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JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦・1部第12節マッチレポート

2019/09/20


 『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部第12節は、9月14日(土)に6試合が行われた。


駒澤大学 対 中央大学 @東洋大学朝霞グラウンド


 混戦状態の上位チームから抜け出したい駒澤大学(勝点19・5位)と、インカレ出場に向けて良いスタートを切りたい中央大学(勝点14・8位)の一戦。

 前半、試合のペースを握ったのは中大。右サイド、8番・大久保智明の個人技を中心に駒大ゴールに襲い掛かる。すると13分、中大にチャンスが訪れる。右サイドから8番・大久保が放ったシュートのこぼれ球を、11番・太田翔が頭で押し込むがこれはバーを直撃。しかしそのこぼれを、最後は25番・高窪健人が右足で押し込み、中大が先制する。対する駒大は、こちらもサイドからゴールを目指すも目立ったチャンスを作れず、0-1のまま試合を折り返した。

 後半も先制した中大がペースを握り、10番・加藤陸次樹が中心にチャンスを演出。さらに11番・太田がゴールを狙っていく。だがこの試合、11番・太田は7本ものシュートを放つも枠を捉えきれず、中大はなかなか追加点を奪えない。反撃したい駒大は59分、18番・土信田悠生に代えてモンテディオ山形内定の9番・高橋潤哉を投入。主導権を握り返すが、中大のゴールを割ることができないまま試合終了。中大は前期リーグの第8節で、駒大に0-1で敗れたリベンジを果たした。


明治大学 対 東洋大学 @東洋大学朝霞グラウンド


 『2019年度 第43回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』に続きリーグ優勝も目指す明治大学(勝点30・1位)と、1部リーグ残留に向けて勝点3が必須の東洋大学(勝点4・11位)の一戦。

 対照的な2チームの対戦は、開始早々に試合が動いた。5分、明大は右コーナーキックを獲得すると、7番・中村健人のボールに22番・小野寺健也が頭で合わせて先制点。総理大臣杯の決勝でも得点を挙げた22番・小野寺の2試合連続ゴールで明大がリードを奪う。このまま明大がペースを握るかと続くと思われたが、すぐに東洋大が反撃に出る。10分に19番・梅津凌岳が左サイドからドリブルでカットインし、抜け出した17番・中村陸にパス。これを17番・中村が冷静にゴールへ流し込み、すぐさま同点に追いついた。しかしその後は明大が主導権を握る展開となり、21分、20番・佐藤凌我が東洋大DFをドリブルで引きはがして左足を振りぬくも、これはポストを直撃。そのこぼれ球を拾った7番・中村、8番・森下龍矢が立て続けにシュートを放つが、東洋大の身体をはったブロックに阻まれ、なかなか追加点を奪えない。逆に32分には、高い位置でボールを奪った東洋大の19番・梅津を、明大の22番・小野寺がファウルで止めて一発退場に。明大は残り60分近い時間を、1人少ない10人で戦うことになった。

 明大はハーフタイムに、17番・持井響太を投入して残り45分に備えるが、後半はやはり数的優位となった東洋大が主導権を握る展開に。東洋大は54分に10番・松崎快、61分には20番・横山塁を投入し攻勢に出る。62分には7番・野本幸太が右サイドからクロス。そのこぼれ球に10番・松崎が合わせるが枠内にはシュートを放てず、決定機を逃してしまう。すると時間が経つにつれてペースは次第に明大へ。そして80分、明大がついに追加点を奪う。交代出場の17番・持井が左サイドから8番・森下とのワンツーで抜け出すと、最後は自らシュートをゴール右隅に決めて勝ち越しに成功。東洋大は終盤、DFの枚数を減らして9番・荒川勇気を投入するも明大がひとり少ない中でも粘り強い守備で逃げ切り、2-1でタイムアップ。明大が王者の意地を見せ、首位を堅持した。一方の東洋大は、数的優位に立ちながらもそのチャンスを活かせず悔しい敗戦。最下位の流通経済大学が勝点1を積み上げたため、屈辱の最下位転落となった。


法政大学 対 流通経済大学 @龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド


 現在勝点17、リーグ戦優勝目指すうえではもう負けられない法政大学(勝点17・6位)と、1部リーグに残留するためにも勝点3を手にしたい流通経済大学(勝点4・12位)の一戦。

 立ち上がりは両チームとも前線からプレッシャーをかけ、互いに相手の背後を狙う。徐々に法大がボールを持ち始めたと思われた26分、左サイドで6番・大西遼太郎が14番・森俊貴にパスを出し、14番・森がそのままゴール前にクロスを上げる。すると、それを20番・佐藤大樹が頭で合わせてゴール。法大が先制点を挙げる。その後は流経大がボールを持つ展開となったが、得点には至ら法大リードのまま前半は終了。

 後半もボールを保持する流経大だったが、なかなかチャンスを作ることができない。しかし59分、法大ディフェンスラインのパスミスを見逃さなかった流経大の10番・山口大輝が法大GKとの一対一を冷静に決め、同点に追いつく。その後も互いに攻撃を仕掛け、チャンスを演出するが追加点を決めることはできず、1-1でタイムアップ。双方勝点1を分ける結果となった。法大はこの結果、7位に後退。一方の流経大は、勝点差1ながらも東洋大を上回り、最下位を脱出。しかし未だ11位と降格圏内に在り、次節こそ勝点3を手にしたい。




桐蔭横浜大学 対 順天堂大学 @龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド


 創部初のインカレ出場を目指す桐蔭横浜大学(勝点21・2位)と、首位との差を詰めるためにも勝点3を獲りたい順天堂大学(勝点21・3位)

 互いに勝点21で並ぶ2位と3位の直接対決は、開始早々に動いた。8分、左サイドをドリブルで駆け上がった3番・三國スティビアエブスが逆サイドへとボールを展開。それを10番・旗手怜央が受け、ゴール前中央へとクロスを入れる。これに走りこんできた18番・大森真吾がダイレクトで合わせ、順大が先制点を決める。しかし桐蔭大も17分、8番・イサカゼインと15番・松本幹太がパス交換から攻め上がり、最後は8番・イサカが右足を一閃。桐蔭大が早い時間帯に追いつき、試合は振り出しに戻った。同点に追いついた桐蔭大は、その勢いのまま6分後の23分にコーナーキックを獲得。すると6番・橘田健人のキックを3番・遠藤凌が頭で合わせ、勝ち越し点。桐蔭大が前半のうちに逆転に成功する。

 順大はハーフタイムに左サイドバックの3番・三國に代わり11番・塩浜遼を投入。攻撃を厚くして、同点に追いつくべく果敢にゴールを狙う。さらに68分には15番・大谷京平をピッチに送り出し、試合の流れは徐々に順大へと傾き始める。しかし、得点を決めきることができないまま試合終了。シュート数は桐蔭大が3本なのに対して順大は10本と数のうえでは上回りながらも、チャンスを逃さなかった桐蔭大が上位対決を制し、勝点3を手に入れた。


筑波大学 対 早稲田大学 @筑波大学第一サッカー場


 前期リーグ終盤に4連敗を喫し、『2019年度 第43回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』では初戦敗退と厳しい状況の筑波大学(勝点17・7位)と、前期リーグを3勝で終え、残留争いから抜け出したい早稲田大学(勝点10・10位)の一戦。

 前期最終戦となった前節と同カードとなったこの試合。前節は2-1で早大が勝利を収めたが、この試合も立ち上がりは早大が筑波大の最終ラインの背後を積極的に狙う。しかしあと一歩がゴールに届かず、得点を得ることが出来ない。逆に筑波大は44分、19番・加藤匠人の蹴ったコーナーキックを、7番・三笘薫が頭で合わせて先制。し、筑波大が数少ないチャンスをものにして前半を終了する。

 後半は打って変わって筑波大が一方的に攻め立てる展開が続く。「前半は0-0でもいいと言っていた中で1点を取れた」と及第点を与えていた筑波大・小井土正亮監督だったが「ハーフタイムには選手たちから前半の内容について声が上がっていた。もっとボールを大事にすべきだろう、と」(同監督)。気持ちを新たに迎えた後半、筑波大は開始早々の49分に10番・高嶺朋樹とのワンツーから抜け出した18番・森海渡のゴールを決めて追加点。さらに60分には再び10番・高嶺との崩しから、今度は14番・山原怜音が右サイドから豪快なシュートで3点目を決める。筑波大の勢いは止まず、60分にはクロスのこぼれ球を18番・森が突き刺してこの日2点目を挙げ、ダメ押しの4点目をマーク。またその直後の67分には、左サイドを突破した16番・三浦雅人のクロスがオウンゴールを誘発し、5点目が決まって勝負あり。筑波大は20分間で4点を奪う勢いで、夏の不調を一掃した。守っては今季初出場のGK、21番・大川圭為がクリーンシートを達成し、5-0で完勝を収めた。

 筑波大・小井土監督は、「GKの21番・大川の初出場やメンバーやポジションを少し入れ替えるなどして臨んだが、その不慣れな部分が出た」と前半を振り返り、「後半にシステムを変えたことでようやく落ち着いた」と前半と後半の"豹変"ぶりに触れた。「ここまで自信をもってプレーができるなら、前半からやってほしかった」と冗談めかす小井土監督だったが「今日の状況の中、勝利したことでまたひとつ壁を超えることができた。ここで学んだことを、シーズンを通して表現できるよう成長していかなければ」と、気を引き締めていた。

 筑波大は5試合ぶりの勝利で、順位をふたつ上げて5位に浮上。一方の早大は苦しい後期リーグの幕開けとなった。




立正大学 対 専修大学 @筑波大学第一サッカー場


 前期リーグ終盤に失速したものの、昇格初年度で4位に付ける検討を見せた立正大学(勝点20・4位)と、前期リーグの終盤を3連勝で締め、上位に食い込みたい9位専修大学(勝点13・9位)の一戦。

 前期リーグの対戦では立正大が4-0で圧勝した。しかし2度目の対戦となったこの試合では、専大が序盤から気持ちの入ったプレーで立正大ゴールに迫る。立正大もカウンターやセットプレーでチャンスを作るものの得点には至らず、結局スコアレスで試合を折り返した。

 後半も専修大は、前期終盤の3試合で7得点を挙げた10番・氣田亮真を中心に攻め立てるが、なかなか好機を生かせない。すると49分、押し込まれていた立正大が反撃に出る。相手ディフェンスの連携ミスからボールを奪うと最後は11番・見原慧が押し込む。「目の前にこぼれてきたボールを押し込んだだけ」という11番・見原の嗅覚が冴えるゴールで立正大が先制する。さらに73分には、13番・武田夏輝の左サイドからのクロスに10番・人見拓哉が合わせて追加点を挙げ、立正大が2-0とリードを広げる。一方の専大は90+3分に10番・氣田が4試合連続となる意地の1点を返すも、反撃はここまで。立正大が1点差を守って逃げ切り、試合終了。立正大が後期初戦を白星で飾った。

 立正大の杉田守監督は「前期の対戦のときも同じような展開だったので、ハーフタイムの選手たちの雰囲気もよかった。前半は相手のサッカーを受けていたが、ネガティブにはなっていなかった」とコメント。その言葉どおり、後半開始早々に「うまくミスをつけた」形で先制。その後は「先制されて、相手も少しオープンな展開になるだろう」との予想どおりの試合運びで、追加点を挙げた。この勝利で順位を3位に上げたが、内容に満足はしていない。後半、足がつる選手が出たのは「結局、ボールを失う回数が多かったから。動かされるということはそれだけ疲労につながる」と分析。「もっと自分たちの体力があるときに、攻撃を組み立てなければ。そのためにはもっと精度を上げていかないと」と課題を挙げた。前期は"ニューカマー"の立場だったため「警戒されていなかったのだと思う」と杉田監督。だが予想以上の活躍に「後期は警戒される立場。その中でいかに力を出せるか」。完封とはならず、アディショナルタイムには専大にゴールを許したが、杉田監督は「最後の失点が逆に次の試合に向けてのいい準備になった」と、次節を見据えた。





 次節の第13節は、9月21日(土)に全6試合を行う。県立保土ヶ谷公園サッカー場では桐蔭横浜大学と立正大学、明治大学と中央大学がそれぞれ対戦。また千葉県総合スポーツセンター東総運動場にて早稲田大学と東洋大学、順天堂大学と駒澤大学が、龍ケ崎陸上競技場たつのこフィールドにて専修大学と流通経済大学、法政大学と筑波大学が、それぞれ激突する。

 夏の中断期間を経て、再開した『JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦』。『2019年度 第43回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』で見事2連覇を達成した明治大学が今節も勝利し、首位を独走中。それを追いかける桐蔭横浜大学は順天堂大学との上位対決を制し、2位を死守した。一方、前期リーグ終盤は勝ちから見放されていた筑波大学が早稲田大学を相手に大量5得点の大勝を収めた。これを分岐点に上位進出なるか。後期リーグは、混戦状態の中位陣の動向にも目が離せない。
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