『JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第15節は、10月27日(水)に延期分の2試合がリモートマッチで行われた。
早稲田大学 対 拓殖大学
3連敗中でこれ以上負けられない早稲田大学(勝点24・暫定10位)と、2連勝中で1部リーグ残留のためにも3連勝を狙う拓殖大学(勝点23・暫定11位)。10位と11位の直接対決、1部リーグ残留争い注目の一戦。
試合は序盤から動いた。7分、早大は拓大がビルドアップで縦に出したパスをカット。13番・平松柚佑が右サイドにボールを展開すると、12番・森璃太がドリブルで敵陣に侵入。12番・森が上げたアーリークロスは28番・駒沢直哉の頭にドンピシャリ。早大が早々に先制点を挙げる。しかし、ここから追いつきたい拓大が怒涛の攻撃を見せる。13分、4番・山下諒時のロングボールを11番・加賀美右京が収め、相手DFと入れ替わりながらシュートを放つ。しかしこれは早大GK、31番・上川琢がキャッチ。さらに40分には、7番・鏑木瑞生の縦パスを17番・加藤悠馬がスルー。11番・加賀美につながると、反転しながらシュートを放つ。だがこれはゴール右に外れてしまう。果敢な攻撃を仕掛ける拓大だったが、ゴールネットを揺らすことのないまま前半は終了。早大が1-0でリードし、試合を折り返した。
後半も拓大がボールを支配する展開が続いた。しかし53分、拓大はまたしてもビルドアップで縦に出したパスをカットされ、早大のカウンターを受けることに。インターセプトした早大の17番・植村洋斗が28番・駒沢にパスを当て、ボールを左サイドに展開。そこで待っていた19番・安斎颯馬は、ドリブルでペナルティーエリア内に侵入。角度のないところから放った左サイドのシュートは、逆サイドのネットに突き刺さり、早大が追加点を挙げる。一方、後半だけでコーナーキックを9本獲得するなどして相手ゴールに迫る拓大だったが、早大の固い守備を崩し切ることができず、試合は2-0で終了。
2部リーグ降格の危機に瀕していた早大だったが、4試合ぶりの勝利で1部リーグ残留に向け貴重な勝点3を獲得。順位も6位に浮上し、危機から一転、インカレ出場圏内を視野に入れる状況に。一方敗北した拓大は、最下位の慶應義塾大額が勝利したことで入れ替わるように最下位に後退。最終節の慶大との直接対決で勝利し、2部リーグ自動降格からの脱出を目指す。
駒澤大学 対 慶應義塾大学
1部リーグ優勝に望みをつなぐため確実に勝点3を獲得したい駒澤大学(勝点31・暫定3位)と、直近の試合でライバル・早稲田大学に劇的な勝利を収めて勢いに乗る慶應義塾大学(勝点21・暫定12位)の一戦。
試合は早々に動いた。5分、慶大は右サイド深くでフリーキックを獲得すると、14番・橋本健人の低いボールに2番・小山内慎一郎が右足でうまく合わせる。これは相手DFに防がれるが、こぼれ球に11番・宮本稜大が反応。素早く左足を振り抜き、慶大が先制点を挙げる。しかし、その後は駒大が次第にボールを支配する展開に。駒大はピッチを広く使いながらサイド攻撃を繰り広げ、26分には17番・篤快青が左サイドからゴール前にクロスを上げる。このボールは慶大の5番・小林誉貴が跳ね返すが、クリアボールを拾った駒大の11番・中村一貴が10番・土信田悠生にラストパス。10番・土信田はこれを冷静に頭で流し込み、駒大同点に追いつく。その後も駒大がペースを握るものの両チーム追加点は生まれず、前半は1-1のまま終わった。
後半に入っても駒大の勢いが止まらない。56分には高さとフィジカルを武器とする9番・宮崎鴻を投入。より迫力ある攻撃で慶大ゴールに迫る。しかし、慶大のディフェンスラインは集中力を維持し、最後ラインで体を張ってゴールを守る。耐える時間帯が続いた慶大だったが、試合終了間際に決定機が訪れる。87分、自陣中央でボールを拾った2番・小山内がハーフウェーライン際で待っていた11番・宮本にパスを供給。11番・宮本は上手く相手DFと入れ替わりながら独走状態でドリブル突破をはかり、相手GKと一対一に。そこですかさず、並走していた途中出場の18番・飯塚亮貴にラストパス。18番・飯塚は無人のゴールにボールを流し込み追加点を挙げる。慶大がカウンターから貴重な勝ち越しゴールを決め、スコアを1-2とする。その後は駒大も攻め込むが、得点を奪えず2-1でタイムアップ。
慶大が勝点3を獲得し、ついに最下位から脱出。直近の試合に続く2連勝で勝点6を稼ぎ、2部リーグ降格の崖っぷちから1部リーグ残留に望みをつないだ。一方の駒大は優勝争いから遠のく痛い敗戦。しかし、次節は首位・明治大学との直接対決。一方の慶大は勝点1差の拓殖大学との直接対決となり、両チームともに1部リーグ優勝・残留に向けて勝利が絶対条件となる。
『JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第15節は、10月20日(水)に延期分の1試合がリモートマッチで行われた。
流通経済大学 対 筑波大学
現在2連勝中、12年ぶりの優勝に向け勢いに乗る流通経済大学(勝点28・暫定3位)と、上位グループに食らいつくためにも勝点3を積み重ねたい筑波大学(勝点28・暫定4位)、同勝点の3位と4位の直接対決。
試合は序盤から流経大がペースを握った。最初の決定機は17分。流経大は10番・満田誠がロングボールに抜け出してシュートを放つも、ボールはクロスバーの上へ。その後も流経大がボールを支配し続け、筑波大に攻撃のチャンスを作らせない。しかしなかなかゴールを決められない中、ようやく試合が動いたのは前半終了間際の45+1分。流経大は12番・家泉怜依のロングフィードから4番・佐久間駿希、2番・佐藤響と繋ぎ、最後は24番・藤井海和がシュート。これが相手DFに当たり、こぼれ球が4番・佐久間の足元へ。すかさず右足を振り抜いた4番・佐久間のシュートはとゴール左隅に吸い込まれ、流経大が先制点を挙げる。前半のシュート数は流経大が9本、筑波大が0本という対照的な内容で試合を折り返した。
筑波大は流れを変えるべく、後半からエースの9番・森海渡、勢いのある1年生コンビ29番・沖田空、15番・角昂志郎を投入。すると後半開始早々、15番・角が13番・岩本翔との連携からファーストシュートを放つ。ここから筑波大の反撃が始まるかと思われたが、64分に流経大は前線からのプレスでボールを奪ってカウンターを仕掛けると、10番・満田のシュートが相手DFのハンドを誘い、流経大がペナルティーキックを獲得。キッカーは3番・佐々木旭。だがシュートは惜しくも左ポストを叩きゴールには至らない。しかしこの後も流れは流経大が握り、73分には混戦から24番・藤井がシュートを放つ。一度は相手GKに止められたものの、こぼれ球を拾った4番・佐久間からの折り返しを24番・藤井が再度落ち着いて流し込みゴール。リードを2点に広げる。その後は流経大が危なげなく試合を動かし、2-0で試合終了。流経大は筑波大をシュート1本で抑え圧倒的な内容で勝利を収めた。
今季の茨城ダービーを3戦全勝で終えた流経大は、これで3連勝となり2位に浮上。目指す首位・明治大学との勝点差は5。残り5試合全勝すべく、優勝争いへ更に自信を付けた。
『JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦【後期】』1部リーグ第15節は、9月11日(土)に新型コロナウイルス感染症の影響で延期となった3試合を除く3試合が行われた。
明治大学 対 桐蔭横浜大学 @レモンガススタジアム平塚
上位を争うライバルたちに差をつけるべく勝点を積み重ねたい明治大学(勝点22・暫定3位)と、下位グループを抜け出してインカレ出場権争いを優位に進めたい桐蔭横浜大学(勝点17・暫定7位)との一戦。
前回のリーグ戦から1ヶ月以上のブランクがある明大は、14番・田中克幸が積極的にボールに絡み、2番・岡庭愁人、15番・林幸多郎が素早い動き出しで両サイドからのチャンスをうかがう。一方、桐蔭大は慶應義塾大学との延期代替試合から中2日で戦いに挑む。9番・山田新がスピードと強さを活かし、3バックの布陣でスタートした明大の背後を狙いゴールにせまる。桐蔭大は11分、ディフェンスの背後に抜け出した9番・山田が相手GKをかわして絶好機を迎えるが、決め切ることができない。一方の明大も34分、カウンターの流れから20番・太田龍之介がシュートを放つものの決められず、両チーム無得点で試合を折り返した。
試合が動いたのは後半に入ってから。58分、桐蔭大の9番・山田が明大のパス交換の隙を見逃さず、すかさずセンターサークル付近でボールを奪取。一気に加速してハーフウェーラインからドリブルで独走すると、相手ディフェンスを寄せ付けずに最後は冷静に相手GKをかわしてゴールに流し込む。追う展開となった明大は78分、それまでも繰り返し試みていたサイドからの崩しで桐蔭大ゴールをこじ開ける。ペナルティーエリアに侵入した15番・林が、左からグラウンダーのクロスを供給。すると中央でポジションをとっていた20番・太田がこれを冷静に収め、ゴールを決めて明大が同点に追いつく。1-1のまま試合は終盤に突入。このままタイムアップかと思われた89分、桐蔭大は途中交代で出場した13番・左部開斗が左サイドからロングパスをゴール前に入れる。これを同じく途中出場の11番・寺沼星文が右足のダイレクトで合わせる。意表をついたシュートにそれまで安定したパフォーマンスを披露していた明大GK・上林豪の頭上を越えてゴールネットを揺らし、土壇場で桐蔭大が勝ち越しに成功。明大は最後まで強度を落とさず得点を狙ったが、桐蔭大の集中した守備に阻まれ、1-2で試合終了。交代策が的中した桐蔭大が勝点3を手にして5位に浮上。上位グループを射程圏内に捉えた。
法政大学 対 立正大学 @県立保土ヶ谷公園サッカー場
1週間前には『2021年度 第45回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』に優勝し、全国の頂点に立った法政大学(勝点23・暫定1位)と、降格圏内と勝点差が2で残留争いを強いられている立正大学(勝点14・暫定10位)の一戦。
立ち上がりに攻勢を強めたのは立正大だった。24番・榊原杏太を中心にサイドから攻撃を仕掛けるが、法大の堅い守備を前にシュートまで持ち込めない。両チーム通じて最初のシュートは12分。法大の6番・松井蓮之の針の穴を通すようなスルーパスが11番・田中和樹に通り、11番・田中がシュートを放つがGKに阻まれる。法大は続く13分、25番・吉尾虹樹がペナルティーエリア左からフリーキックを直接狙うも、これはサイドネットを直撃。それでも徐々に法大がペースを握り始め、25分には、コーナーキックを獲得。すると25番・吉尾のキックが中央で混戦を生み、最後は27番・落合毅人がワントラップから振り向きざまにシュートを放ちゴールネットを揺らす。先制した法大はさらに攻勢を強め、40分には2番・陶山勇磨がゴール前にクロスを上げる。立正大GKが処理しきれずにこぼしたボールを、4番・中井崇仁が押し込んで法大がリードを2点に広げる。シュート数こそ法大6、立正大5とほぼ互角の両者だったが、好機を確実に活かした法大の2点リードで前半を終えた。
前半には降っていた小雨が止み、日差しが差し込むようになった後半。開始直後の47分に、法大が電光石火の3点目をあげる。裏に抜け出した10番・飯島陸が相手との競り合いに勝って中央にグラウンダーのクロスを送ると、走り込んだ11番・田中がダイレクトで合わせる。法大が全国王者の力を見せつけ、リードを3点に広げた。しかし、ここから立正大が意地を見せる。24番・榊原と、前半から途中出場の7番・田中宏武が起点となって徐々にボールを持ち始める。すると68分、立正大は右サイドの7番・田中が相手DFの股を抜く、技ありのドリブルから中央にグラウンダーのクロスを送る。最後は8番・神戸康輔が冷静に流し込んで、立正大が1点を返す。さらに4分後の72分には、24番・榊原の股抜きパスから18番・青島太一がペナルティーエリア外からの強烈なミドルシュートを突き刺して3-2に。一気に息を吹き返した立正大はその後もチャンスを作るが同点弾が遠い。終盤には途中出場の29番・坂下雄也とセンターバックの4番・孫大河を前線に上げ、パワープレーを仕掛ける。高身長の2人がターゲットとなって法大ゴールに迫るが、27番・落合と26番・高嶋修也の法大センターバックコンビの気迫溢れるプレーを前に、シュートまで持ち込めない。終了間際の90+3分、立正大はゴール正面でフリーキックを獲得。キッカーは13番・吉田新。ボールは壁に当たり、コースが変わってゴールに向かうが、これに法大GK21番・近藤壱成が見事反応。法大が最後のピンチをしのぎきって試合終了。後半の半ばからは立正大の時間帯が続いたが、全員で攻めて全員で守った法大が守り切り、首位をキープした。
順天堂大学 対 国士舘大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド
リーグ戦では5試合勝利から遠ざかっている順天堂大学(勝点16・8位)と、直近の試合で4得点を挙げ快勝し、勢いに乗る国士舘大学(勝点15・9位)の一戦。
両チームともに相手の出方を窺う立ち上がりとなった前半。順大は攻守が嚙み合わずに攻めあぐねる展開となった。一方の国士大はショートコーナーを使うなど、綿密に準備されたセットプレーで順大ゴールに襲いかかる。30分、順大は7番・樋口堅大がゴール前で倒されてフリーキックを獲得。6番・白井海斗が直接ゴールを狙うが、わずかにゴール左に逸れて先制弾とはならなかった。国士大も前半終了間際の45分、5番・内田瑞己がボールを奪うと19番・布方叶夢とパスをつないで攻撃を仕掛ける。最後は10番・棚橋尭士が右足を振りぬくが、シュートはゴールポストを直撃。こちらも得点とはならなかった。
スコアレスで迎えた後半、順大はハーフタイムに20番・長倉幹樹を投入して攻撃陣の活性化を図る。すると、51分、順大に早速チャンスが訪れる。2番・後藤裕二のスルーパスがゴール前でこぼれ、20番・長倉が右足のシュート。しかし枠を捉え切れず、ゴールネットを揺らせない。順大は77分にも、2番・後藤と7番・樋口でパスをつなぎ右サイドを突破。2番・後藤の低くて速いクロスが逆サイドの6番・白井に渡るが、6番・白井のシュートは国士大GK、1番・飯田雅浩に阻まれて得点には至らなかった。84分に順大は、再び7番・樋口がゴール前でファールを受けてフリーキックを獲得。6番・白井の蹴ったキックは、しかしゴールに立ちはだかる国士大7人のブロックに阻まれた。このままスコアレスドローで終わるかと思われたが、終了間際、ついにスコアが動く。90分、順大は右サイドでフリーキックを獲得。15番・安島樹のキックにファーサイドの25番・清水勇貴がダイビングヘッドでゴールに叩き込み、順大が待望の先制点を挙げる。この試合終了間際の劇的なゴールで、順大がリーグ戦では6試合ぶりとなる勝利を手にした。
順大はこの勝利で勝点を19に伸ばし、順位を2つ上げて6位に。国士大は順位こそ変わらないものの、残りわずかの失点で勝点1を失う結果となった。
次節の第16節は9月18日(土)に江東区夢の島競技場で11:00から法政大学対桐蔭横浜大学戦、14:00から明治大学対筑波大学戦が行われる。また、9月19日(日)には、味の素フィールド西が丘で、11:00から早稲田大学と立正大学が、そして14:00からは順天堂大学と慶應義塾大学が激突する。
今節では、首位奪還を狙う明大を相手に、中位からの脱出をはかる桐蔭大が勝利し、ここ3戦無敗で上位グループ入りに弾みをつけた。また、現在首位の法大は、点差を1に縮められながらも立正大の猛攻を凌ぎ切り1位をキープ。順大は試合終了間際の得点で、リーグ戦6試合ぶりとなる勝利で6位に浮上した。
新型コロナウイルス感染症の影響による延期試合があるため、順位は暫定ではあるが上位は僅差の接戦に。また下位グループも勝点4差の中に4チームがひしめき合う混戦となっている。この大混戦を抜け出すのはどのチームなのか。今後の戦いから目が離せない。