『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第8節は、5月18日(日)に全6試合が行われた。
前節、暫定ながらも初の首位に立った早稲田大学は3位・駒澤大学との上位対決。拮抗した展開がようやく動いたのは33分。駒澤大はコーナーキックのピンチをクリアーすると、そこから今井拓人が一気にドリブルで駈け上げる。木村匡吾にボールを預け、ペナルティーエリア内で再度ボールを受け取るとゴール左隅にシュート。鮮やかなカウンターで駒澤大が先制した。対する早稲田大も後半の19分、交代出場の森田大智が倒されてペナルティーキックを獲得。だがキッカー・鈴木大翔のシュートは駒澤大GK・亀井一起がブロック。絶体絶命のピンチを切り抜けた駒澤大は、終了まぎわの90分にも、交代出場の石川大也が個人技でゴール前まで持ち込み追加点。早稲田大を突き放し、2-0で完勝した。駒澤大は順位こそ変わらないものの、上位対決に勝利したことで早稲田大との勝点差が1に。首位グループに肉薄した。
消化試合数が少ないとはいえ、第3節から守り続けてきた首位の座を、早稲田大に明け渡すこととなった法政大学。首位奪還を目指す今節は、ホームに8位・順天堂大学を迎えて対戦。試合は立ち上がりから法政大がゲームをコントロールし、39分には松田悠世、大畑凜生、松村晃助と素早くパスをつなぎ、最後は相澤デイビッドがゴール前に抜け出してゴールネットを揺らす。法政大が先制して試合を折り返すが、後半は両チーム攻めあぐねる展開に。それでも80分、法政大は大久保祐希が自らのヘディングシュートのクリアボールをそのまま蹴り込んで追加点。2-0とリードを広げた。順天堂大も87分、松本琉雅の左からのクロスを長準喜が頭で合わせて1点を返すが、法政大に追いつくでは至らず2-1で試合終了。早稲田大が敗れたことで、再び法政大と早稲田大が同勝点で並ぶことに。得失点差で上回る法政大が再び首位を奪還した。
一方、4位・産業能率大学、5位・國學院大學、6位・立正大学はそろって勝利し、それぞれの順位をキープした。
4位の産業能率大学はアウェーで11位の山梨学院大学と対戦。ともに直近の試合で白星を挙げ、連勝を狙う両チームだったが、先手を取ったのは産業能率大。27分、左からのロングスローを岩﨑大翔が頭で落とし、佐竹祥太が蹴り込んで先制点を挙げる。1点を追う山梨学院大は後半の頭からルーキーの太仲貴哉をピッチに送り出すと、55分に加藤佑太郎、57分に野田駿人、59分に五十嵐真翔と次々交代選手を投入。すると75分、山梨学院大は山田佳のフリーキックを五十嵐が頭で合わせて同点ゴールを決める。振り出しに戻った試合はその後一進一退の攻防戦に。このまま引き分けで終わるかと思われたが、アディショナルタイムに突入した90+4分、産能大は再びロングスローからチャンスを作ると土岐泰斗のシュートが弾かれたところを森谷一斗が詰めて勝ち越し点。これが決勝点となり、産業能率大が2連勝で4位をキープ。前節初勝利の山梨学院大は連勝とはならなかった。
5位の國學院大と9位・関東学院大学の試合は、前半に大きく動いた。先制したのはホームの國學院大。13分、鈴木善のスルーパスに辻友翔が抜け出し、GKと衝突しながらもゴールネットを揺らす。國學大はその5分後にも、長谷川幸蔵のグラウンダーのクロスを伊東大輝が蹴り込んで追加点。わずかな時間で國學大がリードを2点差に広げる。対する関東学院大も39分に、德田佑真が30メートル近い位置からロングシュートを決めて1点を返し、2-1で試合を折り返した。しかし前半とは一転、後半は両チーム決めきれず膠着状態に。國學院大は57分に3人を一度に交代するなどして追加点を狙うが、スコアは動かず2-1でタイムアップ。國學院大が勝利し5位を保持する一方、関東学院大は3連敗で10位に後退した。
6位・立正大学は未だ白星のない12位・東京農業大学と対戦。試合は立ち上がりから立正大が主導権を握り、東京農業大陣内に攻め込む。20分に渡邊啓佳が右から入れたクロスは中で待つ藤浪宏樹に合わなかったものの、左サイドからゴール前に飛び込んだ中村優斗がGKをかわしてシュートを突き刺す。立正大はその3分後にも、山田理矩がペナルティーエリア手前で左足一閃。ミドルシュートを決めて2点を先取する。立て続けに失点を許した東京農業大は、後半頭から東海祐也と中條歩のふたりを投入。早めの選手交代で流れを変えよう試みる。すると70分、東京農業大は右サイドを崩してチャンスを作り、沼田奏音のクロスに中條が頭で合わせて1点差に迫る。同点弾か追加点か――。次にスコアが動いたのは84分、立正大は西脇虎太郎を起点にボールをつなぐと、中村のサイドチェンジのパスを原壮志が収めてゴール前に浮き球のパス。これを寺田海成が頭で合わせて追加点。立正大が東京農業大を突き放し3-1で勝利した。
一方で7位の拓殖大学は厳しい結果に。10位の神奈川大学をホームに迎えての試合は、序盤に神奈川大・有働嵩常をペナルティーエリア内で倒してペナルティーキックを献上。同時に竹田航進が得点機会阻止で退場となり、拓殖大は残る80分以上をひとり少ない状態で戦うこととなった。一方の神奈川大は9分、渡邉陽路が冷静にペナルティーキックを沈めて先制。だが拓殖大も17分、コーナーキックからチャンスを作ると、最後は田鎖勇作が決めて同点に追いつく。後半は、数的優位に立った神奈川大が猛攻を仕掛けるが拓殖大も粘り強くゴールを死守。なかなか神奈川大にゴールを許さない。しかし最終盤の87分、交代出場の海貝俊輔が切り返しから鋭いシュートをゴール左隅に決めて神奈川大が追加点。神奈川大がそのまま1-2で勝ち越し、2勝目を挙げて9位に浮上した。
前節首位に立った早稲田大が、まさかの今季初黒星で首位を転落。再び法政大が首位の座を奪還した。両チームは勝点同数、得失点の差だけだが、法政大は消化試合が1試合少ないだけにやや有利か。一方で3位の駒澤大が勝点1差に迫るなど、早稲田大にとっては気の抜けない状況にある。次節も天皇杯のため2試合が延期に。ライバルの法政大、駒澤大が揃って延期となる中、早稲田大は是が非でも勝点3をとりたいところだ。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
2部リーグ第8節 全結果・順位表