『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第5節は、5月3日(土)に全6試合が行われた。
1週間のインターバルを経て行われた第5節は、勝点2差内に6チームがひしめき合う大混戦模様に。首位・筑波大学と2位・明治大学はともに引き分けとなったが、筑波大が辛うじて首位の座を守った一方、明治大は5位に大きく後退。今節に勝利した日本大学、日本体育大学、中央大学がひとつずつ順位を上げて、首位を勝点1差で追う形となった。
双方4ゴールを挙げる激しいゴールの奪い合いとなった試合で、終了間際に追いついて勝点1をもぎとったのは筑波大学だ。試合は、初戦以来白星のない慶應義塾大学が立ち上がりからアグレッシブに筑波大ゴールを狙った。慶應義塾大は序盤の7分に齋藤真之介がGKのこぼれ球を蹴り込んで先制すると、その2分後には相手のオウンゴールで追加点。さらに19分、田中雄大のコーナーキックを栁瀬文矢が頭で押し込み前半だけで3点を先取して試合を折り返した。
だが、後半に入ると筑波大が怒涛の攻撃で反撃を開始する。筑波大は後半開始早々の48分、山崎太新の左からのクロスを廣井蘭人が頭で合わせて1点を返すと、その4分後にはルーキー・布施克真の右からの大きなクロスに内野航太郎が頭から飛び込んで2点目を挙げて2-3と1点差に詰め寄る。対する慶應義塾大も56分、角田惠風がフリーキックを直接決めて再びリードを広げる。防戦一方となった慶應義塾大に対し筑波大の攻撃は続き、73分には交代出場の小林俊瑛が右足を振り抜いてまたもや1点差に。しかしその後スコアは動かず、慶應義塾大は待望の2勝目に向けて粘り強くゴールを守り続ける。試合はアディショナルタイムに突入。なおも攻め続ける筑波大は90+4分にコーナーキックを獲得。池田春汰のコーナーキックを内野が頭で落とし、最後は小林が頭でねじり込んで4点目。土壇場で筑波大が追いつき、試合は4-4でフィニッシュ。辛くも初黒星を免れた筑波大は、勝点1を得たことで首位をキープした。一方、慶應義塾大は11位から9位に浮上。降格圏から脱したものの、目前で2勝目を逃す痛い引き分けとなった。
8位・東海大学をホームで迎え撃つ2位の明治大は、立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛けてゴールを狙う。すると24分、稲垣篤志が小林亮太からのサイドチェンジのパスを受け、トラップからペナルティーエリアに侵入。そのままシュートを流し込んで明治大が先制する。しかしその後は追加点を挙げられず、65分には東海大が明治大のパスミスをついてボールを奪取。最後は星景虎が蹴り込んで東海大が同点に追いつき、1-1のまま勝点1を分け合った。東海大は勝点1を加えたことで順位をひとつ上げて7位に。明治大は3位以下がすべて勝利したことで5位に後退した。
上位2チームが足踏み状態となった一方、3位以下の4チームはすべて勝利を収めた。
3位の日本大学は未だ勝利のない最下位の桐蔭横浜大学と対戦。日本大は開始早々の2分に長谷川皓哉が相手DFのクリアボールをダイレクトで蹴り込んで先制すると、20分には関日向多が豪快なシュートを決めて追加点。対する桐蔭横浜大も41分、杉本英誉のクロスにンワディケ ウチェ ブライアン 世雄が頭で合わせ、2-1で試合を折り返した。しかし日本大は57分、植木颯がドリブルで前線に駆け上がってゴールを決めて3-1と桐蔭横浜大を再び突き放す。桐蔭横浜大は80分、スローインからチャンスを作り池田柚生のヘディングシュートで再び1点差に詰め寄るが、あと1点が遠く3-2で試合終了。日本大が勝点を9に伸ばして2位に浮上した。
4位の日本体育大学は23分、コーナーキックからのこぼれ球を拾うと最後は篠田大輝が蹴り込んで先制。後半は開幕戦以来白星のない7位・東洋大学の猛攻を受けるが、先制点を最後まで守りきってウノゼロ勝利。順位をひとつ上げて3位に。東洋大は8位に後退した。
5位・中央大学はアウェーで9位・流通経済大学と対戦。試合は流通経済大学が優位に進めながらも、中央大は後半序盤の51分に少ないチャンスを確実にモノにして先制。牧嶋波亜斗のロングパスを武本射雅が冷静にトラップ。そのままシュートを放ちゴールネットを揺らした。このゴールが決勝点となり、中央大が0-1で勝利し4位に浮上。流通経済大は今季2敗目を喫し、10位に後退した。
これらの結果、2位・日本大、3位・日本体育大、4位・中央大は、首位・筑波大と1差の勝点10で並ぶこととなった。
順位は変わらないながらも、大量得点で快勝を収めたのが6位・国士舘大学だ。10位の東京国際大学をホームに迎えた一戦は、立ち上がりから国士舘大が東京国際大を圧倒。11分に本間凜が豪快なボレーシュートでネットを揺らすと、26分には林禮蒼が鮮やかなミドルシュートを決めて追加点。40分にも本間がこの試合2ゴール目となる3点目を叩き込む。さらに前半アディショナルタイムの45+2分、国士舘大は田中祉同のフリーキックを川原颯斗が押し込んで4-0に。東京国際大に1本のシュートも打たせないまま、大量リードで試合を折り返した。国士舘大は77分にも、GK渡辺勇樹のロングキックに抜け出した小西脩斗が、相手GKとの一対一を制してダメ押しのゴールを決め5-0でフィニッシュ。この勝利により国士舘大は5位・明治大と勝点9で並び、首位まで勝点2差に迫った。東京国際大は11位に後退した。
ゴールデンウィーク3連戦の初戦は、上位2チームが引き分けるという思わぬ展開となった。中2日で行われる第6節では、首位・筑波大と勝点1差の2位・日本大が直接対決。日本大に首位奪取の可能性がある一方、引き分ければ結果次第では3位以下のチームが首位となる可能性もある。過酷な3連戦でどこまで抜け出すことができるのか。この3連戦は、リーグ前半戦のターニングポイントとなるだろう。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
1部リーグ第5節 全結果・順位表