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JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦・1部第19節マッチレポート

2018/11/08

 『JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第19節は、11月3日(土)に2試合、11月4日(日)に4試合行われた。


流通経済大学 対 東洋大学 @東金アリーナ陸上競技場


 明治大学に大敗を喫した前節の悪夢を払拭したい流通経済大学(勝点26・7位)と、前節、首位の早稲田大学に快勝し勢いに乗りたい東洋大学(勝点24・8位)の一戦。
 インカレ出場権を懸けた7位と8位の直接対決。試合は前半、流経大が主導権を握る展開となった。しかし流経大の10番・新垣貴之が決定的シュートを放つもゴールまでは至らない。30分過ぎには東洋大の左サイドバック・5番・渡辺星夢が流経大の主将、2番・広滝直矢と接触して負傷。そのまま交代するアクシデントが起こる。しかし東洋大はその後7番・松崎快がシュートを放つなどチャンスをつくり、試合の流れは少しずつ東洋大へ。だが両チームともゴールを決めることなく無得点で前半を終えることとなった。
 後半に入ると一転、東洋大が攻撃的に試合を進める展開となった。「前半はマッチアップがうまくはまらず、的を絞りきれずにいた」と東洋大・古川毅監督。風下ということもあり「前半の45分は我慢の時間帯」だったが、後半はその"我慢"から解き放たれ、一気に流経大陣内に攻め込む。66分には、ペナルティーエリア内でパスを受けた8番・高橋宏季が相手の間を抜く鋭いパスで11番・小林拓夢に繋ぐと、11番・小林がそのまま右足でゴールを決め、東洋大が先制する。その後流経大が反撃に出るも、東洋大のディフェンス陣が体を張ってゴールを死守。すると81分、10番・坂元達裕が何度となくゴール前に攻め込み、コーナーキックを獲得。このチャンスに東洋大は8番・高橋のキックから、11番・小林が頭で合わせる。すると11番・小林のシュートは流経大選手に当たり、そのままゴールへと吸い込まれる。オンゴールという思わぬ形で、東洋大が追加点を挙げ、0-2とリードを広げた。勝つためには攻めるしかない流経大は、その後猛攻を仕掛け、試合終了間際の90+3分、27番・満田誠のクロスに9番・髙澤優也が頭で合わせて1点を返すが、反撃はここまで。1―2のまま試合は終了し、東洋大が前節に続く勝利を収めた。
 この結果、流経大と東洋大の順位は入れ替わり、東洋大はインカレ出場圏内の7位に浮上。しかし東洋大の古川監督は「この試合が大一番だったことは確かだが(1部残留もインカレ出場も)まだ何も決まっていないので」と緊張感を崩さずにコメント。前節、首位の早大に大勝したことで「逆に気を緩めず、謙虚に取り組むことが大切だと伝えた」という。前節で4得点を挙げた11番・小林が、連続得点で勝利に貢献。前期は得点をとれずに苦しんだが、11番・小林をスタメンに据えた後期は攻撃面も好調だ。古川監督は「足元でボールを受けるテクニカルな選手が多い東洋大にあって、彼は背後を狙えるリアルストライカー」と評価。「前節ああいう形で(攻撃力が)爆発したので、チームとしてもその攻撃を持続させたい」とした。一方で「最後の1失点は次の試合への課題」とも。「そうした部分にこだわらなければ、取れる星も落としてしまう」と次節に向かって気を引き締めていた。流経大は3連勝のあとの2連敗。「前年度王者としてなんとしてもインカレに出場したい」と中野雄二監督は口にしたが、ついにインカレ出場圏外に転落してしまった。ここからどう盛り返すのか。次節は、逆転優勝を狙う、ライバル・筑波大学相手の茨城ダービー。舞台はこれ以上ないくらい揃っている。



順天堂大学 対 東京国際大学 @東金アリーナ陸上競技場


 2試合連続無得点。なんとか勢いを取り戻したい順天堂大学(勝点28・4位)と、ここで負けると1部リーグ残留が他力本願となる東京国際大学(勝点15・11位)の一戦。
 前半は、攻撃、ポゼッション率ともに順大が上回る立ち上がりとなった。順大は11番・旗手怜央が多く顔を出し、ゲームを組み立てる。一方の東国大はボールを奪ってからのカウンターでチャンスを作るものの、シュートまでは至らず前半のシュート数は0本に終わった。
 両者無得点で迎えた後半、順大は開始直後の53分に26番・新関成弥に代わって9番・浮田健誠を投入。すると64分、順大は12番・大谷京平のコーナーキックから2番・柳澤亘が頭で繋ぎ、9番・浮田が右足で合わせて先制点を決める。順大はその後もパスを繰り返しながら、ゴールを狙うが、なかなか決定機を作ることができない。しかし東国大も前半よりチャンスは増やしたものの得点までには至らず、両チーム低調な展開のままタイムアップ。
先制点を守りきった順大が1-0で3試合ぶりの勝利を収め、3位に浮上した。敗れた東国大は、9位・桐蔭横浜大学、10位・専修大学が敗れたために首の皮一枚で2部降格が保留に。だが1部残留の条件は次節以降に勝ち続けることで、そのうえで他大学の結果次第となる厳しい状況だ。次節の対戦相手は首位・早稲田大学。それでも前田秀樹監督は「相手がどうというより、自分たちのサッカーをしなければならない」と展望。これまでは「リアクションのサッカーになってしまっていた」と課題を口にした。前期は2-2で引き分けているだけに「いい試合はできていた」という手応えはある。1部残留の望みをかけ、絶対に負けられない次節に挑む。



専修大学 対 駒澤大学 @味の素フィールド西が丘


 1部リーグ残留に向け勝点3が欲しい専修大学(勝点22・10位)と、後期リーグは2勝4分1敗、勝率を上げてインカレ出場枠を確実なものにしたい駒澤大学(勝点26・6位)との一戦。
 序盤は互いにペースを握ることができず、一進一退の攻防が続いた。しかし前半も中盤に差し掛かろうとした17分、専大は2番・古屋誠志郎が右サイドを突破。コーナーキックを得ると、このチャンスに6番・小林岩魚が低弾道の速いボールをゴール前に放り込む。そのボールを、ゴール前に走りこんでいた7番・葛谷将平がダイレクトシュート。7番・葛谷の鮮やかなシュートで、専大が先制ゴールを決める。先制点を許した駒大だったが、縦に速いロングボールが前線に入れてリズムを作ると、徐々にペースを握り始める。前半終盤の41分には、駒大の10番・中原輝からのクロスを相手フィールドプレイヤーがクリア。そのこぼれ球を16番・薬真寺孝弥が拾い、そのままシュートを決めて試合は振り出しに戻った。
 後半は開始早々から専大がペースを掴むも、駒大も粘り強いディフェンスでゴールを許さない。一進一退の攻防戦が続く中、61分には駒大の9番・高橋潤哉が負傷で交代することに。すると63分、交代で入ったスーパーサブの18番・矢崎一輝が結果を出した。駒大は左コーナーキックから、4番・伊勢渉、そのこぼれ球を3番・星キョーワァンが放つなど、セットプレーから専大ゴールを攻め立てる。3番・星のシュートが弾かれると、混戦の中、こぼれ球を拾った18番・矢崎が押し込んで逆転弾。スコアを1-2にすると、73分には10番・中原がドリブルで前線に持ち上がる。一度は相手DFにボールを奪われた10番・中原だったが、即座に奪い返すとそのまま右足でファーサイドへと流し込み、追加点。1-3と専大を引き離す。しかし、77分には専大も交代出場の13番・鈴木厚太のスルーパスに反応した11番・中山克広がゴールを決めて、1点を返す。ここから専大の猛攻が続き、駒大ゴールを脅かすが、駒大の粘り強いディフェンスにより、追加点を許さずタイムアップ。最後まで粘った駒大が1点リードを守り切り、2-3で駒大が勝利した。
 これで6戦負け無し2連勝と、調子を上げている駒大。先制点こそ許したものの「相手に押し込まれるのはいつものこと。その時間帯を絶えさえすれば、ひっくり返せる自信はあった」と主将の6番・大塲淳矢。「相手が3バックだったので、いい形で1対1を作ることができた」と狙いどおりの展開での勝利だった。だが、目標はあくまで「インカレで日本一になること」と6番・大塲。「リーグ戦は残り3週間。インカレに出られなければ、その3週間で引退になる4年生もいる。下の学年にもっと残したいものもあるし、1日でも多く大学サッカーをするために、勝ちを重ねていきたい」と、次節の明治大学戦を見据えた。一方の専修大学は、ついに8戦連続未勝利に。まだ2部降格の可能性のある圏内にいるだけに、次節こそは後期初白星を手にしたい。



早稲田大学 対 筑波大学 @味の素フィールド西が丘


 後期は首位を堅持するも、前節は東洋大学にまさかの6失点で大敗を喫した早稲田大学(勝点39・1位)と、後期8位スタートから勝点を重ね現在2位、じわじわと首位に近づく筑波大学(勝点33・2位)の一戦。
 今季関東リーグの天王山。勝点差6の首位・早大と2位・筑波大の直接対決は、929人の観客が注目する緊迫した雰囲気の中で行われた。筑波大は6番・鈴木徳真、8番・高嶺朋樹の両ボランチを中心に、ボールを動かしながら試合を組み立てて攻撃を仕掛ける。対する早大は自陣深く4-1-4-1のブロックを作り、筑波大の攻撃を迎え撃つ。最初にチャンスを作ったのは早大。左サイドを崩し、最後は10番・岡田優希がシュートを放つも、ポストに弾かれゴールならず。するとその直後、今度は筑波大にチャンスが訪れる。右サイドからのクロスを、この大一番に初スタメンとなった33番・犬飼翔洋がヘディングで合わせるも、早大のGK、1番・小島亨介の好守でゴールを割らせない。両チーム何度となく決定機を作るも、守備陣の奮闘が光り、無得点のまま試合を折り返した。
 後半も緊迫した状況は続いた。筑波大は7番・三笘薫がサイドから攻撃を仕掛けるも、早大の2番・牧野潤が徹底したマークで防ぎチャンスを作らせない。筑波大は中盤からの攻め上がり、そしてセットプレーからもチャンスを作るが、早大の1番・小島が立て続けのビッグセーブでゴールを死守。対する早大も10番・岡田、交代出場の14番・藤沢和也が決定的なシュートを放つが、GKの30番・阿部航斗がファインセーブで筑波大ゴールを守る。最後までハイレベル、ハイプレスのサッカーが繰り広げられた試合は、両GKの活躍もあり0-0で試合終了となった。
 早大の外池大亮監督は前節の大敗を振り返り「今日のテーマは失点ゼロ」と選手に伝えたという。そのため、これまでよりも全体を低い位置にして筑波大の攻撃を防ぎ、「その中で、どう仕掛けるのか」を選手たちに問いかけた。この試合では、前節6失点を喫した守備陣、なかでも3年生の2番・牧野、3番・大桃海斗らが奮闘。「これまで3年生は伸び伸びとさせてきたが、そろそろ試合に出る責任を考えさせないと、来年4年生になったときに勝てない」とし、猛省を促した。その結果の活躍に「伸び伸びだけではなく、たくましさも出てきた」と満足顔。早大は勝点6差のまま残り3試合となり、次節に勝てば、筑波大の結果次第で優勝の可能性が出てきた。ただ、外池監督は「前節の東洋大戦で優勝を意識して惨敗したから、優勝は意識しないようにしたい」と"いつもどおり"で次節に臨むと語った。一方、この引き分けで逆転優勝が難しくなった筑波大。小井土正亮監督は「悔しいというより清々しい気持ちのほうが大きい」と第一声。拮抗した展開の中「ラスト10分で仕留められれば」と思っていたが「仕留められなかったのが今の実力」とした。「手変え品変え攻撃したが、(早大GKの1番)小島くんを抜けなかった」と相手GKと守備陣を褒めたが、「だからこそ、勝つためにはバランスを崩してでも動かなければいけない試合だった」とも。それでも「狙い通りのサッカーができたし、緊張感のあるゲームができたので悔いはない」ときっぱり。次節に勝てばインカレ出場が確定する可能性があるだけに、切り替えて"茨城ダービー"に臨みたい。



法政大学 対 明治大学 @Shonan BMW スタジアム平塚


 2連勝で上位に食い込みたい法政大学(勝点25・5位)と、首位・早稲田大学にこれ以上離されたくない明治大学(勝点28・3位)の一戦。
 試合は、序盤から法大が主導権を握る展開となった。雨でピッチがスリッピーな状況でも、13番・末木裕也と16番・長谷川元希のダブルボランチがその確かな技術を発揮して、ゲームを支配。守備では、19番・鳥居俊と27番・蓑田広大が明大の攻撃をことごとく跳ね返した。そんな法大にチャンスが訪れたのは、開始直後の10分だった。16番・長谷川が左サイドの17番・高木友也にボールを展開。17番・高木が中央にクロスを上げると、これを20番・上田綺世が受けてドリブルからゴール前中央へと落とす。そこに走り込んできた16番・長谷川がゴール左隅にシュートを決め、法大が先制する。一方の明大は9番・村田航一と24番・狩土名禅にロングボールを集めるも、効果的に攻めることができず、得点を挙げられないまま前半を終了した。
 後半も前半同様、法大が試合を支配し、62分には27番・蓑田がボールを奪い、そのままドリブルでゴール前まで持ち上がる。27番・簑田からのパスを受けた9番・ディサロ燦シルヴァーノが放ったシュートはポストに弾かれるも、こぼれ球に反応した20番・上田が押し込み、追加点。2-0とリードを広げる。その後は明大が反撃を見せるも、法大が集中した守備で守り切り、試合終了。法大はこの勝利で3位に浮上し、インカレ出場に向けて大きな勝点3を獲得した。一方の明大は、この敗戦で3位から5位へと後退。優勝の可能性が潰えた。


桐蔭横浜大学 対 国士舘大学 @多摩市立陸上競技場


 連勝で2部降格圏内からの完全脱出を目指す桐蔭横浜大学(勝点22・9位)と、2部降格は確定したが切り替えて勝利を目指す国士舘大学(勝点8・12位)の一戦。
 試合は立ち上がりからどちらも譲らない、拮抗した展開となった。ともにチャンスを作り、シュートを放つが、先制したのは国士大。32分、国士大はペナルティーキックを獲得すると、10番・大石竜平が決めてゴールを挙げる。
 0-1の国士大リードで迎えた後半、国士大は10番・大石がたびたびシュートを放ち、追加点を狙う。国士大はこの試合、3番・住吉ジェラニレショーン、5番・山岸瑠のDFふたりが出場停止だったが、19番・松本拓海、15番・谷口栄斗が入り桐蔭大にゴールを許さない。桐蔭大は後半、9番・滝沢晃司のシュート1本に留まるなど決定機を欠いたうえに、88分には主将の3番・打越大樹が乱暴な行為で退場に。国士大は10人となった桐蔭大から1点を守り抜き、0-1でタイムアップ。国士大が後期2勝目を挙げた。




 第20節は11月10日(土)にフクダ電子アリーナにて専修大学と順天堂大学、早稲田大学と東京国際大学が、相模原ギオンスタジアムにて法政大学と国士舘大学が、龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて流通経済大学と筑波大学が対戦。11月11日(日)に県立保土ヶ谷公園サッカー場にて桐蔭横浜大学と東洋大学、明治大学と駒澤大学の試合が行われる。

 第19節では首位の早大と2位・筑波大の直接対決が行われた。早大が勝てば優勝に大きく近づき、負ければ勝点差が3に縮まるという大一番。両チームのGKがスーパーセーブを連発し、結果は0-0のスコアレスドローに。早大の優勝は、次節以降に持ち越しとなった。一方、インカレ出場権を巡る争いでは、7位の流経大と8位の東洋大が対戦し、1-2で東洋大が勝利。順位が入れ替わり東洋大がインカレ出場に向けて一歩リードした。また11位の東国大は、順大に敗れたが、9位桐蔭大、10位専大も敗れたため残留へわずかな望みを繋いだ。リーグ戦も残り3試合。優勝争い、インカレ出場、残留争いはそれぞれに佳境を迎えている。次節ではその結果が出る可能性もある。各大学、より一層気が抜けない緊迫した試合が繰り広げられるだろう。
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