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JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦・1部第21節マッチレポート

2020/12/18


 『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦』1部第21節は、12月9日(水)に1試合、12月12日(土)に5試合が行われた。


早稲田大学 対 筑波大学


 首位をキープするためにも負けられない早稲田大学(勝点41、暫定1位)と、この試合に勝利し、天皇杯に向けて弾みをつけたい筑波大学(勝点22、暫定8位)の一戦。

 筑波大が天皇杯4回戦に進出したため日程を前倒しにして行われたこの試合は、早大が序盤からテンポよくパスをつないで主導権を握った。29分には3番・柴田徹のスルーパスに反応した2番・阿部隼人が裏への抜け出しに成功。グラウンダーのクロスをあげると、これは一度筑波大DFに触られるものの、こぼれたボールを50番・奥田陽琉が押し込んで先制。ルーキーのゴールで先手を取った早大は、続く38分にも右サイドで4番・鍬先祐弥がボールをインターセプト。それを28番・丹羽匠が拾いクロスをあげると、クロスは筑波大DFの頭上を越えて38番・西堂久俊の元へ。受けた38番・西堂は、筑波大DFをひとりかわして冷静にゴールを決め、2-0と筑波大を突き放した。

 早大の攻撃はまだ止まらない。後半が始まってすぐの48分には、50番・奥田、13番・杉田将宏とダイレクトで繋ぎ、杉田からのスルーパスに抜け出した38番・西堂がアウトサイド気味に回転をかけたシュートを突き刺す。38番・西堂の、この日2点目となるゴールで3-0とリードを広げる。一方、前半のシュート本数はわずか1本と押され気味だった筑波大。だが後半は立ち上がりから、正確なキックを持つ23番・森侑里、5番・井川空ら両センターバックを中心に攻撃を組み立て、前線でチャンスを作り始める。すると56分、23番・森が6番・三浦雅人に正確なボールを供給。前を向いた6番・三浦からのスルーパスに抜け出した12番・田嶋翔が、早大GKに触られながらもゴールに流し込み1点を返す。筑波大はここから巻き返しを図るべく、65分に10番・生地慶充、20番・栗原秀輔、27番・瀬良俊太ら3選手を一気に投入。交代選手のプレーからチャンスを生み出すが、追加点につなげることができない。早大も、2022年シーズン清水エスパルス内定・10番・加藤拓己と19番・倉持快を同時に投入。さらなる追加点狙う姿勢を見せるが、ネットを揺らすことはできず、3-1で試合終了。筑波大は意地の1点を返すが試合をひっくり返すことはできず、これで2連敗。一方の早大は優勝に向けて必要不可欠な勝点3を積み上げ、2位・明治大学の結果を待つこととなった。


順天堂大学 対 立正大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド


 全国大会出場に向け勝点3が欲しい順天堂大学(勝点35・暫定3位)と、1部リーグ残留のため何としても勝点3が欲しい立正大学(勝点21・暫定10位)の一戦。

 両チーム、立ち上がりからチャンスシーンを迎えた。まずは2分、立正大は相手のミスからボールを奪うと、18番・平松昇、13番・坂井剛と繋ぎ9番・小川大智がゴール前でシュート。しかしこれは順大GK1番・佐藤久弥のスーパーセーブで決めきることができない。すると6分、今度は順大の26番・新関成弥が16番・小林里駆とのパス交換からシュートを打つが、こちらも枠を捉えきれず。立正大は8分、フリーキックのこぼれ球を13番・坂井が、順大は16分に26番・新関のクロスを18番・大森真吾がシュートするが、ネットを揺らすことができない。両チーム、パスを繋ぎながら相手DFを崩すものの、決定機を決めきれずに0-0で前半を終了した。

 攻めあぐねた前半とは一転、後半は開始早々にスコアが動いた。55分、立正大は途中出場の11番・田中宏武が左サイドから中央に浮き球のパスを入れると、18番・平松がヘディングで折り返す。これをゴール前で待っていた9番・小川が右足で流し込み、立正大が先制する。立正大は直後の57分にも、11番・田中が左サイドからゴール前へクロス。これは相手DFに跳ね返されるものの、18番・平松が拾ってペナルティーアーク付近から左足を振り抜く。シュートはゴール右上に突き刺さり、立正大が2点のリードを奪う。まずは1点を返したい順大は58分に15番・長倉幹樹、67分に9番・上野瑶介を投入。すると74分、中央でパスを受けた18番・大森がドリブルで仕掛け16番・小林へ。16番・小林がさらにドリブルで突破をはかると、混戦の中でこぼれ球に反応した途中出場の9番・上野がゴール左に流し込み、その差を1点に縮める。残る時間は15分。順大は7番・杉山直宏、9番・上野、23番・白井海斗、4番・寺山翼がシュートを畳み掛けるが、どうしてもゴールを奪うことができず1-2で試合終了。立正大が1点のリードを守りきって勝利を収め、1部リーグ残留に一歩前進、そして全国大会出場に望みを残した。


桐蔭横浜大学 対 中央大学 @AGFフィールド


 全国大会出場権獲得に向け、勝点の取りこぼしは避けたい桐蔭横浜大学(勝点33・暫定4位)と、前節逆転負けを喫し、来季は3年振りに2部リーグを戦うことが決まった中央大学(勝点9・暫定12位)の一戦。

 桐蔭大は10番・鳥海芳樹と26番・山田新を中心に序盤から攻め立てる。開始直後の1分、背後からのスルーパスに26番・山田が抜け出すも、これはオフサイドの判定。12分には8番・加々美登生の浮き球のパスを10番・鳥海が胸トラップからシュート。枠を捉えきることはできなかったが、桐蔭大が序盤から積極的に仕掛けて中大を圧倒する。一方の中大は左サイドの22番・鈴木翔太が攻撃のキーマンに。切れ味抜群の足技で対峙するDFを翻弄し、果敢にクロスを上げる。20分、中大はゴール正面で直接フリーキックを獲得すると、7番・髙岸憲伸が左隅を狙うがボールは惜しくも枠の外へ。31分、中大のコーナーキックをクリアした桐蔭大は26番・山田が自陣でボールをキープ。そこから圧倒的なスピードでドリブルを開始すると、追いすがる中大DFを振り切って一気に中大ゴール前へ。最後はGKとの一対一をかわし、無人のゴールへとボールを流し込んだ。驚異的な速さと強さを見せた26番・山田のゴールで桐蔭大が先制する。追いつきたい中大は攻撃の姿勢を強める。34分には22番・鈴木が個人技で左サイドを制してクロスを上げるも、桐蔭大GK1番・早坂勇希がキャッチ。39分には26番・田邉光平がミドルシュートを放つがゴールを捉えきれず。44分には追加点が欲しい桐蔭大が逆襲。2番・浅野嵩人、10番・鳥飼、6番・橘田健人が華麗なパスワークで中大ゴールに迫るが、シュートで終わることができない。結局、桐蔭大が1点リードのまま前半を終えた。

 後半に入っても主導権は桐蔭大が握ったまま。48分、10番・鳥海が左サイドを独走しシュートまで持ち込むが、ここは中大GK21番・坪井湧也が片手でファインセーブ。その1分後の49分には、26番・山田が背後からのパスをダイレクトボレーで追加点を狙うが右に逸れ、決定機を活かしきれない。それでも51分、桐蔭大は26番・山田がペナルティーエリア内で倒されペナルティーキックを獲得。これを26番・山田自ら決めてリードを2点に広げる。攻め手を緩めない桐蔭大は前線から激しいプレスをかけ、中大に自由を与えない。中大は57分、怪我あがりのエース・10番・大久保智明を投入。すると右サイドの10番・大久保が起点となり中大にもリズムが生まれる。75分、左サイドの15番・岡井駿典のクロスに10番・大久保が飛び込んでダイビングヘッドを放つが、桐蔭大GK1番・早坂がナイスセーブ。中大が攻めあぐねていると、85分に桐蔭大が勝負を決定づける3点目を挙げる。25番・中野就斗のロングスローが相手のクリアミスを誘い、最後は8番・加々美が右足で押し込んだ。リードを3点とした桐蔭大は終盤、自陣で落ち着いてボールを回しタイムアップを迎える。随所に好プレーが見られた一戦は、全国大会に向けてモチベーションの高い桐蔭大が3得点・無失点と文句なしの内容で勝利。この結果、桐蔭大は4位内が確定し、全国大会出場を決めた。一方の中大は、何度となくチャンスを作りながらシュートで終わることができなかった。




明治大学 対 駒澤大学 @AGFフィールド


 延期分の法政大学戦で引き分け、首位の早稲田大学との勝点差が3に広がった明治大学(勝点41・暫定2位)と、およそ1ヶ月ぶりの公式戦となった駒澤大学(勝点29・暫定5位)の一戦。

 これが復帰戦となる駒大は消化試合数が少なく、明大とともに優勝の可能性を残している。絶対に勝点3を積み上げたい両者は序盤から激しい打ち合いとなった。まずは8分、駒大守備陣の背後を突いた10番・小柏剛がドリブルでボールを運ぶ。GKとの一対一を迎えた10番・小柏は、GKの股間を抜く技ありシュートを決めて明大が先制する。だが明大のリードは束の間、17分に駒大は左サイドの9番・矢崎一輝の浮き球のパスに走り込んだ27番・島崎翔輝がワンタッチでシュート。駒大がすぐさま追い付き、試合を振り出しに戻す。しかし23分、駒大がアクシデントに見舞われる。同点弾を挙げた27番・島崎が負傷交代で交代。すると28分、明大は右サイドに展開した6番・住永翔が上げたクロスに、9番・狩土名禅がGKとの競り合いに勝ってヘディングシュート。駒大DFは懸命に足を伸ばしてクリアしようとするが、わずかに届かずボールはゴールネットに吸い込まれて2-1に。再びリードを奪った明大は続く37分、コーナーキックを獲得。6番・住永のキックがファーサイドに流れると3番・佐藤瑶大が足を伸ばしてゴールへと押し込む。リードを2点に広げられた駒大は、29番・宮崎鴻を前線のターゲットにして反撃を開始。40分にはロングスローから29番・宮崎が胸トラップ。そこからシュートを放つが、これはGK正面。シュート数では駒大が上回るも、決定機を確実に決めた明大が2点のリードを奪って前半を終えた。

 後半に入ると明大がさらに攻撃のギアを上げる。52分、12番・岡庭愁人のコーナーキックを4番・蓮川壮大が頭で合わせて4点目。65分には、スルーパスに抜け出した途中出場の14番・持井響太が敵陣深くまで運んでラストパス。これを9番・狩土名がワンタッチで流し込み、この日2ゴール目となる、ダメ押しの5点目を挙げる。明大のパスワークに駒大は為す術もなく、60分を過ぎてからはロングボールを多用。29番・宮崎と18番・土信田悠生という長身の選手を前線に並べて攻め手を見出そうとするが、明大守備陣に弾かれてゴールにつながらない。得点ランキングトップを走る10番・薬真寺孝弥もこの日は不発。明大は68分には23番・田中克幸と25番・太田龍之介の1年生コンビを同時投入。終盤、明大の栗田大輔監督の「もう1点決めよう!」との指示通り、4点のリードを奪っても攻め手を緩めなかった明大が5-1で圧勝。90分に駒大18番・土信田のヘディングシュートがクロスバーを直撃するなどピンチはあったものの、3番・佐藤を中心とした最終ラインの統率力が光り、1失点に抑えた。これで首位の早大と勝点44で並んだ明大。残り1試合の早大に対し、2試合を残す明大が有利な状況で、最終節を迎えることとなった。




慶應義塾大学 対 専修大学


 少しでも勝点を重ねて1部リーグ残留を決めたい慶應義塾大学(勝点23、暫定7位)と、前節は無失点勝利。今節も勝利して1部リーグ残留に望みを繋げたい専修大学(勝点14、暫定11位)の一戦。

 1部リーグ残留のために勝点3が欲しい両チームの対戦。現在2部リーグ降格圏内の11位の専大は勝つしかない。主導権を握りたいところだったが、先に決定機を迎えたのは慶大。左サイドを突破した19番・宮本稜大がキーパーとの一対一に持ち込む。しかしこれは専大GK、28番・大野来生の好セーブに阻まれ得点には至らない。その後も慶大は攻撃の起点である14番・橋本健人が、ポジションを左右に動かして専大の守備陣を翻弄。慶大が優勢に試合を進めているかに見えたが、32分、その14番・橋本の左サイドからの突破を、専大の3番・鳥羽隼がカット。10番・鈴木龍之介へとつなぐ。10番・鈴木が折り返したところに合わせたのが16番・村上千歩。これがゴールネットを揺らし、専大が先制する。

 1点を追う慶大は、19番・宮本に代えて7番・杉本崇太朗を後半頭から投入。前線の選手交代でリズムを変えたいところだが、なかなかチャンスを作ることができない。対する専大も先制点を挙げた16番・村上に代えて、キープ力のある18番・吉田和拓を投入。しかしこちらもゴールまでは至らない。慶大はセットプレーから3番・酒井綜一郎のヘディングなどでゴールに迫るが専大も22番・加藤慎太郎を中心に集中力の高い守備でゴールを死守。結局、専大が最後まで1点を守り切り、0-1で試合終了。

 専大はこれで4戦負けなし。延期日程も含めた残り試合全勝が条件となるが1部リーグ残留に望みを繋げた。


国士舘大学 対 法政大学


 連敗の悪い流れを食い止め上位を狙いたい国士舘大学(勝点26、暫定6位)と、全国大会出場の可能性をかけもう1試合も落とせない法政大学(勝点21、暫定9位)の一戦。

 前半は、両チーム攻め合うものの、シュートまで持ち込めない展開が続いた。拮抗した展開の中、両チームなかなかチャンスを作りだすことができない。前半は法大が20番・佐藤大樹のシュート1本のみ、国士大はシュート0と低調な内容で終了となった。

 しかし後半に入ると、国士大が複数の決定機を得る展開に。法大GKのパスミスを見逃さず、ボールを拾った国士大の11番・梶谷政仁がシュートを打つもこれは枠の外。さらには中盤で法大のパスをカットし、最後は11番・梶谷がGKとの一対一に持ち込むが、シュートはまたしても枠をとらえられない。何としても勝利が欲しい法大は交代カードを切り、試合の流れを変えようとする。68分には23番・関口正大を右サイドハーフとしてピッチに投入。この起用が的中した。スコアレスで試合終了かと思われた89分、法大が試合を動かした。自陣でボールを拾った法大は、ピッチ中央で10番・長谷川元希がボールを運び、ハーフウェーラインを超えたところで、左サイドを駆け上がった11番・服部剛大にパス。11番・服部が左足で浮き球のクロスを上げると、ゴール前に走りこんだ9番・平山駿が左足でボールに触る。しかしこれはシュートとならず、ゴール右側への浮き球のパスに。すると、23番・関口がこのボールに反応。右サイドからゴール前に走り込むと合わせる、試合終了間際に待望の先制点を挙げる。法大は残り時間、この1点を守り切って試合は1-0で終了。法大が土壇場のゴールで勝利を収めた。

 法大はリーグ戦復帰以降3戦負けなしで、全国大会出場に望みをつないだ。一方の国士大はこれで3連敗。好機を作りながらも結果につなげることができなかった。



 第22節は、12月19日(土)にAFGフィールドにて13:30から早稲田大学と法政大学が対戦する。また、同日に順天堂大学と中央大学、立正大学と専修大学、駒澤大学と慶應義塾大学がそれぞれ対戦する。さらに12月20日(日)味の素フィールド西が丘にて12:00から明治大学と桐蔭横浜大学が対戦する。

 新型コロナウイルスの影響で7月に開幕した関東リーグの戦いも次節が最終節となった。早大は、前倒しで行われた筑波大との試合にきっちり勝利し、勝点を「44」に伸ばした。しかし、明大も暫定5位の駒大に5-1の快勝。また12月15日に行われた延期分の試合では中大相手に5-0で勝利し、勝点は「47」に。最終節を前に早大との勝点を3差に広げた明大が、優勝争いに王手をかける。一方、暫定9位の法大は先週の活動再開以降、12月15日に行われた延期分も含め4戦負けなしと好発進。優勝の可能性は消えたが、残る試合で勝利し全国大会出場権を掴み取ることができるか。次節は、優勝を手繰り寄せたい早大と全国大会出場を目指す法大が対決。早大はこの試合に勝つことが優勝の必須条件となる。どちらにとっても絶対に負けられない一戦となるだろう。

 また12月15日に行われた延期分の試合結果を受け、駒大の優勝の可能性は消滅した。これで優勝の可能性があるのは明大、早大の2チームのみ。さらに延期日程の結果、順大の全国大会出場も確定した。一方、暫定11位の専大は慶大相手に勝利し1部リーグ残留に望みを繋げた。次節、暫定10位の立正大との戦いに勝利し、逆転での1部残留を目指したいところだ。優勝争い、全国大会出場を懸けた戦い、残留争いはもちろん見どころとなるが、最終節を勝利で飾りたい全チームの熱い戦いに注目したい。
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