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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・2部第9節レポート

2017/06/14
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第9節は、6月10日(土)に2試合、6月11日(日)に4試合が行われた。



○勝って流れに乗りたい東京農業大学(勝点10・7位)と、勝って下位に差をつけたい東京学芸大学(勝点11・5位)の対戦。

 前節では、ともに首位グループから金星を得たチーム同士の対戦。連勝して流れに乗りたい両チームだったが、前半はラインを高く取りコンパクトに攻撃を仕掛けた東学大ペースで試合が進む。開始早々の5分、東学大は10番・岸寛太のスローインからのボールを7番・色摩雄貴が決めて先制。一気に流れを引き込もうとするが、14分には東農大も10番・牧寛史のフリーキックから、こぼれ球を35番・小山珠里が押し込み同点とする。このまま、前半終了かと思われたが、45分に流れるようなパスワークから東学大24番・宮地裕二郎のヘディングシュートが決まり、東学大がリードして前半終了。
 後半は、東農大が10番・牧を中心に試合を支配する展開となった。53分には東農大がカウンターから仕掛けた16番・影森宇京のパスを、18番・中野椋太が決めて東農大が追いつく。しかしその後は両チームともに固い守備でゴールを割らせることなく、2−2のまま試合終了となった。
 「2トップのふたり(10番・岸、7番・色摩)とボランチの(29番)半谷(陽介)に力があるのはわかっていた。そこにやられないようにコンパクトにしたつもりが、前半は予想以上にやられてしまった」と振り返るのは東農大の三浦佑介監督。それでも後半にシステムを変えたことで「相手のスペースを消すことができ、こちらのペースになった」という。選手たちには「もっと個の能力を高めなければ上のレベルにはいけない」と試合後に告げたという三浦監督だが、一方で後半の展開に見られるように「選手たちの修正能力は高い」と評価。選手自身が自主的に成長する東農大が次節に対戦するのは2連敗中の立正大学。降格圏脱出を狙う、必死さに足を救われないようにしたい。
 一方、後半の東農大の変化に「対応しきれなかった」と嘆いたのが、東学大の檜山康監督だ。「相手のやり方に対して準備して臨んだ前半は形ができていたし、流れはよかった」とするが、後半「相手がシフトチェンジした途端に、何をしたいかわからない`。だから何もしないという状態になってしまった」と厳しい言葉が口をついた。それでも「ポイントを積み重ねたという結果自体はポジティブに捉えたい」という。次節は好調な3位の拓殖大学との対戦。勝点1を分け合った両チームは、次節勝って差をつけたいところだ。


○勝って首位を奪取したい早稲田大学(勝点19・2位)と、勝って降格争いから抜け出したい立正大学(勝点8・11位)の戦い。

 真夏日並みの暑さの中行われた試合は、前半、早大が多彩な攻撃と攻守の切り替えで立正大を圧倒する。9分、早大は14番・石川大貴が自陣でカットしたボールを10番・秋山陽介へパス。パスを受けた10番・秋山はハーフラインあたりからドリブルで仕掛けると、そのまま左足でニアに決めて先制点を挙げる。さらに20分、ペースを落とさない早大は、8番・今来俊介が切り替えの早さで、相手のペナルティーエリア付近でパスをカット。そこから、流れるように14番・石川へパスを送ると19番・武颯へとつなぎ、ワンタッチでシュートし、ゴール。早大が2-0リードで折り返す。
 後半も前半同様、早大ペースのまま進むかと思われたが、早大は62分、2番・安田壱成がペナルティーエリア内でファールをおかし、退場に。さらにそのファウルで献上したペナルティーキックを、立正大の16番・矢幡拓也がキーパーの逆を突いて決め、その差を1点とする。そこからは、流れに乗った立正大が次々と攻撃を仕掛けるが、早大も自慢の堅守で応酬。結局、立正大はゴールネットを揺らすことができず、2-1のまま試合終了となった。
 国士舘大学が敗れたため、この試合に勝った早大は首位の座を取り戻した。今季初黒星を喫した前節の試合は「ボールの出しても受け手も準備が悪かった。駆け引きをしないでボールを受けようとして、カウンターをけてしまった」(早大・古賀聡監督)という。その反省から今節は「基本的なことをしっかりと見つめ直した」。しかし2点を先取し、「自分たちのリズムをつくりだせたと思う」とする一方で「3点目をとれるチャンスがあったのにそれを決めきれなかった。また守備の力のなさが退場につながった」との反省点も。次節は、6位の神奈川大学と対戦。その次は国士大と、近年1部に在籍していたチームとの対戦が続くだけに「さらに成長をとげて勝利したい」と前期ラスト2マッチに意気込んだ。対してこれで3連敗となった立正大。前節から大幅にメンバーを変えて挑んだが「前半は試合慣れしていない部分が出て、2失点してしまった」と東海林毅コーチは振り返る。前半の終わりからは「リズムがあってきた」が、相手が退場者を出したことで「逆に10人になって引いて守られると難しい」と、厳しい状況を打破することができなかった。次節の対戦相手は、首位の早大に大金星を挙げた7位の東京農業大学。「ここから何かを帰るのではなく、失点が多いので引き続きディフェンスの修正をして臨みたい」。



〇勝って1つでも順位を上げたい青山学院大学(勝点8・10位)と、前節で大敗を喫し、それを払拭したい日本大学(勝点8・9位)、同勝点の8位と9位の直接対決。

 思うように勝星を掴めず、一時は降格圏まで落ちるなど苦しい状況の青学大。試合は、その青学大が押し込む展開となった。先制点は28分。10番・小泉佳穂からのパスを受けた18番・小田寛貴が左足で華麗なシュートを決める。前半のうちに追いつきたい日大も積極的にシュートを放つが、青学大の堅い守備を崩すことはできず、青学大リードのまま折り返す。
 後半に入っても試合は青学大のペース。日大は決定的なシュートがバーに直撃。惜しいチャンスを作るも、ゴールにまで結びつかない。一方、追加点を狙う青学大は82分、相手に当たったボールを拾った3番・池庭諒耶から、8番・瀬川泰樹が巧みなドリブルで相手を抜き去り、力強いミドルシュートで追加点。勢いに乗った青学大はその後も日大を押し込み続け、2-0で日大を下した。
 勝利に飢えたチーム同士の対戦だったが、終わってみれば日大のシュート数は90分を通してわずか2本。青学大が日大を完璧に抑え込む形で勝利を収め、日大と順位を入れ替えることに成功した。青学大は次節、勝点4で最下位に沈む朝鮮大学校と対戦。この勢いのままさらなる上位を狙いたい。一方、またも黒星を喫した日大。前半はシュート数0と、完敗といえる内容だった。次節は東海大学と対戦。勝てば勝点の差を一気に詰められる重要な一戦となる。


〇現在2連敗中でこれ以上負けられない中央大学(勝点12・4位)と、今季はいまだ1勝で最下位に沈む朝鮮大学校(勝点4・12位)の一戦。

 ここ数試合勝星から遠ざかっている両チームの対戦は、序盤から激しい攻め合いとなった。ロングボールを中心にゴールを目指す中大に対し、朝鮮大はセカンドボールをしっかりと拾って中大に渡さず、次第に主導権を握る。しかし、中大は朝鮮大の一瞬の隙を突いた7番・三島頌平がボールを奪うと、一気呵成に前線へ。最後はゴール前に飛び出した11番・石井光が相手GKとの一対一を決め、中大が31分に先制点を得る。しかしその7分後の38分、朝鮮大のフリーキックをクリアーしようとした中大DFが痛恨のミス。ボールはGKの頭上を越えてゴールに吸い込まれ、朝鮮大がオウンゴールで同点に追いつく。その後も朝鮮大がゴールを決めるも、これはオフサイドの判定で認められず、1-1のまま試合を折り返す。
 後半に入ると、試合は中大のペースで進むが、朝鮮大もプレッシャーをかけて中大のミスを誘う。すると59分、19番・韓勇太と11番・金志錫の小気味の良いパス交換から19番・韓が落ち着いてゴールを決め、朝鮮大が逆転に成功。負けられない中大も切り替えの早い守備とコンパクトな攻撃で持ち味を発揮。65分には、相手のロングボールをカットした7番・三島が中盤をドリブルで一気に駆け抜け、ゴール前で20番・野口竜彦が相手と競り合いながらも押し込んでゴール。スコアを2−2とし、またもや試合を振り出しに戻す。さらに中大はその1分後の66分にペナルティーキックを獲得。このチャンスを10番・寺村介がしっかりと決めて3-2に。その後も互いに激しく攻めあい、どちらに転ぶか分からない展開が続いたが、最後まで1点差を守り切った中大が3戦ぶりに勝利を手にした。
 中大は次節、今季初の黒星となったものの2位に留まる国士舘大学との上位対決が控える。国士大との勝点差は5と差をあけられている状況だが、ここで勝って上位進出の足がかりとしたいところだ。一方の朝鮮大はまたも勝利ならず。一度は逆転をしたものの、勝ち切ることができなかった。第9節を終えて勝点4と泥沼の最下位。前期リーグも残り2試合、どれだけ勝点を積み重ねて前期を終えられるのか。次節は青山学院大学と対戦する。


○前節に開幕戦以来の勝利をおさめ、連勝を目指す神奈川大学(勝点10・6位)と、2連勝で調子をあげ、上位進出を狙う東海大学(勝点10・8位)との対戦。

 勝点で並ぶ両校にとって、上位に浮上するためには絶対に落とせない一戦は、互いに譲らない一進一退の攻防戦となった。まず主導権を握ったのは神大。22番・大塚一輝、6番・河村知侑を中心に、テンポよくボールを動かして東海大ゴールに迫る。対する東海大は、主導権を握られながらも徹底した守備で応戦。東海大も徐々にペースを掴みだすと、7番・伊藤竜之介の縦に速いドリブルを武器に、起点をつくることに成功。しかし、チャンスをつくるものの得点には至らず、スコアレスで試合を折り返す。
 後半に先手をとったのは東海大だった。しかしゴール前でチャンスをつくるも、神大GK12番・山川卓己がファインセーブ。一方、神大は71分に9番・吉田蓮が2回目の警告により退場。攻撃の起点を失うとともに、数的に不利な状態でのプレーを余儀なくされる。しかし神大は、1人少ないながらも守りに入ることはせず、個人の運動量を増やして対応。そんななか、流れが傾いたのは勢いが増した神大だった。8番・野澤祐弥、3番・石渡旭を中心にゴールに迫るが、東海大も体を張った守備で応戦。ゴールマウスを守る12番・千本松徹の好セーブもあり、失点を許さない。優勢に立つ東海大も、果敢に神大ゴールに迫るが決めきれず。激しい攻防戦は両者譲らず、試合はスコアレスドローに終わった。
 連勝とはならなかった神大だが、1人少なくなった後半も劣勢を感じさせない内容を見せた。リーグ戦はここまで2勝2敗5敗。この試合で得た勝点1は大きいが、一方で勝ちきれない試合が多く勝点を積み上げられていないのが現状だ。次節は首位の早稲田大学と対戦。厳しい試合になることが予想されるが、ここからはいかに勝点3を取っていくかが重要になるだろう。
 対して東海大は、優勢に立ちながらも1点が遠く、勝点1に留まったといっていいだろう。しかし、3戦負けなしと好調をキープしていることは確か。次節は、日本大学と対戦。上位浮上のためには、勝利が必要だ。


○前節、土壇場の同点弾で首位に再浮上した国士舘大学(勝点20・1位)と、2連勝で3位に浮上、首位との差をつめるためには絶対に負けられない拓殖大学(勝点13・3位)との対戦。

 首位キープのためには勝点3が必須となる国士大だったが、試合は序盤から厳しい展開となった。まず開始早々の5分、攻め込む拓大が放った浮き球のパスが、ペナルティーエリア内で国士大10番・平野佑一の腕に当たり、ハンドの判定に。拓大は8番・冨田博斗がこのペナルティーキックを決めて先制する。反撃に出たい国士大だったが、サイドでの起点をつくることができず、なかなか攻撃の糸口をつかめない。そのうえ33分には、すでに警告を受けていた10番・平野が2回目の警告で退場に。国士大はチームの司令塔を欠いて1点を追うこととなった。その後は数的有利に立った拓大がペースを握り、37分にはゴール前に送ったロングボールを、国士大ディフェンダーがクリアミス。これを見逃さなかった34番・池田廉が押し込み、拓大が追加点をあげる。さらに2分後の39分、左サイドの16番・金井明寛が起点をつくってゴール前に速いクロスをあげると、これを10番・小島樹が倒れながらもゴールに流し込み3点目。国士大を大きく突き放して試合を折り返す。
 1点を返したい国士大は退場者のポジションを埋める選手交代はせず、ワンボランチで22番・諸岡裕人に中盤の攻防を任せることを選択。反撃の機会を虎視眈々と狙う。しかし63分、拓大はショートカウンターから抜け出した6番・岩出拓也がクロスをあげ、34番・池田が合わせて4点目。さらに68分、またしても34番・池田が右足を振り抜いてゴール。拓大は34番・池田のハットトリックでその差を5点に広げる。なんとか意地をみせたい国士大は74分、7番・荒木翔からのコーナーキックを25番・住吉ジェラニレーションが頭で合わせて1点を返すと、86分にも7番・荒木がミドルシュートを叩き込んで2点目をマーク。1人少ないながらも追い上げるが、反撃もここまで。結局2-5で拓大が勝利をおさめた。
 勝利した拓大は、これで3連勝。10人の相手に2失点を喫した点では課題が残るが、今季無敗の国士大から勝点3をあげたことは大きい。現在3位、上位2校の独走を止めるダークホースとして要注目だ。対する国士大は今季初黒星となり、再び首位の座を早稲田大学に明け渡すこととなった。次節は中央大学との対戦。司令塔の10番・平野を欠く中で、どのようにチームを立て直すことができるのか、注目したい。


 次節第10節は、6月17日(土)に古河市立古河サッカー場にて、拓殖大学と東京学芸大学、東京農業大学と立正大学が対戦。6月18日(日)には日本大学稲城総合グラウンドにて、東海大学と日本大学、早稲田大学と神奈川大学が、古河市立古河サッカー場にて、青山学院大学と朝鮮大学校、国士舘大学と中央大学の試合が行われる。
 早大と国士大のトップ争いは、国士大が拓大を相手に今季初の黒星を喫し、わずか1試合で首位陥落となった。一方、最下位の朝鮮大は勝点4と厳しい状況。前期リーグ戦も残り2節、次節も熱い試合が繰り広げられるだろう。


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