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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・1部第17節マッチレポート

2019/10/24


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部17節は、10月19日(土)に2試合、10月20日(日)に4試合が行われた。


東洋大学 対 流通経済大学 @前橋市総合運動公園サッカー場


 ここ2戦負けなしで1部リーグ残留に向けて勝点を積み上げたい東洋大学(勝点9・11位)と、前節で後期リーグ初勝利を挙げ、連勝して最下位を脱出したい流通経済大学(勝点8・12位)との一戦。

 ともに降格圏内からの脱出を狙う11位と12位の直接対決は、非常に堅い滑り出しとなった。流経大が7番・菊地泰智を中心にテンポよくボールを回すのに対し、東洋大はブロックを作り流経大に決定的なチャンスを作らせない。前半は東洋大が2本、流経大が3本というシュート数の少なさが象徴するように、互いに決定機を作れないまま45分が終了した。

 しかし後半に入ると試合が動き出す。まずは立ち上がりの50分、流経大は7番・菊地の右コーナーキックを、ファーサイドから走りこんできた14番・安居海渡がヘディングで叩き込み、待望の先制点。流経大はこの先制点を守るべき守備を固め、カウンターで追加点を狙う。すると75分、先程と同じく右コーナーキックからのボールを、今度は25番・熊澤和希がファーから走り込み、ヘディングでゴールに押し込んで追加点を決める。2点差をつけられた東洋大だったが、83分にはこちらも7番・野本幸太の左コーナーキックから、9番・荒川勇気がヘディングでゴールを決め1点差に迫る。その後は東洋大がサイドから崩しにかかるが、流経大も12番・アピアタウィア久を中心に弾き返し、うまく時間を使いながら逃げ切る。結局、流経大が1点を守りきって1-2のまま試合終了。終わってみれば、両チームの得点全てがコーナーキックからのヘディングという珍しい結果に。しかし流経大が降格圏内同士の対決をものにし、勝点3を積み上げて最下位脱出に成功した。


順天堂大学 対 法政大学 @前橋市総合運動公園サッカー場


 後期リーグ未だ勝利のない順天堂大学(勝点25・6位)と、対照的に後期リーグは無敗と勢いに乗る法政大学(勝点26・5位)の一戦。

 前半、法大は8番・紺野和也を中心にサイドから果敢にゴールを狙う。32分に8番・紺野和也のコーナーキックから、キャプテンの5番・加藤威吹樹がヘディングで先制点を決めて流れを掴んだ法大は、2分後の34分にも8番・紺野が相手のパスをカット。持ち前のスピードとドリブルで自陣から一気にゴール前まで運ぶと、順大GKとの1対1を冷静に決めて追加点を挙げる。法大が2点のリードを奪って前半を終えた。

 2点のビハインドを負った順大は、ハーフタイムに12番・津島孝至から15番・大谷京平へと交代カードを切って後半を迎える。しかし、なかなか決定機を作ることができず、51分に19番・鬼島和希、57分に20番・上野瑶介と立て続けに交代選手をピッチに送り出すが、試合の流れを変えるまでにはいたらず。18番・大森真吾、そして11番・塩浜遼という1年生FWコンビが2本ずつシュートを打つものの、ゴールネットを揺らすことはできない。一方の法大は58分、前期リーグで順大を相手に決勝ゴールを決めた20番・佐藤大樹を投入し、追加点を狙う。後半は互いに攻め込む展開となったが、互いにゴールは遠い。結局、前半に2得点を挙げて逃げ切った法大が勝利を収めた。法大はこれで一気に3位まで浮上。2位・桐蔭横浜大学を勝点5差に捉えた。


桐蔭横浜大学 対 駒澤大学 @三ツ沢公園陸上競技場


 2連勝中で首位・明治大学を追う桐蔭横浜大学(勝点31・2位)と、後期リーグ5戦未勝利と苦しい状況が続く駒澤大学(勝点21・7位)との一戦。

 序盤は桐蔭大が主導権を握った。シュート数こそ多くはないものの、ロングボールとショートパスを使い分けて駒大にペースを作らせない。すると15分、桐蔭大のGK、21番・早坂勇希のキックを8番・イサカゼインが競り勝って収めると、6番・橘田健人がワンタッチでフリーの15番・松本幹太へとパス。これを15番・松本が胸トラップで落ち着いてコントロールし、左足を振り抜く。15番・松本のシュートはゴールネットを揺らし、桐蔭大が先制。駒大は持ち味である縦に速いサッカーが鳴りを潜め、シュートまで持ち込めないまま1-0で桐蔭大がリードし、前半を終えた。

 後半は立ち上がりから激しい展開となった。桐蔭大が決定機を作るも駒大守備陣が懸命のディフェンスでこれを阻止。すると駒大は流れを変えるべく、64分と66分に攻撃的な選手3人を次々と投入。11番・森本ヒマンを前線に置いて楔にする一方、ボランチの位置に下がった10番・薬真寺孝弥が攻撃の起点となるパスを出し、7番・荒木駿太がスピードを生かしたドリブルで突破。試合の流れは完全に駒大に傾くが、どうしてもチャンスを決め切れない。すると86分、駒大のパスミスを桐蔭大が奪い、一気に形勢逆転。最後は8番・イサカがゴールに押し込んで勝負あり。2-0で完封勝利を収めた桐蔭大が3連勝を達成し、首位を猛追する結果となった。

 桐蔭大の安武亨監督は「駒大は本当に強かった」と、まずは相手チームの戦いぶりを評価。「特に11番の森本選手が出場してからは、駒大の特徴ともいえるサッカーが体現されていて、ウチとしては本当に苦しかった」と正直な気持ちを吐露した。それでも「バタバタしなかった」というチームの成長が勝利を呼び寄せたことは間違いない。「(攻められても)マイボールになった時に時間をかけていこうという話をしていた。それで相手が焦れて、ミスをつくことができた」と安武監督。冷静な試合運びで3連勝し、首位・明治大学をピタリと追う。次節は、桐蔭大の結果いかんで明大の優勝が決まる試合となったが「みんな次の相手に勝つことしか考えていない」という。「ひとつひとつ、勝つだけ」とぶれない姿勢で、次節に臨む。




明治大学 対 専修大学 @三ツ沢公園陸上競技場


 前節で引き分け連勝記録は11で止まったものの、依然優勝に向けて快走する明治大学(勝点43・1位)と、インカレ出場権獲得も視野に入り、勝点を積み重ねたい専修大学(勝点20・8位)との一戦。

 互いに攻め手を欠き、チャンスを作ることができない立ち上がりとなった。しかし15分、専大がコーナーキックを獲得。20番・鈴木龍之介の蹴ったボールに5番・鹿沼直生が頭で合わせて、専大が先制する。明大は10番・小柏剛と11番・佐藤亮にボールを集めてチャンスを窺うが、シュートまで持ち込めない。21分には13番・蓮川壮大が負傷交代を余儀なくされるトラブルもあったとはいえ、明大はいつものように相手を圧倒するサッカーを展開できず、リードを許したまま前半を終えることとなった。

 しかし後半は一転、明大が息を吹き返した。「焦らず、怖がらずにいけ」。ハーフタイムに栗田大輔監督から、そう送り出されると、猛攻を仕掛けて専大ゴールに襲いかかる。まずは56分、10番・小柏のシュートのこぼれ球を7番・中村健人が拾いクロスを上げると、中央にいた6番・瀬古樹がヘディングシュートを決めて同点に追い付く。また65分には8番・森下龍矢がドリブル突破から11番・佐藤へとパス。11番・佐藤がこれを左足で決めて逆転に成功する。さらに80分、7番・中村のクロスを走り込んだ11番・佐藤が左足で押し込み、勝負を決定付ける3点目。終わってみれば3-1と、明大が首位の貫録を見せつける結果で勝点3を積み上げた。

 明大の栗田監督は「前半と後半にギャップがあった」と試合内容を振り返った。「ひとつひとつのプレー速度が遅いから、プレーしている時間そのものが短い。相手のサッカーを恐れて、ボランチもディフェンスラインに吸収されてしまい、後ろに人数が余ってしまっていた」とコメント。ハーフタイムには「相手の前線は3枚しかいない。ウチの守備が5枚いる必要はない」と修正し、見事な逆転劇につなげたが、プレー以前にメンタルな部分での"ギャップ"も大きく影響していたという。大学サッカーも残りわずかとなり「プロ入りが決まった選手とそうじゃない選手との中で、どうしても意識の差が出てきた」と栗田監督。だが「純粋に応援してくれているスタンドの部員の熱量を感じて、今は原点に立ち戻ろうとしている」とも。ピッチも含め、ひとつになった明大が"王者"の強さを取り戻せるのか。次節からついに、優勝へのカウントダウンが始まる――。




筑波大学 対 中央大学 @前橋市総合運動公園サッカー場


 連勝を目指す筑波大学(勝点27・4位)と、現在3連敗中で降格圏が近づく中央大学(勝点18・9位)の一戦。

 中大はFWの3人をターゲットとして、4番・安部崇士のロングボールを中心に攻撃を展開。中盤も素早い切り替えでセカンドボールを奪取し、筑波大にペースを握らせない。中大はサイドからの攻撃でゴール前に侵入し、コーナーキックを獲得。10番・加藤陸次樹が決定的なチャンスを迎えるが、これは筑波大の堅い守備に阻まれる。一方の筑波大は得意のポゼッションサッカーで中大ゴールへと迫るが、中大守備陣も粘り強く対応。結局、スコアレスのまま前半は終了した。

 後半も中大は10番・加藤を中心に攻撃を仕掛け、58分にはコーナーキックを獲得。そのコーナーキックを筑波大DFがクリアしきれずにいたところ、中大の3番・深澤大輝が意表を着いたループパスを10番・加藤へ。右足で合わせたシュートは筑波大に阻まれるも、こぼれ球に反応した3番・深澤がシュートを押し込み、中大が先制する。その3分後には、前がかりになっていた筑波大の隙をつき、中大のカウンターが炸裂。61分、左サイドでボールを持った10番・加藤が右サイドを駆け上がり、8番・大久保智明へと展開。そこに28番・荒木遼太がオーバーラップをして8番・大久保からのパスを右足で合わせて追加点。中大が0-2とリードを広げる。このままでは終われない筑波大は、63分には10番・高嶺朋樹、25番・永満凌の2選手を同時に交代。流れを変えようとするが、パスが上手く繋がらずボールロストが目立つ結果に。しかし後半アディショナルタイムにはショートパスを繋いでゴール前まで攻め込み、25番・永満のパスを受けたルーキーの11番・和田育が左足でゴールを突き刺し、1点差まで追い詰める。しかし、筑波大の反撃もここまで。90分を通して攻め続けた中大がリードを守りきり、3試合ぶりの勝利を挙げた。この結果、中大は9位から7位に浮上。降格圏との差を広げると同時に、インカレ出場圏内である6位を視野に入れることとなった。


立正大学 対 早稲田大学 @前橋市総合運動公園サッカー場


 現在2連敗中。インカレ出場のためにも巻き返したい立正大学(勝点27・3位)と、この試合に負けると11位との勝点差が4に縮まる厳しい状況の早稲田大学(勝点15・10位)の一戦。

 序盤は拮抗した展開となったが、徐々に早大がボールを握り始めと、久しぶりの出場となった18番・西堂久俊のドリブルを起点に攻勢に出る。対する立正大も、5番・中塩大貴のロングフィードを活かして好機を窺う。前半は早大が優勢を保ったまま試合をすすめるが、得点までは至らずスコアレスで試合を折り返した。

 後半、先に試合を動かしたのはやはり早大だった。52分、3番・大桃海斗のロングフィードに18番・西堂が反応。左サイドを抜け出すと、ペナルティーエリアまで持ち込んで中に折り返す。これに24番・鈴木郁也が右足で合わせ、早大が先制。しかし、立正大も10番・人見拓哉を中心とした攻撃ですぐさま反撃。58分、18番・平松昇と16番・近藤拓海の2人で中央を崩すと、最後は10番・人見が粘って、シュートコースを作りながら右足を振り抜いてゴール。立正大がすかさず同点に追いつく。その後も両者一進一退の攻防を繰り広げるが、守備陣の必死のディフェンスにより得点は動かない。しかし、このまま試合終了かと思われた89分、早大は35番・梁賢柱がセンターサークル付近でボールを収めて8番・杉田将宏に預ける。するとと、8番・杉田がそこからドリブルで一気に前進。ドリブルで相手DFを交わしてGKとの1対1まで持ち込むと、冷静にシュートをゴール左下に流し込んで勝ち越し点を挙げた。立正大はインカレ出場、早大は1部リーグ残留を確実なものにするべく臨んだ一戦は、終了間際に途中出場のふたりが絡む劇的なゴールを決めた早大に軍配が上がった。早大は11位・流通経済大学との勝点差を7とし、残留に1歩近づいた。



 次節の第18節は、10/26(土)に全6試合が行われる。Shonan BMW スタジアム平塚では桐蔭横浜大学と東洋大学、明治大学と法政大学がそれぞれ対戦。また、龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて早稲田大学と流通経済大学、順天堂大学と立正大学が、中央大学多摩キャンパスサッカー場では中央大学と専修大学、駒澤大学と筑波大学がそれぞれ対戦する。

 残り5節を残して2位・桐蔭大に勝点差12をつけ、首位を独走する明大の優勝が秒読み段階に入った。次節では自力優勝の可能性がお預けとなったが、桐蔭大の結果次第では3年ぶり5度目となる1部リーグ制覇が決まる。優勝の条件は、桐蔭大が引き分け以下の結果で終わり、明大が勝利した場合となる。なお、次節で優勝を決めることになれば、明大が2016年に自ら打ち立てた最速優勝記録(リーグ戦が現在の12チーム制通年方式となった2005年以降)に並ぶ。

 一方、他の対戦カードに目を向けてみると、残留争いを繰り広げる10位・早大と11位・流経大が直接対決。また、混戦を極めるインカレ出場権をかけた直接対決もあり、次節は注目の対戦カードが目白押しだ。どのチームにとっても、今後のリーグ状況を左右する大一番。果たして、どんな結末が待っているのだろうか。
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