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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・1部第16節レポート

2017/10/13
『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第16節は、10月10日(火)に全6試合が行われた。



○後期開幕から4連勝で首位を追走する順天堂大学(勝点34・2位)と、前節逆転負けを喫し、2連敗中の慶應義塾大学(勝点14・10位)の一戦。


 立ち上がりからボールを支配したのは順大だった。ディフェンスラインから正確なビルドアップでポゼッションを高める順大だったが、慶大もカウンターで少ないチャンスからゴールを狙う。最初の決定機を作ったのは慶大10番・田中健太だった。9番・池田豊史貴のキープから右足でシュートを放つも、これはゴール右へ外れる。一方の順大は前半アディショナルタイムに10番・米田隼也がポストをかすめるシュートを放つが、得点に結びつかず0-0で前半を終了する。
 後半に入ると立ち上がりから順大が攻勢に出る。14番・杉田真彦のGKとの1対1はストップされるが、52分ついに均衡が破られた。10番・米田からのパスで左サイドから抜け出した11番・旗手怜央が、左足を振り抜き先制点を挙げる。流れを引き寄せた順大はその7分後の59分にコーナーキックを獲得。7番・名古新太郎が蹴ったボールを4番・坂圭祐が頭で合わせ、2-0と順大がリードを広げた。この勢いのまま追加点を狙った順大だったが、ダメ押しとなる3点目を決めることができない。しかし慶大も攻め続けなgらも得点を挙げられず、試合終了。2-0で順大が後期5連勝を遂げた。対する慶大は3連敗と厳しい結果となった。
 次節、順大はホーム3連戦最後の試合を日本体育大学と対戦。勝点3を積み重ね、首位の筑波大学に離されることなく追走したい。一方、慶大はホームの慶大グラウンドに最下位の桐蔭横浜大学を迎え対戦する。10位の慶大にとって、降格圏から完全に抜け出すためには負けられない一戦。勝敗によって今後の残留争いに大きな影響を与えることになるだろう。


〇前節に逆転勝利を収め、連敗をストップさせた法政大学(勝点22・6位)と、勝点3が遠のいている駒澤大学(勝点16・9位)の一戦。

 試合は、序盤から両チーム共に一進一退の時間が続いた。法大は調子のよさがうかがえる勢いのある飛び出しが目立ったが、駒大も堅実なゲーム運びで、ゴールのチャンスを虎視眈々と狙う。そんな中、29分には法大の8番・紺野和也が放ったシュートのこぼれ球を20番・上田綺世が詰めて、法大が先制点を得る。一方の駒大は19番・高橋潤哉にボールを集めて幾度かの決定的なシーンを迎えるが、得点に結びつけられない。しかし法大も追加点を決めることなく前半を1-0で終える。
 後半が始まり、駒大は得意とするロングボールを主体とする縦に早い攻撃を展開。徐々にゲームの主導権を握り出す。時間の経過とともにスピード感が増し、好機を増やす中、74分にはゴール前の絶妙な位置でフリーキックを獲得。2番・熱川徳政が右足で狙ったボールは、そのままゴールに吸い込まれ、駒大が同点に追いつく。ゲームを振り出しに戻した駒大は勢いに乗り、一気に法大陣地に攻め込むと84分、流れの中から駒大11番・安藤翼が強烈なシュートを放つ。法大GKが1度はセーブしたが、9番・小田駿介がすかさずこぼれ球を拾ってゴールへと流し込み、駒大が逆転に成功。1点を追う立場になった法大は、鬼気迫る形相で駒大からボールを奪取。猛攻を仕掛けると、アディショナルタイムに入った90+3分、19番・鳥居俊がこぼれ球を執念で駒大ゴールにねじ込んで土壇場で同点に追いつき、そのままタイムアップ。試合は劇的な幕切れで、2-2のドローとなった。
 終了間際に追いつき、価値ある勝点1を獲得した法大。次節は、前季王者の明治大学と対戦する。総理大臣杯決勝カードの再現となり、明大はリベンジに燃えることが予想されるカードだが、さらなる上位進出に向け、勝点を積み上げたい。目前で勝点2を失う結果となった駒大は、流通経済大学と対戦。後期未だ勝利なしと、低迷が続いているが、次節こそは勝利を手にしたい。


◯3連勝中の勢いで優勝争いに加わりたい東洋大学(勝点24・4位)と、インカレ出場のためにも勝点3がほしい明治大学(勝点18・8位)の一戦。

 試合開始から両者の速いパス回しで攻める展開が続く。最初にチャンスを掴んだのは東洋大。いいポジションで直接フリーキックを獲得。しかしこれは明大のDFにクリアされ、シュートまで持ち込むことができない。その後明大が攻める展開が続いたがゴールにはつながらず、一方の東洋大はシュート0本。両チームとも打つ手なく0-0で前半を終える。
 試合が動いたのは後半開始早々の46分だった。中盤で7番・安部柊斗、24番・小野雅史と繋ぎ、最後は10番・木戸皓貴が相手DFを交わして左足ゴールを突き刺した。その後は両チームともに78分に2人を同時に交代するなどして試合の流れを変えようとするが、スコアは動かず試合終了。明大が1点を守りきり、勝点3を手に入れた。
 次節、東洋大は筑波大学と対戦。この敗戦で順位をひとつ落としてしまっただけに、現在首位の筑波大になんとしてでも勝利し、上位に食い込みたい。一方、勝利した明大は次節、法政大学と戦う。総理大臣杯での決勝戦と同じカードとなるだけにひと月前に敗れた雪辱を果たしたい。


○首位を走る筑波大学(勝点35・1位)と、後期リーグ初勝利を挙げて最下位を抜け出したい桐蔭横浜大学(勝点10・12位)との一戦。

 第15節終了時点で首位と最下位という、真逆な順位に位置する両校の対戦。は、前半は桐蔭大がボールを保持し、6番・山下優人と33番・中井朗人のボランチ2人を中心となり、中盤でポゼッションしながら筑波大DFの隙を探す。対して筑波大はFWからDFまで統率の取れたブロックを築き、桐蔭大にチャンスを与えない。互いに耐える時間が続く中、前半終了間際の43分に試合が動く。筑波大7番・野口航が挙げた浮き球をキャッチしようと、桐蔭大のGK、1番・田中雄大が前に出たところを、すかさず8番・戸嶋祥郎が奪って無人のゴールへ流し込み先制。ついに均衡を破った。このまま前半終了かと思われたが、アディショナルタイム突入後の45+2分には、桐蔭大14番・イサカゼインが蹴ったクロスボールのこぼれ球に反応した8番・鳥海芳樹が押し込み、桐蔭大が同点弾。いい形で試合を振り出しに戻し前半を終了した。
 しかし後半は筑波大の猛攻が続き、圧倒的な実力を見せつけた。まずは49分、中央でボールをキープした8番・戸嶋から9番・三笘薫、11番・中野誠也へと流れるようなパスワークで繋ぐと、最後は11番・中野が自らドリブルで突破し、ゴールネットを揺らす。6分後の55分にはゴール前で8番・戸嶋から25番・西澤健太へ繋ぎ、25番・西澤がサイドネットギリギリのところにゴールを決め3-1に。その数十秒後には8番・戸嶋が11番・中野へと縦パスを繋ぎ、これに走りこんだ11番・中野が決めて4-1とリードを広げた。さらにそのわずか1分後の56分には、25番・西澤がドリブルで突破し、シュート。桐蔭大GKがこれをクリアするものの、そのこぼれ球がDFにあたってオウンゴールに。シュートの勢いでライン外まで出ていた25番・西澤が「顔を上げたらゴールが入っていた」と驚くゴールで筑波大が追加点を重ねる。わずか2分の間に3ゴールを挙げ、5-1とした筑波大だったが、怒涛のゴールラッシュはまだ止まらなかった。68分には9番・三笘のスルーパスに25番・西澤が反応。GKとの1対1にまで持ち込むが「左から(11番の中野)誠也さんの声が聞こえたので」と左サイドにパスを流すと、これを11番・中野がゴール右隅に突き刺し、ハットトリックを達成。「みんなが自分にゴールをさせようと、ボールを集めてくれたからこそできたこと」(11番・中野)。すでに試合は決まったも同然だったが、73分には、右サイド15番・長澤皓祐のクロスボールに8番・戸嶋がヘディングシュートを叩きつけて7点目を決め、桐蔭大を大きく突き放した。結局、桐蔭大は追加点を挙げられないままタイムアップ。桐蔭大は筑波大の怒涛の攻撃になす術なく、7-1という大差で敗戦する結果となった。
 7-1という思わぬ大勝を収めた筑波大学だが、小井土正亮監督は「前半はどちらに転んでもおかしくない展開。なんとなく取った前半の1点だけだったら危ないと、選手には伝えた」と前半に対して厳しい評価。選手たちもハーフタイムに「このままではまずい」と口にしていたという。「スコアほどの実力差はなかった」と試合を振り返る小井土監督が、転機になったというのが「前半の最後に追いつかれたこと。あの失点で目が覚めた」。結果、後半6点を奪取するゴールラッシュにつながった。後期初戦こそ落としたものの、この3連勝で首位の座を堅守している筑波大。すぐ下には勝点差1で2位の順天堂大学が追うが、「それもいい緊張感になっている。うちは負けなければいいだけ」。次節、中3日で行われる3連戦最後の試合を、筑波大はホームの筑波大グラウンドで東洋大学と対戦する。ホーム3連戦を勝利で収め、首位をキープしたい。一方の桐蔭大は10位の慶應義塾大学と戦う。順位の近いチームとの対戦。降格圏内を脱出するには必ず勝たなければならない大事な一戦だ。


〇前節の勝利で連敗からの脱出に成功した東京国際大学(勝点23・5位)と、現在3連敗中で降格圏内にある日本体育大学(勝点11・11位)の一戦。

 両チーム慎重な立ち上がりを見せたゲームは、時間の経過とともに球際の激しさが増していった。東国大は10番・安東輝を中心に攻撃を展開。トップの19番・町田ブライトにボールを集めてチャンスを窺う。対する日体大は9番・平川元樹に縦パスを入れ、そこから10番・太田修介、22番・渡邊龍らに繋ぎチャンスメイクする。ゲームが動いたのは32分、東国大が10番・安東から23番・條洋介と繋いで、最後は14番・川上翔平が豪快に左足を振り抜き、ゴールを決める。先制を許した日体大ではあったが、38分、左サイドに流れた9番・平川から中央にいた10番・太田にパスが入る。10番・太田に東国大DFを引きつけると、22番・渡邊へとパス。フリーになった22番・渡邊がワンタッチで落ち着いてゴールし、日体大が同点に追いつく。
 1-1のまま迎えた後半も、拮抗した展開が続いた。東国大は主将の5番・楠本卓海が高い身長を生かして空中戦を制し、日体大も5番・ンドカボニフェイスが高い身体能力で見ごたえのあるディフェンスで日体大の攻撃を防ぐ。ともにチャンスを生かしきれない時間が続いたが、75分、東国大の23番・條の強烈なシュートが日体大ゴールネットに突き刺さり、2-1に。再びリードを許すことになった日体大は同点に追いつくべく猛攻を仕掛けるが、あと一歩のところで決定機を阻止されてしまう。最後の最後まで諦めない日体大だったが、東国大の堅い守りを崩せず、試合はそのまま終了。東国大が勝利を収めた。 2連勝を果たした東国大は次節、専修大学と戦う。初のインカレ出場を目指し、次節も勝点3を狙う。一方の日体大は順天堂大学との一戦が控える。いよいよ1部残留に黄信号が灯り始めた日体大だが、ひとつでも勝点を重ね、降格圏からの脱出を図りたい。


◯前期リーグの4連勝を上回る5連勝を目指す流通経済大学(勝点28・3位)と、前節逆転負けを喫し、連敗は避けたい専修大学(勝点18・7位)の一戦。

 試合は、開始から流経大が攻め込む展開となった。流経大は縦パスを使って10番・ジャーメイン良へボールを繋ぎ、また18番・立花歩夢がドリブル突破からゴール前へクロスボールを入れるなど、たびたびチャンスを作る。しかし専大も3番・大西拓真、4番・田口圭介の体を張った守備で、流経大にゴールを許さない。
 両チーム無得点のまま後半に突入。試合は依然流経大が主導権を握る展開となり、流経大はサイドを起点に攻撃を仕掛け、専大ゴールへ迫る。対する専大はカウンター攻撃からチャンス演出。右サイドで裏へと抜け出した24番・中杉雄貴がシュートを放つも、これは流経大のGK1番・オビパウエルオビンナが好セーブ。そんな中、72分についに試合が動く。自陣から13番・小野原和哉が前線へ縦パスを入れると、これを相手フィールドプレーヤーがクリア。しかしそのボールを拾った18番・立花が右足でゴール右隅へと突き刺す。このゴールが決勝点となり、1-0で流経大が勝点3を手にした。
 勝利した流経大は次戦、駒澤大学と戦う。優勝を争う"2 強"に追いつくためにも、6連勝を目指して勝点3を積み上げたい。一方の専大は東京国際大学と対戦。今節の敗戦で順位を1つ下げてしまっただけに連敗は避けたいところだ。



 次節、第17節は10月14日(土)に筑波大学第一サッカー場にて筑波大学と東洋大学、順天堂大学さくらキャンパスサッカー場で順天堂大学と日本体育大学、東京国際大学第一サッカー場にて東京国際大学と専修大学、法政大学城山グラウンドで法政大学と明治大学、慶應義塾大学下田サッカー場にて慶應義塾大学と桐蔭横浜大学が戦う。また翌15日(日)には流通経済大学フットボールフィールドにて流通経済大学と駒澤大学が対戦する。
 各大学グラウンドでの平日ナイター開催となった今節。第66回全日本大学サッカー選手権(インカレ)への出場を目指す明大が5位・東洋大に勝利したことで、4位・東国大から7位・明大までの勝点差は5と詰まった。インカレ出場権のある5位内を目指して、熾烈な争いが続く。一方、降格圏に沈む11位・日体大、12位・桐蔭大は後期に入って未だ勝ちのない状況。次節、桐蔭大は1部残留を懸け10位・慶大と対戦する。後期リーグもいよいよ折り返し地点を迎える。熱い戦いから目が離せない。

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