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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・1部第18節レポート

2017/10/27
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第18節は、10月22日(日)に6試合が行われた。



〇後期未だ勝ちなしの駒澤大学(勝点17・9位)と、3連敗中で今節を迎える専修大学(勝点18・8位)の一戦。

 悪天候のなか開催された一戦は、両チーム一進一退の攻防を繰り広げる。駒大は得意とする縦に速い攻撃を試み、専大はショートパスから崩すなど、それぞれの武器を駆使してゴールを狙うが、大雨の影響もあってか、思い通りに攻めることができない。両チーム共とも少しグラウンドに対応し始めた8分、相手選手のロングボールの処理ミスを見逃さず、ボールを奪った11番・中山克広がドリブルで突破。駒大陣地にボールを運ぶと、そのボールを受けた18番・岸晃司が冷静に右足を振り抜き、先制点を決める。追う駒大も徐々にペースを握るが、得点に結びつくような決定機は作れず0-1のまま前半戦は終了した。
 後半は試合を振出しに戻したい駒大が主導権を握りながら得点の機会を窺う。両チームシュートを放ちながらも決めきれない中、71分には駒大がコーナーキックを獲得。2番・熱川徳政が上げたキックが専大DFと駒大の選手の間に転がり、混戦となった中を27番・鈴掛涼が粘り強く押し込んで駒大が同点に追いつく。このゴールで、試合の流れは駒大に大きく傾くことになった。勢いの増した駒大相手に、専大も11番・中山が左サイドを突破。何度かチャンスを作るも、得点には結びつけることができない。試合はそのまま終盤に突入。1-1で終了するかと思われた90+2分、駒大はコーナーキックに途中出場の10番・小口大司が豪快にヘディングシュートを叩き込み、追加点、劇的な逆転ゴールを決めると、そのまま試合終了。土壇場での得点で駒大が逆転に成功し、後期リーグ初勝利を挙げた。
 このまま勢いに乗りたい駒大は次節、東京国際大学と戦う。2連勝で順位アップし、1部残留を決定的にしたいところだ。一方悪い流れを断ち切れない専大は、2位の順天堂大学と対戦。上位との対戦で厳しい試合になることが予想されるが、次節こそ勝点を獲得し、連敗を止めたい。


〇インカレ出場権の獲得に向けて勝点3が欲しい明治大学(勝点22・7位)と、後期初勝利を挙げ勢いに乗りたい日本体育大学(勝点14・11位)の一戦。

 序盤から両チームともにシンプルなゲーム運びを試みる。明大はセンターバックに入った6番・柴戸海が前線へのロングフィードで全体を押し上げ、セーフティ―なプレーが目立った。一方の日体大は28番・伊藤純也がボールを両サイドに散らし、サイドから崩しにかかる。そんな中、36分には明大がコーナーキックを獲得。14番・中村健人が蹴り込んだボールを、6番・柴戸が頭で合わせ先制点を挙げる。ビハインドを負った日体大は、ゲームを振出しに戻そうと積極的に前線への配球を繰り返すが、ことごとく明大ディフェンス陣に跳ね返されしまう。
 0-1の明大リードで迎えた後半、明大は序盤からペースを握ると、テンポよくパスをつなぎ少しずつ決定的なチャンスを作り始める。すると51分、明大はコーナーキックを獲得し、14番・中村のキックから混戦ののち、16番・牛之濱容が足元に転がってきたボールをそのまま蹴りこんで2-0に。リードを広げられて苦しい展開となった日体大は、失点直後の55分に11番・瀧本高志を投入。何とか1点返そうと攻勢を強めるが、スリッピーなグラウンドの影響で連携したパス回しが出来ず、ミスが続く。結局、日体大は明大から主導権を奪い返せないまま、試合は終盤に。終了間際には、またもやコーナーキックから明大の4番・山﨑浩介の追加点を許し、3-0でタイムアップ。日体大は90分を通してシュートを0本に抑えられアディショナルタイムにはセンターバックの5番、ンドカボニフェイスが2枚目の警告で退場処分になるなど、ほぼ完敗といえる内容。対する明大はセットプレーを有効に活用して、勝点3を収めた。
 明大はこれで3戦連続負け無しと、少しずつ調子をあげてきている。順位も7位から5位に浮上。連覇の望みは潰えたが、インカレの出場を確実なものとするためにも、次節の流通経済大学戦に勝利して2連勝を目指したい。日体大はこの敗戦でついに最下位に転落。次節は勝点1差で同じく降格圏にある11位・桐蔭横浜大学との直接対決が控える。ここが残留と降格を分ける大きなターニングポイントとなりそうだ。


◯前節に後期初黒星、今季2敗目を喫して悪い流れを断ち切りたい順天堂大学(勝点37・2位)と、6連勝中と好調で逆転優勝を狙う流通経済大学(勝点34・3位)の一戦。

 2位と3位の直接対決。両者とも負けられない試合は順大のキックオフで始まった。開始早々、順大は11番・旗手怜央が裏へ抜け出しシュートを放つ。わずかに枠を外しゴールとはならなかったものの、試合は順大が積極的に攻撃を仕掛ける展開に。一方流経大も21分にゴール前でフリーキックを獲得し、キッカーの11番・渡邉新太がグラウンダーのシュートを放つが、これは順大GK1番・佐藤久弥がキャッチ。両チーム、なかなかゴールを決めきれない。すると33分、押し込まれていた流経大が前線にボールを運ぶと、18番・立花歩夢がペナルティエリア内でファウルを受け、ペナルティキックを獲得する。これを10番・ジャーメイン良が確実に決めて、流経大が0-1のリードで前半を終える。
 しかし後半立ち上がりの52分、再び試合が動いた。水たまりとなったピッチでボールが止まり、混戦状態となった中から順大の20番・室伏航がループ気味のシュートを決め、順大が同点に追いつく。両チーム2点目を狙う中、60分には流経大の13番・小野原和哉が2枚目の警告を受けて退場に。流経大は残り30分を10人で戦う状況に追い込まれた。対する順大は数的有利となり、その後は圧倒的に攻める展開が続く。それでも水を含んだピッチに苦戦しなかなか追加点を挙げられずにいたが80分、GK1番・佐藤が前線へと送ったロングキックを14番・杉田真彦がつなぎ、11番・旗手へ。「裏にパスが通れば、雨でボールが止まるのはわかっていた」(11番・旗手)という状況から、確実にボールを収めると左足でシュートを放つ。「最初は外れたと思った」というシュートがゴールに突き刺さり、順大が逆転に成功する。追いつきたい流経大も後半アディショナルタイムにフリーキックを獲得。2番・小池裕太が直接狙うもゴールとはならず、2-1のままタイムアップとなった。
 この勝利で、順大は第66回全日本大学サッカー選手権(インカレ)への出場が決定。一度は4ポイントに開いた首位・筑波大学との勝点差も2ポイントにまで追い上げた。次節は専修大学と対戦。この勢いのまま勝ち進みたい。一方の流経大は悔しい敗戦。勝てば2位浮上の可能性もあったが、逆に勝点差を6に広げられる結果となった。次節は明治大学と対戦。まだ上位に追いつける位置についているだけに、巻き返しを図りたい。


◯前節の勝利でインカレ出場を決め勢いに乗る筑波大学(勝点41・1位)と、3連勝中の東京国際大学(勝点29・4位)の一戦。

 筑波大のキックオフで始まった試合は悪天候のためボールが上手く転がらず、両チーム共にロングボールで攻撃を組み立てる展開となった。東国大は19番・町田ブライトが、筑波大は11番・中野誠也がそれぞれ裏に抜けようと試みるも、大きなチャンスを迎えることなく前半を終える。
 後半は東国大が主導権を握った。72分、6番・石田勇大がミドルシュートでゴールを狙うも、これは筑波大GK30番・阿部航斗がキャッチ。好守備で得点を許さない。終了間際の87分、東国大は87分にルーキーの27番・宇高魅人を、筑波大は切り札の9番・三笘薫を投入し、最後のチャンスに賭けるが、どちらもゴールにはいたらず、試合はスコアレスドローで終わった。
 筑波大の小井土正亮監督は試合後「これもサッカー」と悪天候下での試合を振り返りながら「ピッチ状態は選手たちがいちばんわかっていたはず。ロングボールもセカンドボールもなんとなくではなく、スペースを使ってしっかりプレーするよう伝えていたのだが」と試合内容に満足していない様子。「明らかに東国大のFW2枚に迫力があった。こうしたピッチ状況でうまくいかないという意味では、ウチに技術力が足りないということ」と淡々と語った。勝点1を積み上げるに留まったため、2位の順天堂大学との勝点差は2と徐々に詰められている。それでも小井土監督は「残り全勝すればいいだけ、という状況は変わらない。最後に順大に勝てばいいだけ。我々は我々のサッカーをするだけ」ときっぱり。次節の慶應義塾大学戦では、勝手首位を堅持したい。一方、東国大の19番・町田ブライトは「今日の天気では足元で勝負をするのは無理。裏を抜けてタメを作って勝負しようとしていた」とコメント。「セットプレーからチャンスもあったが、そこで決められるか、決めきれないか」と悔しさを顕にした。次節、駒澤大学と対戦。「自分たちに失うものは何もない。闘争心を出して本気でぶつかるだけ」と、コメント。逆転優勝のわずかな可能性にかけて、今度こそ勝利を手にしたい。


○2連敗を喫し、上位進出に向け足踏みをしている東洋大学(勝点24・5位)と、現在4連敗中で、勝点で降格圏と並ぶ慶應義塾大学(勝点14・10位)の一戦。

 強い雨足の中で行われた一戦は両者ともに難しい試合運びを強いられた。ピッチには水が溜まり、互いにロングボールを相手陣に蹴り込むような展開でゲームが進む。前半はお互いに流れを掴めずに0-0で前半を終了した。
 膠着状態となった前半を終えると、両チームともに交代選手を送り込んで流れを変えようとする。東洋大は28番・小澤裕太、慶大は5番・岩崎湧治、9番・池田豊史貴を一気に投入。その結果、後半は立ち上がりから慶大が積極的に東洋大陣内へと攻め上がる時間が続く。しかし東洋大も負けじと慶大ゴールへ攻め込み、両者互角の戦いが続く。均衡が破れたのは78分。慶大がコーナーキックを獲得し、キッカーを務める33番・佐藤海徳が蹴ったボールを24番・八田和己が頭で逸らす。混戦の中、そのボールを5番・岩崎が左足で押し込み、慶大が先制。スコアを0-1に動かす。追いつきたい東洋大はその後果敢に攻め上がるも、得点に結びつかず0-1で試合終了。慶大が5試合ぶりの勝利を収めた。
 次節、東洋大は法政大学と対戦。これで3連敗となり、順位も6位に後退してインカレ出場圏から外れてしまった。この試合では90分を通してシュート2本と低調な東洋大にとって立て直しを図るためには重要な試合となるだろう。一方、慶大は首位の筑波大学と対戦する。この勝利で10位をキープしているものの、降格圏との勝点差はわずか1。首位相手の厳しい試合であっても、なんとしても勝利したい。


○2戦連続引き分けと勝ちきれず立て直しを図りたい法政大学(勝点24・6位)と、前節で後期リーグ初勝利を挙げ、2連勝目指す桐蔭横浜大学(勝点13・12位)の一戦。

 土砂降りの雨の中行われた一戦は、お互いにパスサッカーを封じ、ロングパスで前に攻め上がる戦いを強いられた。最初に流れを掴んだのは法大だった。サイドから短いパスで繋ぎ、果敢に攻め上がりゴール前までボールを繋ぐが、決定機まではいたらない。その後は、耐える時間を凌いだ桐蔭大がロングボールをうまく使った攻撃で、法大ゴールを脅かす。しかし、どちらも得点を決められずに前半を0-0で終了した。
 後半の早い時間から交代カードを使う両チームだったが、決定機は訪れない。しかし試合も終盤に差し掛かった80分、ついに均衡が破れる。3回連続でコーナーキックのチャンスを得た桐蔭大が迎えた3回目のコーナーキック。キッカーの6番・山下優人が蹴りこんだボールに、4番・眞鍋旭輝がおとりとなってDFを引きつけると、すかさず2番・小田島怜が頭で合わせてゴール。桐蔭大が先制し、スコアを0-1とする。引き分けに持ち込みたい法大は20番・上田綺世を中心に桐蔭大ゴールへ攻め込むが、得点を挙げられずに試合終了。0-1で桐蔭大が勝利した。
 2試合連続引き分けの法大は、3戦目で痛い敗戦。上位陣に大きく引き離される結果となった。次節、法大は順位で前後する東洋大学と対戦する。勝利して悪い流れを断ち切りたい。一方、これで2連勝の桐蔭大は、ついに最下位を脱出。次節は同じ降格圏内にいる12位・日本体育大学と対戦する。ここで勝てば降格圏からの脱出も可能なだけに、3連勝して残留を確かなものにしたいところだ。



 次節、第19節は10月28日(土)にNACK5スタジアム大宮にて流通経済大学と明治大学が対戦。また江戸川区陸上競技場にて日本体育大学と桐蔭横浜大学が、味の素スタジアム西競技場にて順天堂大学と専修大学、筑波大学と慶應義塾大学が、山梨中銀スタジアムにて法政大学と東洋大学、東京国際大学と駒澤大学が戦う。
 首位の筑波大が東国大に引き分け、順大が流経大との2位、3位の直接対決を制したため、1位と2位の勝点差が2とわずかに縮まる結果となった。また、今節の勝利で順大は第66回全日本大学サッカー選手権(インカレ)への出場を決定。一方、残留争いは、桐蔭大が勝利したため日体大と順位が入れ替わり、桐蔭大が最下位から脱出。また10位の慶大との勝点差は1と、順位がいつ動いてもおかしくない状況だ。残り4節、各大学がそれぞれの想いを胸に、熱い試合を繰り広げる。


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