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JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦・1部第22節マッチレポート

2021/02/03


 「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦」1部リーグ第22節は、12月19日(土)に4試合、12月20日(日)に1試合、そして12月25日(金)に延期分の1試合が行われた。


早稲田大学 対 法政大学 @AGFフィールド


 勝点3を確実にとって優勝に望みを繋げたい早稲田大学(勝点44・暫定2位)と、リーグ戦復帰後は負けなし、この勢いのまま全国大会出場を目指す法政大学(勝点27・暫定6位)の一戦。

 早大は1部リーグ優勝、法大は全国大会出場を懸けた大一番。試合は開始から、互いに拮抗した展開が続いた。しかし24分、法大が動く。6番・松井蓮之がピッチ中央の混戦から抜け出すと、前を走る15番・飯島陸に浮き球のパス。この難しいボールを冷静にコントロールした15番・飯島が、そのままゴール前まで持ち込んでゴール。15番・飯島の2試合連続ゴールで法大が先制する。対する早大も攻撃の形を作ろうとボールを回すが、ゴールまでは遠い。さらに前半終了間際の45分には、28番・丹羽匠がホイッスル後に相手に向かってボールを蹴ったという判定でレッドカード。28番・丹羽の退場で、早大は10人での戦いを強いられることになった。

 後半、1人少ない早大は、しかしチーム全員の運動量を増やして法大ゴールに迫る。4番・鍬先祐弥が身体を張った守備でボールを奪うと、10番・加藤拓己が鋭いシュートを放つ。しかしポストに嫌われ、ゴールを割ることができない。やがて落ち着いてきた法大が1人多い状況をうまく利用して早大に対応。78分には、14番・田部井涼のクロスを10番・長谷川元希が頭でそらし、最後は11番・服部剛大が力強いシュートを放ち追加点。2点を追う早大が最後まで粘るものの、法大の堅い守備を崩せず、0-2で試合が終了した。

 早大はこの敗戦により1部リーグの準優勝が確定。首位・明大の結果を待つことなく優勝を逃すこととなった。勝った法大は同時刻に他会場で行われた駒澤大学、立正大学がともに敗戦したことで、最後の最後に全国大会出場を決めた。




順天堂大学 対 中央大学


 直近の第21節では立正大学に敗戦。最終節で勝って『#atarimaeni CUP』に向け弾みをつけたい順天堂大学(勝点35・暫定4位)と、既に2部リーグ降格が決まっているが、今季最後の試合で有終の美を飾りたい中央大学(勝点9・暫定12位)の一戦。

 寒空の下で行われた一戦は、両チーム攻め手を欠く立ち上がりとなった。ともに攻撃の糸口を掴めず、中大は15番・岡井駿典と22番・鈴木翔太、7番・髙岸憲伸のコンビネーションで左サイドを打開しようと試みるも、シュートまでもちこむことができない。対する順大は4番・寺山翼を中心としたビルドアップからチャンスを窺うが、こちらも決定機までは至らない。しかし順大は、18番・大森真吾の卓越したポストプレーを起点として徐々にチャンスを作り始め、30分に中央でパスを受けた23番・白井海斗が、18番・大森に芸術的なループパス。DFの背後に抜け出した18番・大森がゴール左隅に冷静に決め、順大が先制する。

 後半は、1点を追う中大が早々から多くのチャンスを作る展開となった。特に25番・山崎希一は前半から多くのシュートを放ち、中大の攻撃の中心を担う。7番・髙岸も豊富な運動量を武器に攻守両面で奮闘。すると73分、中大は15番・岡井のパスから7番・髙岸が抜け出すと、対峙するDFを切り替えしてシュート。これがゴールネットを揺らし、試合は振り出しに戻った。その後試合は再び膠着状態となるが、85分に順大の16番・小林理駆のパスを受けた23番・白井がドリブルで突破。そのままシュートを放つと、これがポストに当たりながらもネットを揺らし、順大が値千金の勝ち越し弾を決める。さらに90分には、左サイドからのクロスが相手DFのハンドを誘い、ペナルティーキックを獲得。これを途中出場の26番・新関成弥が落ち着いて決め、試合を決定づける3点目。リードを2点とした順大が、3-1で勝利を収めた。順大はリーグ戦全22試合を消化し、勝点38で3位が確定。一方、敗れた中大は2勝17敗3引き分けで最下位と失意のシーズンに。来季は2部リーグから再起を図る。


立正大学 対 専修大学


 直近の第19節延期分での勝利に続く連勝で、一つでも順位を上げ全国大会出場を目指す立正大学(勝点27・暫定7位)と、4試合連続無敗、さらに直近の2試合はクリーンシートで今季初の連勝と絶好調、逆転での1部リーグ残留を狙う専修大学(勝点17・暫定11位)の一戦。

 全国大会出場と1部リーグ残留を懸けた一戦は、激しいゴールの奪い合いとなった。先制は立正大。18番・平松昇がコーナーキックのこぼれ球を拾ってゴール前に放り込むと、これを専大DFが弾ききれず、立正大4番・孫大河が左足のボレーで突き刺した。一方の専大は9番・遠藤翔太と、前節で決勝点を挙げた16番・村上千歩が2本ずつのシュートを放つも、決定機には至らず。前半は、主導権を握り続け立正大の1点リードで終了した。

 後半も開始直後から立正大が攻め立てる。61分には18番・平松が、敵陣深くからドリブルを開始。14番・冬至直人とのワンツーから前線に抜け出すと、最後は左足でファーサイドに突き刺して2点目を挙げて2-0に。このまま立正大ペースで進むかと思われたが、ここから専大が逆襲を開始する。まずは失点直後の63分、専大はペナルティーエリア付近でフリーキックを獲得。10番・鈴木龍之介のシュートはバーに当たったものの、そのこぼれ球を16番・村上が頭で押し込み2-1に。1点差に詰め寄ると、71分には19番・清水綾馬からのロングボールに上手く抜け出した18番・吉田和拓がシュート。これは立正大GKに防がれるが、そのこぼれ球に14番・郡司侑弥が反応。ダイレクトで押し込み、ついに同点に追いつく。勢いに乗る専大はその後も波状攻撃を仕掛け、78分に19番・清水の右サイドからのクロスに14番・郡司が合わせてヘディングシュート。一度は立正大GKにセーブされるが、こぼれ球に反応した3番・鳥羽隼が押し込んで逆転に成功する。専大の挙げた3点はいずれもシュートのこぼれ球に詰めたもの。1部リーグ残留への気迫を見せつけ、執念の逆転となった。専大は最後までゴールを狙い続け、90+1分には立正大の攻撃を跳ね返したクリアボールを、14番・郡司が競り勝って18番・吉田につなぐ。18番・吉田は中央にボールを送ると、走り込んだ9番・遠藤がワンタッチで合わせてダメ押しの4点目。その後はロングボール主体となった立正大の反撃を抑えて試合終了。2点ビハインドをひっくり返した専大が怒涛の3連勝。この日試合のなかった10位・筑波大学との勝点差を2に縮めた。他力本願の状況ではあるが、延期分の結果いかんでは1部残留の可能性を残した。一方の立正大は、後半半ばまで理想的な試合運びを見せるものの、終盤に攻め立てられて逆転負け。わずかに可能性が残っていた全国大会出場権も潰えてしまった。


駒澤大学 対 慶應義塾大学


 残る延期分の3試合に向け、勝って流れに乗りたい駒澤大学(勝点29・暫定5位)と、連敗をストップし有終の美を飾りたい慶應義塾大学(勝点23・暫定9位)の一戦。

 連敗を阻止したい両チームの一戦。先にチャンスを掴んだのは駒大。8分、7番・荒木駿太のドリブルからつないだボールを27番・島崎翔輝が落として30番・森本ヒマンへ。しかし、放ったシュートはゴール左に外れる。続いて14番・米田大介もシュートを打つが、なかなか得点には至らない。対する慶大は、7番・杉本崇太朗が相手の隙をうかがいながら、21分にシュートを放つが駒大のGK、21番・鈴木悠太に阻止されてしまう。ボール支配率は五分と五分、どちらが先制してもおかしくない状況だったが、チャンスをモノにしたのは慶大だった。31分、7番・杉本から10番・松岡瑠夢へと繋ぎ、最後は9番・古川紘平が左足でシュート。これが決まり、慶大が先制する。慶大は前半終了間際の42分にもコーナーキックを獲得。30番・山本献が難しい角度に飛んできたボールを力強くキックしたが、ゴールを大きく外してしまう。結局、慶大が1点リードのまま前半を終えた。

 後半に入り、負けられない駒大は10番・薬真寺孝弥、14番・米田、交代出所湯の17番・藤原拓海が立て続けにシュートを放つが、ゴールとはならず。すると77分、慶大は15番・中畝楓流からの浮き球を受けた27番・立石修也がゴールを決めて2-0に。27番・立石の交代直後のゴールで、慶大が駒大を突き放す。駒大も粘り強くチャンスを狙うが、ゴールを割れないまま試合終了。確実にチャンスを得点につなげた慶大が、見事有終の美を飾った。一方、駒大は延期分となる残り3試合に向けて課題が残る結果となった。


明治大学 対 桐蔭横浜大学 @味の素フィールド西が丘


 昨季は三冠を達成し今季も首位争いを続けた明治大学(勝点47・暫定1位)と、昨季はリーグ戦、インカレのタイトルをことごとく明大に阻まれた桐蔭横浜大学(勝点36・暫定3位)の一戦。

 前日に行われた試合で、2位の早稲田大学が法政大学に0-2で敗戦。この試合を戦う前に明大の優勝が決定した。そのため、入場シーンでは桐蔭大のスタメン11名が花道を作る「ガードオブオナー」で明大のスタメンを迎え、その優勝を称えた。和やかな雰囲気でキックオフを迎えた両チームだが、試合が始まると随所で激しいボールの奪い合いに。試合が動いたのは7分。リーグ戦王者となった明大が桐蔭大ゴール前に迫り、混戦状態に。こぼれたボールを拾った18番・杉浦文哉が、11番・佐藤凌我にパス。11番・佐藤は強烈なシュートをニアサイドに叩き込み、明大が早い時間に先制する。GKからのビルドアップでボールを繋ごうとする桐蔭大に対して、明大は前線からハイプレッシャーで桐蔭大を追い詰める。しかし立ち上がりこそ明大のプレッシャーに押され気味だった桐蔭大も、時間が経つにつれて攻撃を開始。両者がそれぞれの持ち味を出す見応えのある試合を展開する。

 1-0の明大リードで迎えた後半も、前半と同様両者の力が拮抗する展開となった。タイトな守備から素早いショートカウンターを仕掛ける明大と、後方から正確にボールを繋ぐ桐蔭大。すると58分、明大2番・常本佳吾のバックパスを桐蔭大の26番・山田新がカット。ドリブルでペナルティーエリア正面まで持ち運び、ゴール左へとシュートを放ち同点に。明大は失点直後の59分、先制点をアシストした18番・杉浦に代えてギラヴァンツ北九州内定の9番・狩土名禅を投入。前線に高さを加えて追加点を狙う。対する桐蔭大も60分にモンテディオ山形内定の9番・松本幹太をピッチに送り出す。交代起用が功奏したのは桐蔭大。64分、左サイドでボールを受けた9番・松本が中央の26番・山田へパスを送る。ボールは右へと流れたが、それを粘り強く拾った26番・山田が、ゴール正面にシュート性のパスを入れると、これが10番・鳥海芳樹の足元へとピタリ。冷静に押し込んで、桐蔭大が逆転に成功する。桐蔭大は続く67分にも得点。左サイドで明大のボールを拾った6番・橘田健人が、利き足とは逆の左足で前線にパスを送ると、これが明大DFの頭を超えて8番・加々美登生へ。明大GK1番・早川友基もすかさず飛び出すが、8番・加々美が一瞬先にボールに触り、GKの頭上を越すループシュートを決めて1-3に。桐蔭大が10分間で3ゴールを挙げ、明大を引き離す。桐蔭大は72分にも直接フリーキックを獲得すると、6番・橘田がゴール正面に絶好のキック。4番・鍋田純志が頭で合わせるが、これは明大GK1番・早川が好セーブ。畳みかける桐蔭大は78分、センターバック4番・鍋田のロングボールに同点ゴールを決めた26番・山田が抜け出し、GKと一対一に。だがシュートはわずかにゴール左へ逸れ、さらなる追加点とはならなかった。しかし王者・明大もこのままでは終わらせなかった。79分、中盤から8番・力安祥吾が浮き球のパスを入れると、10番・小柏剛がこれに反応。ドリブルで相手をかわすと、強烈な左足シュートを突き刺す。これが決まり、明大が1点差に詰め寄る。猛攻を続ける明大は試合終了間際の87分にもチャンスを作る。交代で入った6番・住永翔を起点に、12番・岡庭愁人、そして10番・小柏とつなぐと、10番・小柏がボールをコントロールして3点目。試合終盤に小柏が挙げた2得点で明大が追いつき、3-3で試合終了。最終節を飾ることはできなかったが、明大が2年連続関東リーグ王者の意地を見せた。




国士舘大学 対 筑波大学


 今季最後の試合を勝ちで終わらせたい国士舘大学(勝点29・暫定7位)と、引き分け以上で1部リーグ残留が決定する筑波大学(勝点22・暫定10位)の一戦。

 筑波大が天皇杯5回戦に進出したことから延期されていた第22節最後の試合は、クリスマスの寒空の下での熱いナイトゲームとなった。年明けから開幕する『#atarimaeni CUP』に出場しない国士大にとっては、これが今シーズン最後の試合。大学サッカー最後の試合となる4年生のためにも、勝利でシーズンを締めくくりたい。一方の筑波大も天皇杯の敗退から切り替えて1部リーグ残留を確定させたいところ。局所でインテンシティの高いデュエルが展開されるが、国士大がボールを支配する時間帯が続いた。筑波大も前線の11番・森海渡を主たるターゲットに、長短のボールを折り混ぜながらゴールを狙う。国士大は前半に4本のシュートを放つものの、GKの1番・櫻庭立樹を中心に堅守を貫く筑波大のゴールをこじ開けることができない。対する筑波大も、前半のシュートわずか1本。結局、スコアレスのまま試合を折り返した。

 後半に入ると筑波大は65分に33番・庄司夢ノ介、76分に13番・和田育、5番・井川空と次々に交代選手を投入し、攻撃の活性化を図る。対照的に国士大はメンバーを交代することなく、7番・澁谷雅也、9番・新井晴樹、11番・梶谷政仁を中心とした攻撃陣が、幅を使った攻撃で筑波大ゴールに迫るが、ゴールラインを割ることができない。90分には交代で入った筑波大の13番・和田のシュートがバーを叩くも、これは国士大1番・田代琉我がファインセーブ。両者得点を予感させるプレーはあったものの、あと一歩のところで得点力を欠き、0-0のまま試合終了。勝点1を分け合う結果となった。同時刻に開催されていた延期分の駒澤大学と専修大学の一戦で、残留を争っていた専大が敗れたため、筑波大の1部リーグ残留が決定した。



 例年より3か月遅れて始まった「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦」もついに最終節を迎えた。今季の優勝争いは最終節までもつれこみ、最後まで熱戦が繰り広げられた。優勝争いを制したのは、昨季も圧倒的な強さを誇った明治大学。2年連続、6回目の優勝を果たした。『「アミノバイタル®」カップ』で準優勝に終わった早稲田大学はリーグ戦でもあと一歩及ばず、優勝を逃す結果に。また今季は優勝争いだけでなく、全国大会出場枠をかけた戦いも最終節まで続いた。最後の1枠を見事に掴んだのは法政大学。法大は部内でクラスターが発生し、部活動の活動停止を余儀なくされていたが、リーグ戦復帰後5試合で勝点13を積み上げ、破竹の勢いで全国大会出場へと上り詰めた。一方、中央大学と専修大学は2部リーグへの降格が決定した。
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