『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第6節は、5月6日(火・休)に全6試合が行われた。
今節注目の一戦は、なんといっても首位・筑波大学と2位・日本体育大学の直接対決だ。両チームの勝点差はわずかに1。日本大は、勝てば首位に躍り出る可能性がある。激しい雨の中、慎重な入りとなった両チームだったが試合は早い時間帯に動いた。12分、筑波大は廣井蘭人の右コーナーキックを池谷銀姿郎が頭であわせて先制する。さらに26分、スローインからのボールを廣井がキープし、ドリブルで複数の相手DFを抜き去ると、エンドラインギリギリからマイナスにパス。これを受けた安食優斗がクロスを上げると、小林俊瑛がヘディングシュートでネットを揺らし追加点。筑波大が2-0とリードを広げた。2点を追う日本大は、後半の頭から白濵聡二郎を投入するなどして反撃を試みるが、最後まで筑波大のゴールを割ることなく試合終了。前半の2点を守りきった筑波大が頂上対決を制して首位を堅持した。
3位の日本体育大学は12位の桐蔭横浜大学をホームに迎えての"青葉台ダービー"。スコアは後半に動いた。立ち上がりは初勝利を目指す桐蔭横浜大が積極的に攻める展開に。前半こそ無得点に終わったが68分に先制点。杉本英誉が入れたカーブなかかったパスを、ンワディケ ウチェ ブライアン 世雄がダイレクトボレーで突き刺した。ンワディケの2試合連続で勢いに乗りたい桐蔭大だったが、日本体育大もその3分後に橋本マリーク識史が強烈なミドルシュートを放って同点に追いつく。日本体育大は79分、相手のハンドによりフリーキックを獲得。田中遥稀のキックを小林隆が合わせて2点目をマーク。日本体育大が逆転に成功し、2-1のままタイムアップ。3連勝を収めて2位に。首位に勝点1差と迫った。
5位の明治大学と6位の国士舘大学も勝利。明治大は24分にコーナーキックからのこぼれ球を真鍋隼虎が蹴り込んで先制。追加点が取れず引き分けに持ち込まれた前節の反省からか、後半は対戦相手を圧倒。慶應義塾大学の後半のシュート数を0に抑える一方、後半だけで10本ものシュートを放つがなかなかゴールを割ることができない。それでもアディショナルタイムに突入した90+3分、右サイドを切り崩すと高足善がペナルティーエリアに侵入。ゴール前に入れたクロスを逆サイドの前澤拓城が右足で合わせ、試合を決定づける追加点。明治大が2-0で勝利し3位に浮上した。
6位・国士舘大はアウェーで10位の流通経済大学と対戦。前半は流通経済大が積極的に攻撃を仕掛けてチャンスを作り、国士舘大に決定機を作らせない。だが、国士舘大は後半開始早々の50分、田中祉同の左コーナーキックを本間凜が頭で合わせて先制する。数少ないチャンスを確実にゴールに結びつけた国士舘大が、この1点を守りきり0-1で勝利。3連勝を収め、順位を4位に上げた。なお、3試合連続ゴールの本間は得点ランキングで単独トップに。
首位との直接対決と敗れた日本大を別にすると、上位グループで唯一黒星を喫したのが4位・中央大学だ。開幕戦以来白星のない8位・東洋大学をホームに迎えた試合は、立ち上がりから東洋大が積極的にゴールを狙う。すると19分、東洋大はペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキックを獲得。これを荒井涼が蹴るもののキックは中大GK岩瀬陽が弾いて失敗かと思われた。だが中大DFがクリアーしたボールを荒井が右足ボレーで突き刺し、東洋大が先制する。後半はどちらも決定機を作るがゴールを決めきれず0-1で終了。東洋大がウノゼロ勝利で待望の2勝目を収めた。
この敗戦で中央大は4位から6位に、また筑波大に敗れた日本大は2位から5位に後退した。
7位・東海大学と11位・東京国際大学の試合は、序盤から東海大が東京国際大を圧倒。13分、ロングスローを起点にボールをつなぎ最後は星景虎が右足を振り抜いて先制。東海大は25分にも、田畑知起の右コーナーキックを丸山大和が頭で合わせて追加点。さらに前半終了間際の45+1分、丸山のロングキックを大戸太陽が頭でつなぎ、最後は星が相手GKの頭上を狙う3点目を挙げる。前半だけで東海大が3点を先取して試合を折り返した。後半は東京国際大も何度かチャンスを作るもののゴールまでは至らない。だが終了間際の90+1分、東京国際大は古谷柊介が倒されてペナルティーキックを獲得。これを自身で決め1点を返すが反撃はここまで。3-1で東海大が勝利した。
今節は首位こそ変わらなかったものの、勝点2差内でひしめき合う上位6グループの順位が大きく変動。一方、7位以下の順位の変更はなし。だが、5位・日本大、6位・中央大と7位・東海大の勝点差が1まで迫るなど、中位グループが押し上げてきている。1位から4位までは勝点2差内と、こちらは相変わらず混戦模様。上位、中位、下位と少しずつグループが分かれてきているようだ。
次節、第7節は天皇杯地域予選のため「流通経済大学vs日本体育大学」「東海大学vs筑波大学」「明治大学vs日本大学」の3試合が延期となる。奇しくも上位3チームの試合が延期となったが、4位以下のチームは上位チームがいない間に勢いに乗りたいところだ。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
1部リーグ第6節 全結果・順位表