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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・2部第18節マッチレポート

2019/10/31


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』2部18節は、10月27日(日)に全6試合が行われた。


日本体育大学 対 立教大学 @慶應義塾大学下田グラウンド


 ここ3試合勝ちがなく、1部リーグ昇格のためには勝利が絶対条件となる日本体育大学(勝点26・4位)と、前節で待望の後期リーグ初勝利を挙げ、波に乗りたい立教大学(勝点17・9位)との一戦。

 昇格と残留。意味合いは異なるが、両チーム目指す目標に向かって負けられない重要な一戦となった。試合は序盤から日体大がボールを保持して主導権を握り、10番・山下諒也のスピードを活かした多彩な攻撃で立教大ゴールに迫る。日体大は29分、右サイドでの素早い連携から24番・萩原大河がクロスを上げる。するとゴール前で18番・飛鷹啓介を経由し、最後は9番・寺下裕貴が右足でシュートを決めて先制点。続く36分にも、10番・山下を起点に左サイドにボールを展開すると、4番・弓削翼の浮き球クロスを18番・飛鷹が頭で合わせて追加点を奪う。対する立教大は、前半のシュート数が1本に留まるなど、思うようにチャンスを作ることができない。結局、前半は日体大が2点をリードしたまま終了した。

 後半に入っても日体大がボールを保持する展開は変わらない。しかし立教大も、前半途中からの出場した38番・宮倉樹里杏を起点にゴールを狙い、反撃の機会を窺う。再三チャンスを作った立教大だが、GKの1番・鈴木透を中心とした日体大守備陣の前に攻撃陣が沈黙。試合は2-0のまま終了し、日体大が1部リーグ昇格へと望みをつなぐ勝点3を手にした。


慶應義塾大学 対 東京国際大学 @慶應義塾大学下田グラウンド


 第11節から7試合連続無敗ながらも、ここ2試合は引き分けが続く慶應義塾大学(勝点36・1位)と、前節の勝利に続く連勝を目指す東京国際大学(勝点23・7位)との一戦。

 試合の入りは互いに堅く、ロングボールを多用する展開となった。しかし徐々に慶大が攻勢に転じ、19番・福本拓海や14番・橋本健人らを中心に左サイドから攻撃を組み立てる。対する東国大もチャンスを作って慶大ゴールに迫るが、互いに決定力を欠き、得点につなげることができないまま前半が終了。

 後半に入っても、ボールは動くが両チームに得点は生まれない。そんな中、64分に慶大が動いた。FWでスタメン出場の32番・宮本稜大に代えて30番・松岡瑠夢を投入。すると、この交代策が的中。65分、左サイドの14番・橋本から19番・福本へとパスがつながり、最後は30番・松岡へ。これを30番・松岡が左足で押し込み、値千金の先制ゴールを挙げる。ビハインドを負った東国大も9番・伊能玲生や7番・宇高魁人、12番・湯澤拓士がシュートを放つが、最後までゴールを割ることができず。1-0で東国大を寄り切った慶大が3試合ぶりの勝利を挙げ、3年ぶりとなる1部リーグへの返り咲きに大きく前進した。


拓殖大学 対 青山学院大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場


 1部リーグ昇格圏の2位・国士舘大学を勝点差3で猛追する拓殖大学(勝点30・3位)と、なんとしても勝利して降格圏から抜け出したい青山学院大学(勝点15・12位)の一戦。

 ホームグラウンドでの開催、そして集中応援の力をも借りて試合に臨んだ拓殖大学だったが、先にペースを掴んだのは青学大。序盤から拓大ゴールに迫ると、24分には22番・羽生識が相手陣地深くまでボールを運び、ペナルティーエリアにいる9番・大竹将吾とパス交換。再びパスを受けると、スペースが無い角度から冷静にシュートを放ち、先制点を挙げる。対する拓大は9番・長尾吉家が前半のうちに2本のシュートを放つが、決定機を決めきれず無得点で前半を終えた。

 後半に入ると、拓大は攻撃陣を積極的に入れ替えて流れを引き寄せようと試みる。だが、試合を動かしたのはまたもや青学大。71分、22番・羽生のはなったシュートのこぼれ球を、14番・西羽拓がダイレクトでゴールに突き刺して拓大を突き放す2点目をマーク。拓大も78分、30番・佐藤岬がペナルティーエリア内で放ったシュートのこぼれ球を、22番・秋元章吾が押し込んで1点差とするが、81分には19番・岩重光信が青学大の9番・大竹を倒してペナルティーキックを献上。19番・岩重も退場処分となり、拓大は残り時間を10人で戦うことになった。青学大は9番・大竹自身がペナルティーキックを沈め、再びリードを2点差に広げる。その後は危なげない試合運びでゴールを守り、1-3のまま試合は終了。青学大が残留に向けて貴重な勝点3を手にし、最下位から脱出。降格圏外の9位へと浮上した。

 待望の後期初勝利を挙げた青学大の流郷吐夢監督は、ほっとした表情ながらも「勝点3を取れば勢いづくとは思っていたが、もうちょっと、という試合を落とし続けてきてしんどかった」と苦しい心境を吐露。この試合については「ボールを動かしてくるチームなので、ゴール前のスプリントで勝てる選手を使って粘り強く守る。攻撃では4-1-4-1のシステムで、バイタルエリアをうまく使いながらボールを動かすことを突き詰める」との狙いで臨んだが、戦術よりも「粘り強く守る、走り切るといったこと。普段の準備を見直して厳しさを積み上げていった」ことが勝利につながったとかたった。次節は得点ランキングトップで、3試合連続得点の9番・大竹がU-20全日本大学選抜の海外遠征のため欠場。流郷監督は「出発前に役割を果たしてくれた」とねぎらったが、主力の欠場はチームにとって大きな痛手。それでも「これを乗り越えられなければ、大竹頼みとなってしまい、チームとしての成長はない」ときっぱり。ピンチをチャンスにかえて、一気に残留争いからの脱出を狙う。




日本大学 対 東海大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場


 後期リーグでは勝ちきれない試合が続き、1部リーグ昇格が遠のきつつある日本大学(勝点24・6位)と、同じく後期リーグ未勝利で残留争い脱出のためにも勝点3が必須の東海大学(勝点16・10位)の一戦。

 東海大は10番・寺岡尚輝をターゲットとし、ロングボール主体で攻撃を展開。しかし日大の強固な守備陣に阻まれ、シュートを放つことができない。一方の日大もセカンドボールを拾えず、攻撃の形を作れずスコアレスで前半は終了。

 後半に入ると東海大は10番・寺岡に代えて20番・鈴木大智を投入。サイドを起点とし、さらに運動量を上げて日大ゴールに迫る。対する日大も62分、札幌内定のエース、8番・金子拓郎を投入。シャドーの位置に入った8番・金子はピッチに送り出されるやいなや、DFを1人かわしてペナルティーエリアに侵入。最後は20番・鬼京大翔へスルーパスを通すなど早速チャンスを演出するが、東海大もキャプテン、5番・面矢行斗を中心とした必死の守備でこれを阻止。東海大からゴールを奪う事が出来ない。日大は25番・荻原翼らもチャンスに絡み、後半に6本ものシュートを放ったものの、結局ゴールを割ることなく無得点で試合終了。両チームにとって痛い引き分けとなり、勝点1を分け合うに留まった。この結果、東海大はついに関東リーグ降格圏内の11位に転落となってしまった。




関東学院大学 対 東京学芸大学 @産業能率大学第二グラウンド


 前節、日本大学との上位対決に勝利して波に乗る関東学院大学(勝点26・5位)と、上位の国士舘大学に勝利した勢いで降格圏からの抜け出しを狙う東京学芸大学(勝点15・11位)の一戦。

 前半は、互いにタッチ数が少なく前線にボールを放り込む時間が続いた。最初のチャンスは4分。関学大がフリーキックを獲得した流れから、中央にクロスを上げて11番・奥直仁が頭で合わせるも、これはキーパーの真正面へ。対する東学大も8分、ロングスローからコーナーキックを獲得。8番・住田将からのボールに5番・原山海里が頭で合わせるも、これは関学大のGK、1番・武者大夢がファインセーブ。関学大も14分、左サイドで8番・北龍磨からのパスを受けた7番・木下海斗がドリブルで前線に運び、中央の9番・今村優介がこれに合わせるも、東学大のGK12番・高橋謙太郎がキャッチ。前半は得点が動かないままは、試合はハーフタイムへ。

 しかし、後半は前半の膠着した展開とは一転。関学大は76分、流れを変えるため長身のFW、22番・小池駿を投入。集中的にロングボールを入れてゴールを狙う。しかし、東学大にボールを保持される時間が長く、なかなか攻撃の糸口を見つけることができない。一方、前半は形が作れずにいた東学大は、ボールを回せるようになると左サイドが活発化。81分には、5番・原山からのロングボールを起点に攻撃を展開し、最後は10番・山中海斗がペナルティーエリア付近からシュートを放つも、これはバーの上へ。結局両チームチャンスを決めきれず、試合はスコアレスドローで終了。一気に上位に進出したかった関学大だったが、この引き分けで足踏み状態に。そして東学大はまたしても最下位に転落することとなった。


国士舘大学 対 産業能率大学 @産業能率大学第二グラウンド


 1部リーグ昇格のため勝点を積み上げたい国士舘大学(勝点33・2位)と、残留に向けて落とせない試合が続く産業能率大学(勝点19・8位)の一戦。

 試合は、開始早々から産能大が国士大ゴールに迫る展開となった。まずは4分、産能大はペナルティーキックを獲得すると、18番・吉田伊吹が冷静にゴールに流し込んで先制。幸先の良いスタートを切った産能大は、11分にも30番・田原廉登から15番・吉田朋恭へとボールを繋ぎ、最後は18番・吉田が相手ディフェンスのタイミングをずらして右足を振り抜き追加点。0-2とリードを広げる。国士大は、産能大にボールを保持され、なかなかチャンスを作れない国士大は、産能大の裏のスペースを狙う作戦に戦術を変更。すると13分、今度は国士大がペナルティーキックを獲得。キッカーの11番・髙橋利樹は、キーパーの逆をついてゴール右隅にシュートを決め、1点を返す。しかし産能大はその3分後の16分、8番・上畑佑平士が前線へロングボールに18番・吉田が反応。相手のクリアミスを拾うと、キーパーとの1対1を冷静に決めて3点目。18番・吉田が前半のうちにハットトリックを達成し、リードを広げる。流れに乗った産能大は、その後も何度となく国士大のペナルティーエリア内に侵入。ダイレクトパスとポストプレーで攻撃を組み立てると、23分には、9番・土田聖也のパスに反応した30番・田原がドリブルで相手を引きつけ、空いたスペースに25番・西海那音が走り込んで右足を振り抜く。産能大は、25番・西海の関東リーグ初ゴールでスコアを4-1とし、国士大を突き放した。しかし国士大もここから意地を見せ、31分、24番・中村翔輝の左サイドからのクロスを、11番・髙橋が打点の高いヘディングで押し込み2点目をマーク。スコアは2-4となり、前半だけで6点を奪い合う乱打戦で試合を折り返した。

 前半とは一転し、後半は国士大がボールを保持。左サイドの24番・中村にボールを集めると、精度の高いクロスで産能大ゴールに襲い掛かる。しかし、産能大ディフェンスも集中した守りで国士大の攻撃を跳ね返し、ゴールを許さない。結局後半は両チーム得点を決めることなくタイムアップ。産能大が激しいゴールの奪い合いとなった試合を制し、9位以下との勝点差を4として残留争いから一歩抜け出した。一方の国士大は、首位・慶應義塾大学との勝点差が6に開く、厳しい結果となった。



 次節の第19節は、11/2(土)にスポーツ日大アスレティックパーク稲城サッカーフィールドで東京国際大学と青山学院大学、日本大学と日本体育大学が対戦。また、産業能率大学第二グラウンドでは、産業能率大学と関東学院大学、東海大学と東京学芸大学の試合が行われる。11/3(日)には、国士舘大学町田キャンパスサッカー場にて、国士舘大学と拓殖大学、慶應義塾大学と立教大学がそれぞれ激突する。

 依然、混戦状態が続く2部リーグ。首位・慶大は7位・東国大を相手に完封勝利を収め、1部リーグ昇格に王手をかけた。3位の拓大、4位の日体大の結果次第では、次節での2位内確定、1部昇格が決まりそうだ。一方、慶大を追う2位・国士大と3位・拓大が揃って敗戦。4位・日体大は3試合ぶりの勝ち星を挙げ、2位以下の昇格争いは再び先の読めない展開となった。一方、関東リーグ残留争いはさらに混戦模様で、9位・青学大から12位・東学大の勝点差はなんと「2」。残る試合はわずかだが、ここからひと波乱、ふた波乱あることが予想される。はたして最後にどのような結末が待っているのか。残り4試合、いずれも見逃せない試合が続く。
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