『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第5節は、5月3日(土)に全6試合が行われた。
今節注目の一戦、法政大学と早稲田大学の"全勝対決"は、両チーム一歩も引かずスコアレスドローのまま終了。ともに初の引き分けという結果となり、全勝チームは消滅した。
上位2チームは足踏み状態となったが、3位以下は大きく変動した。
3位・駒澤大学と4位・産業能率大学の直接対決は、産業能率大が立て続けのゴールで2連勝を呼び込んだ。産業能率大は29分、GK岩崎翔のロングキックに佐竹祥太が反応。そのまま相手DFを振り切ってペナルティーエリアに侵入すると、GKをかわして倒れ込みながらシュートを放ち先制する。さらにその2分後、桃原泰河が土岐泰斗の浮き球のパスに抜け出すと、GKとの一対一を制して追加点。産業能率大がわずか2分間で0-2とリードを広げた。後半は駒澤大も何度かチャンスを作るものの決めきれず、産業能率大が前半に挙げた2点を守りきって勝利。直接対決に勝利した産業能率大は3位に浮上し、敗れた駒澤大は5位に後退した。
ともに今季2部リーグ昇格を果たした12位の東京農業大学と5位の國學院大學。"昇格組"対決は前半から拮抗した展開となった。そのため、國學院大は後半の頭から磯ヶ谷佳心と岡野楽、57分に伊東大輝を投入。東京農業大も54分に町田涼介、56分に筒口優春をピッチに送り出すなど、両チーム早めの交代で試合を動かそうとする。この起用が奏功したのは國學院大だった。62分、國學院大はスローインからチャンスを作ると交代出場の磯ヶ谷が強引な突破でペナルティーエリアにカットイン。ふわりと上げたクロスを森次結哉が頭で合わせ、ついに東京農業大のゴールをこじ開けた。これが決勝点となり0-1で國學院大が勝利。3勝目を収めた國學院大は4位に浮上。一方、東京農業大はこれで5連敗と厳しい状況が続く。
10位・立正大学も大量得点で勝利し7位に順位をアップした。未だ勝利のない11位・山梨学院大学をホームに迎えての試合、立正大は13分に中村優斗が左サイドを突破しペナルティーエリアにカットイン。切り替えして相手を外すと技ありのシュートでゴールネットを揺らす。立正大は35分にも、コーナーキックから西脇虎太郎が豪快なダイビングヘッドを決めて追加点。2-0とリードして前半を終えた。後半が始まってしばらくは、スコアも動かず2-0のままだったが、70分すぎから立正大の"ゴールショー"が始まる。まずは71分、西田頼のフリーキックを渡邊啓佳が頭で合わせ3点目を挙げると、その3分後にはドリブル突破でペナルティーエリアに侵入した中村の横パスを古川結翔が冷静に沈めて4-0と山学大を突き放す。終了間際の86分にも、ハーフウェーライン手前でボールを奪った李京樹がドリブルで独走。そのまま相手DFを振り切って一気にペナルティーエリアに入るとGKをかわしてダメ押しの5点目を挙げてフィニッシュ。立正大が大量5得点で完勝。待望の2勝目を挙げた。
同じく2勝目を挙げたのが、6位の拓殖大学と9位の関東学院大学だ。拓殖大学は前半、8位の順天堂大学に主導権を奪われる時間帯もあったが、後半、風上に立つと一気に反撃を開始。56分、ゴール前で細かくパスをつないで相手のディフェンスを崩すと最後は松村拓実が右足を振り抜いてゴラッソ。これが決勝点となり拓大が勝利。順位は変わらないものの上位グループとの勝点差を詰めた。敗れた順天堂大はこれで2連敗。順位も8位から10位に落とすこととなった。
9位の関東学院大学はホームに7位・神奈川大学を迎えての"神奈川ダービー"。前半は神奈川大が試合を優勢に進め、32分にはコーナーキックの流れから武笠隼季が頭で落としたボールを、安木颯汰が左足で合わせて神奈川大が先制する。前半は1本のシュートも打てなかった関東学院大だが、後半に入ると攻勢を強めて神奈川大ゴールに迫る。関東学院大は60分前後から次々と交代選手をピッチに送り出すが、この起用がズバリ的中。69分、吉沢実頼のコーナーキックを頭で合わせて同点弾を叩き出したのは、62分に交代出場の德田佑真。さらに78分、GK齋藤朝陽のロングキックにこちらも途中出場の吉田遥汰が反応。ハーフウェーラインから駆け上がると、ペナルティーエリアより前に出ていた相手GKを浮き球のパスでかわす。ボールはそのまま無人のゴールへと吸い込まれ、関東学院大が逆転に成功。神奈川大は痛恨の失点で9位に後退。関東学院大は順位をひとつ上げるに留まったが、待望の2勝目を挙げ勝点を6に伸ばした。
全勝チーム対戦は引き分けに終わり、首位戦線には変化のなかった第5節。一方で3位以下は産業能率大、國學院大が順位を上げて首位グループに1ゲーム差と迫る。中2日で行われる第6節では、勝点3差の2位・早稲田大と3位・産業能率大が直接対決。連勝で調子を上げている産業能率大が首位戦線に食い込むことができるか要注目だ。また下位グループでは、ともに未勝利の11位・山梨学院大と12位・東京農業大の直接対決も。どちらが待望の初白星を手にするのか、こちらも注目したい。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
2部リーグ第5節 全結果・順位表