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JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦・2部第21節マッチレポート

2022/11/11


 『JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』2部リーグ第21節は、11月6日(日)に全6試合が行われた。


中央大学 3-1 関東学院大学


 2部リーグ優勝に向けて突き進む5連勝中の中央大学(勝点38・1位)と、2部リーグ残留に向けて勝点を積み上げたい関東学院大学(29・7位)との一戦。

 開始早々、中大は得意のパスワークから流れを掴みにかかるが、強固なブロックを敷いた関東大の守備に苦戦を強いられる。その後は両チームロングボールを多用し、互いに相手の出方をうかがう展開が続いた。そんな中、27分に中大が均衡を破る。7番・田邉光平が関東大のパスをインターセプトして14番・家坂葉光にパス。すると13番・有田恵人がディフェンスラインの背後に抜け出して14番・家坂からのボールを受け、キーパーとの一対一を決めて中大が先制する。さらに33分、中大は8番・豊田歩が関東大のクリアボールを回収。ピンポイントクロスに、7番・田邉が頭で合わせて追加点を挙げる。反撃に出たい関東大は、9番・村上悠緋を中心にボールを集めて再三ゴールに迫るが、得点に繋げることはできない。2-0と中大リードで前半を終えた。

 後半も中大ペースで試合が進み、61分にまたもや中大が決定機を迎える。13番・有田が前線からプレスをかけて相手陣内でボールを奪取。7番・田邉にボールを預けると、7番・田邉は自らシュートに持ち込む。これは相手キーパーに弾かれるが、こぼれ球に9番・勝浦太郎が反応。そのままゴールに押し込んで、ダメ押しの3点目を挙げる。しかし何としても1点を返したい関東大も69分、5番・長澤シバタファリが相手陣内でボールをカットし、バイタルエリアの14番・栁陸斗にパス。フリーでボールを受けた14番・柳が素早く左足を振り抜く。ミドルシュートがゴール右隅に突き刺さり、関東大が1点を返す。勢いに乗りたい関東大は、セットプレーやショートカウンターから攻勢を強めるが、あと一歩及ばず。結局、3-1のまま試合は終了した。

 今節の勝利で、ついに6連勝を飾った中大。2位・日本大学も勝利したため、優勝は最終節の結果に委ねられた。得失点差的にも、中大は勝てばほぼ優勝が決まる優位な状況だ。リーグ最終戦を、7連勝、1部リーグ昇格、そして2部リーグ優勝で締めくくることはできるのか。一方、熾烈な残留争いに巻き込まれた関東大にとっては痛恨の敗戦。次節の結果次第では、2部参入プレーオフに出場の可能性が出てきた。優勝、残留、プレーオフ出場――すべては最終節に決まる。




産業能率大学 0-3 立正大学


 2連勝中の勢いで最終節に1部リーグ昇格の可能性を残したい産業能率大学(勝点34、・4位)と、終盤の猛追で手にした可能性、1部昇格に向けて勝利が必須の立正大学(勝点32・6位)の一戦。

 負けたほうが、1部リーグ昇格の可能性がなくなる大一番。また、ともにここまで9得点を挙げている、産能大10番・城定幹大と立正大19番・多田圭佑の得点王争いからも目が離せない一戦となった。前半、最初にチャンスを作ったのは産能大。5分、ハイボールに9番・菅原龍之助が競り勝ち、そのボールを拾った14番・猪狩祐真がドリブルで仕掛ける。最後は6番・小野寺亮太がシュートを放つが、これは立正大がブロック。続く14分、中盤でボールを受けた10番・城定が左サイドに展開し、14番・猪狩へ。ドリブルで持ち込み、最後は10番・城定が得意の左足で狙うが、立正大GK、1番・杉本光希の好セーブに防がれる。反撃に出たい立正大は、15分、右サイドの7番・青島太一がキックフェイントで相手をかわすと左足でシュート。だが、これは産能大GK、1番・渥美拓也が弾き、得点とはならない。しかしその直後の16分、立正大に決定機が訪れる。立正大の3番・吉田新のコーナーキックを、産能大GK、1番・渥美がパンチングミス。こぼれたボールを19番・多田が押し込み、立正大が先制する。勢いに乗った立正大は31分、カウンターから19番・多田が産能大ディフェンスラインの裏に抜け出して7番・青島へパス。シュートを放つがゴールポストに阻まれてしまう。このまま1-0で折り返すと思われた45分、立正大に再びチャンス。7番・青島が左サイドから上げたクロスを、33番・西田結平が頭で折り返し、最後は19番・多田が冷静に右足を振り抜いて立正大が追加点。19番・多田の2ゴールで立正大が0-2とリードし、前半を終了した。

 立正大は後半も攻勢を強める。59分には産能大のビルドアップミスをついて、13番・青野翔太がボールを奪取。そのまま放ったシュートは、しかしゴール右に外れる。69分には、19番・多田が相手DFを背負いながらボールを受け、振り向きざまのシュートでハットトリックを狙うが、こちらもサイドネットに外れる。一方、1部リーグ昇格に向けて負けられない産能大は、後半頭から6番・中村友哉、30番・髙木健匠の2人を一気に投入。65分にエースの10番・城定を下げて11番・川名連介、77分には2番・鳥海昴をピッチに送り出すなどして試合の流れを引き寄せようとする。その交代策が的中し、78分には8番・有馬和希と2番・鳥海が左サイドを崩し、2番・鳥海のクロスに11番・川名連介が合わせる。しかしこのチャンスを決めきることができない。さらに83分には、7番・中村のスルーパスに2番・鳥海が反応。2番・鳥海のクロスに5番・中澤大翔がフリーで合わせるが、シュートはゴールの上に。すると90分、立正大が試合を決定付ける追加点。立正大の19番・多田のクリアボールを、最後尾に残っていた産能大の2番・鳥海がコントロールミス。立正大の32番・辻俊哉がこれを奪いGKと一対一に。右足で落ち着いて流し込み、3点目を決めて勝負あり。試合は0-3で立正大が完勝を収めた。

 前期を首位で折り返した産能大だったが、この敗戦により1部リーグ昇格の可能性が消滅する結果に。一方、立正大はこの勝利で勝点を35に伸ばして4位に浮上。1部昇格プレーオフの可能性を残した。また、この試合で2ゴールを挙げた19番・多田は得点ランキングのトップに躍り出た。最終節の相手は、3位・東海大学。この直接対決に勝利すれば、プレーオフ出場、1部リーグ復帰の道筋が見えてくる。


東海大学 1-1 慶應義塾大学


 勝って3位以内を確定させたい東海大学(勝点37・3位)と、2部リーグ参入プレーオフ出場圏との差を広げるためにも勝ち星が欲しい慶應義塾大学(勝点27・8位)の一戦。

 試合は序盤から拮抗した展開となった。最初のチャンスは東海大。11分、9番・藤井一志はペナルティーエリア手前で7番・西山拓実からのパスを受けると、ドリブルで仕掛け、相手DFを一人かわして強烈な左足のシュートを放つ。だが、これはクロスバーを直撃。得点には繋がらなかった。対する慶大は13分にコーナーキックを獲得。7番・山本献の精度の高い右足キックを、ファーサイドにフリーでいた5番・牧野晋作がヘディングシュート。しかし、こちらもわずかにゴール右に逸れて得点とはならない。そんな中、29分に試合が動く。東海大は17番・桑山侃士が、8番・堤太陽のパスをペナルティーエリアの深い位置で受け、中央に折り返す。そこに走り込んできた9番・藤井が左足で冷静に押し込み、東海大が先制する。東海大は34分にもフリーキックを獲得。7番・西山が正確な左足からのキックでチャンスを作るが、追加点を挙げることができない。試合は東海大が1点リードのまま折り返した。

 後半に入ると、1点を追う慶大が猛攻を仕掛ける。50分、51分と立て続けにコーナーキックを獲得。ショートコーナーを使うなどして東海大守備陣を崩しにかかるが、東海大も2番・長江皓亮を中心に慶大の攻撃に対応。慶大はなかなか東海大の守備ラインを突破することができない。それでも慶大は粘り強く、7番・山本、10番・齊藤滉を中心に右サイドからの突破を狙い続ける。東海大がこのまま逃げ切るかと思われた88分、慶大にチャンスが訪れる。慶大は途中出場のルーキー、15番・角田恵風が相手DFの背後にボールを入れると、こちらも途中出場の25番・香山達明が背後に抜け出して中央に折り返す。最後は7番・山本が右足で冷静に押し込み、慶大が土壇場で同点に持ち込む。その後は、両者一進一退の攻防となり、どちらも身体を張った守備でゴールを割らせない。ともに追加点のないまま、アディショナルタイム目安の4分が過ぎたところで試合終了。

 終了間際に追いつかれ、勝点3を逃した東海大。それでも勝点1を積み上げたことで他力ながら最終節まで2部リーグ優勝の可能性を残した。最終節で勝利し、首位・中央大学と2位・日本大学がともに敗れれば、得失点差によるが逆転優勝の可能性もある。最終節の対戦相手は4位・立正大学。敗れれば、優勝はおろか1部参入プレーオフ出場権を立正大に奪われる可能性も。まさに負けられない一戦となるだろう。一方、辛うじて勝点1を得た慶大だが、9位・青山学院大学が勝利したことで、ついに勝点が並ぶ結果に。最終節の日本体育大学戦に敗れれば、2部参入プレーオフ圏内に陥落する可能性もある。こちらも、正念場となる最終節を迎える。


日本体育大学 0-4 日本大学


 1部リーグ昇格のためには勝利しかない日本体育大学(勝点34・5位)と、1部昇格、2部リーグ優勝に向けて勝点3を積み上げたい日本大学(勝点38・2位)の一戦。

 1部リーグ昇格を争う両チームの対決。試合は序盤から日大がペースを握る。10分、5番・近藤友喜が右サイドからドリブルで一気に駆け上がりパスを送ると、6番・中村健人が右足であわせて日大が先制点を決める。日大はその後も攻め続けるが、得点はこの1点のみ。0-1で前半を終えた。

 日体大は後半頭から13番・山根優汰、15番・菅野隆星の2人を投入して流れを変えようとするが、後半もペースを握ったのは日大だった。48分、日大9番・熊倉弘達のクロスに日体大GKが反応。パンチングで防ぐが、6番・中村がそのこぼれ球を見逃さず、右足で直接押し込んで0-2に。勢いに乗った日大は53分、9番・熊倉から受けたパスを11番・千葉隆希が右足一閃。ボールはゴール右隅へ一直線に突き刺さり、0-3と日体大を突き放す。まずは1点返したい日体大は、29番・桝田凌我や9番・土佐陸翼 を中心に攻撃を仕掛けるが、どうしてもゴール前までボールを運ぶことが出来ない。日体大はさらに84分、途中出場の8番・長澤壮竜のパスを受け、同じく途中出場の18番・丸山喬大が左足で決めてダメ押しの4点目。両チーム交代枠5枚を使い切って勝負に出るがその後はスコアが動くことなくタイムアップ。無失点・大量得点で日大が勝利を手にした。

 4連勝の日大は、最終節を前に自動昇格圏内の2位につけ、1部リーグ昇格に王手をかけた。首位・中央大学とは勝点で並び、中大の結果次第では2部リーグ優勝も狙える位置にいる。大量得点での勝利に、しかし川津博一監督は「ここまで点が入るとは思わなかった」とコメント。今季は積極的に前から奪いに行くサッカーを「ぶれずにやってきた」ことで結果を出してきた日大だが、日体大に対しては「長いボールを入れてくるところをきちんと守ろうと話した」という。それがうまくはまり、試合はほぼワンサイドゲームに。しかし、日大に浮き足だったところはない。「リーグ戦は22試合が終わった時の結果がすべて」と川津監督がいえば、10番・梶谷涼人も「4年間やってきた中で、何度も残留争いで苦しい思いをしてきた。それを乗り越えたからこそ、1部昇格のチャンスを得られたと思っている。今までの苦労も噛み締めながら泥臭く、勝利に向かってがんばりたい」と答える。「結果も、内容も、すべてが“いい試合”で終わろう」という川津監督の掛け声に、チームがどう応えるのか。日大は、残る1試合にすべてを懸ける。一方の日体大は大量失点を喫したうえ、前後半を合わせてシュート数0本。終始、日大に試合を支配される内容での完敗となった。一時は首位に立ち、2位以下に差をつけて優勝候補と見られていたが、その後、まさかの4連敗。この敗戦で1部リーグ昇格を逃すこととなった。




青山学院大学 1-0 明治学院大学


 4連勝中の勢いで2部リーグ残留圏内の8位浮上を目指す青山学院大学(勝点25・9位)と、なんとしても3部リーグ自動降格を逃れたい明治学院大学(勝点15・11位)の一戦。

 立ち上がりの10分は両チームとも長いボールを蹴り入れていたが、次第に青学大がボールを支配し始める。青学大は5番・鈴直樹の正確なロングボールからサイド攻撃を仕掛け、さらには30番・森夲空斗が浮き球を収めなどして攻撃を組み立てる。それでもなかなかスコアを動かせない青学大だったが、前半終了間際の45分に決定機を迎える。青学大は2番・田中颯太のコーナーキックを、ゴール前中央で8番・五百蔵悠が頭でそらし、最後は5番・鈴がヘディングでうまく合わせる。これがゴールに突き刺さり、青学大が1-0リードで前半を終了した。

 後半も前半同様にロングボール中心の展開となったが、55分には明学大がテンポの良いパス回しからボールをキープ。ドリブルとパスを組み合わせると、サイドの突破から中央にクロスを上げて青学大ゴールに迫る。明学大は途中出場の25番・中井颯人が縦に突破してチャンスを作るが、得点には至らない。80分を過ぎる頃には、再び両チーム長いボールが蹴られるようになり、試合は膠着状態に。明学大が終了間際に獲得したコーナーキックには、GKの33番・永田優斗も参加するなどしてパワープレーを仕掛けるが、青学大の堅い守備をこじ開けることができずに1-0で試合終了。

 青学大は破竹の5連勝で、ついに8位・慶應義塾大学と勝点で並んだ。得失点差では不利なため、2部リーグ残留の絶対条件は最終節での勝利。相手は、こちらも3部リーグ自動降格回避がかかっている10位・城西大学。はたして青学大は奇跡の大逆転で2部リーグ残留を達成できるのか。一方、明学大はこの敗戦で3部リーグ自動降格が大きく近づく結果に。最終節の結果次第では10位・城西大に並ぶものの、得失点差が開いているだけに厳しい状況だ。




城西大学 3-2 東京学芸大学


 前節で後期リーグ初勝利を挙げ、自動降格圏内を脱した城西大学(勝点15・10位)と、この試合の結果次第で関東3部リーグへの自動降格が決定し、絶対に負けられない東学大(勝点12・12位)の一戦。

 立ち上がりは、東学大がボールを保持して主導権を握った。26分、東学大はコーナーキックを獲得。10番・後藤健太のキックに、ゴール前に走り込んだ17番・伊藤慶亮がヘディングで合わせて先制する。その後は城西大もゴールを狙うが、再三のシュートは決定力を欠き、東学大リードのまま試合を折り返した。

 1点を追う城西大は14番・原山祐里に替えて、スピードが武器の29番・佐藤遼を後半頭から投入。攻勢を強める。すると56分、城西大は10番・浅賀凱斗がドリブルでペナルティーエリアに侵入。クロスを上げると、ボールはキーパーの頭上を越えて東学大DFへ。しかしクリアしきれず、そのままボールはゴールへと吸い込まれる。城西大が試合を振り出しに戻すが、後がない東学大も諦めない。71分、東学大は10番・後藤がGK1番・栗原巧太郎からのボールを受け取ると、うまくターンをしてスルーパスを送る。これに11番・井上颯太が反応。ディフェンスラインの裏に抜けてボールを収めると、相手GKをかわし、無人のゴールに落ち着いて流し込む。負けられない東学大が意地を見せ、再びリードを奪う。しかし直後の74分、城西大は7番・森高玲の上げたクロスがポストに当たり、その跳ね返りに29番・佐藤が反応。ヘディングで押し込み再び2-2の同点に持ち込む。その後は激しいボールの奪い合いとなりながらもスコアは動かず、このまま勝点1を分け合う形で終わると思われた85分、城西大に追加点が生まれる。城西大は27番・斉藤涼優がハーフウェーライン付近でボールを拾うと、そのままドリブルでペナルティーエリアに侵入。27番・斉藤のスルーパスに29番・佐藤が抜け出し、角度のないところから右足を振り抜く。これが決まり、城西大がついに逆転に成功。その後は得点が動くことはなく、3-2で試合は終了した。

 城西大は後半から出場の29番・佐藤が、この日2得点を挙げる活躍で勝利に貢献。3部リーグ降格を争う下位チームを相手に2連勝を飾り、自動降格回避へ大きな勝点3を積み上げた。最終節の結果によっては、11位・明治学院大学と勝点で並ぶが、得失点差的には優位。ほぼほぼ自動降格を回避できたといっていいだろう。一方、敗れた東学大は勝点が伸びず、来年度の3部リーグへの降格が決定した。

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