『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第8節は、5月17日(土)に4試合、18日(日)に2試合が行われた。
前節の勝利で、暫定ながら首位に立った国士舘大学は、待望の今季初勝利を挙げて連勝を目指す11位・桐蔭横浜大学と対戦。激しい雨の中で行われた試合は、前半の37分に国士舘大が先制。林禮蒼の右からのクロスを小西脩斗が頭で合わせて桐蔭横浜大のゴールをこじあけた。対する桐蔭横浜大も後半序盤の55分に杉本英誉のクロスをンワディケ ウチェ ブライアン 世雄がこちらも頭で合わせて同点に追いつく。しかし、ここから国士舘大が猛攻を仕掛ける。5分後の60分、国士舘大は近藤優成のシュートのこぼれ球を、これが5試合連続ゴールとなる本間凜が押し込んで再びリードを奪うと、64分にもアシストランキングトップの田中祉同が右足を振り抜いて3点目をマーク。終盤の83分には、村上竜規がドリブルで一気に駆け上がりダメ押しの4点目を決める。桐蔭横浜大も88分に木脇蓮苑が1点を返すが、劣勢をひっくり返すには至らず。4得点を挙げた国士舘大が4-2で連勝を"5"に伸ばし、首位の座を堅持した。
前節は延期のため3位に後退となった日本体育大学は、こちらも2週間ぶりのリーグ戦となる9位・東海大学と対戦。激しい風雨の中で始まった試合はどちらも決定機を作れないまま0-0で後半へ。スコアが動いたのは63分、日本体育大学は松山北斗が切り返しで相手をかわして出したボールを天野悠斗が右足で合わせて先制。しかし東海大もその5分後、交代直後の遠野翔一がペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキックを獲得。69分、これを星景虎が冷静に沈めて試合を振り出しに戻した。その後は一進一退の拮抗した展開となり、1-1のまま試合終了かと思われたが、アディショナルタイムに突入した90+4分、日本体育大は田中遥稀の右コーナーキックを勝田大晴が頭で合わせて追加点。終了間際の劇的なゴールで日本体育大が勝ち越して2-1で勝利し、再び2位に浮上した。
天皇杯東京都予選決勝では黒星を喫したものの、リーグ戦では無敗の明治大学。2連敗中の6位・中央大学との試合は、早い時間帯にスコアが動いた。明治大は7分、藤森颯太のフリーキックを林晴己が頭で折り返し、バウンドしたボールを島野怜が押し込んで先制。その後も試合の主導権を握り続けた明治大だが、38分には真鍋隼虎が負傷交代するトラブルに見舞われる。それでも後半頭からは小林亮太を投入してゴールを狙うが、結局追加点のないまま1-0で試合終了。無敗記録を"7"に伸ばして3位に順位を上げた。
前節、待望の2勝目を挙げた8位・東洋大学。11位・慶應義塾大学を迎えての試合は、立ち上がりから東洋大が積極的に攻撃を仕掛ける展開に。しかし先手を取ったのは押し込まれていた慶應義塾大。25分、慶應義塾大は田中雄大のフリーキックが弾かれたところを斎藤大雅が詰めて先制点を挙げる。だが東洋大も38分、湯之前匡央のミドルシュートのこぼれ球を福原陽向が押し込んで同点に追いつくと、前半終了間際の45+2分に宮本新がゴールを決めて逆転に成功。東洋大が2-1とリードして試合を折り返した。後半は両チーム決めきれず、スコアが動かないまま終盤に突入。すると82分、齋藤真之介が上げたクロスに立石宗悟が飛び込んでダイビングヘッド。今度は慶應義塾大が東洋大に追いついた。しかしその後は一進一退の攻防戦となり、引き分けに終わるかと思われた。だが、最後の最後に劇的な展開が待っていた。アディショナルタイムも終わりに近づいた90+7分、慶應義塾大はペナルティーエリア左外でフリーキックを獲得。角田惠風のキックは直接ゴール右のネットを揺らし、慶應義塾大が3点目を挙げる。ほどなくしてタイムアップの笛が鳴り、最後の最後で勝ち越した慶應義塾大が待望の2勝目。順位を11位に上げた。
翌18日には、2試合が行われた。
天皇杯地域予選出場のため前節が延期となった筑波大学。消化試合が1試合少なくなったため首位の座を暫定的に国士舘大学に譲る形となったが、勝点差はわずか。前日に勝利を収めた国士舘大との差が開かないためにも勝利は必須だったが、待っていたのはまさかの結果だった。連勝を狙う9位・東京国際大学との試合は、筑波大学がボールを保持して主導権を握るものの攻めあぐねる展開に。すると前半終盤の40分、東京国際大は筑波大のディフェンスラインのパスミスを佐藤柊椰が奪取。ゴール前に抜け出した齋藤晴にパスを送るが、これは筑波大がカットしたかと思われたが、そこに詰めていた古谷柊介がすかさずシュートを放ち東京国際大が先制点を挙げる。東京国際大は52分にも、コーナーキックからチャンスを作り筑波大のオウンゴールを誘発。後半の早い時間帯に0-2とリードを広げた。2点のビハインドを負った筑波大も猛攻を仕掛けるが、逃げ切り態勢に入った東京国際大を崩しきるまでには至らず0-2のままタイムアップ。今季リーグ戦初黒星を喫した筑波大は4位に後退し、3勝目を挙げた東京国際大は8位に順位を上げた。
5位・日本大学と12位・流通経済大学の試合は、開始早々にスコアが動いた。流通経済大は2分、渋谷諒太の浮き球のパスに山野春太が反応。一気にゴール前まで抜け出すとゴール左にシュートを突き刺した。これが大学デビュー戦となるルーキー・山野のゴールで勢いづいた流通経済大は、27分にも日本大のディフェンスラインに厳しいプレスをかけてボールを奪取。小林恭太のスルーパスに中川育が抜け出して追加点。0-2とリードを広げ、待望の今季初勝利が見えてきたかのように思われた。しかし日本大も前半終盤の41分、阿部水帆のパスを受けた平尾勇人が、技アリのシュートで1点を返し1-2で前半を終了する。1点差に詰めた日本大は後半の早い時間帯に追加点を挙げる。53分、中盤の競り合いからボールを収めた平尾がドリブルでゴール前まで独走。切り返しでマークを振り切ると左足を振り抜いてゴールネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。しかし、その後は両チーム決めきれないシーンが繰り返され、2-2のまま試合終了。流通経済大は勝点1得て11位に順位を上げたものの、待望の初勝利を逃す結果となった。
国士舘大学が破竹の5連勝で首位を堅持した。その後には消化試合が1試合少ない日本体育大学が勝点2差で2位、明治大学3差で3位と続く。一方、前節まで2位につけていた筑波大学は、今季初黒星を喫し4位に後退。とはいえ、こちらも消化試合が1試合少ないだけに、まだまだチャンスはある。下位グループでは慶應義塾大学が待望の2勝目を挙げて10位に浮上。初勝利こそ逃したものの勝点1を積み上げた流通経済大学も11位と順位を上げた。一方、前節で初勝利を挙げた桐蔭横浜大学は連勝ならず再び最下位に後退した。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
1部リーグ第8節 全結果・順位表