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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・2部第17節マッチレポート

2019/10/25


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』2部17節は、10月19日(土)に2試合、10月20日(日)に4試合が行われた。


拓殖大学 対 産業能率大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場


 後期リーグ負け無し記録を更新中で、このまま昇格圏に食い込みたい拓殖大学(勝点27・3位)と、上位進出に向け勝点3が欲しい産業能率大学(勝点19・8位)の一戦。

 序盤から劇的なチャンスをつくったのは拓大だった。10分、スローインを受けた11番・増田力也がドリブルでペナルティーエリア内に侵入すると、産能大DFに後ろから倒されペナルティーキックを獲得。キッカーは10番・小宮嶺。しかし、ゴール右下に放ったシュートは、産能大のGK1番・東島大成が弾き出しゴールならず。1番・東島のビッグセーブで、産能大が絶体絶命のピンチを逃れた。その後は拓大が裏へのロングボールで産能大ゴールに迫る一方、産能大は細かいパスワークでチャンスを窺う。しかしゴールは生まれず、0-0のまま折り返すと思われた43分、拓大が試合を動かす。ロングスローを受けた11番・増田がクロスを入れると、中央左に走り込んだ9番・長尾吉家が絶妙なファーストタッチでこれをキープ。産能大DFは足を出すこともできず、9番・長尾は左足を振りぬく。GKの1番・東島が一歩も動くことのできないファインシュートで、拓大が均衡を破った。

 産能大は流れを変えるべくハーフタイムに23番・浅原直弥に代えて30番・田原廉登を投入。この采配が的中し、53分、拓大のクロスミスを回収した産能大は一気にカウンター攻撃を仕掛ける。センターライン付近でロングボールを受けた9番・土田聖也がドリブルで運び、中央にいた5番・渡辺祥へとパス。5番・渡辺からのスルーパスを受けた30番・田原、は、キーパーとの1対1を冷静に流し込んでゴラッソ。試合を振り出しに戻した。その後も両者決定機は作るものの、集中した守りを見せるDF陣を前に、なかなかゴールを割ることができない。しかし終了間際の89分、ロングスローの流れからクリアされたボールを、途中出場の拓大26番・田中幸大が反応。そのまま右足で流し込むと、シュートはゴールへと吸い込まれる。これが勝ち越し点となり、2-1でタイムアップ。勝利した拓大はこれで6戦負けなしとなり、2位・国士舘大学との差を勝点3、1ゲーム内に縮めた。昇格争いに向けて大きな勝利となった。

 劇的な勝ち越し点で勝利した拓大だが、玉井朗監督は「あまり出来はよくなかった」と苦笑いしながらも「3、4失点してもおかしくない試合だったが、それをよく防いだ」と、その守備力を称えた。「ゴールを奪うというより、守るという意識で戦えるようになった」と、後期の好調さの要因に触れた。「産能大はよかったし、相手の決定機もかなりあった」と対戦相手を評価。「メンタル的にぐらついたところもあった」が、怪我のために後半からの出場となった7番・池田廉、26番・田中がいい形で攻撃に絡み、試合の流れを引き寄せた。「あのふたりがとてもよかった」とコメントしながらも「全体的に諦めるということが少なくなった。今日も我慢比べのようなところが多かったが、そこで焦れずにいられたのが大きい」と、チーム全体の成長に触れた。上位2チームが足踏み状態となったことで、昇格圏との勝点差は3に。しかし玉井監督は「相手のことを考えるより、一戦一戦戦うだけ」と、まずは次なる青山学院大学戦に視線を定めた。




国士舘大学 対 東京学芸大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場


 昇格圏内にはいるものの、下位チームからの追い上げが気になる国士舘大学(勝点33・2位)と、第13節以降勝利がなく、降格圏から抜け出すためにも勝点3を取らねばならない東京学芸大学(勝点12・12位)の一戦。

 現在2位の国士大は序盤から東学大の攻撃を封じ込め、地力の差を見せつける。しかし、幾度となくあるチャンスを決めきることができず、徐々に東学大にもチャンスが生まれ始める。両者一進一退の攻防が続く中、東学大は37分に4番・上加世田達也から8番・住田将へとボール繋ぎ、最後にパスを受けたのは、エースの7番・色摩雄貴。得意のドリブルで相手DF2人を置き去りにすると、左足でシュートを放ちゴールへと突き刺した。東学大は得点を機に試合の流れを掴むと、前半終了まで全員守備からカウンターを狙い、試合を優勢に進めた。

 後半、勢いに乗る東学大は、57分にコーナーキックからこぼれ球を5番・原山海里が拾い、最後は7番・色摩が押し込み追加点。ついに、リードを2点に広げた。しかし負けられない国士大も、ここから反撃を開始。63分に33番・柳橋尭士に代えて35番・新井晴樹を投入。すると次第にサイドのスペースを有効活用しはじめ、サイドから東学大ゴールに襲い掛かる。国士大は77分、コーナーキックを獲得。10番・秋本考浩の右からのキックを東学大のGK12番・高橋謙太郎に跳ね返されるものの、混戦からのこぼれ球に反応した3番・住吉ジェラニレショーンが右足を振りぬき、まずは1点。さらにその5分後の82分、左サイドから6番・松本拓海がクロスをあげると東学大DFがクリアした、そのこぼれ球を交代出場の36番・福原昭がヘディングで合わせて同点弾。ついに国士大が試合を振り出しに戻した。試合の流れは一気に国士大へ。しかし88分、東学大がワンチャンスをものにする15番・武沢一翔が右サイドを得意のドリブルで突破してゴール前にボールを送ると、交代出場の17番・草住晃之介がこれをスルー。その先に待っていたのは、9番・鈴木魁人。落ち着いて右足を振りぬき、ゴールネットを揺らした。これが決勝点となり、スコアは2-3に東学大が接戦をものにして最下位から脱出する大きな後期2勝目を挙げた。

 東学大・檜山康監督は国士大対策として「ボランチを3人並べて、相手の攻撃のポイントであるサイドをケアしようとした」と、試合の狙いを振り返った。「やり方を変えることで相手に"あれ?"と思わせることも狙いだった」としながらも「その分、攻撃は人数が減って厳しくなる。けれど1トップの7番・色摩のところでボールが収められないとコンセプトどおりのサッカーができない。そういう意味では、色摩の役割は大きかったし、今日のゲームは色摩が作っていたといっても過言ではない」と2得点を挙げた7番・色摩の働きを絶賛した。ただ、国士大に連続2失点を喫したときは「このまま(引き分けで勝点1の獲得に留めて)終わらせるか点をとりにいくか判断がつきかねた」と苦しい心のうちだったことを吐露。87分にサイドバックに代えて17番・草住を投入したことも「起点になればとは思っていたが、攻勢を強めるという意味ではなかった」という。しかしその起用が奏功し、17番・草住が得点に絡む結果となり、指揮官も驚きを隠せない様子だった。これで最下位からは脱出したが、上も下も勝点差はわずか。残る試合は残留争いを繰り広げるチームとの直接対決ばかりで「かんたんな試合はひとつもない。まだまだこれからが勝負」と、うれしさよりも厳しさを前面に出していた。




日本体育大学 対 東京国際大学 @日本体育大学横浜・健志台キャンパスサッカー場


 昇格争いに食い込むためにも負けられない日本体育大学(勝点26・4位)と、勝利して上位進出を目指したい東京国際大学(勝点20・7位)との一戦。

 試合は序盤から東国大が主導権を握った。東国大は7番・宇高魁人と10番・有水亮の両サイドアタッカーを中心に攻撃を仕掛ける。すると17分、10番・有水の右コーナーキックを4番・小木曽佑太が頭で合わせ、東国大が先制する。一方の日体大は持ち味であるポゼッションサッカーを展開できず、防戦一方に。そんな中でも10番・山下諒也が個人技を活かしてゴールに迫るが、得点には至らず0-1で東国大リードのまま前半を終了した。

 後半も立ち上がりからペースを握ったのは東国大。東国大は57分、ペナルティーキックを得るとこれを7番・宇高がきっちりと決めて追加点。しかし、その後は日体大が攻勢に出る。74分、ペナルティーエリア内でのパス交換から抜け出した10番・山下が途中出場の11番・大曽根広汰へとラストパス。これを11番・大曽根が冷静に決めて1点差に詰め寄る。その直後の80分には、またも10番・山下がペナルティーエリア内で相手DFのファウルを誘い、ペナルティーキックを獲得。これを18番・飛鷹啓介が決めて同点に追いつく。その後も日体大が押し込む展開が続くが得点には至らず、このまま試合終了かと思われたアディショナルタイムに試合が動いた。90+1分、東国大は10番・有水がボールを奪うと9番・伊能玲生とのパス交換からゴール前に抜け出す。最後は自身で冷静にシュートを流し込み、勝ち越しに成功。そのまま試合は終了し、東国大が後期2勝目を収めた。一方の日体大は昇格争いから一歩退く、手痛い敗戦となった。


慶應義塾大学 対 青山学院大学 @日本体育大学横浜・健志台キャンパスサッカー場


 このまま首位をひた走り優勝を狙う慶應義塾大学(勝点35・1位)と、降格圏を脱出するためにも勝点3が欲しい青山学院大学(勝点14・11位)の一戦。

 序盤は青学大が積極的なプレッシングからのカウンターでチャンスを作った。16分には青学大がペナルティーキックを獲得し、これを9番・大竹将吾が落ち着いて決めて青学大が先制。このまま青学大のペースになるかと思われたが、慶大も首位の地力を見せつける。22分に左サイドの14番・橋本健人からのスルーパスを出すと、それに反応したのが30番・松岡瑠夢。そのままゴール前に抜け出すと、冷静にシュートを流し込み、すぐさま慶大が同点に追いついた。慶大はその後も7番・佐藤海徳と14番・橋本の両ウイングバックが正確なパスを配給し、青学大ゴールを脅かす。前半終盤の40分には、7番・佐藤のフリーキックを6番・八田和己が頭で合わせ逆転に成功。2-1と慶大リードで試合を折り返した。

 後半は互いに攻め合う展開が続いた。後半最初のゴールは青学大。65分、ピッチに送り出されたばかりの7番・尾ノ上幸生から14番・西羽拓につなぐと、最後は9番・大竹が約30メートルの位置から目の覚めるようなミドルシュートを叩き込む。スコアは2-2となり、試合は振り出しに戻った。しかしその直後の68分、今度は慶大が7番・佐藤の右コーナーキックを、5番・沼崎和弥が打点の高いヘディングを決めて再び勝ち越しに成功。だが、すぐさま青学大が反撃に出る。70分、20番・吹野竜司のシュートのこぼれ球に反応した9番・大竹が押し込み、またもや青学大が同点に追いつく。9番・大竹は、これで2部リーグ得点ランキング単独首位となる今季13点目をマーク。その後は両チームとも攻撃的な選手を投入して追加点を狙うが、慶大の1番・田原智司、青学大の12番・佐藤海斗の両守護神がピンチを防ぎ、3-3のまま試合は終了。激しい打ち合いとなった一戦は、互いに勝点1を分け合う結果となった。


東海大学 対 立教大学 @立教大学富士見総合グラウンド


 現在3連敗中で残留争いに巻き込まれている東海大学(勝点16・9位)と、下位直接対決を制して残留を手繰り寄せたい立教大(勝点14・10位)との一戦。

 前日に最下位の東京学芸大学が勝利したことで、下位チームにはプレッシャーが増す中で行われた試合。序盤は東海大が試合の主導権を握り、5番・面矢行斗のロングスローや17番・前田直哉のコーナーキックなどからチャンスを演出する。対する立教大は、キックオフから間もない7分にGKの1番・栗山聖が負傷交代を強いられるアクシデントに見舞われるが、代わりに入った23番・林健太のビッグセーブ、センターバックの4番・井浦智史と5番・田中拓実を中心とした堅固なディフェンスで東海大に得点を許さない。前半アディショナルタイムには東海大がカウンターを仕掛けるが、シュートは枠の外。終始東海大が圧倒し、立教大のシュート数を0に抑え展開ながらも得点はなく、スコアレスで試合を折り返した。

 立教大は9番・佐藤大雅も負傷交代を余儀なくされ、ハーフタイムに7番・木本拓夢を投入。負傷退場が連続するなど嫌な流れが続いたが、後半は一転して試合のペースを握った。すると69分、立教大はフリーキックを獲得。これは相手DFにクリアされるも、最後は途中出場の7番・木本のロングシュートがゴールネットを揺らし、ついに均衡を破った。勢いに乗る立教大は81分にも追加点。右コーナーキックからのボールを2番・桂島直輝が頭で折り返すと、26番・小林達成がボレーシュート。これが決まり、リードを2点に広げた。立教大は守備陣も最後まで集中力を切らさず、東海大を零封に抑え0-2で試合終了。9位と10位の直接対決は10位の立教大に軍配が上がり、そのまま順位が入れ替わる結果となった。


日本大学 対 関東学院大学 @立教大学富士見総合グラウンド


 後期リーグ未勝利と長いトンネルから抜け出せない日本大学(勝点24・5位)と、前節は退場者を出しながら劇的な逆転勝利を収めた関東学院大学(勝点23・6位)との一戦。

 5位と6位の直接対決は、前節の勢いをそのままに関学大が先制。試合序盤の8分、14番・薩川淳貴からのパスを受けた10番・見木友哉がゴール前へ浮き球のボールを入れる。これに反応した11番・奥直仁が、2試合連続となるゴールを決め、先制点を挙げる。しかし、その後は拮抗した展開が続き、日大もGKの1番・山内康太がファインセーブを見せ、関学大にゴールを割らせない。

 同点に追いつきたい日大は、後半から14番・釣崎椋介と8番・金子拓郎を一気に投入。同点ゴールを目指す。徐々に流れを掴んだ日大は、ついにペナルティーキックを獲得。しかし9番・堀口護のシュートは、関学大のGK1番・武者大夢に阻まれ、同点ならず。その後も関学大の堅い守備を前に得点は挙げられない。後半、日大のシュート数はペナルティーキックの1本のみ。90分を通してもわずか3本とシュートまで持ち込めない苦しい状況。結局、序盤の得点を守り切った関学大が完封勝利を収めた。接戦をものにした関学大は3連勝で5位に浮上。日大は今節も勝利できず、ついに6位に。昇格争いからまた一歩後退した。



 次節の第18節は、10/27(日)に全6試合が行われる。慶應義塾大学下田グラウンドでは日本体育大学と立教大学、慶應義塾大学と東京国際大学がそれぞれ対戦。また、拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場にて拓殖大学と青山学院大学、日本大学と東海大学が、産業能率大学第二グラウンドでは関東学院大学と東京学芸大学、国士舘大学と産業能率大学の試合が行われる。

 第17節では、首位・慶大と2位につける国士大が揃って勝利を逃し、上位2チームを追走する3位・拓大が勝利したため、昇格ラインとの勝点差はわずか3に。三つ巴の昇格争いとなり、下位チームとの対戦を控える上位3チームは、次節で勝点を落とすと致命傷になりかねない。

 一方、下位に沈む立教大と東学大はそれぞれ勝利を収め、立教大は9位に浮上。東学大も得失点差で青学大を上回り最下位を脱出した。しかし、下位争いは混迷の一途をたどるばかりだ。上記の3チームに加え、後期リーグに入ってからわずか1勝と苦しむ産能大と、後期リーグ未だ勝ちなしの東海大を合わせ、5チームを巻き込んだ熾烈な残留争いとなっている。8位・産能大から最下位・青学大までの勝点差はわずか4。今後も全く気を緩めることのできない緊迫した状況が続くだろう。リーグ戦も残り5試合。大混戦の昇格争いと残留争いから抜け出すのはどのチームになるのか。次節も熱い戦いから目が離せない。
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