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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・2部第19節レポート

2016/10/27
 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』第19節は、10月22日(土)に6試合行われた。

○前節は首位の東京国際大学と引き分け、1部昇格のためには負けられない東洋大学(勝点32・4位)と、3連勝中で、勝てば東洋大と順位の入れ替わる東京農業大学(勝点31・5位)の一戦。

 両チームともに広くピッチを使い、大きく展開しながらボールを回していく。東洋大は得意のパス回しで最終ラインから東農大DFを崩しにかかる。対する東農大もパスをつなぐものの東洋大の厳しい守備に苦しみ、なかなかシュートまで持ち込めない。前半43分、均衡を破ったのは東洋大だった。7番・田中舟汰郎が左サイドから上げたクロスを9番・坂元達裕がファーサイドでヘディングシュートを放ち、良い時間帯に東洋大が先制点を得ると、1点リードで試合を折り返す。
 しかし後半に入ると東農大が、徐々にペースをつかみ始める。後半の76分、途中出場24番・鈴木嶺太のクロスを11番・近藤康人が滑り込みながらシュート押し込み、東農大が同点弾を決める。ここから勢いに乗った東農大は後半の84分、4番・徳田康朗の出したスルーパスから相手との混戦に。このこぼれ球に反応した11番・近藤がこの日2点目、チームとしては勝ち越し弾となるゴールを決め、1-2で東農大が逆転勝利を収めた。
 東農大はこれで4連勝となり、さらに勝点3を積み重ねて4位に浮上。3位の中央大学との勝点差は1、2位神奈川大学との勝点差は3と、激化する1部昇格争いに名を連ね続ける。次節は3位の中大との直接対決が控え、1部昇格に向け絶対に負けられない戦いが続く。対する東洋大は5位に後退。次節は2部残留を決めた東海大学と、ホームの東洋大学朝霞グラウンドで試合が行われる。まだ1部昇格の可能性は捨てきれないものの、今節の結果により厳しい状況となった。次節こそ何としても勝点3を掴みたいところだ。


◯前節は朝鮮大学校相手に快勝、1部昇格に向け勢いに乗りたい中央大学(勝点35・2位)と、この正念場を制したい神奈川大学(勝点34・3位)の2位と3位の直接対決。

 開始直後から中大がチャンスを多く作るがフィニッシュの精度を欠き、なかなか決定機を作ることができない。序盤は少しファールが目立ち、浮き足立っているように見えた神大だったが、時間が経つにつれ徐々に落ち着きを取り戻し、中大ゴールに迫る。しかし中大DFも堅固な守備で突破を許さず、前半を0?0で折り返す。
 試合は後半開始直後に動いた。46分、神大はゴール前での11番・野路貴之のスルーパスに、阿吽の呼吸で26番・吉田蓮が相手DFの裏に抜け出す。26番・吉田はそのまま左足でシュートを放ち、中大DFを完全に崩してのゴール。一瞬の隙を突いた神大が貴重な先制点を得る。神大は56分にも直接フリーキックのチャンス。ゴールからは少し距離があったもののキッカーを務める6番・武田将平の見事なフリーキックに、ファーサイド目にポジションを取っていた2番・南祥巧が頭できっちり合わせてゴール。アシストランキング1位を走る6番・武田がまたしてもフリーキックから記録を重ねた。2点を追う展開となり、あとは点を取るしかない中大はその後も攻め続けるが、神大の集中した守備を破れない。神大は最後まで上手く時間を使い、そのまま0-2で試合終了した。
 1部昇格圏を争う直接対決の大一番は神大が制し、一歩1部昇格に近づいた。また、順位も神大が2位、中大が3位に逆転。首位を走る東京国際大学は今節も勝利を収め、現実的には1部昇格への残り1枠を争う厳しい展開となった。上位校同士の対戦が続くラストに向けて、この1勝は神大にとって大きな意味を持つことになるだろう。
 一方の中大は手痛い敗戦。次戦も4位・東農大との直接対決が続くだけにこれ以上は負けられない。


○勝点3をとって残留争いから抜け出したい東京学芸大学(勝点17・9位)と、何が何でも勝利して残留を目指す明治学院大学(勝点14・11位)との一戦。

 勝敗によっては今後残留争いが大きく変わる一戦。試合早々から両チームカウンターで攻撃を仕掛ける。明学大28番・土屋真輝が今期初スタメンとして果敢に攻める。しかし24分、東学大は3番・冨澤右京の左コーナーキックから19番・山中海斗がヘディングで繋げ、9番・増田侑也がそのままヘディングで押し込み、東学大が1-0とリードする。
 明学大はハーフタイムに6番・新井博人に代わり14番・齋藤翼を投入し、流れを変えに出る。24番・澤田大登がミドルシュートを放ち、11番・鳥谷部嵩也も中央に出てゴールを狙うがなかなかシュートは決まらない。コーナーキックに合わせた5番・中川大介のヘディングシュートは入ったかと思いきや、わずかにポストの外へ。一方、東学大は前半にゴールを決めた9番・増田が明学大のシュートのこぼれ球から一人で抜け出し、1対1の決定的なチャンスを掴む。待望の追加点と思われたが、シュートは明学大GK1番・松田健太郎の正面へ。また、途中出場の東学大32番・色摩雄貴がゴール前でパスを受けるが、こちらも明学大GK1番・松田の好守に阻まれる。お互い何度も決定機を迎えるがスコアは変わらず試合終了。
 「この1勝はとてつもなく大きい」と東学大・檜山康監督。この結果、東学大は次戦の拓殖大学戦勝利すれば残留が決定することとなった。「先週は3失点しているので心配もあったが、選手は落ち着いて対応していた。特にボランチがよく守備をしてくれた」と檜山監督。「後期は失点が少ない。そういう意味では、守備の粘り強さがあったと思う」と1点を守りきった守備陣を評価した。対してこの敗戦で再び厳しい状況に追い込まれたのが明学大。残り3戦で3勝することが、残留に向けての絶対条件だ。


○前節の敗北の流れを変えたい青山学院大学(勝点23・7位)と、後期初勝利を挙げて残留につなげたいたい関東学院大学(勝点13・12位)との一戦。

 前半は両チームとも攻守に良い場面はあったが、決定機権を決められないままに時間が進む。そんな中、42分に青学大がコーナーキックを獲得。キッカーの7番・山田武典が挙げたボールに、16番・池庭諒耶がヘディングシュートを叩きつけ、青学大が先制点をあげて均衡を崩す。
 青学大リードで迎えた後半、54分に青学大の14番・小泉佳穂が左に抜けると、そこからのパスを13番・森孝輔が中央ゴール前へとボールを浮かせ、最後は7番・山田がヘディングで合わせて青学大が追加点。2-0とリードを広げる。その後も青学大の攻撃は続き、77分には中央に抜け出した10番・伊藤光輝がドリブルで突破し、ゴール前へとボールを入れる。これを9番・窪園大地が滑り込みながら押し込み、3-0と関学大を突き放す。このまま青学大が完勝かと思われたが、関学大も最後まで諦めない。終了間際の88分、6番・福澤峻からの鮮やかなクロスに、ファーサイドの30番・見木友哉が頭で合わせ1点を奪取。しかし関学大の反撃はここまで。結局3-1で青学大が勝利を収めた。
 青学大はこの勝利で2部リーグ残留が確定。2得点に絡んだ7番・山田武典子も「今日はどうしても勝点3がほしかった。相手は切羽詰まっている状態だが、それに流されないように固く試合に入ることが大切だと思っていた」とコメント。流郷吐夢監督は「今日は先制点に大きな意味があると思っていた。先制点をとると楽になる。集中力を切らさずにやろうと話した」と狙いどおりの勝利に胸をなでおろした様子だった。次節の明治学院大学戦ではセンターバックの16番・池庭諒耶が累積警告で出場停止であることに加え、今後3試合は昇格、残留ともに関係がなくなるだけに難しい状況下での試合となる。しかし「自分たちの力をどこまで出していけるのか。よりよくすることを徹底し、1試合1試合、チーム力を高めていきたい」(流郷監督)。
 一方の関学大は、この敗戦でまさに崖っぷちに追い込まれた。次節の朝鮮大学校戦に敗退すると神奈川県リーグへの降格が決定する。関学大にとっては、文字通り「絶対に負けられない試合」となるだろう


○ここ3試合負けなしと、着実に勝点を積み上げている東海大学(勝点24・6位)と、残留に向けて連勝がほしい拓殖大学(勝点22・8位)との一戦。

 試合は前半から両チーム合わせて3枚の警告が出るほど激しい、意地と意地のぶつかり合いになった。得点が動いたのは、スコアレスで試合を折り返すかと思われた前半アディショナルタイムの45+2分。拓大の15番・柴田隼人が10番・池田直樹へボールを繋ぐと、そのままドリブルで切り込みゴール前へとボールを入れる。それを受けた16番・高橋直也が冷静に左足で流し込み、拓大が先制点を挙げる。
 先制した拓大は後半に入っても攻勢を弱めることがなかった。対する東海大も、39番・宮地建樹に代えて14番・若林涼太、17番・中山一毅に代えて10番・田村翼といった前線の選手を投入し、同点弾を狙う。再びスコアが動いたのは82分。拓大10番・池田からのパスを受けた18番・細田真也がドリブルで切り込み、ライナーのクロスボールを入れる。一度は東海大GKの1番・堀田大暉がはじき出したが、10番・池田がこぼれ球を押し込み、拓殖大が追加点を挙げる。試合はそのまま終了し、0-2で拓大が勝利を収めた。
 前節、関東学院大学相手に5点差をつけて勝利し、調子を上げた拓大が、今季初の連勝を飾り7位に浮上。2部リーグ残留を確定させた。一方の東海大は、前期リーグで拓大相手に0-5と大敗していただけにリベンジを果たしたかったが、今後期も完敗を喫する悔しい展開に。しかし、下位チームの動向により東海大も2部残留が確定し、まずはひと安心といったところか。次戦は、昇格争いの渦中にありながらも不調の続く東洋大学と対戦。ここで勝点3を積み上げ、本来の調子を取り戻したい。


○首位を独走しながらも、ここ2試合は勝利から遠ざかっている東京国際大学(勝点39・1位)と、後期未だ1勝の朝鮮大学校(勝点17・10位)との一戦。

 優勝争いと残留争い、それぞれの渦中にいる両校の、互いに負けられない試合は朝鮮大のキックオフで始まった。序盤はお互いにロングボールを蹴り込み、様子を探りつつペースを探る。すると前半7分、東国大6番・條洋介が朝鮮大ボールを奪い、10番・安東輝へとパスを送る。安東は、朝鮮大GKが前に出ていることを確認するとハーフウェーライン際からロングシュートを放つ。このボールが見事にネットに吸い込まれ、東国大が先制に成功。1-0で東国大がリードして試合を折り返す。
 1点ビハインドの朝鮮大は後半から果敢に攻め上がり、同点弾を狙う。51分には、右からのコーナーキックを10番・金成純が蹴り、13番・金舜志が頭で合わせ1-1の同点に。このまま勢いに乗りたい朝鮮大だったが、東国大もすかさず反撃を開始する。同点に追いつかれたから5分後の56分、22番・中村彰吾の裏へと入れたボールを、うまく抜け出した9番・町田ブライトが冷静にゴールへ流し込み、2-1と再びリード。その6分後の62分には、4番・古川雅人の右からのクロスに10番・安東が右足で合わせ追加点。安東のこの試合2点目となるゴールで、東国大が3-1と朝鮮大を突き放して試合は終了。
  勝点を42に伸ばし、2部リーグ優勝へ王手をかけた東国大は、次節、古河市立古河サッカー場にて2位の神奈川大学と対戦。勝てば優勝が確定する。上位校の直接対決を制し、優勝を手にすることができるか。一方の朝鮮大は悔しい2連敗。次節の相手は、ともに残留争いて中の関東学院大学。ここで勝点1ではなく3を積めるかどうかが、残留に向けての大きな鍵となる。



 次節第20節は、10月29日(土)に古河市立古河サッカー場にて青山学院大学対明治学院大学、中央大学対東京農業大学の試合が行われる。翌30日(日)には、同じく古河市立古河サッカー場にて東京学芸大学対拓殖大学、東京国際大学対神奈川大学の試合が、東洋大学朝霞グラウンドにて朝鮮大学校対関東学院大学、東洋大学対東海大学の試合が行われる。
 2部リーグ優勝に王手をかけた東国大は、現在2位につける神大と対戦。この試合に勝利すれば優勝と1部リーグ昇格、引き分け以下でも他会場の結果によっては1部昇格が決定する。一方、残留争いを繰り広げる9位以下の4チームのうち、10位の朝鮮大と12位の関学大が直接対決。加熱する昇格・残留争いも残り3試合となった。どのチームにとっても負けられない試合が続き、最後まで目が離せない。

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