位に沈んだ。来年からは2部リーグに舞台を移すことになるが、2部には同じく降格が決まった早稲田大学、昨季1部で戦った中央大学、神奈川大学などが顔を揃え、昇格争いが熾烈を極めることは必至だ。


○前節は法政大学に大敗し、なかなか調子の上がらない明治大学(勝点46・1位)と、対称的に2連勝の3戦負けなしと、調子を上げている筑波大学(勝点36・2位)との一戦。

 2634人もの観客が詰めかけたリーグ最終戦は、上位の2チームらしいハイレベルな戦いが見られた。
 試合序盤は、互いの様子を見合う展開。明大は8番・道渕諒平を起点とした右サイドの攻撃、対する筑波大は11番・中野誠也の背後への飛び出しからチャンスを作るも、1部リーグで失点数が少ない上位2チームだけあって、堅い守備でゴールを割らせない。時間が進むにつれ、徐々に明大がボールを支配する時間が増えてくると、ついに均衡が破れる。34分、12番・岩武克弥からのクロスを9番・土居柊太が繋ぐと、最後は11番・岩田拓也が右足を振り抜いてゴール。明大が先制し、1-0で前半を折り返す。
 後半、反撃に出たい筑波大は、16番・戸嶋祥郎がフリーランで明大DFをかき乱すと、15番・長澤皓祐が倒されて、ペナルティーキックを獲得。これを11番・中野が右隅に蹴り込むが、明大の守護神、1番・服部一輝がビックセーブ。同点弾を許さない。筑波大はドリブラー20番・三笘薫を投入。果敢に明大ゴールに迫ると69分、相手のクリアボールを拾った18番・鈴木徳真がゴール前にボールを送り込む。これを受けた11番・中野のシュートがゴールネットを揺らし、ついに筑波大が試合を振り出しに戻す。その後は互いにチャンスを作るも、追加点を決められず1-1で勝点1を分け合った。
 明大は、最速優勝を決めた18節の勝利から4戦勝利なしと、不安を抱えたままインカレに臨むことになった。とはいえ、明大はすでに今季2冠を達成。栗田大輔監督は「優勝が決まったあとのリーグ戦は難しい」としながらも「リーグ戦だからできることもある。勝って締めくくりたかったのは本音だが、インカレに向けての準備をトレーニングに落とし込めた」と、手応えを感じている様子。リーグ戦でも、MVPにはGK1番・服部が選出、ベストイレブンには明大の選手が6人も顔を揃えるなど、タレントも十分。総理大臣杯を制した夏の王者として全国の強豪校に研究される中、3つ目のタイトル獲りを狙う。
 一方の筑波大は、1部復帰早々の年に2位という好成績でフィニッシュ。最後は3連勝とはいかなかったものの、4戦負けなし。ノックアウト方式のインカレではまずは負けないことが大前提になるが、リーグ終盤に勝負強さが垣間見えたことは大きな収穫だろう。攻守の要にはベストイレブンにも選出された5番・鈴木大誠とエースストライカーの11番・中野。さらには3番・小笠原佳祐や10番・北川柊斗など、攻守にキーマンを揃え、その破壊力は抜群。インカレの舞台での躍動が期待される。


 4月2日(土)に開幕した『JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦』もついに幕を閉じた。最終順位は、1位・明治大学、2位・筑波大学、3位・日本体育大学、4位・順天堂大学、5位・法政大学、6位・慶應義塾大学、7位・専修大学、8位・流通経済大学、9位・駒澤大学、10位・桐蔭横浜大学、11位・早稲田大学、12位・国士舘大学となった。
 上位6校は12月7日(水)に開幕する『平成28年度第65回全日本大学サッカー選手権』(インカレ)に出場。また7位の専大は11月19日に行われるプレーオフで、新潟医療福祉大学と対戦し、インカレ出場に望みを繋げる。全国の舞台に関東の強さを証明することができるのか、また、明大はリーグ・総理大臣杯・インカレと3冠を獲得することができるのか、注目したい。
 一方で強豪・早大と国士大は2部リーグへの降格が決定。筑波大のように降格年度での1部復帰を果たすことができるのか、2部リーグの動きからも目が離せない。また、2部リーグからは東京国際大学と東洋大学の上位2校が、来季から1部へと活躍の舞台を移す。激しい昇格争いを制した2校が加わって行われる来季リーグ戦はどのような展開になるのか。今年以上の熱戦を楽しみにしたい。

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