TOP > ニュース一覧 > ニュース

JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦・1部第20節マッチレポート

2022/11/04


 『JR東日本カップ2022 第96回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第20節は、10月29日(土)に2試合、10月30日(日)に4試合が行われた。


Pickup Match


順天堂大学 3-2 早稲田大学


 今節に負ければ2部リーグへの自動降格が決定する。1部リーグ残留に向け、文字通り“後がない“順天堂大学(勝点10・12位)と、今季初の2連勝で降格圏内を脱したい早稲田大学(勝点14・11位)。1部リーグ残留を争うチーム同士の直接対決。

 1部残留を懸けた大一番は、開始早々から得点が動いた。8分、早大は15番・森璃太 が前線にロングパスを供給。このパスは順大の守備に阻まれたが、ロングパスに反応していた18番・駒沢直哉が、そのこぼれ球を拾って右足で蹴り込む。連勝を狙う好調・早大が、早い時間帯に先制点を挙げる。その後は拮抗した時間帯が続いたが、34分、1部残留に後がない順大が逆襲の狼煙を上げる。10番・塩浜遼が中央で24番・金子遼太郎からのパスを受け、12番・名須川真光に繋ぐ。12番・名須川は、ドリブルでゴール前までボール運びシュート。これは相手GKに阻まれたものの、こぼれたボールがそのままゴールに吸い込まれ、順大が同点に追いつく。ここから試合は一気に順大のペースに。38分、順大は9番・岩井琢朗のコーナーキックから24番・金子がヘディングで合わせて追加点。あっという間に逆転に成功し、1-2で試合を折り返した。

 後半に入っても、順大の勢いは止まらない。47分、順大は右サイドでフリーキックを獲得。9番・岩井から放たれたボールは、中央に走り込んでいた17番・寺山翼の元へ。17番・寺山翼がヘディングで合わせると、ボールは綺麗な放物線を描きながらゴールに吸い込まれる。順大は3点目を挙げ、リードを2点差に広げた。しかし、ここで早大も反撃に出る。63分、15番・森が右サイドをドリブルで駆け上がり、クロスを上げる。そのボールに、途中出場の6番・平松柚佑がヘディングで合わせて2点目をマーク。こちらも負けられない早大が、1点差に詰め寄った。その後は、同点、そして逆転を狙う早大がボールを保持しながら、幾度も順大のゴールに迫る展開に。だが順大の堅い守備に阻まれ、ゴールを割ることなく試合終了。

 1部リーグ残留を懸けた戦いは、順大が第5節・4月30日以来となる勝利を収めて終了した。今節にも2部リーグ降格が決まる可能性もあった順大だが、この勝利で1部リーグ残留に望みを繋いだ。一方の早大は下位の直接対決に敗れ、厳しい状況に。1部残留のためには、残り2試合ひとつも落とせない。




桐蔭横浜大学 0-2 筑波大学


 2試合連続で無失点勝利と、このところ守備陣に安定感のある桐蔭横浜大学(勝点35・3位)と、直近に行われた延期試合では降格圏に沈む早稲田大学に敗れ、上位進出が足踏み状態の筑波大学(勝点31・5位)の一戦。

 序盤は桐蔭大が細かいパスを繋ぎ、筑波大陣地での攻防戦が続いた。しかし、試合は思わぬ展開で動く。23分、桐蔭大は5番・高吉正真のバックパスをGK1番・北村海チディが大きく蹴りだそうとする。しかしボールは逸れ、これを筑波大の8番・竹内崇人がカット。そのまま落ち着いて無人のゴールへと流し込み、筑波大が先制点を獲得した。25分、今度は桐蔭大にビッグチャンスが到来。GK1番・北村からのロングボールを9番・山田新が競り勝ち、ボールは左サイドの10番・水野颯太へ。10番・水野はドリブルで持ちこみ、グラウンダーのクロスを供給。ファーからゴール前に走り込んだ12番・楠大樹がワンタッチで鋭いシュートを放つが、筑波大GK1番・髙山汐生のビッグセーブにより得点とはならなかった。すると40分、筑波大にもビッグチャンスが訪れる。13番・角昴志郎のクロスが桐蔭大の選手にあたり、こぼれたボールは11番・和田育の前へ。11番・和田はゴール右下へ、狙いを済ましたシュートを放つが、こちらも桐蔭大GK1番・北村の好守により追加点ならず。前半は両チームにビッグチャンスが訪れるものの、得点には結びつかず。好機をモノにした筑波大がリードし、0-1で試合を折り返した。

 なんとか反撃の口火を切りたい桐蔭大は、64分に14番・白輪地敬大に替えて11番・寺沼星文を投入。身長188cmの大型FWの投入によって流れを呼び込もうとする。チャンスはすぐに訪れた。75分、桐蔭大は6番・左部開斗のロングパスを11番・寺沼が収めてシュートを放つ。だが、筑波大DFが身を投げ出す決死の守りで桐蔭大の同点弾を阻む。すると直後の76分、今度は筑波大に決定機。2番・三浦雅人が左サイドを駆け上がると8番・竹内にパス。これを受けた8番・竹内はペナルティーエリアに切り込み、強烈なシュートを放つ。シュートは桐蔭大GK1番・北村の正面へ飛ぶものの、勢いのあるボールを収めきることができない。こぼれたボールを11番・和田育が押し込み、筑波大が待望の追加点を獲得。得点ランキング3位につけるエースのダメ押し点により、筑波大がスコアを0-2とした。その後は、一進一退の攻防戦となり0-2のまま試合終了。

 首位・明治大学が勝利したこともあり、桐蔭大はこの敗戦で優勝の可能性が消滅した。桐蔭大は次節でその明大と対戦。優勝を目前に控えた相手に、一矢報いることができるか。一方、筑波大は順位を4位に上げ、3位の桐蔭大に勝点1に迫る。3位入賞の可能性も出てきた。次節の対戦相手は降格圏に沈む順天堂大学。勝つしか1部リーグ残留の道がない相手と、一切手の抜けない試合が待っている。




国士舘大学 2-2 駒澤大学


 直近の試合では首位・明治大学を5-1と圧倒した国士舘大学(勝点26・8位)と、1部リーグ残留、降格圏脱出のために勝利が必要な駒澤大学(勝点16・10位)の一戦。

 前半は互いに攻め手を欠く難しい展開となった。国士大は、11番・古川真人にボールを預け、サイドへの展開を試みるが、幾度となく駒大の両センターバック、4番・鷹啄トラビス、5番・相澤佑哉に抑えられてしまう。一方、駒大は、敵陣でロングスローを放り込んでチャンスを掴むものの、国士大の22番・山田裕翔の守る最後の牙城を崩すことができない。そんな中、先手を取ったのは国士大。前半終了間際の43分、国士大は3番・望月海輝からのクロスを11番・古川がスルー。ボールを収めた8番・東條敦輝は、一度浮き玉のパスを通そうとする。これは相手DFに阻まれるが、クリアボールが再び8番・東條の元へ。ダイレクトで放ったボレーシュートがゴール右隅に突き刺さり、国士大が先制点を挙げてそのまま前半を終えた。

 後半は、前半とは対照的にオープンな展開が増えた。後半、先にチャンスを掴んだのはまたしても国士大。55分、中盤で7番・飯島蓮、14番・布施谷翔と繋ぎ、32番・大西悠介が浮き球でフリーの7番・飯島にパス。7番・飯島がドリブルで相手を剥がして右足で放ったシュートは、ゴール右側を巻くようにしてネットに突き刺さる。国士大が追加点を挙げ、2-0とリードを広げた。なんとか一矢報いたい駒大は、62分に18番・上野正騎、20番・野村天真の2人を同時に投入して攻めに出る。すると、この交代起用が試合の流れを変えた。76分、駒大は20番・野村のクロスから19番・松本ケンチザンガが合わせようとするもミートせず。だが、このボールに反応した18番・上野が冷静に右足で押し込み1点を返す。勢いに乗る駒大は81分、左サイドでボールを奪うと、18番・上野が14番・髙橋優斗からのボールに抜け出して、中央に速いクロス。これに、中央へ走り込んでいた19番・松本が右足で合わせて追加点。2-2の同点とし、試合を振り出しに戻した。この後も、駒大はタイムアップの瞬間まで国士大ゴールに迫るが、さらなる得点には至らず、2-2の痛み分けとなった。

 国士大は8番・東條、7番・飯島のビューティフルゴールで2点を先行するものの守りきれず、勝点2を取りこぼす形に。一方、駒大は残留に向けて貴重な勝点1を獲得。しかし、秋田浩一監督は「相手のほうが強かったし、ウチは走れない、ボールに行けないといったような状況だった」と厳しい評価。2点を先取されて「何人かが開き直ったのがよかった」としながらも「今日は最後まで走ろうと言ってきたので、もう少し走ってほしかった」と注文をつけた。勝点1を獲得しても、厳しい残留争いは続く。「ウチは正直、もう負けられない。あと2つ、勝つまでやるしかない」。




明治大学 1-0 法政大学


 ミッドウィークの試合でまさかの大敗を喫し、関東1部リーグ優勝が足踏み状態となっている明治大学(勝点41・1位)と、優勝に望みを繋ぐため勝点を積み上げたい法政大学(勝点32・4位)の一戦。

 最初のチャンスは明大。5番・林幸多郎がロングスローでボールを中央に供給。それに20番・太田龍之介がヘディングで合わせるが、法大GK、1番・中川真がファインセーブ。得点には至らない。対して法大は13分、コーナーキックの流れから明大GK21番・上林豪が弾いたボールを、7番・若林龍が走り込んでシュート。だがこれは相手DFに当たりゴール右上へ逸れる。その直後には、11番・髙橋馨希が中央へアーリークロスを入れ、5番・落合毅人がヘディングで折り返す。すると相手DFのクリアがポストに当たり、あわやオウンゴールに。さらに法大は20分、7番・若林と26番・中川敦瑛で切り崩し、7番・若林が中央にグラウンダーのラストパスを送る。17番・モヨマルコム強志がこれを受け、ボールをコントロールしてシュートを放つが、コースを大きく逸れてゴールならず。両者チャンスを作りながらも決めきれず0-0で試合を折り返した。


 スコアが動いたのは後半開始早々の48分。明大は5番・林がセンターライン付近でボールを拾うと、ドリブルで中央を切り裂きスルーパスを送る。これに20番・太田が反応。ゴール前に抜け出すと、「キーパを1回見たら、コースが空いていた」(20番・太田)と冷静に流し込み、明大が先制点を挙げる。追いつきたい法大は54分、6番・細谷航平がペナルティーエリア付近で相手をかわしてパスを送り、これを22番・久保征一郎が右足で合わせるが、わずかにゴール右へと外れてしまう。法大は、62分に31番・中村翼、67分に29番・青木俊輔と立て続けに攻撃の選手を投入するが、大きなチャンスを作り出すことはできない。試合は明大が1点を守り切り、1-0で終了。明大が再び優勝へと一歩近づいた。

 法大はこの敗戦で優勝の可能性が消滅。厳しい敗戦となった。一方、ホッとした表情の明大・栗田大輔監督は「5失点で負けるのと1失点で負けるのでは、かかるエネルギーが違う」とコメント。直近の試合で国士舘大学に1-5と大敗したが、そこからもちなおし、明大らしいウノゼロの勝利。決勝点を決めた20番・太田さえもが「今週は守備の部分にフォーカスして練習した。それがいい形で出た」と語るように、大敗の悪夢を払拭する勝利だったといえる。同時刻に行われていた試合で、2位・東京国際大学が引き分けに終わったため、次節に勝利すれば自力優勝が決まる。20番・太田が「目の前の一戦に、魂をこめてチームのために戦いたい」といえば、2番・福田心之助は開幕戦での惨敗を引き合いに出して表情を引き締めた。「東国大には開幕戦、0-4で負けている。次節で優勝というより、自分の中では4-0以上で東国大に勝たなければ優勝の意味はないと思う。それくらい、強い気持ちで、明大のサッカーを前面に出して戦いたい」。




拓殖大学 1-3 流通経済大学


 直近の5戦を3戦2勝と勝ち越し、この勢いで上位に食い込みたい拓殖大学(勝点28・7位)と、今季初の2連勝を収めこのまま降格圏との差を一気に広げたい流通経済大学(勝点17・9位)の一戦。

 2連勝中で好調な流経大が、開始早々にチャンスを作る。2分、右サイドからのスローインを19番・宮田和純が反らし、14番・熊澤和希が右足でシュート。これは枠の外へはずれるが、流経大が立ち上がりからいい形を作って試合に入る。すると、その4分後にはスコアが動いた。6分、流経大は11番・加瀬直輝が右サイドでボールを持つと、8番・中島舜にパス。8番・中島が上げた鋭いクロスに、19番・宮田が右足で合わせて流経大が先制する。1点を追う拓大は11番・加藤悠馬を中心に左サイドから攻撃を展開。7分には、右サイドでボールを細かくつないで3番・関根大輝が左足を振り抜くが、これは流経大GK、22番・粟野駿伸がストップ。14分にも11番・加藤が左サイドからドリブルで相手をかわしてクロスを上げ、3番・関根がタイミング良く頭で合わせる。だが、これも枠を捉えることができない。両者一歩も譲らない展開の中、流経大GKの22番・粟野がキックミス。拓大の10番・日野翔太がボールを奪おうとしたところを、流経大の22番・粟野が足をかけてしまい、拓大にペナルティーキックを与えてしまう。拓大は、10番・日野自身がこれを冷静に沈めて同点に追いつく。この後は、拓大がボールを持つ時間が増えてゴール前まで迫るが、流経大の堅い守備を崩せず1-1で試合を折り返した。

 後半は、拓大が細かいパスをつなぎながら攻撃を展開。しかし流経大の前線からの集中したディフェンスに苦戦し、ゴールには繋がらない。一方の流経大も素早いカウンターからチャンスを作るが、シュートを決めきることができない。均衡が破られたのは76分。流経大は前線から複数人でプレスをかけてボールを奪うと、19番・宮田が右サイドから中央へ突破。途中出場の10番・齊藤聖七とのパス交換から、相手ディフェンスラインの裏へ走り込んでゴールへと流し込む。追加点を挙げて勢いに乗った流経大はさらに84分、またしても前線からのプレスでボールを奪取。これを途中出場の13番・清水蒼太朗が相手DFを背負いながらもドリブルでペナルティーエリアへ持ち込み、そのまま右足を振り抜いてダメ押しの3点目。このままでは終われない拓大も、ボールを回しながら相手陣内まで迫るが、最終ラインを崩すことができずに1-3で試合終了。

 流経大は今季初となる3連勝を飾り、10位・駒澤大学との勝点差を3に広げた。次節は降格圏に沈む11位・早稲田大学との直接対決。この試合に勝てば、2部リーグ自動降格回避が確定する。終盤に調子を上げてきた流経大が、4連勝で1部リーグ残留に近づくのか、注目の一戦となるだろう。一方の拓大はこれで2連敗。上位進出が遠のく結果となった。




東京国際大学 1-1 東洋大学


 首位・明治大学との勝点差を再び3に縮め、逆転優勝が見えてきた東京国際大学(勝点38・2位)と、上位グループ入りを果たすため残り3戦落とすことのできない東洋大学(勝点30・6位)の一戦。

 試合は、立ち上がりから東国大がロングボール主体で押し込む展開となった。13分、東国大はコーナーキックを獲得すると、相手DFのクリアボールを拾った19番・八木橋俊介がミドルシュートを放つ。だがボールは枠を捉えることができない。対する東洋大は15分、左サイドの14番・井上怜が縦へのドリブルからグラウンダーのクロスを入れる。1度は相手DFにクリアされるものの、こぼれ球を6番・瀬畠義成が拾い、思い切りよく右足を振り抜く。しかしボールはクロスバーの上に。どちらも決めきれない中、東国大に待望の先制点が生まれる。17分、東国大はゴールから遠い位置でフリーキックを獲得。27番・靏見拳士朗がファーサイドで待つ17番・板倉健太へとピンポイントのクロスを送ると、これを17番・板倉が丁寧なヘディングでゴール左隅に流し込む。その後も東国大ペースで試合は進むが、前半終了間際に東洋大が反撃に出る。43分、9番・室井彗佑が相手の一瞬の隙を突いてドリブルで持ち上がると、左サイドの14番・井上へパス。14番・井上が相手陣内の深い位置ところから上げたクロスは、相手DFにクリアされるものの、こぼれ球を拾った6番・瀬畠がペナルティーエリア外からゴールを狙う。丁寧なキックでコントロールされたシュートは、カーブを描きながらゴール右上へと吸い込まれる。東洋大がワンチャンスをモノにし、試合を振り出しに戻して前半を終えた。

 後半は、何としても勝利がほしい両チームの意地とプライドがぶつかり合う。東国大は主将の3番・山原康太郎を中心に高い集中力を保ち、相手に決定的な仕事をさせない。東洋大も8番・高柳郁弥が中盤をコントロールし、相手に隙を与えない。後半最初の決定機は61分。東洋大はコーナーキックからペナルティーエリア内が混戦になると、こぼれ球を拾った4番・高橋亮が左足を振り抜く。だが、シュートはゴール右に外れてしまう。65分には東国大にチャンス。左サイドでフリーキックを獲得すると、27番・靏見が精度の高いクロスを上げる。これが直接ゴールを割るかと思われたが、東洋大のGK、22番・高橋宙杜が右手一本で弾き出す。直後のコーナーキックも、こぼれ球から19番・八木橋が豪快にミドルを放つが、22番・前田が立ちはだかりゴールを許さない。その後は東国大が再三ゴール前まで迫るものの、東洋大DF陣の壁は堅くシュートまで持ちこめない。結局、両チーム追加点のないまま1-1でタイムアップ。

 1-1のドローで両チーム勝点1を積み上げるに留まった。首位の明治大学が勝利したため、東国大と明大の勝点差は5に開き、東国大は優勝が大きく遠ざかる結果に。東国大が優勝の可能性を残すためには、次節での勝利は必須。引き分け以下の場合、その場で明大の優勝が決まる。また東国大が勝利しても、明大が勝てば次節で明大の優勝が決まる。東国大にとっては、非常に厳しい勝点1となった。一方の東洋大は順位は変わらないものの、5位の法政大学が敗れたため、5位との差を勝点1に縮めた。
チケット情報
リーグ戦・各節レポート
プロ内定者一覧
はじめての大学サッカー
2024年度新入部員一覧
主将副将一覧
プログラム通販
スペースバー1
メディアの皆様へ
スカウトの皆様へ
スペースバー2
Instagram