『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』3部リーグ第4節は、4月20日(日)に全6試合が行われた。
今節の注目試合は、なんといっても法政大学と駒澤大学の直接対決だろう。ともに3連勝中、同じく3連勝中の早稲田大学も加えて三つ巴の戦いを繰り広げていたが、ついにその一角が崩れた。
12:00キックオフの山梨学院大学と早稲田大の試合は、立ち上がりから早稲田大が主導権を握る展開に。後半、さらに攻勢を強めた早稲田大は51分にフリーキックからチャンスを演出。こぼれ球を拾った尾崎凱琉が左足を振り抜いてゴールに叩き込んで先制する。早稲田大はその後も、山梨学院大のシュートを0に押さえるなどして圧倒するが追加点を奪えず0-1で試合終了。早稲田大が4連勝を収めた。一方、山梨学院大は3連敗。消化試合が1試合少ないとはいえ、厳しい状況となった。
注目の全勝対決、法政大学対駒澤大学の試合は1点を争う拮抗した展開となった。法政大は左右両サイドから何度となく仕掛けてチャンスを作ると、29分にも細かな切り返しで駒大ディフェンスを翻弄。最後は小湊絆が頭で落としたボールを、相澤デイビッドが蹴り込んで法政大が先制点を挙げる。1点を追う駒澤大は後半の頭から浅倉勇翔を投入するなどして反撃に出るがゴールは遠く、1-0のままタイムアップ。法政大が先制点を守りきって全勝対決を制した。
この結果、首位・法政大、2位・早稲田大、3位・駒澤大とトップ3の順位こそ変わらないものの、2位と3位の間は勝点3差に。全勝チームは法政大と早稲田大の2チームのみとなった。
一方、駒澤大が敗れたことで3位浮上の可能性が出てきたのが4位・國學院大學だ。序盤から激しい攻防戦となった拓殖大学との試合は、開始早々の4分に國學院大が激しいプレスをかけて拓殖大からボールを奪取。鈴木善の出したスルーパスを長谷川幸蔵がゴールに流し込む。長谷川の2試合連続得点で先制した國學院大だが、28分に拓殖大の選手を倒してしまいペナルティーキックを献上。拓殖大はこれを吉原優輝が決めて同点に追いつく。しかし、國學大は前半アディショナルタイムの45+4分、鈴木のコーナーキックを下田蒼太朗が頭で叩き込んで追加点。2-1とリードし前半を終えた。再び1点を追う立場となった拓殖大はハーフタイムに竹田航進、佐々木小太朗のふたりを一気に投入してゴールを狙う。すると74分、拓殖大はスローインからボールをつなぎ、最後は吉原がミドルシュートを突き刺して再び同点に。試合はそのまま2-2で終了し、勝点1を訳ある結果となった。
引き分けに終わった國學院大に代わり、6位から4位に浮上してきたのが産業能率大学。強風の中で行われた5位・順天堂大学との直接対決は、ボールコントロールが難しくどちらも攻めあぐねる展開に。しかし後半開始早々の47分、産業能率大は小湊隆太郎が右サイドから出したパスをペナルティーエリア内に抜け出した桃原泰河が受ける。そのまま右足を振り抜いてゴールネットを揺らし産業能率大が先制。産業能率大はこの1点を守りきり1-0でホーム初勝利。勝点を7に伸ばした。
残る2試合は未勝利チームがついに初勝利を挙げた。
前節、終了間際の劇的なゴールで引き分け、初の勝点を獲得した神奈川大学。2連敗中の立正大学をホームに迎えての対戦は、立ち上がりから神奈川大が攻撃のリズムを掴む。神奈川大は19分、有働嵩常が左サイドを突破しペナルティーエリアにカットイン。ゴール前に上げたクロスを山本颯太が合わせて先制する。さらに34分、ゴール前の混戦の中でボールを拾った渡邉陽路が蹴り込んで追加点。神奈川大が2-0とリードするが、立正大も前半終了間際の45+1分、コーナーキックからのこぼれ球を西脇虎太郎が押し込んでゴール。立正大が1点差に迫り前半を終えた。後半はどちらも決めきれない展開が続いたが、61分に神奈川大・守屋練太郎が中盤で相手からボールを奪い、ドリブルで一気にゴール前へ。切り替えして相手DFをかわすと、ゴール右上を狙う技ありのシュートでネットを揺らす。再びリードを2点に広げた神奈川大が3-1でホームでの今季初勝利となった。
ともに勝点は"0"、12位・東京農業大学と11位・関東学院大学の未勝利チーム同士の対決は、激しくゴールを奪い合う展開になった。先手を取ったのはホーム・東京農業大学。12分、井口愛翔、喜安康生と素早くパスをつなぎ最後は中條歩がシュートを放ち先制する。しかし26分、関東学院大は吉沢実頼のコーナーキックを佐々木輝大が頭で合わせて同点に追いつくと、その4分後には岡田泰輝の突破に走り込んだ吉沢がゴールを決めて関東学院大が逆転に成功。関東学院大リードで前半を終えるかと思われたが、前半終了間際に今度は東京農業大が得点機。45+1分、菅原大幹のフリーキックを中條が頭で合わせて試合を振り出しに戻した。勢いに乗る東京農業大は後半序盤の53分、フリーキックによる攻撃からのクリアボールを杉山諒が蹴り込んで再び勝ち越す。だが、ここから関東学院大が反撃を開始する。東京農業大が勝ち越し点を決めてから3分後の56分、関東学院大は野嶋圭人がミドルを突き刺してスコアは3-3に。シーソーゲームに決着をつけたのは関東学院大だった。69分、瀧澤天の左足のシュートがゴールネットを揺らし関東学院大が4点目を挙げる。その後は追加点なく試合は3-4で終了。関東学院大が接戦を制し、初勝利を収めた。
この結果により、神奈川大は7位、関東学院大は9位に順位を上げ、未勝利の山梨学院大が11位に後退。最下位は、こちらも未勝利の東京農業大となった。また、開幕以来勝利のない立正大も10位に後退。上位グループ同様、下位グループも少しずつ動きを見せている。
天皇杯地域予選のため、次週のリーグ戦はお休み。次節は2週間後の5月3日となる。次節も今節と同様、首位・法政大と2位・早稲田大の全勝チーム同士が直接対決。単独首位に躍り出るのははたしてどちらか。注目の一戦となるだろう。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
2部リーグ第4節 全結果・順位表