『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』【2部リーグ】第8節は、6月9日(日)に全6試合が行われた。
今節の最注目試合、勝点16で並ぶ首位・慶應義塾大学と2位・日本体育大学の試合はどちらも譲らず2-2でフィニッシュ。エース・塩貝健人をU-19日本代表活動で欠く慶大だったが角田惠風が2ゴールを挙げ逆転に成功。しかし日体大も終了間際に追いつき、ともに勝点1を分けるに留まった。一方、3位の山梨学院大学は得点ランキング2位・中田開人が先制点を挙げるも、その後2失点を許し6位・神奈川大学に逆転負け。3敗目を喫した山学大は4位へと後退した。替わりに3位に浮上したのが早稲田大学だ。今節は11位・拓殖大学に先制されるものの後半に追いつき、終了間際に劇的なゴールで逆転勝利。5戦負けなし、これで3連勝となった早大は勝点を14に伸ばし、首位グループとの差を1ゲーム内にまで縮めた。
5位の順天堂大学と10位の立教大学は1-1、8位の産業能率大学と12位の城西大学は0-0のドロー決着。また、9位の法政大学は6位の立正大学に4-0と圧勝。溝口駿(カターレ富山内定)、青木俊輔(V・ファーレン長崎内定)といったJクラブ内定選手が、途中出場ながら3ゴールに絡む活躍で勝利を引き寄せた。法大はこの勝利で順位をひとつ上げて8位となった。
今節、ついに3位に浮上した早稲田大学だが4位・山梨学院大学、5位・神奈川大学との勝点差は1。さらに6位・順天堂大学から10位・立教大学までも勝点差1と僅差で並ぶ大混戦模様に。次節・第9節では勝点1差の3位・早大と5位・神大が対戦。このまま早大が4位以下を突き放すのか、それともさらなる混戦が続くのか注目されるところだ。注目の第9節は6月16日(日)に全6試合が行われる。
2部リーグ第8節 全結果・順位表
2部リーグ第8節マッチレポート
法政大学 4(1-0)0 立正大学 @法政大学城山サッカー場
前節、待望の2勝目を挙げた9位・法政大学はホームに6位の立正大学を迎えて対戦。立ち上がりから立正大が試合を支配し法大ゴールに襲いかかる。しかし23分、青木俊輔(V・ファーレン長崎内定)のパスに抜け出した小池直矢がドリブルで相手を置き去りにしゴール前へ。そのままシュートを突き刺して先制点を挙げる。立正大の一瞬の隙をついてリードを奪った法大だったが、その後も攻撃の主導権は立正大が握ったまま。それでもGK寺田周太がファインセーブを連発し、1点のリードを守ったまま前半を終了する。すると後半、立正大の運動量が落ちてきたのを見計らって法大が早めの交代で流れを変える。58分に中川敦瑛、67分に大畑凜生、71分に溝口駿(カターレ富山内定)を立て続けにピッチに投入。すると72分、大畑のロングパスを収めた中川が右サイドからペナルティーキックエリア内にカットイン。グラウンダーのクロスを入れると、これに溝口が右足で合わせて追加点を挙げる。途中出場選手3人の連携、そして溝口は投入1分後のゴールと、法大の交代起用がピタリと的中した。溝口は86分にも青木とのワンツーからシュートを放ち、この試合自身の2ゴール目となる3点目をマーク。法大はさらに終了間際の90+1分、青木が強烈なミドルシュートを決めてダメ押しの4点目。試合は立正大が多くのチャンスを作ったものの、終わってみれば4-0と法大が大量得点で完勝。前節に続く4-0スコアの2連勝で法大が8位に順位を上げた。
山梨学院大学 1(1-1)2 神奈川大学 @山梨学院大学川田ツインサッカー場
前節、2つめの黒星を喫し首位グループに勝点3差をつけられた3位・山梨学院大学。7位・神奈川大学との一戦は、首位グループに復帰するためにはどうしても負けられない試合となった。すると27分、山学大は右コーナーキックをファーサイドの加藤佑太郎が頭で折り返し、得点ランキング2位・中田開人が頭で合わせて先制する。しかし前半終了間際の41分、神大は小林洸が左サイドからペナルティーエリアに入ったところで倒されてペナルティーキックを獲得。これを藤田仁朗が冷静に沈めて試合は振り出しに戻った。後半はどちらもなかなか決定機を作れないまま試合は終盤へ。1-1のまま終わるかと思われた85分、神大はコーナーキックの流れから中村大輝がヘディングシュートでネットを揺らし逆転に成功。1-2のまま試合は終了し、今季リーグ戦初の逆転勝利を収めた神大が5位に浮上した。一方、まさかのホーム連敗となった山学大は4位に後退。首位攻防戦が引き分けに終わったため勝点差は4に留まったが、あまりにも痛い3敗目となった。
産業能率大学 0(0-0)0 城西大学 @産業能率大学第二グラウンド
2連敗中の8位・産業能率大学と5連敗中の12位・城西大学。ここ数試合勝利が遠いチーム同士の対戦は、立ち上がりから低調な滑り出しに。それでも産能大は押川優希、城西大は佐藤遼らを中心に攻撃を仕掛けるが、最後までゴールネットを揺らすことなくタイムアップ。スコアレスドローの痛み分けとなり、産能大は9位に後退。城西大は最下位を脱することができなかった。
慶應義塾大学 2(1-1)2 日本体育大学 慶應義塾大学下田グラウンド
今節、2部リーグ最注目の首位攻防戦。同じ勝点16で並ぶ首位・慶應義塾大学と2位・日本体育大学の直接対決はどちらも一歩もひかない好試合となった。立ち上がりから両チーム激しいボールの奪い合いとなったが、積極的に攻撃を仕掛けたのは日体大。26分、日体大はペナルティーエリア前の慶大GKとDFに激しいプレスをかけてボールを奪うと、菅野隆星がGKの頭上を越すミドルシュートを放ち先制する。しかし42分、日体大はハンドの判定でペナルティーキックを献上。これを慶大・角田惠風がゴール右下に決めて1-1で試合を折り返した。後半もがぶり四つの展開となったが、慶大は60分に鮮やかなパスワークで攻撃を仕掛け、最後は角田がミドルシュートを決めて追加点。2-1と慶大が逆転に成功する。しかし日体大も最後まで諦めず、終盤の85分には菅野の右コーナーキックを小笠原広将が頭で合わせて2点目をマーク。今度は日体大が同点に追いついた。残り時間も激しく攻め合う両チームだったが、追加点は生まれず2-2でタイムアップ。熱戦が繰り広げられた首位攻防戦は、勝点1を分け合う結果となった。
立教大学 1(1-0)1 順天堂大学 @立教大学富士見総合グラウンド
前節はともの黒星を喫した5位・順天堂大学と10位・立教大学。連敗だけは避けたい両チームだったが、どうしてもゴールを決めきれない。なかなか動かない試合の流れを変えるべく、立教大は前半のうちに2人の選手をピッチに送り出す。すると前半アディショナルタイムの90+7分、交代出場の本木紀慶が倒されて立教大がペナルティーキックを獲得。これを嵯峨康太がゴール右に決めて立教大が1-0リードで試合を折り返した。1点のビハインドを負った順大はハーフタイムに竹腰智也、57分に齊藤慈斗を投入。巻き返しを図るがゴールを割ることのできないまま試合は終盤へ。だがこのまま立教大勝利かと思われた90分、立教大はハンドの判定でペナルティーキックを献上。順大はこれを岩井琢朗が決めて同点に追いついた。結局試合は1-1で終了。ともにゴールはペナルティーキックのみという展開で、勝点1を分け合うこととなった。
拓殖大学 1(1-0)2 早稲田大学 @拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場
4戦負けなしで4位にまで浮上してきた早稲田大学は4連敗中で降格圏に沈む11位・拓殖大学と対戦。後がない拓大は立ち上がりから積極的に攻撃を展開し、33分には吉原優輝のスルーパスに佐藤駿介が右サイドを疾走。川村舞弥がボックス付近で横パスを受けると、左足を振り抜いてゴールネットを揺らした。しかし早大も後半序盤の58分、ゴール前に詰めていた伊勢航がこぼれ球に反応。これは拓大DFに弾かれるものの、再度こぼれ球を押し込んで1-1に。キャプテン・伊勢が落ち着いて2度目のチャンスを決め、早大が同点に追いついた。早大はその後、高橋作和、山市秀翔を投入しさらに攻撃のギアを上げるが、法大の守備をどうしても破ることができない。それでも最後まで粘り強く攻め続けると、終了間際の90分にチャンス。波状攻撃でコーナーキックを得た早大は、左からのキックを石井玲於奈が頭で折り返し、本保奏希が右足ダイレクトでゴールに突き刺す。土壇場で早大が逆転に成功し、ほどなくして1-2のままタイムアップ。5戦負けなし3連勝の早大が、山梨学院大学を抜いて3位に躍り出た。一方、拓大は泥沼の5連敗。降格圏脱出順位までは1ゲーム差内とはいえ、厳しい状況となった。