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JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦・2部第20節マッチレポート

2021/10/22

 『JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』2部リーグ第20節は10月16日(土)に、全6試合が行われた。


中央大学 対 専修大学


 1部リーグ昇格圏内に復帰するためにも、勝点3を積み上げたい中央大学(勝点31・暫定5位)と、直近の試合では終了間際の失点で敗戦。厳しい中2日の試合を迎える専修大学(勝点17・暫定10位)の一戦。

 ファーストシュートは中大。5分、GK1番・坪井湧也のパントキックをつなぐと、抜け出した16番・平尾挙士朗がドリブルで相手DFを交わしてフィニッシュまで持ち込む。しかしシュートは惜しくも枠外に。続く11分、専大の攻撃を防いだ中大がカウンターを仕掛ける。7番・田邉光平がセンターライン付近の8番・山﨑希一につなぐと、8番・山﨑はそのままドリブルを開始。ゴール前まで運び、最後はコースを狙い澄ました丁寧なシュートを放つ。先制した中大は33番・星野創輝を起点に、縦に早い攻撃で専大ゴールに迫る。しかし序盤こそ相手の勢いに押されたが、専大も徐々にボールを握り始める。後方から丁寧に組み立て、好機をうかがうと、33番・本田彪と直近の試合でもゴールを決めた9番・村上千歩に合わせるが、中大の組織的な守備に阻まれゴールならず。結局、前半は中大1点リードのまま終了した。

 後半も中大ペースの展開となった。62分、先制点を挙げた8番・山﨑が中央に切れ込みシュートを放つがこれはGK正面。その後も8番・山﨑が切れ味抜群のドリブルで左サイドを制圧する。攻撃の糸口を掴めない専大は56分に交代カードを3枚替えするなど、早い時間帯から攻勢に出るが、シュートまでが遠い。終盤にはDFの3番・井上詩音を投入し、前線の高さを加えてパワープレーを仕掛けるが、最後まで高い集中力を保った中大守備陣に跳ね返された。そのまま試合は1-0で終了。序盤の1点を守り切った中大が勝利した。

 この勝利で中大は3位に浮上し、2位の東洋大学との勝点差が1となった。1部リーグ自動昇格を目指し、残り2節でこの勝点1差を追う。対する専大はこれで2連敗。11位の産業能率大学が今節勝利したため順位が入れ替わり、自動降格圏に転落となった。




東京国際大学 対 神奈川大学


 今切、2部優勝と1部昇格に王手をかけた東京国際大学(勝点41・暫定1位)と、降格は決まったが残り3節で意地を見せたい神奈川大学(勝点6・12位)の一戦。

 首位対最下位という対称的な構図になったこの対戦。序盤は、神大が東国大のハイプレスをかいくぐってパスを回すが、チャンスにまでは持ち込めない。一方の東国大は勝てば無条件で優勝が決まるとあって、次第に前掛かりに。しかし、勢いあまってなかなか決定機を決めきれない。そんな均衡が破られたのは38分。相手センターバックからボランチへの縦パスが入ったところを狙っていた、東国大の27番・熊坂光希がボールを奪取。10番・有水亮にラストパスを送ると、10番・有水はペナルティーエリアボールを持ち込んだ後、落ち着いて左足で逆サイドへと流し込む。東国大が先制点を上げ、1-0と東国大リードで前半が終了する。

 だが「(降格が決まっても)いい内容だったと思われる試合をしよう」という神大・大森酉三郎監督の言葉を受けて、ここから神大が反撃に転じる。後半立ち上がり早々の47分、神大は左サイドで得たフリーキックを13番・新井直登がゴール前中央に蹴り込むと、相手がクリアし損ねたこぼれ球を17番・田畑麟が拾い、23番・田中隼太へパス。23番・田中が相手を上手くかわして左足を振り抜く。相手DFの股を抜くシュートはそのままゴールへと吸い込まれ、試合は振り出しに戻った。勢いに乗った神大はさらに71分、今度は右サイドでフリーキックを獲得。28番・小林晃輔が蹴り入れたボールを、11番・佐藤未勇が胸で収めると、2タッチ目で豪快にシュート。ボールはそのままゴール右上に突き刺さり、神大が1-2と逆転に成功する。

 試合の流れは一気に神大へと傾いた。しかし東国大も77分、大きな賭けに出る。26番・重野祥輝、34番・尾崎岳人の2人を同時に投入。これまでにない交代パターンは、しかし東国大を勢いづけた。試合も終盤に突入した84分、東国大は右の高い位置から2番・石川竣祐が中央ニアサイドへ低めのクロスを入れる。それを収めた11番・師岡柊生が相手を背負った状態から反転、マイナス気味のグラウンダーパスを送ると、これが神大守備陣の間を抜けて10番・有水の元へ。10番・有水は細かいタッチでコースを開けると、そのままシュート。GKが一歩も動けない、鮮やかな同点ゴールを決める。東国大はさらなる選手交代で神大を攻める。86分、点取り屋の11番・師岡を下げて、30番・佐々木寛太をピッチに送り出す。すると、投入されたばかりの30番・佐々木が大きな仕事をやってのけた。アディショナルタイムに突入した90+1分。コーナーキックを獲得した東国大は、10番・有水がファーサイドに蹴り入れたボールを、17番・板倉健太がヘディングシュート。これはポストに阻まれるも、その跳ね返りを30番・佐々木寛太が泥臭く頭で押し込み劇的な逆転ゴール。これが決勝点となり、3-2で東国大が競り勝ちタイムアップ。

 この勝利により、東国大は5年ぶり3度目の2部リーグ優勝と来季の1部リーグ昇格が決定した。対する神大は首位相手に1度はリードするなど意地を見せたがあと一歩粘ることができず今季リーグ戦16敗目を喫した。




日本体育大学 対 日本大学


 積極的な攻撃で勝利を掴み、1部昇格につなげたい日本体育大学(勝点32・暫定5位)と勝点を積み上げ、残留争いでリードしたい日本大学(勝点18・暫定9位)の一戦。

 過去2年間リーグ戦で日体大に勝利のない日大だったが、この試合では序盤から積極的な攻撃を展開。栃木SC内定の7番・大森渚生を中心に、前線にボールを送り込んでは日体大守備陣を脅かす。一方、日体大は4番・深川大輔を中心に体を張った守備で日大の攻撃を跳ね返すが、なかなか流れを引き寄せることができない。前半終了間際の45分には、日大の10番・長澤壮竜のロングボールに抜け出した6番・近藤友喜が、日体大の37番・横須賀郁哉にゴール前で倒されてペナルティーキックを獲得する。キッカーは7番・大森。狙いすましたシュートは、しかしポストに当たり得点には至らず。日大は絶好のチャンスを逃し、試合はスコアレスで折り返した。

 後半も立ち上がりから日大が攻勢を強める。まずは58分、19番・千葉隆希が前線で相手ボールをカット。フリーの8番・橋田尚希へとつなぐと、橋田はそのまま左足でゴールに流し込み、日大が先制する。対する日体大は、ショートパスを使って日大ゴールに迫るが、相手の粘り強い守備でシュートまで持ちこめない。試合終盤になるとリードする日大が一気に畳み掛ける。まずは80分、6番・近藤のクロスボールに19番・千葉が合わせるも、これはジャストミートとはならず。しかし、そのこぼれ球に36番・青木晴輝が反応。右足でゴールネットに突き刺し、0-2とリードを広げる。さらに83分、日大は19番・千葉の仕掛けから絶好の位置でフリーキックを獲得。キッカーの7番・大森のシュートは相手ディフェンダーに当たるも、そのままゴールに吸い込まれて3点目。止まらない日大は88分、19番・千葉に代えて2番・青木駿人を投入。するとその直後、途中出場の17番・熊倉弘達が右サイドを突破してクロス。これを受けた11番・荻原翼の落としに反応したのは、ピッチに入ったばかりの2番・青木。そのまま左足でゴールに流し込み、4点目を決めて勝負あり。日大が大量4得点を挙げ、0-4で試合は終了した。

 日大は相性の悪い日体大相手に、重要な局面で勝ち星をあげて8位に浮上。少しずつだが順位を上げ、残留に向けてまた一歩前進した。一方の日体大は、終盤にまさかの連続失点。上位進出の絶好のチャンスを失う結果となった。


立教大学 対 関東学院大学


 勝点を積み上げ、残留争いから抜け出したい立教大学(勝点20・暫定8位)と、勝って関東リーグ残留を確定させたい関東学院大学(勝点27・暫定6位)の一戦。

 前半は立ち上がりから関学大ペースで試合が進んだ。関学大は8分、右サイドに抜け出した36番・岩元ルナがドリブルでゴール前までボールを運ぶ。放ったシュートはポストを叩き、得点には至らなかったが、続く9分にも10番・木下海斗が6番・林田滉也のスルーパスに抜け出し、左サイドからクロスを供給。これに8番・狩野海晟がフリーでシュートを放つが、立教大DFにブロックされてしまう。立て続けに立教大ゴールに迫るが関学大だったが、なかなか決めきることができない。対する立教大は9番・宮倉樹里杏の高さを活かしたセットプレーや、前線にロングボールを放り込むことで関学大陣内に迫るがなかなかリズムを掴むことができない。互いゴールを決めきれず、前半はスコアレスで終わった。

 関学大は後半の立ち上がりから立教大ゴールを脅かすが、立教大もGK23番・村田耀を中心とした堅守でゴールを割らせない。両チーム得点のない時間が続いたが、67分、ついに試合が動く。関学大は7番・力武巧がドリブルで左サイドに抜け出し、右足でクロスを上げる。このボールに36番・岩元が反応。ヘディングでゴールに押し込み、関学大が先制する。しかし、その後攻勢を強めたのは立教大だった。前線からプレッシャーをかけてボールを奪い、チャンスをうかがう。試合終盤にはセットプレーなどから多くのチャンスを作るが、最後まで関学大のゴールを割ることはできず、0-1で試合終了。

 関学大はこの勝利で関東リーグ残留が確定。昇格争いに向けて残り3試合を戦う。一方、立教大はこの敗戦で9位に後退。降格圏が目前に迫る、厳しい状況に追い込まれた。


東洋大学 対 東海大学


 前節は後期リーグ初黒星を喫し、今節からの巻き返しを狙う東洋大学(勝点34・暫定2位)と、勝点を積み重ね残留を確実なものとしたい東海大学(勝点25・暫定7位)の一戦。

 立ち上がりから互いに持ち味を活かした展開が繰り広げられた。東洋大はディフェンスラインからボールを繋ぎ、16番・室井彗佑や19番・高柳郁弥が積極的に攻撃を仕掛けて相手ゴールを脅かす。一方、東海大は効果的なロングボールを敵陣に蹴り込み、じわじわと東洋大ゴールへと迫る。相手の激しい球際に東洋大が苦しむ中、徐々に東海大がボールを握る時間が増えるが、得点には至らずスコアレスで前半を終える。

 後半も球際の激しい拮抗した展開が続いた。65分、東海大はセカンドボールを拾うと、9番・高田悠が浮き球のパスを相手DFの裏へと送る。11番・鈴木大智がそのボールに反応。抜け出してシュートを放つが、東洋大GK、1番・青木祐太のファインセーブに阻まれてしまう。さらにこぼれ球にも反応するが、枠を捉えきれず先制点につなげることはできなかった。対する東洋大は80分、ゴールキックからのボールを16番・室井が収めると、そのままドリブルで突破。スピードを活かして自らチャンスを生み出すが、こちらもシュートは東海大GK、12番・佐藤史騎が防ぎ、ゴールを許さない。東洋大が9番・佐々木銀士や8番・梅津凌岳ら前線の選手を次々と投入して攻め続けるのに対し、東海大はルーキーの25番・鈴木遼のセットプレーからゴールを狙う。しかし、最後までスコアは動かず、スコアレスで試合終了。

 東洋大はこれで3戦勝利なしと足踏みが続く。だが他の上位チームが敗れたため、2位をキープ。次節の勝利と、他会場の結果次第では1部リーグ昇格が確定する。今度こそ勝利をつかみたいところだ。東海大も前期リーグで敗れた相手に勝点1を積み上げ、1部残留に王手をかけた。


東京学芸大学 対 産業能率大学


 1部昇格に向けて、3位以下を突き放したい東京学芸大学(勝点33・暫定3位)と、残留に向けて下位争いから一歩抜け出したい産業能率大学(勝点17・暫定11位)の一戦。

 雨天の影響により、滑りやすいピッチコンディションの中行われた試合は、前半立ち上がりから動きのある展開となった。まずは9分、産能大は13番・田原廉登が左サイドから切り込んでチャンスを作り出す。さらにこぼれ球を拾った5番・池内龍哉がシュートを放つと、東学大GK1番・栗原巧太郎が弾いたボールを8番・金子雄大が拾い右足を振り抜く。これが決まり、産能大が先制する。東学大も15分、11番・河田稜太がミドルシュートを放つが、これは産能大GK21番・渥美拓也のファインセーブに阻まれる。ピンチを防ぎ勢いに乗る産能大は22分、相手ボランチへのバックパスを、高い位置で9番・菅原龍之助がカット。すぐさまヒールでボールを落とすと、28番・菊地大智がシュートを放つ。シュートは相手GKの手をすり抜けてゴール右隅に決まり、産能大が0-2とリードを広げる。前半のうちに1点でも返したい東学大だったが、思ったようにパスが繋がらず苦しい時間帯が続く。それでも41分、自陣深い位置でボールを奪取すると、9番・後藤健太がドリブルで駆け上がり、素早いカウンター。左サイドの17番・草住晃之介へ配球し、最後は7番・住田将がシュートを放つが、これも産能大GK21番・渥美のファインセーブに決定機を阻まれた。東学大は流れを変えることができず、産能大ペースのまま前半が終了した。

 流れを変えたい東学大は後半、11番・河田に代えて21番・柿本音王を投入。58分、東学大は少ないタッチで右サイドを攻め上がる。21番・柿本がフリーでクロスボールを落とし、5番・武沢一翔がシュートを放つが、またしても産能大GK21番・渥美が立ちはだかり、ゴールを割ることができない。続く71分、東学大はペナルティーエリア右でフリーキックのチャンスを獲得。7番・住田がファーサイドへ放り込んだボールを、フリーで受けた3番・澤田雄大のボレーシュートが産能大ゴールに突き刺さり、東学大が1点を返す。このまま追いつきたい東学大は75分、右サイドから上がったクロスがゴール真正面でこぼれ、これを10番・鈴木魁人が頭で押し込もうとしたが、産能大GK21番・渥美がこれを死守。その後も東学大に何度となくチャンスは訪れたが、産能大の守護神21番・渥美の壁は厚く、1-2のまま試合終了。

 最後まで1点差を守りきった産能大が勝利し、10位に浮上。9位・立教大学とは同勝点で並び、8位・日本大学には勝点1差に迫るなど残留に向けて大きな勝点3を獲得した。一方、東学大は中央大学と入れ替わる形で4位に後退。2位・東洋大学とも勝点2差がつくなど、昇格圏入りに黄信号が灯る結果となった。




 次節の第21節は、10月24日(日)の11:00から日本大学と立教大学、東京学芸大学と日本体育大学の試合が行われる。また14:00からは産業能率大学と神奈川大学、東海大学と専修大学、東洋大学と関東学院大学、東京国際大学と中央大学がそれぞれ対戦。新型コロナウイルスの影響から、全ての試合は会場非公開のリモートマッチで行われる。

 暫定首位の東国大は、すでに神奈川県リーグへの降格が決定している神大を相手に苦しみながらも見事な逆転勝利。この結果、東国大は5年ぶり3回目となる2部リーグ優勝が決定。同時に来季1部リーグへの昇格を決めた。一方、2位以下は依然として混戦模様だ。暫定2位の東洋大は東海大に引き分け、暫定3位の東学大が産能大に競り負け、暫定4位の日体大は暫定9位の日大に敗北を喫するなど、昇格に向けて足踏み状態。そんな中、調子を上げているのが暫定5位の中大だ。専大に勝利すると暫定3位に浮上。虎視眈々と1部昇格を狙う。
 一方、暫定6位の関学大は暫定8位の立教大に勝利し、上位との勝点差を縮めると同時に関東リーグ残留を確定した。さらに混戦を極めているのが下位グループだ。今節の結果、残留を争う暫定8位の日大から暫定11位の専大までの勝点差はわずかに4に。熾烈な残留争いからも目が離せない。
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