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JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦・2部第9節マッチレポート

2022/07/04



 『JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』2部リーグ第9節は、6月11日(土)に全6試合が行われた。

立正大学 1-2 日本体育大学


 勝点3を獲得し、上位争いに食い込みたい立正大学(勝点7・暫定10位)と、混戦状態の上位グループから頭一つ抜け出したい日本体育大学(勝点14・暫定3位)の一戦。

 試合は序盤から立正大がボールを保持してペースを握る展開となった。しかし、試合を先に動かしたのは日体大だった。23分、立正大DFが足を滑らせ、トラップミスをしたところを見逃さなかった日体大の20番・菅野隆星がすかさずボールを奪い、ゴール前までボールを運ぶ。そのまま冷静に相手GKの位置を見てシュート。これが決まり、日体大が先制する。続く37分、日体大は鋭いカウンター攻撃を仕掛ける。自陣でシュートブロックのこぼれ球を拾った18番・松原海斗が、後ろから上がってきた10番・三浦颯太にパス。10番・三浦はそのままペナルティーエリア手前までドリブルで侵入。20番・菅野にボールを預けると、20番・菅野はダイレクトでグラウンダーのクロスをあげる。中で待ち構えていたのは43番・山根優汰。冷静にボールをコントロールすると、正確にコースに突き刺して追加点を挙げる。序盤はペースを掴んでいた立正大だったが、前半で2点のビハインドを負う厳しい展開で試合を折り返した。

 後半に入ると、立ち上がりは日体大が攻勢を強めるものの、徐々に拮抗した展開に。互いにセットプレーやカウンターからチャンスを演出するが、クロスバーやポストに嫌われてゴールに結びつかない。しかし試合終了間際の90+5分、立正大は24番・新井成志郎、15番・安食龍成とパスを繋ぎ、最後は19番・多田圭佑が右足を振り抜いてゴールに流し込む。なんとか1点を返した立正大だったが、同点には追いつけず1-2のまま試合終了。

 終盤に猛追を見せた立正大だったが、あと一歩及ばずこれで2連敗。ついに降格圏の11位に後退した。対する日体大は3連勝を飾り、暫定2位に浮上する大きな白星となった。


慶應義塾大学 1-1 中央大学


 連勝して首位を守りたい慶應義塾大学(勝点16・暫定1位)と、勝点3を得て首位奪取を狙う中央大学(勝点15・暫定2位)の一戦。

 勝点1差の1位と2位の直接対決。試合の立ち上がり、中大は18番・星野創輝や15番・鈴木翔太がシュートを放つが、慶大の守備陣にクリアにされてしまう。対する慶大もアグレッシブに攻撃を仕掛け、21分には10番・齊藤滉がゴール前にボールを運ぶがこちらも得点には繋がらない。31分、中大は31番・大桃伶音が絶好のチャンス。しかしこれも慶大GKがストップ。前半終了間際には2番・岡井駿典、3番・牛澤健ら中大DF陣がパスを回して攻撃の機会をうかがうが、ゴールまで持ちこめず0-0のまま前半は終了した。

 拮抗した前半とは一転し、後半は開始早々に試合が動いた。49分、慶大はコーナーキックを獲得。7番・山本献の正確なキックに5番・牧野晋作が頭で合わせ、ゴールに叩きこんで先制点を挙げる。流れを変えたい中大は70分、9番・勝浦太郎を投入。その直後の72分、9番・勝浦が放ったミドルシュートは、一度慶大の守護神21番・根津拓斗が弾かれるものの、こぼれ球を11番・山崎希一が拾い、そのまま冷静にゴールへ流し込む。中大が同点弾を決め、試合は振り出しに戻った。その後は両者とも果敢に攻め立てるが、ゴールを奪うことは出来ず1-1で試合終了。

 2部リーグ首位の慶大、2位の中大の頂上決戦は決着がつかず、ともに勝点1の痛み分けとなった。


東京学芸大学 0-3 東海大学


 3連敗を喫し、これ以上の連敗は何としても避けたい東京学芸大学(勝点9・暫定8位)と、試合終了間際で逆転負けを喫した前節からの悪い流れを断ち切りたい東海大学(勝点9・暫定6位)の一戦。

 前半に主導権を握ったのは東海大。縦に速い攻撃でチャンスを演出すると、23分にスコアを動かす。右サイドでコーナーキックを獲得した東海大は、キャプテンの7番・西山拓実のキックに、5番・鈴木颯太が頭で合わせ先制する。追いつきたい東学大だが、ボールをうまく繋げられず相手陣内になかなか侵入できない。対する東海大は、ショートカウンターで東学大ゴールを脅かし続け、36分にもコーナーキックを得る。混戦の中でボールが東学大DFの手に当たり、東海大はペナルティーキックのチャンスを獲得する。キッカーは先制点をアシストした7番・西山。東学大GK22番・冨澤凜太郎の逆をついたシュートがゴール右下に突き刺さり、東海大が追加点をマークする。これ以上の失点は防ぎたい東学大だったが、直後の37分、GK22番・冨澤が弾いたボールを東海大の23番・中熊岳琉が拾い、速いパスを配球。これを9番・藤井一志が押し込んで、リードを3点差に広げた。前半は0-3のまま終了し、東海大が大きくリードして試合を折り返した。

 巻き返しを図る東学大は、ハーフタイムに交代カード2枚を一気に切る。するとハーフタイム投入された東学大29番・五十嵐功が、東海大DFから高い位置でボールを奪取。そのままシュートを放つが決めきれない。一方の東海大は、前半にも増す勢いで東学大ゴールに迫り、66分に10番・杉山祐輝がペナルティーエリア外から強烈なシュートを放つ。だがこれは惜しくもクロスバーを直撃。得点には至らなかった。その後も、東海大は4点目を狙い何度となくチャンスをつくるが、なかなかゴールまでは持ち込めない。東学大も惜しい場面を作るが後半のシュートは1本に留まり、スコアは動かないまま試合終了。東海大が前半に決めた3点を守りきり、完勝を収めた。

 勝利した東海大は混戦の2部リーグで、下位争いから抜け出すための大きな勝点3を獲得。ジリジリと順位を5位まで上げ、上位グループとの差を縮めた。敗北した東学大はついに4連敗。直近4試合で12失点と、守備に課題を残す結果となった。




関東学院大学 2-1 産業能率大学


 前節、終了間際の劇的ゴールで引き分けに持ち込んだ関東学院大学(暫定9位・勝点8)と、今季初の3連勝を目指す産業能率大学(暫定4位・勝点13)との一戦。

 最初にチャンスを作ったのは産能大。10分、10番・城定幹大が右サイドでボールを受けると、反転して左足でシュート。だが関学大ディフェンスに防がれゴールにはつながらない。なかなかチャンスを作れない関学大だったが、19分、2番・野末学のロングフィードにディフェンスラインから抜け出した5番・長澤シバタファリが反応。クロスを上げると、最後は30番・堀金峻明がフリーでヘディングシュートを放つが、こちらはゴール右に外れてしまう。それでも攻撃の手を緩めない関学大は20分、10番・狩野海晟のクロスに再び30番・堀金が左足で合わせる。しかし産能大GK、21番・渡辺舜作がスーパーセーブで得点を許さない。一進一退の攻防戦の中、スコアが動いたのは25分。左サイド深くまで侵入した産能大の29番・杉山佳宏のクロスに、10番・城定が右足で合わせボレーシュートを放つ。一度は相手DFに防がれるが、こぼれたボールに再び10番・城定が詰めて産能大が先制点を挙げる。前半のうちに追いつきたい関学大は37分、右サイドの11番・大友千裕のクロスに5番・長澤が頭で合わせるが、シュートはGKの正面。結局1-0で産能大リードのまま前半を終了した。

 後半は関学大が主導権を握る展開となった。まずは開始早々の51分、関学大が決定機を迎える。ハーフウェーライン付近でボールを受けた5番・長澤がスピードに乗って右サイドで仕掛け、ゴール前に速いクロスを入れる。するとそのボールを、ペナルティーエリア内に走りこんだ30番・堀金が合わせてゴール。1-1と同点に追いつく。攻勢を強める関学大は59分、15番・橋本丈をピッチに送り込んで縦に早い攻撃を仕掛ける。63分にはスルーパスに抜け出した15番・橋本のクロスに、再び30番・堀金が合わせるが、産能大GK21番・渡辺の好セーブに阻まれて追加点ならず。さらに71分、15番・橋本のスルーパスから14番・桝陸斗がシュートを放つが、こちらはゴール右に外れてしまう。対する産能大も74分、22番・藤吉玲依の右サイドからのアーリークロスに、9番・菅原龍之助がダイビングヘッドで合わせるも、枠を捉えきれない。産能大は87分にも左サイドを9番・菅原、14番・猪狩で崩し、抜け出した19番・梅村脩斗がシュートを放つが、関学大の3番・佐藤大翔がゴールラインギリギリでこれをクリア。両チーム、なかなか勝ち越し点を奪うことができない。しかし終盤間際、ついにこの拮抗したゲームに決着がつく。90+1分、関学大は中盤でボールを奪うと、15番・橋本のスルーパスに途中出場の16番・坂本順平が抜け出し、ゴールキーパーと一対一に。これを冷静にゴール右隅に沈めて勝負あり。最後の最後に関学大が競り合いを制止、2-1で試合は終了した。

 関学大は2試合連続となる終了間際の劇的ゴールで勝点3を獲得。順位を大きく上げて、暫定9位から暫定6位へと浮上した。一方、敗れた産能大は3連勝ならず。上位進出に向けて痛い敗戦となった。




日本大学 1-1 城西大学


 連勝して勢いに乗る日本大学(勝点9・暫定5位)と、前節は惜しくも引き分け、巻き返しを狙う城西大学(勝点6・暫定12位)の一戦。

 試合は序盤から日大ペースで進み、開始早々にスコアが動く。5分、スローインから抜け出した18番・西山蓮平が折り返したボールに、タイミングよく9番・千葉隆希が反応。そのままヘディングシュートを突き刺し、日大が先制点を挙げる。最高の立ち上がりで試合に入った日大だったが、次第に城西大との激しい攻防戦が続き、試合のペースは城西大に。だが、城西大の攻撃は日大DF陣により跳ね返され、なかなかチャンスをものにすることができない。結局、前半は日大が1-0とリードしたままで終わった。

 後半の序盤も日大が主導権を握るが、なかなか得点につながらない。1点を追う城西大は、中盤を起点に猛攻に出る。77分、城西大はクリアボールを収めた18番・吉川元輝から、その背後を駆け上った2番・村田祥史にボールが渡る。さらに裏に抜け出した34番・佐藤遼がボールを受けてドリブルで仕掛け、うまく相手の股を通してGKのニアへ流し込む。期待のルーキー、34番・佐藤が貴重な同点弾を挙げる。このゴールで波に乗った城西大は、19番・西岡健二が10番・浅賀凱斗からのマイナスのパスに右足を合わせるもGKの正面。一方、ペースを取り戻したい日大も、試合終了間際には果敢にゴールへ迫る。90分、10番・長澤壮竜が左サイドのパスの連携からドリブルで持ち上がり、ペナルティーエリア付近まで侵入。ヒールで落としたボールに、36番・植木颯が左足でミドルシュートを狙うが惜しくも枠の外。さらに日大の攻撃は続き、10番・長澤からのパスを受けた35番・岩立祥汰が左足で正確なクロスをあげ、6番・橋田尚希がヘディングシュート。だが、これは城西大GK21番・長野樹が右手一本のビックセーブで得点を許さない。

 結局試合は決着がつかず1-1で終了。日大は順位を2つ落として7位に後退。城西大は最下位を抜け出せないまま、厳しい引き分けとなった。


明治学院大学 1-1 青山学院大学


 前節の大敗を払拭するためにも勝点3を獲得したい明治学院大学(勝点7・暫定11位)と同じ“今季都県昇格組”を相手に勝利し、連敗をストップしたい青山学院大学(勝点9・暫定7位)の一戦。

 先にチャンスを作り出したのは明学大。3分にフリーキックを獲得すると、キッカーの2番・山内稔之が蹴り入れたボールは、34番・渡辺創太への絶好のラストパスに。だが34番・渡辺のヘディングシュートはわずかにクロスバーを超え、得点にはつながらない。その後は青学大が中盤でテンポよくパス交換をしつつチャンスをうかがう。青学大は8分、左サイドでボールを受けた10番・比留間輝が、中央の7番・佐々木達也へパスを供給。ワンタッチでパスを逸らし、駆け上がった2番・田中颯太まで繋がるなど、ピッチを広く使い明学大の守備網に揺さぶりをかける。16分には、右サイドから2番・田中が精度の高いクロスを入れ、中央に走り込んだ8番・五百蔵悠がヘディングシュート。だが、これは明学大GK、1番・奥田剛史の正面となり、絶好機を活かせない。拮抗した展開は、しかし26分に大きく動く。スペースに抜け出した青学大の11番・山内大空の動きを、手で制した明学大4番・須永竜生のプレーが得点機会阻止と判断され、レッドカードが提示される。試合の4分の3を10人で戦うことを余儀なくされた明学大だが、その後も強度を落とすことなく果敢に前進し、退場者の影響を感じさせない展開に持ち込む。45+2分には9番・鈴木燦次がペナルティーエリア内でボールを収めてシュートを放つ。これは青学大DFの決死のブロックに阻まれたが、10人の明学大も質の高いチームプレーを継続し、両チーム無得点のまま試合を折り返す。

 勢いをもって後半に臨んだのは数的優位を活かしたい青学大。49分、7番・佐々木のスルーパスに反応した10番・比留間がワンタッチで合わせるが、シュートは枠を捉えることができない。青学大の次の攻撃機会となった51分、左サイドで22番・新玉瑛琉が起点となり7番・佐々木へとパスが渡ると、7番・佐々木はドリブルからクロスを選択。中央に走り込んだ11番・山内が、このクロスに頭で合わせて青学大が先制する。圧力を高め、試合を優位に進めたい青学大だったが、10人で戦う明学大も集中を切らさず追加点を許さない。すると69分、一瞬の隙をつき明学大がチャンスをものにする。青学大のビルドアップのわずかなズレを見逃さず、14番・百瀬洋希がボールを奪取。相手GKとの一対一を制すと、冷静にシュートを沈めて試合を振り出しに戻した。

 その後は両チーム勝点3を取りにいく積極的な姿勢を見せるが、スコアは動かず1-1で試合終了。退場者を出し、1人少ない明学大にとっては価値のある勝点1。対する青学大は、絶好のチャンスに勝点3を逃す手痛い引き分けに終わった。



 慶應義塾大学と中央大学、暫定1位と暫定2位の直接対決が引き分けに終わった裏で、日本体育大学は立正大学を下して2位に浮上。首位・慶應義塾大学に勝点で並ぶなど、2部の上位グループは依然として混戦模様。中大も3位に後退したとはいえ、首位グループとの勝点差はわずかに1だ。一方、勝てば首位グループ入りが見えていた産業能率大学は、関東学院大学に終了間際の劇的ゴールを決められ、暫定4位のまま。とはいえ、3位・中大とは1ゲーム差でまだまだ逆転の余地は残されている。その産能大を勝点1差で追うのが暫定5位の東海大学。東京学芸大学に3-0で快勝。じりじりと順位を上げている。敗れた東京学芸大学は4連敗。降格圏内が見えてくる厳しい状況だ。

 次戦は首位・慶應義塾大学と2位の日本体育大学が直接対決。3位の中央大学は4位の産業能率大学と対戦するなど、上位校同士の対戦が注目される。どのチームも1部昇格に向けてこれ以上勝点を落とすことはできない。次節の結果次第では、順位に大きな変動がみられる重要な試合になるだろう。
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