天皇杯の地域予選、ならびに本大会出場により日程調整、もしくは延期となっていた『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第7節と第9節の3試合は、6月14日(土)に2試合、15日(日)に1試合が行われた。
11日(水)には天皇杯の2回戦を戦った2位・筑波大学と6位・東洋大学。第9節最後の一戦は両チーム中2日と厳しい状況での対戦となったが「筑波大さんはメンバーを大きく変えないという選択をしたが、我々は強度の高いゲームを120分戦ったあとでは難しいという判断をした」(東洋大・井上卓也監督)。「筑波大さんとやるときは、お互い睨み合のようなシチュエーションになることが多い」(同監督)という言葉どおり、序盤は両チーム拮抗した展開に。しかし31分に均衡が破られる。清水大翔が左から入れたクロスに廣井蘭人が反応。ゴール前でワンバウンドしたボールをボレーシュートで叩き込み筑波大が先制する。ビハインドを負った東洋大は、後半の早い時間帯から髙橋輝、田制裕作、村上力己、山之内佑成、依田悠希といった天皇杯に出場したチームを次々と投入。「5枚の交代カードは最大限に使うつもりだった」(井上監督)という東洋大が主導権を握り筑波大ゴールに襲いかかるが、筑波大GK・佐藤瑠星の好守もあってどうしてもゴールを割ることができない。試合はアディショナルタイムに突入。このまま筑波大が逃げ切るかと思われたが、髙橋愛翔のクロスに飛び込んだ山之内がボックス内で倒されてペナルティーキックを獲得。90+4分、これを山之内自身がゴール左隅に決める。天皇杯で柏レイソルから先制点を奪った山之内の連続ゴールで、東洋大が土壇場で追いつき1-1で試合終了。両チーム勝点1を分け合った。
天皇杯地域予選出場のため延期となっていた第7節の一戦。2勝目を狙う最下位の流通経済大学と2位を守りたい日本体育大学の試合は、思わぬ大差がつく結果となった。最初にスコアが動いたのは開始早々の5分。流通経済大は坂本光が右からゴール前にクロスを入れると、これを松永颯汰がオーバーヘッドで決めて先制。流経大はその3分後にもセットプレーからチャンスを作ると、松永のグラウンダーのクロスに西川楓人が合わせて追加点。流通経済大が2点を先取して試合を折り返した。後半も試合は流通経済大が主導権を握る展開に。後半開始早々の48分、流通経済大は相手DFのクリアミスからボールを拾うと、そのまま巧みなトラップでボールをキープ。DFをふりきってシュートを放ちゴールネットを揺らす。松永は65分にもペナルティーエリア手前で相手のパスミスからボールを奪い、そのままゴール前に侵入。右足を振り抜いて4点目をマーク。自身も3点目を挙げてハットトリックを達成した。さらに終了間際の86分、松永は鮮やかな切り返しで相手DFを翻弄。そのままゴール左隅にシュートを突き刺してダメ押しの5点目を挙げる。松永が4ゴール1アシスト、すべての点に絡む大活躍で流通経済大が5-0と大勝を収めた。この勝利で流通経済大は12位から8位へと大きくジャンプアップ。降格圏からの脱出に成功した。一方、後半はシュートを1点も打てず完敗を喫した日本体育大学だが、3位の筑波大学が引き分けに終わったため辛うじて2位をキープ。しかしながら、筑波大はもう1試合未消化試合が残っているため、2位でリーグ戦を折り返せるかどうかは微妙なところだ。
同じく天皇杯地域予選のため延期となった第7節、勝点2差の4位・明治大学と5位・日本大学が直接対決。直近の試合である第11節の試合で敗れ、約1年半続いたリーグ戦無敗記録がストップした明治大だが、そんなネガティブイメージを払拭するかのようにこの試合では早い時間帯に先手を取る。16分、真鍋隼虎のスルーパスに鹿島アントラーズ内定・林晴己が反応。相手DFを個人技を駆使してかわすと豪快なミドルシュートを突き刺して明治大が先制する。後半に入ると明治大がさらに攻勢を強めるが、なかなか追加点を挙げることができない。逆に65分、日本大は阿部水帆が左から上げたクロスがオウンゴールを誘発し同点に追いつく。しかしその6分後の71分、今度は明治大に決定機。林がペナルティーエリア内で粘り強くボールをキープし、そこに上がってきた真鍋にパス。これを真鍋が決めて明治大が2-1と再びリードを奪った。試合はそのままアディショナルタイムに突入。明治大が逃げ切るかと思われたが、コーナーキックからの混戦の中で黒沢佑晟が倒されて日本大がペナルティーキックを獲得。これを平尾勇人が沈めてスコアは2-2に。だが日本大は最後まで粘り強く戦い、まさに終了間際の90+9分、松本大地の左サイドからのクロスを平尾が頭でそらしてボールは逆サイドへ。これを白濵聡二郎が蹴り込んでネットを揺らし、日本大が土壇場で逆転に成功する。ゴールを認めるホイッスルの後、すぐに試合終了の笛が鳴り試合終了。2-3で日本大が劇的な逆転勝利を収めた。無敗記録を続けてきた明治大が、まさかの2連敗で5位に後退。かわって日本大が4位に浮上した。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
1部リーグ6月14日・15日開催分 全結果・順位表