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『「アミノバイタル®」カップ2020 第9回関東大学サッカートーナメント大会』2回戦マッチレポート

2020/10/06



 『「アミノバイタル®」カップ2020 第9回関東大学サッカートーナメント大会』は9月29日(火)に2回戦の8試合が行われた。


桐蔭横浜大学 対 筑波大学 @RKUフットボールフィールド


 1回戦で大量5得点を奪い勢いに乗る桐蔭横浜大学と、こちらも3得点で順当に勝ち上がった筑波大学の一戦。

 9月23日(水)に行われた天皇杯2回戦と同じカードとなった試合。筑波大が先制した天皇杯とは異なり、この日は桐蔭大が試合の主導権を握る。桐蔭大は川崎フロンターレ内定の6番・橘田健人、モンテディオ山形内定の9番・松本幹太を中心とした攻撃で、セカンドボールを次々と拾いチャンスを演出。一方の筑波大は、GK1番・櫻庭立樹を中心とした粘り強い守備で、桐蔭大にゴールを割らせない。試合が動いたのは25分。桐蔭大は10番・鳥海芳樹から6番・橘田とパスをつなぎ、左サイドの5番・岩下航へ。5番・岩下はクロスを上げると、ペナルティーエリア内の11番・篠原友哉がDFを背負いながらワントラップ、そして反転して左足でシュート。これがGKの頭上を越えてゴールネットを揺らし、桐蔭大が先制する。その後も桐蔭大が攻め続けるが、2点差には広げられたくない筑波大があと一歩のところで決定機を作らせず、1-0のまま桐蔭大リードで前半を終える。

 後半開始直後は筑波大がボールを保持するものの、桐蔭大の安定した守備陣をなかなか崩すことができない。すると55分、桐蔭大は相手DFのクリアボールを拾った5番・岩下が、ゴール前に走り込んだ11番・篠原へ浮き球のパス。11番・篠原は、ダイレクトで前に飛び出してきたGKの頭上を越す芸術的なループシュートを放ち、桐蔭大が追加点を挙げる。失点後、筑波大は立て続けに交代選手を投入するが、桐蔭大の危なげない試合運びを前に決定機を作れない。終始桐蔭大ペースで進んだ試合は11番・篠原の2ゴール、5番・岩下の2アシストで桐蔭大が完勝。見事天皇杯のリベンジを果たした。準々決勝では関東リーグ2部で首位を走る流通経済大学と対戦する。




作新学院大学 対 日本大学 @RKUフットボールフィールド


 PK戦の末に国士舘大学に勝利した、1回戦の勢いそのままにベスト8を狙う作新学院大学と、1回戦同様安定した守備で確実に勝利を目指す日本大学の一戦。

 序盤は両者落ち着いた展開を見せた。試合が動いたのは25分。センターサークル付近でロングスローを受けた日大32番・西山蓮平が4番・山崎舜介へパス。そこからドリブルでペナルティーエリアに侵入した4番・山崎が、相手からのファウルを受けペナルティーキックを獲得する。これを8番・大森渚生が落ち着いて決め、日大が先制する。その後は、先制した日大ペースで進み、35分には右サイドでパスを受けた18番・近藤が相手GKと一対一となりシュートを放つ。しかしこれは惜しくも防がれて追加点とはならず。また前半終盤には8番・大森のコーナーキックがそのままゴールするかと思われたが、作新大のGK1番・藤田陽輔がファインセーブでゴールを割らせない。結局、前半は日大が1点リードのままで終わった。

 前半わずかシュート1本に抑えられた作新大は、52分に8番・江口隼人を投入して好機を窺う。ロングボールを起点とした攻撃で日大のゴールを脅かすなど、攻撃に厚みが増した作新大に対して、日大は守備に回る時間が増加。しかしGK12番・大滝昌広を中心とした堅い守りで最後までゴールを守り切った。試合は0-1のまま終了。後半は日大の倍となる4本のシュートを放った作新大だが、ネットは揺らせず惜しくも敗退となった。日大は次戦となる準々決勝で、都県リーグ所属チームで唯一勝ち残っている東海大学と対戦する。




駒澤大学 対 流通経済大学 @RKUフットボールフィールド


 リーグ戦から大幅にメンバーを変えて1回戦に臨み、見事勝利した駒澤大学と、関東2部リーグを首位で折り返し、勢いに乗る流通経済大学の一戦。

 試合開始から駒大は29番・宮崎鴻をターゲットにボールを放り込むが、流経大もベガルタ仙台内定の12番・アピアタウィア久、14番・安居海渡が競り合ってセカンドボールを回収。地上戦に持ち込むことで駒大にペースを握らせない。サイドを起点に試合を組み立てる流経大は14分、右サイドからグラウンダーのクロスを入れると、駒大DFがこれに触る。しかしそのこぼれ球を18番・熊澤和希が拾い、落としたボールを5番・宮本優太が右足でサイドネットに突き刺す。先制点を挙げたあとは、流経大の一気にペースを握り、ボールを支配する展開となった。前半終了間際の43分には、またも右サイドから勢いよくオーバーラップをしてきた5番・宮本にスルーパスが通る。右サイドの深いところからあげたクロスは、左サイドから走り込んできた3番・佐々木旭がヘディングで合わせるが、これは駒大DFがブロック。しかし、そのボールを3番・佐々木自らが拾い、左サイドをドリブルで切り込み中に折り返す。このボールを11番・満田誠が受け、駒大DFをかわて左足でゴールに押し込み流経大が追加点。完璧な試合運びをした流経大が、0-2で試合を折り返した。

 後半も流経大の勢いは変わらず、52分には10番・伊藤敦樹の自陣からのロングフィードを、9番・加藤千尋が左サイドでキープし、6番・佐藤響にボールを渡す。ドリブルで中に切り込んだ6番・佐藤は、シュートコースができたところを右足一閃。シュートをネットに突き刺し、0-3と駒大を突き放す。このままでは終われない駒大は62分、30番・森本ヒマンを投入して前線にボールを放り込む。すると流経大は徐々にセカンドボールを失い、押し込まれる時間帯が続く。ペースをつかみ始めるも、なかなかチャンスを作れなかった駒大だが、85分にこぼれ球の奪い合いを制した10番・薬真寺孝弥がワンタッチで左に展開したボールを、途中出場の14番・米田大介がフリーの状態で受け取る。14番・米田が落ち着いて上げたクロスに、18番・土信田悠生が頭で合わせて駒大がついに1点を返す。試合終盤には、流経大が駒大陣地でボールをキープして時間を使おうとするが、駒大は一貫してロングボールを使うなどして押し込む。89分、駒大はロングボールのこぼれ球を9番・矢崎一輝が拾い、流経大GKと1対1のチャンス。だが放ったシュートはゴールポストに嫌われて得点ならず。後半は流経大のゴールを脅かし続けた駒大だったが、反撃もここまで。決めるべきところできっちりと決めた流経大が、1-3で駒大を破りベスト8に駒を進めた。




明海大学 対 東洋大学 @RKUフットボールフィールド


 1部リーグの順天堂大学を相手に下剋上を果たして勢いに乗る明海大学と、1回戦では苦手な明治学院大学を下した勢いで2回戦の壁を越えたい東洋大学の一戦。

 序盤に主導権を握ったのは千葉県リーグ所属の明海大。後方からパスを繋ぐ東洋大学に対し、タイトにプレッシャーをかけて自由を与えない。攻めては17番・青山慶紀と14番・三浦康希の左サイドのコンビネーション、そして9番・畠山航太のキープ力を活かしてチャンスを演出。17番・青山のクロスに9番・畠山のヘディングがバーを叩くなど、立ち上がりから東洋大ゴールを脅かす。一方、不安定な立ち上がりを見せた東洋大だったが、徐々にペースを掴み始める。思うような攻撃を組み立てられないものの、14番・横山塁の突破から何度となくゴールへと迫る。前半の終盤には明海大のプレスをかいくぐってカウンターのチャンスを演出。11番・野本幸太がドリブルで持ち込んでシュートを放つが、これは惜しくもポストに嫌われてしまう。諦めず、こぼれ球に7番・中村陸が反応するもゴールとはならず。互いになかなかシュートまでたどり着けないまま、スコアレスで前半を終えた。

 後半は両チーム早い時間帯から交代カードを切った。明海大は警告を受けていた10番・片岡潤也を下げて33番・松島優太を、東洋大は前線の選手に代えて10番・室井彗佑や24番・佐々木銀士、28番・高柳郁弥を投入。すると76分、東洋大は10番・室井が中央やや左でフリーキックを獲得する。キッカーは11番・野本。ニアサイドを狙ったシュートは壁を越えてゴールネットを揺らし、ついに東洋大が均衡を破る。これで勢いに乗った東洋大は続く80分にもコーナーキックのチャンス。11番・野本のボールに4番・土田直輝がヘディングシュートを叩き込む。シュートはゴール左隅へと吸い込まれ、キャプテンの今季公式戦初ゴールで、東洋大が貴重な追加点を挙げる。流れを引き戻したい明海大は83分、9番・畠山のパスに20番・富岡大智が抜け出すと、折り返しのクロス。最後は32番・菅野智博が合わせ、途中出場の2人が1点を返した。しかし東洋大は試合を締め括るかのように3番・板倉洸をピッチへ送り出し、最終ラインの枚数を増やす。そして守備を堅固にしたまま時計の針を進め、1-2で試合終了。東洋大が後半に勝負強さを見せ、1部・法政大学が待つ準々決勝に進出した。




早稲田大学 対 立教大学 @RKUフットボールフィールド


 リーグ戦での好調な戦いぶりを維持し勝利を収めたい早稲田大学と、1回戦で1部リーグの中央大学を破った勢いでベスト8に駒を進めたい立教大学の一戦。

 冬の全国大会出場を懸け、ともに中1日で迎えた2回戦。立ち上がりは双方攻め手を欠き、拮抗した展開が続いた。16分には早大GK、1番・山田晃士のロングフィードに抜け出した2番・阿部隼人が右サイドを駆け上がってシュートを放つが、得点には至らず。時間の経過とともに早大がボールを握り、終始ゲームを支配するものの、両チームとも決定的なチャンスを迎えることなく前半を終えた。

 前半をシュート0本で終わった立教大だったが、後半、風上に立つとペースを握り始める。33番・宮倉樹里杏のロングシュートをはじめ、18番・桐蒼太もシュートを複数本放つなど、運動量で早大を上回り、数多くのチャンスを演出。しかし後半も両チーム共にゴールは生まれず、試合は0-0のまま延長戦に突入した。

 延長戦も互いに集中した守備でゴールを許さず、120分を戦っても決着は付かない。結局、勝敗は運命のペナルティーキック戦に委ねられることとなった。先攻の早大は4人全員が成功したのに対し、後攻の立教大は3人目のキックを早大GK、1番・山田がストップ。すると続く4人目も失敗し、4-2の早大勝利で幕を閉じた。

 前期リーグを1部3位で終えた早大相手に、勇猛果敢に立ち向かった立教大だったが、最後はペナルティーキック戦で力尽きた。一方、早大は全国大会出場に向けて大きな一勝を掴み、準々決勝に駒を進めた。



法政大学 対 拓殖大学 @流通経済大学サッカー場


 全国大会タイトル獲得に向け、ベスト8へ駒を進めたい法政大学と、1部リーグ所属大学相手に奮闘したい拓殖大学との一戦。

 最初にチャンスを掴んだのは拓大だった。7分、拓大は28番・朝倉廉が鋭いシュートを放つも、法大のGK、12番・近藤壱成の好セーブでチャンスを逃す。すると22分に法大が試合を動かす。相手陣左サイドの深い位置から16番・陶山勇磨が上げたクロスに、ゴール前にいた27番・久保征一郎が高い打点で合わせ、ゴール左に叩きつける。これが先制点となり、法大が1-0とリードして前半を終えた。

 しかし拓大もこのままでは終われない。後半に入りたびたびチャンスを作っていた法大が、65分、ついに追いつく。8番・奥村晃司の右コーナーキックをゴール前の10番・田中幸大が頭で合わせる。これは法大GK、12番・近藤がクリアするものの、ゴール右で10番・田中が再びボールを拾い、右足を振り抜く。放ったシュートは、ファーサイドのポスト内側にあたり、そのままゴールに吸い込まれた。その後は両チームとも決定機を迎えるものの、ゴールまでは至らず試合は延長戦へ突入した。

 延長戦に入ってもスコアは動かず、残りわずかとなった110分に法大は最後の交代カードを切る。9番・平山駿に代えて15番・飯島陸を投入。するとこの交代が試合を決める結果に。112分、法大はGKの12番・近藤からのパスを23番・関口正大が受け、自陣右サイドから前線へと展開。それに反応したのは15番・飯島。裏へと抜け出すと、ワンバウンドしたボールを胸トラップ。相手GKと一対一になったところで、右足を伸ばしてシュート。ボールは相手GKの右をすり抜けてゴールネットを揺らした。これが決勝点となり、120分間の激闘の末、法大が2-1で勝利を収めた。


東海大学 対 青山学院大学 @RKUフットボールフィールド


 前回王者の明治大学を倒し、今大会のダークホースとなっている東海大学と、1回戦が不戦勝となったためこの試合が初戦となる青山学院大学の一戦。

 東海大は昨季関東2部リーグ所属のため、両者の対戦は昨季の関東リーグ以来となる。試合は東海大が前線からの激しいプレスや競り合いを見せ、好調な滑り出しを見せる。すると14分、東海大は右サイドバックの2番・面矢行斗の左足から蹴りこまれたアーリークロスに、8番・砂金大輝が反応。上手くボールを収めると、相手DFに囲まれながらもニアの狭いコースを右足で狙う。このシュートが決まり、東海大が早い時間に先制する。勢いに乗る東海大はさらに攻勢を強めるが、青学大もGK1番・大原悠太朗を中心とした粘り強い守備でゴールを死守。東海大に追加点を許さない。

 1点を追うと青学大は後半に勝負をかける。後半頭から16番・鈴直樹、59分にはチャンスメーカーの7番・小畑慶太郎を投入し、流れを引き寄せようとする。しかし東海大は、3番・佐藤颯人のクレバーな守備や、5番・水越陽也の激しい対人・空中戦で青学大の攻撃を完全にシャットアウト。攻撃では9番・鈴木大智や13番・本多翔太郎の両ウイングが終盤に入っても衰えることのない仕掛けで青学大を押し込む。結局、青学大は後半にシュートを1本も放つことなく試合終了。東海大はこの試合も相手に得点を許すこと無くクリーンシートで勝利を収め、県リーグチームとしては唯一のベスト8入りを果たした。




慶應義塾大学 対 立正大学 @流通経済大学サッカー場


1部リーグチーム同士の対戦。1回戦を危なげなく勝利した慶應義塾大学と、前回大会準優勝校で、今大会は王座を目指して戦う立正大学の一戦。

 前期リーグ開幕戦でも対戦した注目の一戦は、立ち上がりから立正大がロングボールを使ってチャンスを窺う展開となった。立正大は13番・坂井剛や17番・榊原杏太がシュートを放つが、慶大のGK、31番・小林将太のファインセーブで得点には至らず。それでも立正大は終始ボールを支配して相手ゴールを狙う。すると27分、慶大DFのクリアボールを7番・梅村豪が素早い予測で奪取。11番・田中宏武につなぐと、11番・田中がこれを得意のカットインからゴール前に鋭いクロスを挙げる。それに18番・平松昇が頭で合わせ、立正大が先制点を挙げる。立正大はその後も堅い守備でゴールを守り、慶大のシュートを0本に抑えると、1点リードのまま試合を折り返した。
ビハインドを追う慶大は、後半に入ると積極的に攻撃を仕掛けてゴールを目指す。58分にはキャプテンの10番・松岡瑠夢を投入。慶大ペースの時間が続き、2番・小山内慎一郎の絶好のクロスボールに、18番・飯塚亮貴が高さを活かしたヘディングで合わせるが、これは立正大GK、1番・深谷圭佑がファインセーブ。立正大も堅い守備で慶大に得点を許さない。結局、なかなかシュートまでもちこめなかった慶大は、後半もシュート2本に抑えられて完敗。前半の1点を守り抜いた立正大が勝利し、前期リーグ3位の早稲田大学が待つ準々決勝に駒を進めた。



 2回戦が終わり、残ったのは関東リーグ1部チームが4、2部リーグが3、県リーグが1という数字になった。上位進出が既定路線と思われていた1部チームの半数以上が敗れ、2部が3チーム残る予想外の結果に。そして1番のサプライズとなったのが、都県リーグプレーオフを勝ち抜いた、神奈川県リーグ所属の東海大学だ。初戦で昨季王者・明治大学に勝利した勢いをそのままに、2回戦の青山学院大学戦も勝利。今大会で一番のダークホースとなっている。一方で流通経済大学も格上の駒澤大学相手に3-1と快勝。他にもリーグ戦で下位に沈む日本大学が、1回戦でジャイアントキリングを達成し、勢いのある作新学院大学から勝利をおさめるなど、「アミノバイタル®」カップらしい、予想もつかない展開が繰り広げられている。

 次は、ついにベスト4が決まる準決勝戦。勝てば、今冬に開催される全国大会への出場が確定する。1部と違い、リーグ戦の戦績が全国大会出場に反映しない2部、県リーグのチームにとっては、これ以上ないチャンスの場。はたして全国大会出場の切符を手にするのはどのチームか。
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