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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・1部第6節マッチレポート

2019/05/28


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部第6節は、5月18日(土)に5試合、5月19日(日)に1試合が行われた。


早稲田大学 対 駒澤大学 @県立保土ヶ谷公園サッカー場


 未だに白星のない昨年度王者・早稲田大学(勝点1・11位)と、集中応援のこの試合でぜひとも勝利したい駒澤大学(勝点10・5位)の一戦。

 序盤は早大がボールを保持する時間が長く続いた。しかし徐々に駒大が押し込む時間が増え、前半に早大が放ったシュートは4番・鍬先祐弥の1本のみ。対する駒大は4番・真下瑞都、13番・江崎巧朗、7番・荒木駿太、19番・森本ヒマンによる5本のシュートが放たれた。しかしいずれもゴールネットを揺らすことはなく0-0で前半が終了する。

 早大はハーフタイムに17番・工藤泰平に代わって15番・坂本寛之を投入。58分にも9番・武田太一をピッチに送り出すなどして巻き返しを図るが、流れを変えることはできず、試合は駒大ペースのまま。すると62分、早大のクリアボールを奪った24番・米田泰盛がゴール前にクロス。これに反応した19番・森本ヒマンがヘディングでゴールに押し込み、駒大が先制する。追う立場になった早大は33番・西堂久俊を投入、9番・武田、33番・西堂を中心に攻めるが、駒大のGK、1番・松村優太郎のファインセーブもあり、駒大の堅守を崩すことができない。試合はそのまま終了し、1点を守りきった駒大が勝利。駒大は順位をひとつ上げ、首位・明治大学に勝点2差まで追い上げた。一方の早大は今節も白星を挙げることができず、初勝利は次節以降に持ち越しとなった。



筑波大学 対 中央大学 @AGFフィールド


 開幕から5戦負けなし首位・筑波大学(勝点13・1位)と、前節初黒星を喫した中央大学(勝点10・4位)の一戦。

 伝統の中筑戦が5年ぶりに1部の舞台で復活した。前半は中盤での主導権の握りあいに。筑波大はラインを高めに保ち、ボランチとセンターバックでボールを保持しながら、相手ゴールを狙う。一方の中大は7番・宮城和也、5番・中村亮太朗、13番・縄靖也らを中心にボールを展開し、サイド攻撃を仕掛ける。しかし次第に、徐々に筑波大がボールを持つ時間が増えていく。中大は35分に18番・松本大輔が負傷し、4番・安部崇士へと交代。筑波大は、その直後にゴール前正面でフリーキックを獲得するが、7番・三笘薫が直接狙ったボールはポストをかすめてわずかに外へ。その後も、14番・山原怜音の右サイドのクロスを18番・森海渡が頭で合わせるも、これはバーをたたくなど、決定機はあるもののゴールとはならない。対する中大は8番・大久保智明のドリブルからチャンスを作り、セットプレーやクロスからゴールを狙うが、こちらも決めきれず0-0で前半は終了。

 後半は立ち上がりから筑波大がボールを保持し、主導権を握る。2列目、3列目がポジションチェンジを繰り返し、相手を翻弄。それでも決定的なチャンスを作れない状況が続いたが、交代出場の11番・窪田翔が左サイドを崩して決定機を演出。しかし、この決定機をものにできず、以降はなかなか中大ディフェンス突破しきれなくなってくる。中大もカウンターから左サイドを突破。10番・加藤陸次樹が強烈なシュートを放つが、これはポストを直撃。得点には至らない。全体的には筑波大が押し込みながらも、中大のGK、1番・飯吉将通の好守などもあり、互いにゴールネットを揺らすことなく試合終了。0-0のスコアレスドローで勝点1を分け合った。

 筑波大の小井土正亮監督は「今日は中大さんの守備がよかった」とまずは相手の守備に言及。「相手に引かれてしまうと、2トップが(相手を)崩しきれない」ともどかしさを見せると同時に「最後をこじ開けるだけの力がないと、勝てないことを痛感した」と、この試合を振り返った。それでも「(18番・森)海渡は練習でも切れているし、成長している。今日は惜しいシュートを逃したが悲観はしていない」と前向きに捉えた。守備についても「(28番・森)侑里もうまく対応しているし、意識の統一はできていると思う」と上々の評価を与えた。しかし同節で2位の明治大学が勝利したため、勝点1差ではあるが筑波大は2位に後退。さらに次節からはエースの7番・三笘がU-22代表に招集され、トゥーロン国際大会に参加するため不在となる。小井土監督は「三笘はオンリーワンの存在。同じことをほかの人間には求められない」と不安を見せながらも「三笘がいないからこそ、チームとして成長するための大切な2試合になるだろう」とコメント。次節の首位奪取に向けて表情を強くした。

 一方の中大・佐藤健監督も「とにかく筑波大さんがうまかった。攻守のバランスもとれていて、そういうところの差を実感できた」とまずは相手を評価した。前節、東洋大に初黒星を喫したが「試合としては攻めていたが敗れた。ではサッカーっていったい何だろう、というところから気持ちやメンタルの部分を意識して入った」というこの試合。"負けない"という気持ちで勝点1を得られたことは収穫だが「両サイドを封じられたときは、もっと中盤の選手に駆け引きがないと」と攻撃面では課題も残った。「精度の高いクロスがないと、得点は生まれない。その精度を高めていきたい」と次節に向けて意気込んだ。



順天堂大学 対 専修大学 @東金アリーナ陸上競技場


 ゴールデンウィーク3連戦でまさかの3連敗。悪い流れを断ちたい順天堂大学(勝点6・8位)と、前節は3失点を喫し、今節は無失点試合を目指したい専修大学(勝点4・9位)の一戦。

 どちらも課題を抱える8位と9位の直接対決。前半の立ち上がりは専大ペースで試合が進み、7番・岡本勇輝や14番・郡紘平を中心に、少ないタッチでボールをさばいて順大ゴールへと迫る。しかし順大も5番・村松航太や23番・山﨑大地のセンターバックが落ち着いてこれに対応。なかなかシュートまで持ち込ませない。すると27分、右サイドで順大の18番・大森真吾がボールを奪うと10番・旗手怜央がつなぎ、最後は9番・浮田健誠が左足のシュートをゴール右隅へと突き刺す。今季初スタメン9番・浮田の今季初ゴールで、順大が先制する。勢いに乗った順大は42分、10番・旗手の強烈なパスに16番・長倉幹樹が反応。左足から放たれたシュートはキーパーの手をかすめてそのままゴールへ。2-0と順大がリードを広げて前半が終了する。

 専大は後半の早い時間帯に10番・氣田亮真、13番・鈴木厚太を投入。流れを変えようするが、ボールは回せても良い形でシュートまでは持ち込めない。専大が攻撃に試行錯誤している中、順大がその隙きを突く。84分、20番・上野瑶介のロングパスに抜け出した10番・旗手がボールをゴールへと流し込み、3-0に。10番・旗手も待望の今季初ゴールとなった。さらに終了間際の90分、26番・寺山翼のロングボールを10番・旗手が上手くコントロールして独走。専大のGKも抜き去り、落ち着いてゴールを決めダメ押しの4点目。今季初先発の9番・浮田、エースの10番・旗手の活躍もあり順大が4-0と完封勝利を収めた。一方の専大は2年生3人を出場させて悪い雰囲気を断ち切ろうと試みたが、結果には結びつかず悔しい一戦となった。


東洋大学 対 桐蔭横浜大学 @埼玉スタジアム 2002 第2グラウンド


 前節に今季初勝利をあげた東洋大学(勝点3・10位)と、4試合負けなしと好調の桐蔭横浜大学(勝点6・7位)の一戦。

 前半は、両チームとも中盤でボールをキープし、一進一退の状況に。東洋大は6番・坪川潤之、31番・高柳郁弥、桐蔭大は6番・橘田健人、12番・杉山雄太といった両チームのボランチが試合をコントロールし、試合を落ち着かせる。しかし、両チームとも攻め手を欠き、スコアレスで試合を折り返した。

 後半に入ると、早々に試合が動いた。50分、桐蔭大はコーナーキックのチャンスを迎えると、11番・下村司のボールに3番・遠藤凌が頭で合わせる。これは、東洋大のGK、1番・松本健太に弾かれるものの、こぼれ球を拾った8番・イサカゼインが頭で押し込み、桐蔭大が先制する。これで勢いにのった桐蔭大が猛攻を仕掛け、東洋大は防戦一方に。一方の桐蔭大は終了間際、前線に30番・寺沼星文、19番・中村響を立て続けに投入。試合を優位なまま終わらせにかかり、1点を守りきってタイムアップ。無敗を"5"に伸ばした桐蔭大が勝点3を獲得し、順位をひとつ上げた。


流通経済大学 対 立正大学 @味の素フィールド西が丘


 今季未だ勝利のない流通経済大学(勝点1・12位)と、前節は引き分け、今節では勝点3が欲しい立正大学(勝点10・3位)の一戦。

 前半は、立ち上がりから両チームとも激しい球際の攻防戦を繰り返す。しかし徐々に立正大がペースを握り始め、13番・武田夏輝、3番・鈴木康孝が両サイドからチャンスを演出。24分には、10番・人見拓哉のコーナーキックからトリックプレーで相手を翻弄し、最後は7番・梅村豪が決めて先制点を挙げる。また30分には、7番・梅村がゴール前で相手のパスをカット。そのまま右足を振りぬき、ゴール左隅に強烈なシュートを叩き込む。ポストに当たったボールはゴールラインを割り、7番・梅村のこの日2点目となるゴールで立正大が追加点。しかし、流経大もここから意地を見せる。前半終了間際の45分、13番・伊藤敦樹のグラウンダーのクロスに、2列目でフリーになっていた26番・齊藤聖七が右足ワンタッチで合わせてゴール。1-2と流経大が点差を縮め、前半が終了する。

 後半は追う立場の流経大がボールを支配。猛攻を仕掛けるも、立正大が粘り強い守備で流経大にシュートを打たせない。そして試合も終盤に差し掛かった82分、立正大が素晴らしい集中力を見せて中盤でボールを奪うと、16番・近藤拓海が素早いドリブルからチャンスメイク。最後は15番・藤森亮志が決めて1-3と流経大を突き放す。さらに85分、またもや中盤でボールを奪うと16番・近藤のドリブルから今度は10番・人見拓哉がキーパーとの一対一を冷静に決めて試合を決定づける4点目。最後まで集中力を切らさなかった立正大が、試合終盤に得点を重ねて1-4で勝利を収めた。立正大は順位こそ変わらないものの、2位の筑波大学に勝点1差、首位・明治大学に勝点2差でピタリと追随。初昇格ながら首位を狙う。一方の流経大は、またもや勝利ならず。天皇杯1回戦を挟み、次節は筑波大相手の"茨城ダービー"となる。注目の一戦で、今度こそ初勝利を目指したい。


法政大学 対 明治大学 @味の素フィールド西が丘


 前節に続く勝利で上位に食い込みたい法政大学(勝点9・6位)と、こちらも連勝し首位を奪回したい明治大学(勝点12・2位)の一戦。

 試合は序盤から法大が主導権を握った。18番・上田綺世のフィジカルの強さを活かしたプレー、8番・紺野和也のドリブルなど個人技を中心にチャンスを演出。一方の明大はなかなかボールを保持できずにいたが、19分にチャンスが訪れる。7番・中村健人のスルーパスに反応した11番・佐藤亮が前線に抜け出して、ゴール右隅にシュートを突き刺す。明大はこの試合初のシュートで先制し、その後の流れは一気に明大に。20番・佐藤凌我や8番・森下龍矢のスピードを活かした攻撃で法大ゴールに襲い掛かる。一方の法大はセットプレーからチャンスを作るものの、得点にはいたらず明大がリードして前半は終了。

 後半は開始直後から明大が試合を支配した。31番・安部柊斗が球際や対人の強さで中盤を制圧し、法大の攻撃の芽を潰す。法大の中盤、10番・下澤悠太や13番・長谷川元希は明大ボランチの圧力に苦しみ、なかなかボールを前へと運べない。中盤で激しいボールの奪い合いが続く中、56分に再び試合が動く。31番・安部の鋭い縦パスを受けた11番・佐藤がミドルシュートを突き刺し、明大が追加点。11番・佐藤がこの試合2点目となるゴールで法大を突き放す。その後、法大は20番・佐藤大樹らを投入して攻撃の活性化を試みるも、得点ならず。0-2のまま試合は終了し、連勝を飾った明大が首位に再浮上した

 明大の栗田大輔監督は「今日の目標は首位奪取と言っていた」と、目標達成をはたした結果に笑顔を見せた。「法大はひとりひとりの技術が高く、戦術的にもオーガナイズされている。だが、ウチも強い"個"を目指しているチーム。負けるわけにはいかなかった」と、この試合に懸ける想いを吐露。「中盤のさしあいになるとは思っていた」が立ち上がりは「相手のサッカーにはまってしまった」。それでも安定した守備で法大の自由を許さず、なかでも22番・小野寺健也が法大のエース、18番・上田を封じ込めたことに触れ「Iリーグで3年間がんばってきた選手がここでよく仕事をしてくれた。特にヘディングでは、ほとんど負けていなかったと思う」と、その活躍に目を細めた。攻撃では、11番・佐藤が天皇杯東京都予選決勝も含め、3試合連続で2得点を挙げるなど絶好調。栗田監督は「メディアに佐藤の喜びのシーンが載るのは見飽きたかな」と冗談めかしながらも「主将が点を取ればチームが勢いづくし、ああいうところで点を取れるのが今の明大の強さ」と満足顔だった。だが2位・筑波大学との勝点差はわずかに1。栗田監督は「首位は奪還したが、これからが大事」と気を引き締め直していた。

 一方、完敗を喫した法大の長山一也監督は「人間的な面で、サッカーに対する考え方、取り組みの部分が欠如していた」と憮然とした表情。「この試合が重要であることはわかっていながら、自分たちから何かをしようとする意志がなかった」と切り捨てた。DFの2番・森岡陸によると、「今季は先制点を奪われた試合はすべて負けているせいか、失点をすると"逆転できないのでは"という雰囲気になった。試合後のロッカールームでは、監督たちにその点を突きつけられた」とのこと。監督、選手ともにスコア以上の完敗を実感する試合となったが、長山監督は「選手にとって勉強になった部分もあったと思う」と慮ると同時に、次節に向けての猛省を促した。





 次節の第7節は、5月29日(水)にNACK5大宮スタジアムで早稲田大学と東洋大学、柏の葉公園総合競技場で筑波大学と流通経済大学が対戦。熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で法政大学と立正大学が、埼玉スタジアム 2002 第2グラウンドでは駒澤大学と明治大学、また浦安市運動公園陸上競技場にて順天堂大学と中央大学が、三ツ沢公園陸上競技場で専修大学と桐蔭横浜大学の試合が行われる。

 今節は、主将の11番・佐藤の2戦連続2得点で勝利を収めた明大が、首位に再浮上。また立正大も4得点と攻撃陣が爆発し、首位と勝点2差の3位をキープした。上位陣が着実に勝点を積み重ね、今節を終えたのとは対照的に、リーグ開幕依頼調子の上がらないのが、早大と流経大だ。今節も両校ともに敗戦を喫し、降格圏内から抜け出せないまま。フレッシュな選手を起用するも、得点力不足が顕著に表れた。

 来週は天皇杯で明大がJクラブブラウブリッツ秋田に挑む。大学サッカーのレベルの高さを証明する絶好の機会になるだろう。天皇杯に出場しない大学にとっては、第7節、第8節の連戦前にもたらされた約10日間のインターバルは、課題修正や連戦に向けた準備のための絶好の期間となる。上位チームはこの期間に好調をキープし、下位チームはどれだけチームを建て直せるか。前期リーグ中断前最後の連戦に懸ける、各チームの熱戦に注目したい。
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