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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・1部第3節マッチレポート

2019/05/01


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部第3節は、4月27日(土)に4試合、4月28日(日)に2試合が行われた。


明治大学 対 流通経済大学 @AGFフィールド


 開幕から2連勝中の明治大学(勝点6・3位)と、2戦勝ちなしの流通経済大学(勝点1・8位)の一戦。

 試合は立ち上がりから、明大が流経大を攻め立てる展開となった。明大は9分、31番・安部柊斗から8番・森下龍矢にパスを展開。8番・森下からのパスを11番・佐藤亮が落ち着いて右足で流し込み、明大が先制する。これで勢いにのった明大は12分にペナルティーキックを獲得。これを11番・佐藤が冷静に決めて追加点。さらにその1分後の13分、今度は10番・小柏剛がドリブルで一気にゴール前へ。右足で放ったシュートは流経大の選手に防がれるが、そのこぼれ球を拾った8番・森下が左足でゴールを決め、その差を3点に広げた。完全主導権を握る明大に対し、流経大は一方的な展開から脱出を図るも、28分には28番・吉村仁志が2枚目のイエローカードで退場に。10人での戦いを強いられてしまう。

 流れを変えるべく、流経大は41分に26番・齊藤聖七に代えて、11番・満田誠を投入する。さらに流経大はハーフタイムに25番・熊澤和希に代えて、16番・永井颯太と、一気に2枚の交代カードを切る。この采配の正解もあり、後半に入ると流経大がようやくボールを保持し始めるが、明大の素早いプレスに苦戦。そんな中、82分には明大の10番・小柏がドリブルで仕掛け、2番・中村帆高へとパス。それを受けた2番・中村が右足でゴールを決め、明大が4-0とリードを大きく広げる。攻撃の手を緩めない明大は終了間際の89分、コーナーキックの流れから、3番・佐藤瑶大がゴールから距離のある位置でボールを収めると、そのまま右足でシュート。ダメ押しの5点目を決めてタイムアップ。大量5得点を得た明大が勝点3を獲得し、唯一の全勝チームとして単独首位に躍り出た。


筑波大学 対 東洋大学 @AGFフィールド


 前節、劇的なゴールで、勝点1を獲得した筑波大学(勝点4・4位)と、開幕から2連敗中の東洋大学(勝点0・11位)の一戦。

 前半は互いにボールをつなぎながら様子を見る、固い試合展開となった。両チームとも何度か決定機を作るものの、ゴールキーパーとディフェンダーを中心とした組織的な守備で、得点を許さない。

 しかし、後半に入ると次第に筑波大がペースを握り、得意のポゼッションサッカーで東洋大を押し込む。すると58分、筑波大は6番・渡邊陽がミドルシュートを放つも、これはクロスバーを直撃。しかしその跳ね返りを、開幕戦でハットトリックを決めた大型ルーキーの18番・森海渡が頭で押し込み、筑波大が先制する。何とか1点を返したい東洋大は、27番・梅津凌岳に代えて、26番・横山塁を投入。しかし筑波大の集中した守備を崩すことはできず、ゴールネットを揺らせずに試合終了。1点を守って逃げ切った筑波大が勝点3を獲得、2位に浮上した。一方の東洋大は最下位に後退。次こそは初勝点、初勝利を目指したい。


駒澤大学 対 桐蔭横浜大学 @県立保土ヶ谷公園サッカー場



 今季2勝目を狙う駒澤大学(勝点3・7位)と、初勝利を目指す桐蔭横浜大学(勝点1・9位)の一戦。

 雨が降りしきる中でキックオフを迎えた試合は、10分に試合が動いた。駒大は10番・薬真寺孝弥が左サイドからクロスを上げると、そのままゴール前で混戦に。しかし最後は2番・深見侑生が右足で流し込んで先制点を挙げる。すると16分、今度は桐蔭大が反撃に移る。13番・浅野嵩人のクロスは相手に弾かれるものの、こぼれ球を9番・滝沢昂司が頭でねじ込み同点弾。試合は振り出しに戻った。その後は駒大が多くのコーナーキックを得てゴールに迫るものの、得点にはつながらず1-1のまま前半は終了した。

 後半は互いに激しいボールの奪い合いとなり、ゴール前で警告が飛び交うラフなプレーも多く見られた。駒大は2番・深見のグラウンダーのクロスを7番・荒木駿太が合わせるもこれは惜しくも枠の外。対する桐蔭大も右サイドからグラウンダーのパスが9番・滝沢にボールが入り、そのままボレーシュート。しかしこちらもゴール右へと外れた終盤が近づくと互い攻撃的な選手を投入するなど、交代カードを使い切って流れを変えようと試みるも、得点には繋がらずに試合終了。いまだ勝ちなしの両チームには厳しい、1-1の引き分けとなった。

 先制点を挙げながらも6分後に追いつかれ、2連勝ならなかった駒大。秋田浩一監督は「相変わらず決定力がない」とひとこと。それでも、19番・森本ヒマン、30番・小幡祐稀など関東リーグ初スタメンの選手の名を挙げ「彼らが少しずつ経験を積んで上にいければ」と期待を寄せた。今日の試合は「次の点が取れなかったこと」に尽きるという秋田監督。だが「力的にはまだまだだが、少しずつ上位を狙えるような力がついてきていはいる」と手応えものぞかせた。

 一方、2試合連続の引き分けとなった桐蔭大の安武亨監督は、「駒大さんのロングスローを警戒していたが、その前のショートパスも気をつけなければならなかった」と、まずは失点に反省の弁。「しっかり弾いてこぼれ球を拾う、駒大らしいプレー、駒大らしいゴールだった」と駒大に敬意を表した。「前半は相手に引きずられたが、後半はいい形ができた」と振り返った安武監督は「ゴールを奪うことが難しい」とぽつり。それでも「ウチのエースだと思っている」という9番・滝沢昂司が今季リーグ初ゴールを決めたことは「大きい」。待望の初勝利は、「もっとシュートがほしい」と口にした課題を、次節でいかに改善できるかにかかっている。



専修大学 対 立正大学 @Shonam BMW スタジアム平塚


 今季未だに勝利がなく、今節こそは勝点3が欲しい専修大学(勝点1・10位)と、中位から抜け出すためには勝利したい立正大学(勝点3・5位)との一戦。

 試合は開始早々から専大がボールを支配し、立正大がリトリートしてカウンターを狙う構図となった。すると15分に立正大にチャンスが訪れる。味方からのゴールキックを11番・見原慧が頭でそらすと、ゴール前に抜け出した10番・人見拓哉が冷静に右足で流し込み、立正大が先制する。仙台もその後、29番・冨山大輔ら3トップを中心にテクニカルな攻撃を見せるも、立正大の守備陣を前に得点まで至らない。

 後半に入ると、試合は予想外のアクシデントに見舞われることとなった。落雷により、後半序盤の53分より試合が一時中断する。5分後には再開となったが、立正大が勢いを増し攻め立てると、58分にはコーナーキックを獲得。左コーナーから18番・平松昇が蹴ったボールに、16番・近藤拓海が頭で合わせ追加点を挙げる。さらに64分には、中盤でボールを奪った13番・武田夏輝から18番・平松へと繋ぎ、最後は10番・人見が決めて3点目。ボールを奪った後の、立正大らしい素早いショートカウンターが功を奏し専大を突き放すことに成功する。立正大は終了間際の81分にも追加点。11番・見原からのパスをペナルティーエリア内で受けた10番・人見が個人技からシュートを決め、試合を決定づける4点目。10番・人見はハットトリックを達成し、試合は終了。立正大が4得点の完勝で順位を1つ上げた。


法政大学 対 順天堂大学 @味の素フィールド西が丘



 ゴールデンウィーク初戦、いいスタートを切って順位を上げたい法政大学(勝点3・6位)と、開幕3連勝を目指す順天堂大学(勝点6・2位)の一戦。

 順大にとっては、昨年のインカレ準決勝で法大に敗れたリベンジを狙う試合だった。前半、順大は10番・旗手怜央を中心に攻撃を展開するも、法大のGK1番・山岸健太が立ちはだかり、ゴールネットを揺らすことはできない。対する法大も18番・上田綺世を中心に順大ゴールを脅かすも、得点には至らず。対する両チーム一進一退の攻防を繰り広げるが、ノーゴールのまま0-0で前半は終了。

 後半序盤は法大の攻撃が続くが、50分には順大の10番・旗手がゴール前に抜け出しチャンスを作る。しかしこれはゴールならず、逆に59分には法大の14番・森俊貴が18番・上田へクロスを上げてチャンスを演出。しかし今度は順大のGK1番・佐藤久弥がファインセーブ。79分には順大の16番・長倉幹樹のシュートがポストに弾かれるなど、ともに多くの決定機を作るが、GKの活躍もあり得点にはつながらない。両チーム譲らぬ攻防を繰り広げ、0-0のまま終わるかと思われた87分に試合は動いた。18番・上田がハーフウェーラインからゴール前にボールを運ぶと、69分に投入された20番・佐藤大樹へとロングパス。そのまま順大GKと一対一の局面を迎えた20番・佐藤だったが、うまくタイミングを外して右足で押し込みゴール。法大が待望の先制点を挙げ、ほどなくして試合は終了。法大が1-0で勝利した。一方の順大はリベンジならず、連勝もストップ。2位から5位へと順位を下げることとなった。



早稲田大学 対 中央大学 @味の素フィールド西が丘



 2連敗と調子が上がらない早稲田大学(勝点0・12位)と、対称的に開幕から2連勝で首位に立つ中央大学(勝点6・1位)の一戦。

 キックオフ直後から早大が主導権を握り、33番・西堂久俊と9番・武田太一といったサイドの選手を起点に相手を揺さぶる。早大は、この日1トップに入った11番・蓮川雄大が裏のスペースに抜け出し、クロスバー直撃のシュートを放つなどして、何度もゴールを脅かす。迎えた27分には、早大が11番・蓮川の突破からコーナーキックを獲得。6番・阿部隼人が右コーナーから相手の意表をついてマイナスにグラウンダーのボールを流すと、これを34番・山下雄大がシュート。相手に弾かれるものの、こぼれ球を11番・蓮川がゴールに突き刺し、早大が先制する。対する中大は8番・大久保智明のドリブルを中心にカウンターを仕掛けるが「完全にマークされていた」(中大・佐藤健監督)こともあり、決定機を作り出すまではいたらない。前半終了間際には絶好の位置でフリーキックを獲得するも、8番・大久保のシュートは大きく枠を外し、早大1点リードのまま試合を折り返した。

 後半も早大が主導権を握り、11番・蓮川が抜け出すなどしてチャンスを作るが、中大のGK1番・飯吉将通がファインセーブでこれに対応。追加点を許さない。すると次第に試合の流れは中大に。8番・大久保と10番・加藤陸次樹を中心にカウンターからたびたび早大ゴールを脅かすが、早大も3番・大桃海斗と5番・杉山耕二のセンターバックコンビを中心に、体を張った守備でゴールを死守。だが85分、ついに再び試合が動く。中大は5番・中村亮太朗のロングボールから一瞬の隙をつくと、裏に抜け出した10番・加藤が前に出てきたGKの頭上を抜くループシュートをゴールに流し込み、同点弾。試合を振り出しに戻した。その後はオープンな展開から両チームゴールを狙うが追加点は生まれず1-1で試合終了。ラスト5分を守りきれず目の前で初勝利を逃した早大、3連勝ならず首位から陥落の中大の双方にとって痛み分けの引き分けとなった。

 早大の外池大亮監督は「(失点の)時間帯も含めもったいないという印象はあるが、トータル的に見れば勝点を0から1に積み上げたということには大きな意味がある」と、まずは"初勝点"を評価。この試合では、「サイドにポイントをつくり、攻守両面で優勢な状況をつくろうと思った」と、9番・武田を右サイドに、11番・蓮川を1トップに配置。前半はその狙いが的中したが、後半は中大に主導権を握られ「どうしても受け身に回ってしまった」(外池監督)。初勝利は次節以降にお預けとなった。

 一方、終盤に追いつき無敗を守った中大。首位から陥落したものの、佐藤健監督は「0-1から1-1に持ち込めたことは、前向きに捉えている」とコメント。佐藤監督は「ここまでの2試合は運も実力のうちで勝てたところはあった」と振り返り「ウチは2部から上がってきた、相手からしたら格下のチーム。それだけに、相手にはどこか隙があったのだろう」と分析する。しかし「そろそろ研究されてくるだろうとは思っていた」と予測もしていた。予感は的中し、前半は「ウチがディフェンスラインでボールを回せる分、パスを出すタイミングが遅れてしまった」と苦戦。後半はサイドからラインの裏に抜け出す形が出始めた結果、同点弾を決めて勝点1を獲得。「これからの試合はもっと大変になる。ただ、こういう試合を耐えたことはいい経験になったと思う。もう一度しっかりコンディションを整えて、流通経済大を迎え撃ちたい」と前を向いた。





 次節の第4節は、5月2日(木・休)に三ツ沢公園陸上競技場で早稲田大学と専修大学、柏の葉公園総合競技場にて筑波大学と明治大学が対戦。また、相模原ギオンスタジアムでは法政大学と桐蔭横浜大学が、埼玉スタジアム 2002 第2グラウンドで駒澤大学と東洋大学、浦安市運動公園陸上競技場にて順天堂大学と立正大学の試合が行われる。また、5月3日(金・祝)には龍ケ崎陸上競技場たつのこフィールドで流通経済大学と中央大学が対戦する。

 平成最後の関東大学リーグ戦となった第3節。流経大に5-0で快勝し、唯一の3連勝で"平成最後"の首位に立ったのは明大となった。その後を2勝1分の筑波大、中大が追いかける展開に。立正大も今節4得点を挙げるなど、2部から昇格した2チームが大奮闘を見せている。一方、いまだ勝利の波に乗れないのが桐蔭大、早大、流経大、専大、東洋大だ。特に東洋大は現在3連敗、3戦すべて0-1の惜敗となっており、この連休中に悪い流れを断ち切りたいところ。次節ではどんな熱いプレー、スーパーゴールが観られるか、期待したい。

 平成から令和に代わる10連休、関東リーグは3連戦と、体力的にも精神的にも勝負の期間だ。各チームがどれだけ体調管理、モチベーションの維持をしっかりできるかが重要な鍵となる。いかにしてこの3連戦をものにできるか。今、チーム力が試されるとき――。
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