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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・2部第8節マッチレポート

2019/07/23


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』2部リーグ第8節は、6月1日(土)に4試合、6月2日(日)に2試合が行われた。


東京国際大学 対 日本体育大学 @千葉県総合スポーツセンター東総運動場


 前節は惜しくも敗戦し下位に沈む東京国際大学(勝点8・9位)と、ここ4戦負けなしの日本体育大学(勝点9・5位)の一戦。

 勝点差はわずか1ながら順位が開いた両校。この混戦状態を抜け出すためにも勝点3がほしい中で始まった試合は、東国大がディフェンスラインからのロングボールを多用し、9番・伊能玲生ら攻撃陣が反応し攻め込む。一方の日体大は関東リーグ初出場の27番・深川大輔を中心に跳ね返すも、我慢の展開が続いた。先に動いたのは東国大だった。11分、右サイドから15番・森大輝がドリブル突破からグラウンダーのクロスを供給。一度は日体大DFがクリアするも、こぼれ球を拾った10番・有水亮が決めて、東国大が先制する。しかしその後、流れは日体大へ。30分、日体大は23番・稲積大介の浮き玉のパスに反応した18番・飛鷹啓介が頭で押し込んで同点に追いつく。日体大はその直後に、10番・山下諒也が倒されてペナルティーキックを得るものの、7番・江崎響太朗のキックは東国大のGK1番・村上駿に止められて逆転ならず。1-1のまま前半を終了する。

 後半は日体大が主導権を握る展開となった。日体大は65分、右サイドから14番・菅颯馬がクロスを上げると、10番・山下が折り返し、最後は18番・飛鷹が押し込む。この日2点目、そして3試合連続となる飛鷹のゴールで日体大が逆転に成功する。さらに73分、10番・山下の放ったシュートのこぼれ球に、18番・飛鷹が反応して3点目を叩き込む。18番・飛鷹のハットトリックで3-1とリードを広げた日体大。しかし東国大も意地を見せる。その直後の77分、10番・有水のコーナーキックに4番・小木曽佑太が頭で合わせて追加点。その差を1点に詰め、その後は東国大が押し込む展開に。しかし日体大も最後のところで身体を張って守りきり、さらなる得点を許さないままタイムアップ。日体大は勝点3を獲得し順位を1つあげて4位に浮上。上位グループを狙う位置で中断期間を迎えることとなった。

 日体大の矢野晴之介監督は「お互い、オーソドックスな4-4-2の布陣。うちにとってはやりやすい形のはずが、前半は相手の守備や攻撃の特徴をとらえきれず戸惑っていた」と試合を振り返る。結果、序盤は東国大の攻撃を許す形になったが「途中から相手をよく見て判断するようになった」とコメント。特に「相手が引いた時に、アイディアが出るようになった」ことを評価する。結果的には18番・飛鷹のハットトリックで勝利を引き寄せたが、「今年のチームには、すごいエースストライカーといった存在はいない」と矢野監督。それだけに「飛鷹も含め、みんなで戦えているからこそ勝てた」とコメント。チームとしての成長を糧に、中断期間後はさらなる上位を目指す。




関東学院大学 対 産業能率大学 @県立保土ヶ谷公園サッカー場


 この試合の勝利をキッカケに最下位を抜け出したい関東学院大学(勝点6・12位)と、今期関東リーグに復帰ながらも堂々の戦いぶりで中位に位置する産業能率大学(勝点9・6位)の一戦。

 神奈川県に本拠地を構えるチーム同士の対戦、いわゆる"神奈川ダービー"となったこの試合は、序盤から激しくボールを奪い合う展開となった。先にチャンスを得たのは関学大。19分、8番・北龍磨の左サイドからのフリーキックを、23番・郷家章人が頭でそらし、最後は11番・奥直仁が泥臭く蹴り込んで、関学大が先制する。追う産能大も10番・土田聖也が立て続けにシュートを放つが、関学大のGK12番・園田悠太がビッグセーブを連発。しかし44分、産能大はペナルティーキックを獲得。キッカー14番・浅原直弥が冷静にこれを決め、産能大が前半終了間際に追いついて試合を折り返した。

 後半は産能大が主導権を握る展開が続き、52分に追加点。左サイドを駆け上がった22番・篠崎輝和がそのままクロスを上げると、10番・土田が頭で合わせて産能大が逆転に成功する。10番・土田の2試合連続得点とで勢いに乗る産能大だったが、是が非でも追いつきたい関学大も反撃を開始。77分に先制点を挙げた11番・奥に代えて1年生FWの40番・西牧蓮を投入し、攻撃の活性化を試みると、その采配が的中。アディショナルタイムに突入した90+1分、中央でボールを受けた40番・西牧がドリブルからのシュートがネットを揺らし、土壇場で関学大が同点に追いつく。ほどなくしてタイムアップの笛がなり、試合は2-2で終了。産能大にとっては、目の前で勝利を逃す悔しい結果となった。一方の関学大にとっては、最下位脱出となる大きな勝点1。関学大は降格圏内を抜けた10位で中断期間を迎えることになった。


慶應義塾大学 対 日本大学 @龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド


 現在3連勝中、2部リーグ最少失点で首位の慶應義塾大学(勝点18・1位)と、5試合負けなしで首位を狙う日本大学(勝点12・3位)の上位対決。

 慶大は堅い守備をベースにカウンターを狙い、一方の日大はボールを保持してチャンスを窺う。互いの特徴を出し合いながらも、堅い試合運びとなり、試合はスコアレスで前半を折り返した。

 後半、慶大は14番・橋本健人の左からの高精度なクロス、2シャドーの推進力を軸に攻撃を組み立てる。対する日大も8番・金子拓郎を中心とした中盤の技術の高さ、5番・川野勝裕の鋭いパスが脅威に。すると56分、ついに均衡が破られる。コーナーキックを獲得した日大は、8番・金子のキックを2番・東伸幸がファーで折り返し、3番・長谷川雄介が詰めて先制。86分には、またしても8番・金子のセットプレーから5番・川野が合わせて追加点を挙げる。日大はさらにアディショナルタイムの90+3分にも、7番・大森渚生がGKのこぼれ球を左足で突き刺し、3点目を決めて勝負あり。2部首位の慶大から勝点3をつかみ取り、中断前に日大が大きな勝利を挙げた。一方の慶大は無得点かつ3失点と痛い敗戦。辛うじて首位をキープしているものの、2位・国士舘大学に勝点1差に詰められる結果となった。


国士舘大学 対 東京学芸大学 @国士舘大学町田キャンパスサッカー場


 今節も勝って首位との差を詰めたい2連勝中の国士舘大学(勝点14・2位)と、前節に初勝利を挙げ、このまま波に乗りたい東京学芸大学(勝点6・10位)の一戦。

 試合開始早々、国士大は11番・髙橋利樹をポストプレーの起点にして攻めるもなかなかゴールを決めることができない。逆に18分には、東学大が動く。33番・草住晃之介のグラウンダーのクロスを、ゴール前にいた28番・荒川滉貴が頭で合わせ東学大が先制点を挙げる。追いつきたい国士大は24分、14番・松岡大智がペナルティーエリア付近から左足で豪快なミドルシュートを決め同点弾。試合を振り出しに戻して前半を終えた。

 後半、国士大は11番・高橋にボールを集めてゴールを狙うが追加点までいたらず。東学大もカウンターからチャンスを作るが、こちらも得点ならず。一進一退の攻防戦が繰り広げられるが、試合も終盤に差し掛かった82分に、国士大がフリーキックを獲得する。8番・谷村海那のキックを、23番・中村駿が頭で合わせ国士大が追加点を挙げ、逆転に成功する。その後は両者球際で激しい攻防戦を繰り広げるが、国士大が逃げ切り2-1で試合終了。首位・慶應義塾大学に勝点1差に迫る、貴重な勝利を収めた。


立教大学 対 青山学院大学 @立教大学富士見総合グラウンド


 前節、慶應義塾大学相手に大敗を喫し、守備の立て直しを図りたい立教大学(勝点8・8位)と、順位浮上のきっかけが欲しい青山学院大学(勝点6・11位)との一戦。

 前節に大敗を喫している両チーム。リーグ戦の中断期間前ということもあり、勝利で締めたとの思いで試合に臨んだ。そのせいか序盤は堅い試合展開となり、なかなか好機を作り出せない。立教大は10番・吉田直矢、27番・宮倉樹里杏の2トップを中心に攻勢を強めるが、青学大ディフェンス陣も体を張った守りで跳ね返し、ゴールならず。結局、スコアレスドローで試合を折り返した。

 後半、先制したのは青学大だった。68分、左サイドを駆け上がった2番・加倉井拓弥から6番・佐藤凌輔、16番・植松亮とつなぎ、最後は31番・渡貫舜大が右足でシュート。31番・渡貫の2試合連続ゴールで青学大が均衡を破る。しかい立教大もすぐに動く。75分、敵陣深くの左サイドでフリーキックを獲得すると、10番・吉田の正確なキックに、交代直後の8番・佐藤大雅が頭で合わせて同点に追いつく。立教大は試合終了間際の90分にも、8番・佐藤のこの日2点目となるゴールを左足で叩き込み、劇的な勝ち越し点。ホームグランド開催で、仲間の声援を受けた立教大が逆転勝利を挙げ、勝点3を掴んだ。一方の青学大は、先制しながらも終了間際に失点を喫し、手痛い逆転負け。この結果、得失点差ながらも最下位に沈むこととなった。


拓殖大学 対 東海大学 @東海大学湘南キャンパスサッカー場


 3試合ぶりの勝利がほしい拓殖大学(勝点8・7位)と、連敗をストップし流れを引き寄せたい東海大学(勝点11・4位)の一戦。

 拓大は26番・田中幸大と9番・長尾吉家が攻撃の起点となり、序盤からチャンスを多数演出。すると18分、セットプレーのリスタートから、5番・金井明寛が左サイドを突破してマイナスのクロスをあげると、7番・池田廉がこれに反応。落ち着いてゴール隅にシュートを決め、拓大が先制点を挙げる。続く23分、拓大は右サイドを突破した15番・筌口拓が上げたクロスを、26番・田中がゴールに流し込んで追加点。序盤に拓大が2-0とリードを広げる。対する東海大は5番・面矢行斗のロングスローや8番・丸山智弘のフリーキックで拓大ゴールに迫るも、前半は無得点に。試合は2-0で折り返しを迎えた。

 後半も拓大ペースは続き、後半開始早々の49分、8番・奥村晃司のスルーパスに抜け出した26番・田中がGKとの1対1を決め、この日2得点目となるゴールを挙げ、3-0と東海大を突き放す。このままでは終われない東海大は、試合終了間際の87分、31番・内田航太郎が強烈なミドルシュートを決めて1点を返す。しかし、アディショナルタイムにまたしても拓大にチャンスが訪れる。90+4分、10番・小宮嶺が左サイドからドリブルで突破を図ると、自らゴール前まで運んで追加点を決め、ダメ押しの4点目。拓大が大量4得点を挙げて東海大を下した。この勝利で拓大は5位に浮上、一方の東海大は一気に7位に転落する、対称的な結果となった。

 いい形で中断を迎えることとなった拓大。玉井朗監督は「1点目の7番・池田のシュートがよかった。先制点をとったことで、相手が前に出てきた。それでこちらもスペースを使いやすくなった」とコメント。先制点の奪取が、この試合の大きなポイントとなったと語った。「パスを出したがる選手ばかり」と玉井監督が苦笑する拓大の中にあって「うちには珍しいストライカータイプ」という26番・田中幸大の2得点も大きい。なかなか結果が伴わず、悪い雰囲気になりかけていたという拓大。この勝利が、チームを救う大きな1勝になるか。すべては中断後の前期ラスト3試合に懸かっている。





 首位慶大が日大を相手に3失点を喫し、4試合ぶりの黒星となった今節。依然、首位を守るものの、2位の国士舘大学との勝点差は1と、上位も混戦模様となっている。一方、最下位争いをしていた東学大と青学大は、互いに1-2で敗戦。得失点差により、青学大が最下位に沈む結果となった。この後リーグ戦は中断期間に入り、『「アミノバイタル?」カップ 2019 第8 回関東大学サッカートーナメント大会 《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》』が開幕する。昨季は東京都リーグ所属の明治学院大学が決勝進出を果たすなど"ジャイアントキリング"が楽しみな大会でもある。今年は2部のチームがどれだけ上位カテゴリーの1部相手に"ジャイキリ"を起こせるか。そしてその勢いで、8月に再開する前期リーグ戦残り3試合で波乱を巻き起こしたいところだ。
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