『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第11節は、6月8日(日)に全6試合が行われた。
前節は無敗の法政大学に黒星がつき、首位・早稲田大学も敗れるなど波乱含みの結果となった。しかし、今節は比較的順当の結果が多く5位以下の順位変動はなし。一方、首位戦線は思わぬ結果で順位が上下し、混戦模様に拍車がかかった。
前節は拓殖大学相手に敗れまさかの2敗目を喫した首位・早稲田大学。辛うじて首位をキープしたものの、未消化試合がないだけに連敗は避けたいところ。10位・順天堂大学との試合は、前半から激しくスコアが動くこととなった。まずは序盤の9分、高橋作和が倒されてペナルティーキックを獲得すると、伊藤猛志がゴール右下に冷静に沈めて早稲田大が先制する。このまま畳み掛けたい早稲田大だったが、順天堂大も少しずつチャンスを作り、32分に井上真成がフリーキックを直接決めて同点に追いつく。さらにその6分後、今度は松本琉雅がバウンドしたボールを巧みにコントロール。ペナルティーエリアの外から放ったボレーシュートがゴールネットを揺らし、順天堂大が逆転に成功する。ビハインドを負った早稲田大は後半の頭から鈴木大翔を投入。また57分には森田大智をピッチに送り出すなど早めの選手交代で試合の流れを引き寄せようとする。スコアが動いたのはその1分後の58分。早稲田大は中盤からのロングキックを西凜誓がゴール前で折り返し、最後は久米遥太がダイビングヘッド。早稲田大が同点に追いつく。その後も猛攻を仕掛ける早稲田大だったが、順天堂大の堅固な守備を崩しきれず2-2のままドロー決着。早稲田大の首位の座は、2位・駒澤大学、3位・法政大学の結果に委ねられた。
昨年はともに1部リーグ所属の2位・駒澤大学と9位・関東学院大学。今季の成績は明暗分かれる形となったが、前節は両チーム白星を挙げており、このまま連勝で勢いに乗りたいところだ。前半は両チーム慎重な滑り出しとなり、なかなか決定機を作れない時間帯が続いた。しかし39分、関東学院大は鮮やかなカウンターでゴール前に迫ると、野嶋圭人がこぼれ球を蹴り込んで先制点を挙げる。このゴールで攻撃のリズムを掴んだ関東学院大は、後半の58分にも瀧澤天のスルーパスに永井英次が反応。左サイドからペナルティーエリア内に切れ込むと、ファーサイドにグラウンダーのクロスを入れると、これを受けた野嶋が左足シュートで突き刺して追加点。0-2と関東学院大がリードを広げた。関東学院大はその10分にも、德田佑真のクロスに吉田遥汰がダイビングヘッド! 試合を決定づける3点目を挙げる。対する駒澤大も早めの選手交代で流れを変えようとするが、チャンスを作れないまま0-3でタイムアップ。関東学院大は順位こそ変わらないまでも、9位・國學院大學に勝点1差に迫った。
前節の敗戦で2位から4位に後退した法政大学。3位・産業能率大学をホームに迎えての直接対決は序盤から拮抗した展開が続き、ともに厳しい守備でゴールを許さないタイトな試合となった。一進一退の攻防戦の中、ゴールをこじ開けたのは法政大だった。終盤が近づく79分、法政大は松村晃助のフリーキックを梅津龍之介が頭で折り返し、最後は小湊絆が押し込んでゴール。この得点が決勝点となり、法政大がウノゼロ勝利を収めて勝点を22に伸ばした。
2位の駒澤大、3位の産業能率大が敗れて4位の法政大が勝利したことで、早稲田大は辛うじて首位をキープ。2位以下は順位が入れ替わり2位に法政大が浮上、3位に駒澤大、4位に産業能率大が続く。しかしながら、法政大は2試合、駒澤大は1試合の未消化試合が残っているのに対し、早稲田大、産業能率大は11試合消化済と厳しい状況。今後行われる延期試合の結果いかんでは、上位グループのさらなる順位変動が起こりそうだ。
一方、5位以下の対戦はいずれも上位チームが勝利する"順当勝ち"に。順位の変化もなく、上位チームが勝点を伸ばした。
前節で首位の早稲田大に勝利し5位に浮上した拓殖大学は、最下位に沈む山梨学院大学と対戦。試合は激しいゴールの奪い合いとなった。先制点は拓殖大。32分、吉原優輝の浮き球のパスを鈴木斗真が収めてペナルティーエリア内へ。そのままゴール左隅にシュートを突き刺す。対する山梨学院大も前半終了間際の45+2分、村田智哉の右コーナーキックを坂本錠が頭で合わせて同点に追いつき、1-1で試合を折り返した。だが、後半に入るとすぐに拓殖大のゴールラッシュに。まずは50分、拓殖大は山口輝星のスルーパスに松村拓実がドリブルでゴール前まで独走。ペナルティーエリア内では鮮やかな切り返しでDFを置き去りにすると、そのまま右足を振り抜いて追加点。拓殖大はその2分後にも左サイドから攻撃を仕掛けてチャンスを作ると、相手GKのこぼれ球を押し込んで3点目。さらに5分後の57分、DFのクリボールを拾った松村がゴール右隅にシュートを突き刺してハットトリックを達成。わずか7分間で拓殖大・松村が3ゴールをマークし、4-1と山梨学院大を突き放した。山梨学院大も82分、途中出場の金津力輝が1点を返すが、拓殖大はその2分後に岡本岳がゴールを決めて再びリードを3点差に戻す。結局試合は5-2で終了し、大量5得点を挙げた拓殖大が3連勝。4位の産業能率大学に勝点2差に迫った。
同勝点で並ぶ6位・立正大学と8位・國學院大學の試合は、前半、國學院大が主導権を握り立正大ゴールを攻め立てる。35分には國學院大・内海碧斗が厳しいプレスをかけて立正大DFからボールを奪うと、そのまま地を這うようなグラウンダーのミドルシュートを放ち先制する。1点を追う立正大は、後半頭から寺田海成、藤浪宏樹のふたりを一気に投入。すると後半は一転、立正大が試合のペースをつかみ攻勢を強める。54分には左サイドを秋一星、古川結翔とつなぎ、ファーサイドに入れたクロスを渡邊啓佳がジャンピングヘッド。これが決まり、立正大が同点に追いつく。立正大はその10分後にも得点機。64分、渡邊の右サイドからのクロスを秋が頭で折り返し、最後は交代出場の藤浪がアウトサイドでシュートを押し込み追加点。渡邊、秋の両サイドが2得点に絡む活躍で立正大が逆転に成功し、勝点を16に伸ばした。
7位の神奈川大学は、前節、無敗の法政大学を破る大金星を挙げた11位の東京農業大学と対戦。試合は序盤から神奈川大が優勢に進めるも、なかなか決めきることができなし。ようやくスコアが動いたのは前半終了間際の44分。神奈川大はフリーキックのチャンスを得ると、安原太洋のキックに武笠隼季が頭で合わせて先制点を挙げる。後半は両チーム攻めあぐねる時間帯が続き、結局1-0のまま試合終了。神奈川大が4連勝を収めた。
第11節をもって『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』は前半戦を終了。6月20日(金)から参戦する『「アミノバイタル®」カップ2025 第14回関東大学サッカートーナメント大会』を挟んで長い中間期間に入り、リーグ戦が再開するのは9月中旬となる。とはいえ、天皇杯の影響などで延期試合が多数残っており、今週末にもいくつか試合が行われる予定だ。なかでも2位の法政大は2試合を残しているだけに、延期試合の実施で首位戦線に変化が起きる可能性は高い。3位・駒澤大も1試合の延期試合があり、1位から4位までが勝点1刻みで並ぶ上位は大きな影響を受けそうだ。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
2部リーグ第11節 全結果・順位表