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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・2部第20節レポート

2016/11/02
 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』第20節は、10月29日(土)に2試合、30日(日)に4試合が行われた。



○1部昇格も都県リーグへの降格の可能性ない中、どうモチベーションを保つかが課題の青山学院大学(勝点26・6位)と、今節こそ残留に向けての勝点3を取りたい明治学院大学(勝点14・11位)の一戦。

 試合は前半から青学大ペースとなった。前半18分、左サイドの13番・森孝輔のクロスに、ゴール前にいた10番・伊藤光輝が頭で合わせて青学大が先制。勢いに乗った青学大はその2分後の20分に14番・小泉佳穂の浮き球のパスを9番・窪園大地が受け、そのまま右足でシュート。すぐさま追加点を挙げる。
 後半に入っても青学大は何度となく明学大ゴールを脅かすが、シュートはなかなか決まらず。だが後半の80分、青学大7番・山田武典の右コーナーキックが相手DFとの競り合いからクリアされたボールに、17番・上村佳祐が反応。そのまま右足で決め、リードを3点差に広げる。反撃したい明学大は、84分に5番・中川大介がフリーキックからの混戦の末、シュートを放ち1点を返すが、直後の85分にはまたしても青学大が得点。10番・伊藤がハーフウェイラインからドリブルでゴール前へとボールを運ぶ。一度は相手DFにクリアされたものの、再びシュートを放ち試合を決定づける4点目をマーク。90+3分にも、青学大がコーナーキックからのチャンスを得点に結びつける。相手からボールを獲った10番・伊藤が9番・窪園にパス。9番・窪園のシュートは明学大ゴールに吸い込まれ、ダメ押しとなる5点目を決め、試合は終了。
 残留のためにはどうしても勝点3を取りたかった明学大だったが、負傷者の影響で万全のメンバーではなかったことも響き、大量失点での敗戦。残留に向けて厳しい結果となってしまった。対する青学大は10番・伊藤の1アシスト2ゴール、9番・窪園の2ゴールと、1年生の多いチームの中でも3、4年生の2人がしっかりと活躍を見せ、上級生の底力で大量得点の勝利をつかんだ。このまま最終節まで勢いに乗りたいところだ。


◯上位と対戦が続く中、なんとか1部昇格争いに残りたい中央大学(勝点35・3位)と、現在4連勝中と勢いに乗り、1部昇格を目指す東京農業大学(勝点34・4位)の一戦。

 1部昇格を狙うチーム同士の絶対に落とせない一戦は、早い時間帯から動いた。まずは前半6分、中大6番・飯干雄斗が左コーナーキックのチャンスを得る。一度は相手DFにクリアされたキックだったが、そのこぼれ球を拾った6番・飯干が再び低めのクロスを上げると、ゴール前のわずかなスペースに走り込んだ18番・山口陽一朗が頭で合わせてゴール。中大が幸先よく先制点を決める。その後も試合を優位に進めていた中大だったが、東農大も次第にボールを持つ時間が増え、徐々に東農大が主導権を握り、試合を展開する。
後半に入ると中大は13番・石井光に代えて7番・寺村介、28番・桜井昴に代えて11番・翁長聖を投入し、再び流れを引き寄せて追加点を狙おうとする。しかし70分、フリーキックからゴール前で混戦になったこぼれ球を、8番・牧寛史が押し込んで東農大が同点に追いつく。中大は、後期リーグ戦初スタメンとなったGKの21番・佐川雅寛が一度はゴールの外にボールを掻き出したものの、ゴールの判定となった。さらに76分には、東農大の13番・糸川颯の得たペナルティーキックを10番・岡庭裕貴が冷静に決め、東農大が逆転に成功。東農大は、その後も集中した堅い守備で得点を許さず、1-2で逆転勝利を収めた。
 前期リーグを1位で折り返したものの、後期に入ってから逆転負けの目立つ中大。上位校相手に2試合連続の逆転負けを喫し、ついに5位へ後退。1部昇格への道はさらに険しさを増した。次節は東洋大学との4位、5位直接対決となるが、勝点も並んでいるだけに絶対に負けられない一戦となるだろう。東農大は対称的に調子をあげ、この3位・4位の直接対決を制して3位へと上昇。次節は2部優勝、1部昇格を決めた東京国際大学との一戦。2位神奈川大学との勝点差は0、得失点差で上回り、1部昇格を逃さないためにも、大量得点で勝ちたいところだ。


○前節で6試合ぶりの勝利を収め、今節勝てば2部リーグ残留が決定する東京学芸大学(勝点20・9位)と、すでに2部リーグ残留が決定し、現在2連勝中の拓殖大学(勝点25・7位)の一戦。

 前半、ロングボール中心の勝負で臨んだ東学大は、9番・増田侑也らFWにボールを預けて積極的に攻撃の展開を試みるも、拓大守備陣のプレスをくぐり抜けてゴールに近づくまではいたらない。一方の拓大は奪ったボールをディフェンスラインで丁寧に繋いで応酬。、10番・池田直樹のドリブルを武器に東学大ディフェンスの突破口を探すも、中盤でボールを保持することができない。両チームともに攻撃の糸口を見つけられないまま、前半が終了した。
 エンドが替わった後半、開始直後から拓大の攻撃がアグレッシブさを増す。前線から最終ラインまでがコンパクトになると中盤でこぼれ球を拾えるようになり、拓大がボールを支配。そんな中、試合が動いたのは57分。拓大は左サイドの18番・細田真也のクロスからゴール前での混戦になり、16番・高橋直也がこぼれ球に反応。右足で冷静に押し込んで先制する。さらに拓大はエースストライカーの9番・小野瀬恵亮を投入して攻撃のスピードを上げる。75分には、その9番・小野瀬が中央の8番・冨田博斗からパスを受けると東学大DFを振り切り、右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。2点を追う展開となった東学大は、11番・岸寛太など攻撃的な選手を投入して反撃を試みるも、ボールコントロールのミスや拓大の人数をかけた守備に阻まれ、なかなかシュートまで持っていけない。焦りの出始めた東学大に対して拓大は82分、5番・菅谷政博が最前線に抜け出した16番・高橋へとスルーパスを送る。これを16番・高橋が左足で冷静に流し込み、試合を決定づける3点目を挙げた。
 16番・高橋の3試合連続ゴールに加えてチームとしては4試合無失点と、攻守ともに安定感を増してきている拓大。3連勝で迎える次節の対戦相手は、こちらも連勝中の6位・青山学院大学。好調のチーム同士の対戦で、順位の逆転を狙う。一方、2部リーグ残留決定が持ち越しとなった東学大。次節は同じく残留争いの渦中にある10位・朝鮮大学校との対戦と厳しい戦いが続くが、課題を克服して自力で残留を決めることができるか。


○勝てば2部リーグ優勝と1部リーグ昇格が決定する首位の東京国際大学(勝点42・1位)と、東国大の独走を食い止めるためには負けられない神奈川大学(勝点37・2位)の一戦。

 前半の立ち上がりは神大が中盤でボールを保持し、優位に試合を進める。対する東国大は9番・町田ブライトや左サイドの10番・安東輝にボールを集め、徐々にチャンスを作り始めるも、得点には至らない。その後は次第に中盤での攻防に収束し、互いに決定的チャンスを作れないまま試合を折り返した。
 後半は一転、東国大が試合の主導権を握る展開となった。55分、6番・條洋介の右からのクロスに9番・町田が抜け出し、キーパーとの一対一を冷静に決める。「1点目はブライトのよさが出た」(前田秀樹監督)と指揮官も納得のゴールで、東国大が待望の先制点を挙げる。「(6番の)條くんからボールがくるのはわかっていた。あとはみんなの期待を背負って(シュートを)打つだけだった」(9番・町田)。さらに73分には10番・安東の左からのクロスに11番・進昂平が頭で合わせ、リードを2点に広げた。「正直、(10番・安東からの)ボールは見えていなかったが、感覚で打った」(11番・進)。追う神大はここまでシュートのなかった2トップを交代し、9番・奥田晃也などフレッシュな選手を投入して多くのチャンスを作るが、なかなかゴールが奪えない。一方、優勝に向けて試合を決めたい東国大も積極的にゴールに迫る。両チーム、中盤での激しいぶつかり合いから一進一退の攻防となったが、そのまま試合は終了。2-0で完勝を収めた東国大が、2節を残しての2部リーグ優勝と1部リーグ昇格を決めた。
 圧倒的な得点力だけでなく安定した守備力も見せつけての優勝を決めた東国大。「今日は我慢の中でお互いのミスを拾う展開になると思っていが、センターバックのふたりがよく最終ラインをまとてくれた」と、前田監督。1年で1部からの降格となった昨年は10位と、まさかの残留争いに巻き込まれた。その苦い思いを糧に今年は「攻守の切り替えの速さ、運動量、そして球際の強さを、ふだんのトレーニングから徹底させた」という。さらにチーム全体としてシュートへの貪欲さ、ゴールを目指す意識が向上したことも、41得点という攻撃力につながった。「3年前に優勝したときは4年生の守備が中心。その守りの要がいなくなって1部で苦しんだ」が、今年のメンバーは全員が3年生以下。そのうえで「相手の裏をつく速い攻撃は必要だが、今年のチームはボランチのところでイニシアチブがとれる」と、前回の失敗を来年につなげる準備は万端だ。次節は、もう1枠の1部昇格を狙う東京農業大学との対戦となるが、若いメンバー中心の東国大は残りの試合も1部リーグでの戦いに向けて高いモチベーションで臨む。一方、「得点できなかったことが痛かった」と試合を振り返るのは、神大の長谷川大監督。「選手たちは優勝を目指していたので今日の結果はショックだと思うが、切り替えて昇格を目指すしかない」。敗れながらも2位をキープしてはいるが、3位の東農大に勝点で並ばれているだけに、次節の8位・東海大学との対戦では勝利が必須。残り1枠の昇格に向けて、4チームが凌ぎを削る展開となった。


〇勝利を収め、自力で残留に近づきたい朝鮮大学校(勝点17・10位)と、負ければ神奈川県リーグへの降格が決定する関東学院大学(勝点13・12位)との一戦。

 前半開始早々、チャンスを得たのは朝鮮大だった。ゴール前でフリーキックのチャンスを得た朝鮮大は、キッカーの10番・金成純がゴール左隅を狙ってシュートを放つ。これは関学大のGK、1番・古屋俊樹がファインセーブ。その後
朝鮮大はなかなかチャンスをつくれず、試合は関学大ペースに。すると、今度は関学大にビックチャンスが訪れる。7番・亀井大地が左サイドからのクロスに合わせゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定で惜しくもノーゴールに。両チームとも得点を決められず、0-0のまま前半を折り返す。
 均衡が破れたのは62分のことだった。関学大は7番の亀井からスルーパスを受けた6番・福澤峻が、右サイドからダイレクトでクロスを上げる。これを混戦の中、4番・森本大貴が頭で合わせて関学大が先制。追いつきたい朝鮮大は、この日が誕生日となる11番・韓勇太の積極的な攻め上がりから同点弾を狙うも、決定機を決めきることができない。結局、試合はそのまま終了し、0-1で関学大が後期初勝利を収めた。
 勝点を16に伸ばした関学大は11位に順位を上げ、今節での降格決定を免れた。次節は、同じく残留争いを繰り広げる12位の明治学院大学との直接対決。この大一番を制し、残留への望みを繋げたいところだ。一方の朝鮮大は、勝てば残留決定に向けて大きな意味を持つ試合だっただけに、手痛い敗戦。自力での残留を決めるためにも、次戦の東京学芸大学との試合は勝利したい。


〇1部リーグ昇格のためにも勝点3がほしい東洋大学(勝点32・5位)と、1つでも順位を上げたい東海大学(勝点24・8位)との一戦。

 東洋大は10番・仙頭啓矢と11番・佐藤仁紀の2トップが縦横無尽にピッチを動き、攻撃の起点となる。すると前半4分、その10番・仙頭が左サイドからグラウンダーのクロスを入れ、ファーサイドに詰めていた20番・丹代藍人が落ち着いて右足で流し込み、東洋大が先制に成功する。9試合ぶりにスタメンに名を連ねた20番・丹代が、古川毅監督の期待に応えるゴールを挙げた。対する東海大も反撃を開始。26分、14番・若林涼太からのパスを受けた7番・伊藤竜之介が、東洋大DFと1対1の局面をドリブルで突破。最後に右足を振り抜き1-1の同点に持ち込む。
 両チームとも勢いのある状態で迎えた後半。先に動いたのは東洋大だった。59分、右サイドから10番・仙頭がクロスを上げると、11番・佐藤が頭で合わせて追加点。75分にはフリーキックのチャンスに、10番・仙頭が蹴ったボールを、4番・浦上仁騎がヘディングシュートを放ちダメ押しの3点目。なんとかして1点を取り返したい東海大は15番・堀越大蔵に代えて18番・春日聖弥をピッチに送り込む。しかし、東洋大ディフェンスラインの厚い壁を破ることができず、試合はそのまま終了。10番・仙頭の3点に絡む活躍でスコアを3-1とした東洋大が、昇格に向けて大きな勝星を手にした。
 勝点を35に伸ばした東洋大は4位に浮上し、2位・神奈川大学と3位・東京農業大学との勝点差を2に詰めた。神大とは最終節に1部リーグ昇格の残り1枠をかけた直接対決を控える。それだけに、次節の中央大学戦でも勝利を収め、いい状態で最終節を迎えたい。


 次節第21節は11月5日(土)に古河市立古河サッカー場にて青山学院大学対拓殖大学、朝鮮大学校対東京学芸大学、東京国際大学第一サッカー場にて神奈川大学対東海大学、東京国際大学対東京農業大学、6日(日)には古河市立古河サッカー場にて関東学院大学対明治学院大学、中央大学対東洋大学の試合が行われる。
今節で東国大が2部優勝、1部昇格を決めた。1部昇格の残り1枠を巡る争いは依然混戦模様で今節の結果により大きく順位が変動する可能性も。さらに関東リーグの残留争いでは、今節で11位の関学大と12位の明学大の直接対決。10位・朝鮮大の結果いかんとなるが、この試合に敗れると都県リーグへの降格が決まる可能性がある。最後まで負けられない意地と意地がぶつかり合う熱い試合となるだろう。


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