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JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦・2部第1節マッチレポート

2018/04/12

「JR東日本カップ2018 第92回関東大学サッカーリーグ戦【前期】」2部リーグ第1節は、4月8日(日)に6試合が行われた。


日本体育大学 対 関東学院大学 @龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド


 1年での1部リーグ復帰を目指す日本体育大学(昨季1部リーグ11位)と、圧倒的な強さで神奈川県リーグを勝ち抜いてきた関東学院大学(昨季神奈川県リーグ1位)との一戦。

 試合は開始直後から日体大ペースで試合が進んだ。勢いよく攻め上がる日体大は、11番・平川元樹が個人技で相手DFを圧倒しチャンスを作り出す。それに対し、2年ぶりの関東リーグ復帰となった関学大は押され気味になるが、徐々に連携が取れるようになり、日体大ゴールへ迫る。すると36分、コーナーキックからの展開で10番・見木友哉がつぶされながらもパスを出したところに、2番・有田光我が右足を振り抜いて、関学大が先制点を挙げる。このゴールで主導権を握った関学大は、追加点を挙げようと攻め込むが日体大も必死の守りでこれを阻止。日体大は前半終了間際の42分、7番・関戸裕希からのクロスが相手DFにあたってこぼれたところを、14番・渡邊龍が反応して右足で押し込む。「(7番・)関戸からいいクロスがきたので、そのまま当てただけ」(14番・渡邊)という日体大が1-1と試合を振り出しに戻して前半を終える。

 後半開始後はお互いに攻め込むも、なかなか得点を挙げられず時間だけが経過。しかし引き分けのまま終わるかと思われた終了間際の88分に試合は動いた。右サイドで7番・関戸裕希が相手選手からボールを奪い、すばやくゴール前へとパスを出す。そこに走り込んでいたのは14番・渡邊だった。「カウンターからいいボールが出たし、GKが出てくるのが見えたから、あとは流し込むだけだった」という14番・渡邊の絶妙なコースを突いたシュートがゴールネットを揺らして追加点。関学大はその直後に7番・清成俊太が2枚目の警告で退場するなどして反撃の芽を封じられ、そのまま試合終了。日体大が逆転勝利で開幕白星を飾った。

 日体大の矢野晴之輔監督は「開幕戦で、相手は県リーグから昇格してきたチーム。それだけに絶対に負けられないというプレッシャーがあり、固くなるのはわかっていた」としながらも「あそこまで固くなるとは」と前半の動き出しの悪さが予想以上だったことを明かした。それでも「前半を1-1で折り返せたことは大きかった」と振り返り、ハーフタイムには「難しいことは考えず、もう少しサッカーを楽しもう」と送り出したという。その後押しを受けての見事な逆転勝利。「(14番・)渡邊と(7番・)関戸という、今年の軸となるふたりが活躍してくれた」のも大きい。もちろん「課題はある」と矢野監督。次節・拓殖大学戦に向けては「もう少し前から守備をしていかなければならないし、もっと日体大らしいクリエイティブさとアグレッシブさを出してほしい」との注文も忘れなかったが、「初戦はなんといっても結果が大事。そういう意味では満足している」と頬を緩めた。

 一方、先制しながらも悔しい敗戦を喫した関学大の石村大監督は「前半がすべてだった」と、主導権を握っていた前半に追加点をとれなかったことを悔やんだ。リーグ前の1部チームとの練習試合でも同様の内容のことがあったといい「得点を取り切れないうちに相手のワンチャンスにやられる」勝負弱さを悔やんだ。後半は「相手の修正力にやられた。力のあるチームはそこからチャンスをつくる。そこが昨年1部を経験しているチームとの違い」と日体大の実力を認めた。それでも「前半はできていなかったわけじゃない」と2年ぶりの関東リーグに手応えを感じたのも確かだ。次節は東京学芸大学と対戦。今節の敗戦を糧として「勝つためのゴールを追求していきたい」。

慶應義塾大学 対 立正大学 @山梨中銀スタジアム


 昨シーズン1部最下位で2部に降格、1年での復帰を目指す慶應義塾大学(昨年1部リーグ12位)と、関東復帰2シーズン目となる今季は上位争いに絡みたい立正大学(昨年2部リーグ8位)の一戦。

 新シーズンを占う初戦は、両チーム慎重な立ち上がりで試合が進んだ。立正大はサイドを攻略し、10番・関岡亮太を狙ってクロスを入れるが、これをボランチからセンターバック起用となった慶大24番・八田和己が防ぐ。すると、23分、慶大は左サイドを突破すると15番・中島玲央が左足でグラウンダーの速いクロス。これは相手ディフェンダーに阻まれるも、こぼれ球を拾って再びゴール前に入れたクロスボールが、13番・山田盛央にあたるような形となり、そのままネットに吸い込まれる。このゴールが先制点となり、慶大が先制する。その後、立正大も10番・関岡が左サイドからのクロスボールに合わせてビッグチャンスを迎えるが、決めきれずに試合を1-0で折り返す

 後半は、立ち上がりから立正大が流れをつかんだ。5番・中塩大貴のヘディングシュートはポストに阻まれるが、58分、19番・雪江悠人の左サイドからのクロスを10番・関岡が頭で合わせて同点に追いつく。さらに69分、右サイドの立正大・17番・梅村豪からのクロスを18番・平松昇がヘディングシュートでゴールに突き刺して逆転に成功する。立正大の攻撃は止まず、77分、2番・吉野 巧人からのフリーキックを10番・関岡が折り返し、最後は19番・雪江が決めて1-3とすると試合終盤の87分に、またも19番・雪江の右からのクロスに10番・関岡が決めて1-4に。開幕戦は慶大を大きく突き放した立正大の大勝利で幕を閉じた。

 開幕戦で思わぬ大敗を喫してしまった慶大。次節・東海大学との試合でチームを建て直すことができるのか。また開幕戦で快勝を収めた立正大は神奈川大学と対戦。第1節終了時の順位ではあるものの、初の首位に立ったこの勢いを次節にも活かしたいところだ。

東海大学対立教大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場


 残留争いに巻き込まれた昨季の経験から、何としても初戦を勝ちたい東海大学(昨年2部リーグ10位)と、41年ぶりに関東リーグに昇格し、少しでも爪痕を残したいと意気込む立教大学(昨年東京都1部リーグ2位)の対戦。

 前半は東海大の特徴である力強いプレーで試合を押し込むが、得点は生まれることはなくスコアレスで試合を折り返した。東海大のシュートは2、立教大は1とどちらも攻め手のない低調な試合展開となった。

 しかし後半は立教大が躍動。立教大のシュートがポスト、クロスバーに当たるなど多くのチャンスを迎えるが東海大もGKの1番・佐藤伊織が好セーブで得点を許さない。0-0のまま試合はアディショナルタイムに突入。このまま引き分けで終わるかと思われた終了間際の90+3分、ついに試合が動いた。立教大は18番・佐藤大雅からのパスを受けた10番・吉田直矢がシュート。そのこぼれを、18番・佐藤が決めて立教大がついに東海大のゴールをこじあける。試合はそのまま0-1で終了。立教大が41年ぶりとなる関東リーグ復帰戦で貴重な今季初勝利を挙げた。

 昇格組である立教大に敗れ、関東所属チームとしての意地を見せることのできなかった東海大。次節は1部から降格してきたばかりの慶應義塾大学と対戦する厳しい状況ではあるが、連敗だけは避けたいところだ。一方、関東リーグ初勝利でその実力を見せつけた立教大は、次節・東京農業大学と対戦。次節も勝利し、この勝利がフロックではないことを証明したい。

拓殖大学 対 東京農業大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場


 昨季は後期で調子を落とし、1部昇格を逃した拓殖大学(昨季2部リーグ4位)と、三浦佑介監督体制も2年目を迎え今年こそ1部昇格を目指す東京農業大学(昨季2部リーグ5位)の一戦。

 前半は、東農大ペースで試合が進んだ。前半序盤の13分、東農大はコーナーキックのチャンスを迎える。10番・牧寛史の蹴ったボールは、一度拓大のGK1番・吉田雅貴に弾かれるも18番・渡辺太一が混戦の中から右足で押し込み、東農大が先制。東農大がリードのまま前半は終了した。

 後半は、拓大が10番・小島樹を中心とした攻撃で東農大ゴールに攻め込む。それに対し東農大は、主将の3番・寺門宥斗と4番・西海洋介の両センターバックが統率する守備陣が拓大の攻撃を阻む。そんな中、79分に拓大は7番・奥村晃司のコーナーキックを5番・益子大輝が頭で合わせて同点とする。1-1と試合は振り出しに戻り、両チーム追加点のないまま引き分けで試合は終了した。

 ともにコーナーキックからゴールを挙げた両チーム。後半、何とかセットプレーで追いついく形となった拓大は、次節で逆転勝利を収めた日本体育大と対戦する。今度こそ先手をとって勝利につなげたい。一方、一瞬の隙で同点に追いつかれてしまった東農大は悔やまれる引き分けとなった。次節は41年ぶりの関東リーグ復活、そして初戦勝利に沸き立つ立教大学と対戦。相手の勢いに呑まれないようにしたいところだ。

青山学院大学 対 神奈川大学 @中央大学多摩キャンパスサッカー場


 昨季8得点の10番・小泉佳穂の活躍が期待される青山学院大学(昨季2部リーグ7位)と、フィジカルとテクニックが持ち味の新主将、3番・石渡旭率いる神奈川大学(昨季2部リーグ9位)の一戦。

 前半、立ち上がりにペースをつかんだのは神大。速いプレスでボールを奪い、両サイドから攻撃を仕掛ける。対する青学大はしっかりとした守備でゴールを守る。試合が動いたのは16分。フリーキックを獲得した青学大は14番・尾ノ上幸生が直接決め、先制点を挙げる。しかし青学大に先制されても神大のペースは衰えず、27分に27番・秋山駿介が左サイドを突破。10番・櫻井敬正にいったん預けたボールを受けると、そのままゴールを決めて同点とする。さらに30分には、相手チームのパスをカットした9番・吉田蓮がシュートを放ち逆転。神大が2-1でリードし、試合を折り返す。

 このまま神大ペースかと思われたが、一転、後半は青学大が主導権を握る展開となった。シュート数で比べてみても、神大は前半6に対して後半は1。一方、青学大は前半3に対して後半6と、その数が倍に増えている。そんな状況を象徴するかのように、66分には青学大の19番・菅原大雅が相手のクリアボールこぼれ球を見逃さずにゴール。青学大が同点に追いつく。その後青学大はペナルティーキックを2度獲得。絶好のチャンスを手に入れるも、10番・小泉が2度にわたるまさかの失敗で追加点ならず。しかし最後は青学大の8番・瀬川泰樹が3点目を決め逆転に成功。試合終盤の86分、GKの1番・山川卓己からのロングキックに11番・森孝輔がドリブルで突破するという鮮やかなカウンターに8番・瀬川が得点で応え、3-2で青学大が勝利した。

 一度は逆転してリードを奪ったものの、最後は逆転し返されて悔しい黒星スタートとなってしまった神大。次節は昨季8位ながら、初戦に勝って白星スタートとなった立正大学と対戦。一方、初戦を気持ちの良い逆転勝利で飾った青学大は次節、中央大学と対戦。どちらのチームも相手ホームグラウンドでの試合となるが、雰囲気に飲まれることなく確実に勝利を掴みたい。

中央大学 対 東京学芸大学 @中央大学多摩キャンパスサッカー場


 昨季は2部3位とあと一歩のところで1部昇格を逃し、今年はなんとしてでも昇格したい中央大学(昨季2部リーグ3位)と、1年生が4人もメンバー入りし、新しいユニフォームとフレッシュなチームで臨む東京学芸大学(昨季2部リーグ6位)の一戦。

 前半は中大がボールを支配した。ピッチを幅広く使い、26番・中村文哉を中心に攻めるが、なかなか得点まで繋がらない。一方、東学大は11番・半谷陽介を中心に攻めたいところだったが、中大の素早い切り替えによるプレスに阻まれ、ロングボールを多用した単調な攻撃が続く。

 スコアレスで迎えた後半も、前半同様中大ペースで試合が進んだ。すると50分、コーナーキックをクリアーしたボールがペナルティーアーク付近に。このボールに26番・中村が反応。ダイレクトで鮮やかなミドルシュートを叩き込み、中大が先制点を挙げる。その後も中大の勢いは止まらず、60分にはゴール前に抜け出した26番・中村が倒されて、ペナルティーキックを獲得。これを26番・中村自ら決めて、リードを2点差に広げる。東学大は試合終盤、2番・原山海里のロングスローから波状攻撃をしかけるが中大が逃げ切って試合終了。2-0と2点のリードを守りきった中大が勝点3を手に入れた。

 相手を無失点でおさえ、順調な滑り出しとなった中大は次節、ホームで青山学院大学を迎え撃つ。初戦の勢いそのままに、連勝して1部昇格に弾みをつけたいところだ。初戦から厳しい展開となった東学大は次節、1年で関東リーグ復帰を決めた関東学院大学と対戦。10数年ぶりの1部リーグ昇格にむけて巻き返しなるか。




 第2節は4月14日(土)に中央大学多摩キャンパスサッカー場にて東京学芸大学と関東学院大学、中央大学と青山学院大学が対戦。4月15日(日)に日本体育大学横浜・健志台キャンパスサッカー場にて慶應義塾大学と東海大学、日本体育大学と拓殖大学の試合が、立正大学熊谷キャンパスサッカー場にて立正大学と神奈川大学、東京農業大学と立教大学の試合が行われる。

 開幕戦となった第1節は波乱含みの結果となった。1部からの降格組である日体大が、1年で関東リーグに復帰した関学大に2-1で接戦ながらも勝利を収めた一方、もう一方の降格組、慶大は立正大に1-4と大敗を喫した。また、41年ぶりに関東リーグに復帰した立教大は、後半アディショナルタイムで得点を挙げ、東海大相手に0-1で勝利。昨季の成績どおりとはいかない結果となっているだけに、今シーズンは実力の拮抗したギリギリの戦いが繰り広げられるだろう。

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