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JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦・2部第22節マッチレポート

2019/01/07

 「JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦【後期】」2部リーグ22節は、11月24日(土)に全6試合が行われた。


中央大学 対 立教大学 @中央大学多摩キャンパスサッカー場


 すでに2部リーグ優勝、1部リーグ昇格を決め、最終節で有終の美を飾りたい中央大学(勝点48・1位)と、最終節で勝利し来季に向けて弾みをつけたい立教大学(勝点33・4位)の一戦。

 すでに優勝・昇格が決まっている中大は、スタメン11人中9人が4年生という布陣でこの試合に臨んだ。スコアが動いたのは前半序盤の8分。中大は柏内定の4番・上島拓巳がゴール前へロングボールを放つと、これに反応した27番・中畑天秀が今季初得点を挙げて先制する。さらに20分には、31番・蓮見謙介の浮き玉を4番・上島が頭で合わせて追加点。2-0とリードを広げると、ここから中大のゴールラッシュが始まった。27分には、11番・桜井昴の放ったシュートがポストを直撃。しかしその跳ね返りを25番・宮城和也が押し込んで3点目。その4分後の31分には、10番・加藤陸次樹からパスを受けた11番・桜井がドリブルでゴール前まで切り込み、そのままシュート。さらに42分、10番・加藤が個人技でボールを収めると、そのまま左足を振りぬいて立教大を突き放す。前半だけで中大が5得点を挙げ、大量リードで前半を終える。
 前半に5点を挙げ、セーフティーリードを得たことで後半は中大の攻撃も鎮静化。すると72分、立教大が一矢を報いる。13番・浅見貫太のパスを受けた10番・吉田直矢が、鮮やかなシュートでゴールネットを揺らし、1点を返した。しかし、中大も2部王者の貫禄で試合終了間際の90+2分、31番・蓮見のコーナーキックに東京V内定の2番・安在達弥が頭で合わせ、ダメ押しの6点目。圧倒的な技術と危なげない試合運びで90分間を支配した中大が、6-1という大差で圧勝を収めた。


日本体育大学 対 立正大学 @県立保土ヶ谷公園サッカー場


 昇格のためには大差での勝利が必要な日本体育大学(勝点36・3位)と、勝って文句無しの昇格を決めたい立正大学(勝点39・2位)の一戦。

 1部昇格を懸けた、最終節の直接対決。昇格のためには8点差以上での勝利が条件となる日体大が、序盤から主導権を握る。3番・原田亘と19番・山下諒也が右サイドを制圧し、チャンスを演出。一方の立正大は22番・見原慧がフィジカルの強さを活かして前線でボールを収める。両チーム中盤で激しくボールを奪い合い、なかなか決定機を作ることができない。すると29分、日体大にチャンスが訪れる。19番・山下が、そのスピードを活かしたドリブルでペナルティーエリア内に侵入。たまらず立正大のDFがファウルをおかし、日体大がペナルティーキックを獲得する。これを9番・渡邊龍が冷静に決め、日体大が先制点を挙げる。
 後半も大量得点が必要な日体大が試合を支配。ディフェンスラインからテンポよくボールを動かし、攻撃を仕掛けていく。50分には、19番・山下からのロングパスに反応した3番・原田が裏に抜け出し、そのまま右足を振り抜いてゴールネットを揺らし、スコアを2-0とする。しかし、その後は立正大が反撃を開始。11番・人見拓哉や17番・梅村豪が積極的にシュートを放ち、ゴールを狙う。すると69分、立正大はフリーキックのチャンスを獲得。18番・平松昇のキックに4番・岡村大八が合わせようとしたところ、GKがこれをファウルでストップ。今度は立正大がペナルティーキックを獲得する。このチャンスに3番・鈴木順也がきっちりと決め、立正大が1点差に詰め寄る。8点差以上の得点が必要な日体大は厳しい状況になったが、日体大は諦めず再び攻撃のリズムを掴むと83分、3番・原田が右サイドで相手から奪取。縦パスを入れると、これに交代出場の7番・関戸裕希が反応。左足で鮮やかなミドルシュートをたたき込み、3-1と立正大を突き放す。日体大は最後まで粘り強く得点を狙い86分には11番・平川元樹が決定的なチャンスを迎えるが、シュートはポストを叩きゴールならず。3-1のまま日体大が勝利したものの、得失点で立正大に及ばず、立正大が創部初の1部リーグへの昇格を果たした。
 立正大の杉田守監督は「選手たちには、いつもの立正大らしいサッカーをやって勝とうと伝えてきたが、正直ボールも持てないし、日体大を崩せなかった」と完敗を認めつつも「リーグ戦なので、この試合だけではなく年間をトータルで見たときに、しっかり戦って守れたことが大きい」とコメント。昨季は関東リーグに復帰したばかりで「苦しみながら残留を決めた」が「その経験があったからこそ、今年の成長につながったと思う」と振り返った。後期は怪我人が続出し、リーグ終盤にはチーム内最多得点の10番・関岡亮太も怪我のため出場できないなどの不運もあった。だが、そのことで逆に「もともと守備とハードワークをベースとするチームだったが、しっかり守ってカウンターを狙うという意識がより強く出たと思う」と杉田監督。この試合では、3番・鈴木、4番・岡村以外は全員が3年生以下と「ふたりに続く若手の成長もあった」という収穫も。「来季はこれまで見たことのない、"1部から見た関東リーグ"を経験することになるが、気負わずこれまで積み上げたものを進化させていきたい」と、来季に視線を向けた。



関東学院大学 対 青山学院大学 @栃木市総合運動公園陸上競技場


 2連勝中の関東学院大学(勝点32・5位)と、前節3連勝がストップした青山学院大学(勝点31・6位)の一戦。

 前半は、両者1歩も譲らぬ拮抗した展開になった。関学大は、10番・見木友哉、青学大は10番・小泉佳穂、両チームの10番が起点となり攻撃を仕掛けるが、集中した守備がゴールを許さず前半はスコアレスで終了。
 後半に入ると関学大がこの均衡が破る。53分、関学大は9番・今村優介がペナルティーエリア手前でボールを奪取。16番・奥直仁にパスを送ると、16番・奥がこれをダイレクトで合わせて先制点を決める。その後は、互いに攻め合う展開となるが、試合終了間際の89分に、関学大が再びチャンス。左サイドで17番・鈴木翔がボールを奪って7番・清成俊太へパスを出すと、7番・清成が左足でゴールに流し込んで追加点。関学大が2-0とリードを広げ、ほどなくタイムアップ。関学大が3連勝でリーグ戦を締めくくった。


東京学芸大学 対 東海大学 @中台運動公園陸上競技場


 最終節を勝利で締めくくりたい東京学芸大学(勝点24・8位)と、残留に向けて負けることができない東海大学(勝点18・11位)の一戦。

 勝利が必須の東海大は前半、7番・面矢行斗のロングスローを中心に攻撃を組み立てる。しかし東学大も5番・鈴木翔太を中心とした守備で、ゴールを許さない。前半終了間際には東学大がペナルティーエリア付近からのフリーキックという絶好のチャンスを得るが、これは東海大が死守。拮抗した展開に、両チームなかなか決定的なチャンスを作ることができない。
 後半は序盤こそ東海大がボールを支配するものの、東学大が次第に決定機を増やしていく。59分には東学大の7番・色摩雄貴が相手GKとの1対1から抜け出し、無人のゴールにシュートを放つ決定的なシーンも。しかしこれは東海大のセンターバック、5番・小林陸玖が間一髪で滑り込んでクリアー。さらに78分、東学大は24番・住田将のコーナーキックに25番・千葉丈太郎が頭で合わせるが、これもまた東海大の守備陣が決死のクリアーでゴールを死守。すると試合も終盤に差し掛かった81分に、東海大が右サイドでのフリーキックを獲得。7番・面矢のキックから19番・大屋祥吾がドンピシャのヘディングシュートをゴールに叩き込み、ついに東海大が待望の先制点を挙げる。追いつきたい東学大は前線へとロングボールを放って攻撃を仕掛けるが、東海大の徹底した守りに跳ね返され、ゴールならず。試合はそのまま終了し、苦しい展開ながら先制点を守りきった東海大が勝利し、10位に浮上。2部残留を決めた。


慶應義塾大学 対 神奈川大学 @柏の葉公園総合競技場


 勝点3でシーズンを締めくくりたい慶應義塾大学(7位・勝点29)と、関東リーグ残留のためには勝利が絶対条件の神奈川大学(12位・勝点16)の一戦。

 試合は立ち上がりからスコアが動いた。先に主導権を握ったのは慶大。7分、9番・ピーダーセン世穏がボールを収めると、右サイドにパスを展開。すると7番・佐藤海徳がダイレクトでクロスを入れ、これを9番・ピーダーセンが頭で合わせて慶大が先制する。しかし残留のために負けられない神大も次第にチャンスを作り、30分に11番・金澤蓮が中央で崩し、そのままシュートを放ちゴールネットを揺らす。
 1-1で迎えた後半、神大は追いついた勢いのまま49分に再び決定機。34番・斎藤健太のクロスに18番・西川公基が右足で合わせ、神大がついに逆転に成功する。残留の可能性をたぐりよせた神大だったが、試合はこのままでは終わらなかった。終了間際の89分、慶大は混戦の中、6番の増田皓夫がこぼれ球を拾ってゴール前に浮き玉のパスを送る。すると8番・小谷春日が左足を振り抜きゴール。土壇場で慶大が同点に追いついた。試合はほどなくして2-2のままタイムアップ。神大は勝点1しか積み上げることができず、最下位での神奈川県リーグ降格が決まった。


拓殖大学 対 東京農業大学 @埼玉スタジアム2002 第2グラウンド


 ともに関東リーグ残留をかけた大一番。順位・勝点的には優位ながら、ここで勝って残留を確実なものにしたい拓殖大学(勝点21・9位)と、残留のためは絶対に負けられない東京農業大学(勝点19・10位)の一戦。

 両チーム残留がかかった一戦。しかし試合は拓大が圧倒する展開となった。まずは開始早々の8分、15番・金井明寛のクロスボールに9番・長尾吉家が反応。ゴール前で混戦となったところを、こぼれ球を拾った4番・関野太聖が押し込み、拓大が先制する。対する東農大は両サイドを上手く使った速い攻撃で、拓大ゴールに迫るが、放ったシュートはわずかに1本。チャンスを掴みきれないまま拓大リードで前半を終えた。
 ビハインドを負って後半を迎えた東農大。この試合で敗れると11位・東海大学、12位・神奈川大学の結果いかんでは関東リーグからの降格が決まる。追い込まれた東農大は後半、6番・土屋守の運動量を活かし、左サイドからの攻撃を仕掛けるものの、得点に結びつけることができない。主導権を東農大に奪われ、流れを変えたい拓大は61分に10番・小島樹を投入。するとこの采配がずばり的中。交代出場からわずか2分後の63分、10番・小島は11番・青木義孝からの浮き玉に反応。落ち着いてゴール前にパスを送ると、これを9番・長尾が決めて追加点。リードを2点差に広げる。これで攻撃のスイッチが入った拓大はその1分後、またもや10番・小島のクロスに、今度は14番・大山徹が合わせて3点目。試合は一気に拓大ペースとなり、71分には15番・金井の直接フリーキックから最後は9番・長尾が押し込んで東農大を突き放す。さらに2分後の73分には11番・青木が10番・小島からの浮き球を頭で合わせて5-0に。怒涛のゴールラッシュを前に、後半序盤は主導権を握っていた東農大はなすすべなく試合終了。5-0と快勝で最終戦を締めくくった拓大が関東リーグ残留を決めた一方、11位の東海大が勝利したため東農大は10位から11位に転落。関東リーグから東京都リーグへの降格となった。



 41年ぶりに関東リーグに復帰した立教大が怒涛の7連勝でスタートを切るなど、波乱の多かった2部リーグ。一方で、昨季は3位で涙を呑んだ中大も着実に勝利を重ね、前期の首位争いは中大と立教大が繰り広げる結果に。しかし後期になると立教大の勢いは失速。一方で中大の勢いは衰えず、ついに悲願の1部昇格、2部優勝を果たした。残る昇格の1枠は、前期から上位をキープしていた立正大と日体大の一騎打ちに。勝負の行く末は、最終節の直接対決までもつれ込んだ。その戦いを制したのは日体大だったが、得失点差で上回った立正大が1部昇格を決めた。また、残留争いでは最終節を前に9位の拓大から12位の神大までの4チームに可能性がある混戦模様に。結果、試合に敗れた東農大、引き分けたものの自力での残留がかなわなかった神大が都県リーグへと降格することとなった。
 昇格、そして残留争いが最終節までもつれ込むなど、最後まで混戦が続いた今季の2部リーグ。昨年1部から降格した日体大、慶大がそろって1年での1部復帰を逃す一方、昨年関東リーグに復帰した立正大初の1部昇格をはたし、今季関東復帰の立教大が一時期首位に立つなど、2部チームの実力は横一線状態。どのチームが抜け出すか、まったく予想不可能だ。来季は産業能率大学と日本大学が加わり、どんな展開となるのか。2部ならではの"サプライズ"に期待したい。
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