「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦【前期】」2部リーグ第1節は8月22日(土)に延期分3試合が行われた。
日本体育大学 対 関東学院大学 @RKUフットボールフィールド
直近の日本大学戦では大量5得点を挙げて今季初勝利を収め、連勝を目指す日本体育大学(勝点3・暫定10位)と、流通経済大学戦では苦しみながらも勝点1をもぎ取った関東学院大学(勝点8・暫定3位)の一戦。
試合は開始早々動いた。関学大は2分、右サイドから13番・大友千裕がクロスを入れると、9番・村上悠緋がヘディングシュート。9番・村上の2試合連続ゴールで、関学大が幸先よく先制する。しかし5分後の7分、今度は日体大の5番・三浦颯太が左サイドからシュートを放ち、これがゴールネットを揺らす。日体大がすぐさま同点に追いつき、試合は振り出しに戻った。しかしその後も互いに好機を演出。日体大が巧みなパスワークで相手のプレスをはがすのに対し、関学大は両センターバックと右サイドバックの3人を中心に、後方から攻撃を組み立てていく。だが互いにゴール前での精度を欠き、追加点を決めきないまま1-1で試合を折り返した。
後半、序盤は関学大が高い位置からボールを奪い日体大ゴールを脅かす。しかし日体大も体を張った守備で得点を許さない。すると日体大は62分、10番・飛鷹啓介が右サイドからドリブルで相手をかわし、そのままシュート。GKがはじいたこぼれ球に18番・土佐陸翼が詰めるが、関学大もこれを粘り強く弾き返し追加点とはならず。終始拮抗した試合展開となったが、結局後半にスコアは動かず1-1-で試合終了。ともに決定力を欠き、日体大は今季初の引き分けに。そして関学大は3戦連続で1-1のドローと、そろそろ勝利が欲しい状況となってきた。
産業能率大学 対 明治学院大学 @RKUフットボールフィールド
試合延期のためこれが2週間ぶりの公式戦となる産業能率大学(勝点1・暫定12位)と、直近の第7節では逆転勝ちを収め、今季初勝利を手にした明治学院大学(勝点4・暫定8位)の一戦。
2年前には、関東リーグ昇格を懸けた関東大会で熱戦を繰り広げた両チームの対戦。前半、先に主導権を握ったのは産能大だった。18分、産能大8番・金子雄大のパスを受けた12番・山崎広大がゴール前へ送った浮き球に、走り込んできたのは9番・石津駿斗。頭で合わせたボールがネットを揺らし、産能大が先制する。前半は、産能大の1点リードで終わった。
後半、またも試合を動かしたのは産能大。58分、右サイドでつないだボールは一度は相手DFにカットされたものの、こぼれ球を拾った30番・川名連介がスルーパス。これに反応した22番・桐生大地が、角度のないところから右足を振り抜く。ボールは相手GKの手をかすめてそのままネットに吸い込まれ、産能大が追加点を挙げる。一方、2点のビハインドを負った明学大は流れを変えるべく、63分に2年前の昇格戦にも出場した9番・武田義臣と期待のルーキー31番・飯村春季を同時にピッチへ送り出す。すると89分、明学大は3番・森山翔介からパスを受けた9番・武田がシュートを放つが、これは惜しくも枠の外。明学大は最後までゴールネットを揺らすことができず、2-0のまま試合終了。終始ボールを支配した産能大が、参戦3試合目にして待望の今季初勝利を飾った。
青山学院大学 対 立教大学 @RKUフットボールフィールド
ここ2戦連続引き分けに終わっている青山学院大学(勝点5・暫定6位)と、直近の東京国際大学戦で今季初勝利を挙げ、連勝を目指す立教大学(勝点5・暫定5位)の一戦。
勝点5で並ぶ両者だが、序盤の主導権を握ったのは立教大。7分、青学大のプレスをはがすと21番・堀博昭が相手サイドバックの裏を取ってチャンスを演出。21番・堀のグラウンダーのボールに、最後は15番・関口崇太が合わせるが、これは青学大GK21番・千綿友に阻まれる。それでも立教大は15分、敵陣右サイドでフリーキックを獲得。21番・堀のボールはクリアされるものの、こぼれ球を15番・関口がダイレクトシュート。右足を振りぬいたシュートがゴールネットに突き刺さり、立教大が先制する。これで動きが良くなった立教大はさらに攻勢を強める。21分には連続でコーナーキックのチャンス。その直後の25分には11番・小林達成が決定機を迎えるも、シュートはクロスバーを叩き追加点には至らない。飲水タイムを機に流れを変えたい青学大は28分、14番・小澤秀充がドリブルで相手ディフェンスをかわすと、9番・大竹将吾にスルーパスを送る。9番・大竹はダイレクトで左足を振りぬくが、これは立教大GK12番・瀬尾光宏が難なくキャッチ。32分には7番・小畑慶太郎がバイタルエリアで前を向くと、そのまま持ち込んでシュート。ゴールにはつながらないものの、青学大が徐々にペースを掴んで前半を終えた。
青学大は後半も立ちあがりから相手ゴールに襲い掛かる。55分、左コーナーキックのチャンスにキッカーは6番・植松亮。6番・植松のボールに8番・羽生識が頭で合わせ、スコアは1-1に。8番・羽生の2試合連続となるゴールで、青学大が試合を振り出しに戻した。しかし喜びもつかの間、直後の58分には立教大に中央やや左の位置でフリーキックを与えてしまう。キッカーは21番・堀。放たれたシュートは壁を越えてゴールネットを揺らす。スコアは1-2となり、立教大が再びリードを奪った。突き放したい立教大は60分、18番・桐蒼太と27番・加藤優一を投入。対する青学大も交代カードを使い、状況の打開を試みる。目まぐるしく攻守が入れ替わり、一進一退の攻防戦が続いたが、互いにゴール前での精度を欠き1-2のまま試合終了。
立教大が接戦を制して2連勝を達成した。対する青学大は3試合白星なしとなり、厳しい状況に追い詰められつつある。
「JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦【前期】」2部リーグ第1節は8月12日(水)に延期分1試合が行われた。
東洋大学 対 日本大学 @RKUフットボールフィールド
直近の関東学院大学戦で連勝は止まったものの、ここまで3戦無敗の東洋大学(勝点7・暫定4位)と、対照的にここまでわずか1勝にとどまっている日本大学(勝点4・暫定6位)の一戦。
延期となっていた第1節のこの一戦は、両チーム立ち上がりからチャンスを演出。東洋大学は4分、4番・土田直輝が前線にロングボールを送ると、今季初先発の19番・小林粋がこれに反応。相手GKをかわしてシュートを放つが、日大の体を張った守備に阻まれ得点には至らない。対する日大も7分、こぼれ球を拾った11番・荻原翼が8番・大森渚生へとパスを送る。しかし8番・大森の決定機は、東洋大GK1番・川地颯馬がファインセーブ。そのこぼれ球を11番・荻原がボレーシュートでゴールを狙うが、これもクリアされ、ゴールネットを揺らすことができない。互いに序盤から決定機を作りながらも決めきれず、両チームスコアレスで前半を終えた。
後半も互いに前線から激しくプレスをかけ、カウンターやサイド攻撃から得点の機会をうかがう。東洋大は64分、右サイドから2番・坂本涼斗がクロスを上げると、19番・小林がヘディングシュート。相手GKの頭上を越すシュートは惜しくもポストを弾きゴールならず。対する日大も給水タイムを機に徐々にペースを握りはじめる。71分、自陣深い位置から7番・鬼京大翔と11番・荻原がドリブルでボールを持ち運ぶと、最後は途中出場の18番・近藤友喜がシュート。しかしシュートは枠を捉えきれず、これも得点とはならず。互いに交代カードを使いながらゴールを狙うが、決定力を欠き,最後までゴールネットを揺らすことはできず試合終了。スコアレスドローで終わり、両チーム2試合連続の引き分けとなった。
7月4日(土)、ついに『JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』2部リーグが開幕した。都県リーグから明治学院大学と神奈川大学が昇格し、1部から降格した流通経済大学と東洋大学を加えた12大学で、昇格ラインの上位2枠を争う。しかし新型コロナウイルスの影響で7チームが開幕時には参加できず4試合が延期に。この日は2試合のみが行われた。
拓殖大学 対 神奈川大学 @RKUフットボールフィールド
今季こそ1部リーグ昇格を遂げたい拓殖大学(昨季2部リーグ4位)と、2年ぶりに関東リーグに復帰した神奈川大学(昨季神奈川県リーグ1位)の一戦。
2部リーグ開幕を告げる一戦は、多数のゴールが決まる派手な試合となった。 序盤から試合の主導権を握った拓大は、何度となく神大ゴールへ襲い掛かる。すると11分、8番・奥村晃司が右サイドで相手のクリアボールを拾いクロス。それに7番・髙橋和希が頭で合わせて拓大が先制。その直後の14分には、裏へ抜け出した9番・山中麗央がゴールへ迫ると、こぼれ球を28番・浅倉廉が押し込み早くも追加点を挙げる。期待のルーキー、28番・浅倉の大学初ゴールで点差を広げると、21分には、8番・奥村が左からのコーナーキックを直接ゴールに決めて3点目。「試合前に、風があるから狙ってみたら、みたいに言われていた」(8番・奥村)という狙いどおりのゴール。開始から約20分で、拓大が3点のリードを奪った。1点を返したい神大は前線から激しくプレスをかけるが、なかなかボールを奪うことができない。苦しい展開ながらも前半は5本のシュートを放つが、決定力を欠き3-0で試合を折り返した。
後半は勢いに乗る拓大のゴールラッシュとなった。53分、町田内定の14番・青木義孝のパスを受けた9番・山中がゴール前へ折り返すと、これが相手プレーヤーにあたりオウンゴールに。63分には神大DFのミスをついてボールを奪うと、最後は13番・長峰祐斗が左足を振りぬく。神大のGK1番・松本大亮はこのシュートを弾ききれず、スコアは5-0に。さらにその5分後の68分には、カウンターのチャンス。一度は相手GKに阻まれるものの、最後は9番・山中が決めて、その差はついに6点に。まだまだ拓大の勢いは止まらず78分、5番・山下諒時から途中出場の17番・小林歩夢に楔のパスが通ると、17番・小林は裏へと抜け出した7番・髙橋へスルーパス。これを受けた7番・髙橋は相手GKをうまくかわして流し込み、この日、自身2点目となるゴールを挙げる。その4分後の82分には16番・鏑木瑞生のパスに抜け出した17番・小林が相手GKと1対1の決定機。冷静に流し込んで8-0とする。対する神大は86分、コーナーキックの混戦からファウルを受け、ペナルティーキックを獲得。キッカーの25番・藤田雄士がゴール中央に豪快に決め、意地の1点を返すが時すでに遅し。拓大は試合終了間際の90分、カウンターのチャンスに16番・鏑木が左足のシュート。これが決まり終わってみれば9-1で試合終了。拓大が力の差を見せつけ、重要な開幕戦で勝ち点3を手にした。
大量得点で開幕戦勝利を飾った拓大の玉井朗監督は「運良く前半に3点を取れたのがよかった」と試合の入りの良さを評価。開幕までの練習試合はわずか1試合だったが「紅白戦の調子がよかったのでゲーム勘はあったと思う」。高校選手権で優勝を経験したルーキー、28番・浅倉も初ゴールを挙げ、最高の形でデビューを飾るなど前途は遙々。8番・奥村は「今大会は交代枠が5枚になったが、交代した選手すべてがいいレベルでプレーできているのが強み」とコメント。「リーグ戦は勢いが大事」(28番・浅倉)との言葉どおり、次節も好調を維持したいところだ。
一方9失点と、厳しい関東リーグ復帰戦となった神大。昨年から指揮官に復帰した大森酉三郎監督は、「前から行くでもなく、後ろをしっかり守るでもない」とチームの中途半端さを指摘。「相手にとっては攻撃の形をとれるいい状態にさせてしまったのかな」と肩を落とした。前回、神大を率いた時には1部リーグ昇格も経験したが「勢いで上がった。組織的に盤石だったかというとそうではない」ときっぱり。それだけに今年はしっかりとした体制づくりが課題とし、今日の試合を「あそこからいろいろと勉強させてもらった、といえるゲームにしていきたい」と悔しさをにじませた。
流通経済大学 対 東京国際大学 @RKUフットボールフィールド
降格の雪辱を晴らすべく2部リーグ優勝を目指す流通経済大学(昨季1部リーグ11位)と、昨季は昇格争いに絡めず苦戦を強いられた東京国際大学(昨季2部リーグ7位)の一戦。
ともに2年前までは1部リーグに在籍していたチーム同士の対戦。立ち上がりからボールを保持し、後方から繋いでいく流経大に対し、東国大はブロックを敷いてチャンスを窺う。すると10分、流経大は左サイドの空いたスペースに流れた8番・仙波大志がゴール前へグラウンダーのボールを送る。それをペナルティーエリア内にいた9番・加藤千尋がワンタッチでボールを落とすと、23番・齊藤聖七が右足一閃。豪快にゴール左隅へ突き刺す。「空いていたから打っただけ。狙ったシュートではない」(23番・齊藤)と言うものの、流経大が幸先のいいゴールで先制点を挙げた。対する東国大も直後の14分にチャンス。20番・福島健太が低い位置でボールを受けると、そのままディフェンスラインの裏にロングボールを放つ。このパスに11番・師岡柊生が反応。裏へと抜け出すと、前に飛び出してきた流経大GK1番・鹿野修平をうまくかわし、左足で流し込む。東国大がすぐさま同点に追いついき、試合は振り出しに戻った。その後は流経大が主導権を握るも、東国大の激しく寄せるディフェンスを前に、なかなか得点のチャンスを生み出すことができない。41分には浦和内定の10番・伊藤敦樹のスルーパスを受け、5番・宮本優太がクロス。走り込んできた8番・仙波がダイレクトで合わせるも、これはわずかに枠の右。流経大は前半に7本ものシュートを放つが追加点には至らず、1-1で前半を折り返す。
後半、先に動いたのは主導権を握っていた流経大だった。63分、13番・佐々木旭がカットインからシュートを放つと、相手GKがはじいたこぼれ球を11番・満田誠が押し込んで勝ち越し点を挙げる。しかし東国大も82分に決定機。7番・宇高魁人が高い位置でボールを奪うとドリブルで駆け上がるが、相手DFとGKに阻まれてチャンスをものにすることができない。それでも84分、カウンターから13番・落合陸が裏のスペースへロングボールを送ると、これを受けた11番・師岡が相手DFをかわして左足を振りぬく。このシュートが決まり、スコアは2-2に。東国大が再び試合を振り出しに戻した。だが89分、流経大は途中出場の18番・熊澤和希の鋭いスルーパスが東国大のブロックをすり抜ける。最後は23番・齊藤がゴールネットを揺らし、この日2点目となるゴール。「FWの選手が諦めたら点は取れない。自分は出ている限り狙い続ける」という23番・齊藤のこの点が決勝点となり、粘り強く戦う東国大を三度突き放した流経大が、3-2で初戦を制した。
流経大の中野雄二監督は「内容はともあれ勝点3をとれてほっとした」と安堵の表情。「あれだけ守備的な相手に対して、パスワークで切り崩して3点を取れたのはさすが」とその戦いぶりを評価し「こういう試合でも最後勝ち切るというのは、いろいろな形で自信になったと思う」と、"勝点3"以上に得るものがあったとした。
一方、目の前で"勝点2"を失った東国大の前田秀樹監督は「戦略的には良かったのだけど」と苦笑い。「リトリートして相手にスペースを与えない。押し込まれるのは承知のうえ。攻めさせて、裏をとる」という狙いどおりの試合運びになったが、終盤に守備の選手が足をつるなどのアクシデントに見舞われた。「あれが痛かった。勝てば自信がついたし、引き分けでもよかった。でもサッカーってその5分が怖いところ」と前田監督。しかし「あの流経大さんとやって2点取れた。これは大きい」とも。「負けたけど、よしと自信をつけることのできたゲームだったと思う」と、前を向いた。
次節は7月11日(土)に拓殖大学対東京国際大学、流通経済大学対日本大学の2試合が行われる。東洋大学、日本体育大学、関東学院大学、産業能率大学、青山学院大学、立教大学、明治学院大学は新型コロナウイルス感染症の影響で不参加のため、該当する対戦カードは延期に。その関係上、神奈川大学は今節お休みに。逆に日本大学は、第2節が待望の開幕戦となる。2試合ともYoutubeの関東大学サッカー連盟公式チャンネルでライブ配信予定だ。熱いゲームを自宅で観戦しよう。